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「ウチのキャンピングカーで一杯やらないか?」

前に走ったことのあるmotoさんから、そんな悪魔的にステキな誘いを受けたのが金曜の夜。保険請求や確定申告など山積する問題も、こんな誘惑の前には、無力に等しい。 次の日の土曜、光の速さで書類仕事をやっつけ、俺はRocketIIIにまたがった。

時刻は午後1:40。

motoさんと待ち合わせは、東金道の山田インター。高速でブレーキ抜けたらめんどくさいから、多少時間はかかるだろうが下道でゆっくり行こう。一時間半くらい見とけば行けるだろう。そう思いながら16号を快調にすり抜け、126号に入ったところで、俺は愕然とした。

「あんだ、この道。すり抜ける隙間がねぇじゃん」

ちと東金街道をナメてたようだ。だが、そんなことで心を折られる俺じゃない。センターラインから反対車線を、『かみルール』によってMy道路に制定し速度を上げる。かみルールとは必要時に随時制定される便利な汎用法律のことである。

ま、いつものことだ。

いい加減に反省しろって話だ。

しないよ。

 


午後2:20、126号の山田インター近くに到着。

motoさんにメールを入れると、「反対側のセブンイレブンで待つ」とのことなので、そちらに向かった。面倒なので、グローブだの地図だのは、荷物を後ろにくくりつけているゴムバンドに挟み込む(太字重要)。

イレブンにつくと、motoさんがアドレスV100と一緒に待っていた。

お久しぶりーと再会の挨拶を交わし、さてそれじゃあ行きましょうかとなったところで、


姉さん、事件です。

グローブをどこかに落っことしたです。


motoさんに「ごめ、ちっと待ってて」とわびると、来た道を速攻で引き返す。幸いグローブは、最初に停まってメールした場所の近くに落っこちてた。グローブを拾い上げ、途中でこちらに向かってきたmotoさんと合流し、moto家に向かい。

3:00前ころかな、moto家に到着する。

時間的に中途半端なので、どうしようかとしばらく話し込んだ。


「このまま呑んじゃう?」

「いや、さすがに時間が……」


motoさんのが俺より大人だ。
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ここにあるだけで単車四台。ほかにも持ってるんだから、うらやましい限りだ。

いやまあ、俺は何台も持ってたとしても愛せないから、RIIIとSDRで充分なんだけどね。

でも、オフ車ほしいなぁ。
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これが件(くだん)のキャンピングトレーラ。

こう見ると狭そうだが、中はかなり広い。さすがメリケン人用だ。

 



さて、走りに行くにしても、時間的にそう遠くまではいけないだろう。

どうしようかと話していたらmotoさん。

廃教習所があるんですけど、そこで走ります?」

ブラボー!

何でこのヒトは、俺のツボを刺激するステキ企画ばかり持ち出すんだろう。俺が局長なら、この敏腕プロデューサーの給料は、本日から三倍だ、マジで。視聴率80%超えは間違いない。『俺限定』てのが唯一の弱点だけど。

んで、その廃教習所まで裏道チックな場所を走ってったのだが。

もーね、鬼だこの男

KTMなんて600cc超えのモタードバイクで、スリッピーな裏道をありえない速度でぶっ飛んでいく。田舎の裏道っぽいところを150オーバーだの、林道に毛の生えたような道を百オーバーだの、も、ついて行くのが精一杯。心臓が3回くらいクチから飛び出した

ところが、だ。

こっちがそんな調子なのに、motoのヤロウ(このへんから表記が変わっていく:笑)、フロントひょいひょい上げるわ、冗談みたいに簡単にテールスライドさせるわ、も、やりたい放題。軽くキチガイ沙汰である。やっべ、俺やっぱこの男、大好きだ。

 

そんなこんなで、途中の駐車場で一服。

俺は飛び出した心臓を口の中に押し込みながら、moto君とpoitaさんの出会いの話だの、今から行く廃教習所の廃れた顛末だのを聞く。緊張から解かれ弛緩した身体に、タバコが染み渡る。我知らず笑みがこぼれた。
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この駐車場から程近い場所に、廃教習所がある。

 

廃教習所についた。

思ったよりもずっと広い。moto君の話だとこれでもずいぶん荒れてしまってるらしく、半年前より走れる部分が少なくなってるということらしいが、ふたりでバイク遊びするには、充分だ。動かない信号機とか、公道っぽい白線が、世紀末チックで最高にステキ。

見てるだけでわくわくしてくる。

野宿セット一式もって、ここで泊まりたいくらいだ。つーか、たとえば人数集めてヴィディオ撮るとか、ゼッタイ楽しいぞココ。出来上がるのも、マッドマックス的なステキ画像なのは、間違いない。俺の周りにいるの、ガラの悪いヤツばっかりだし。

やっべー、 近くに住みてぇ。

いっそここで暮らしてぇ。
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廃教習所の、メインストリート。

向こうに見える信号機は、もちろん動かない。自分でもアタマ悪いなぁと思うのだが、動かない信号機があるだけで、すげえワクワクテンションが上がってくる。mioさんとか、ゼッタイ好きだろうね、こういうの。タチ悪いの三人くらい並べたら、相当、絵になるだろう。

などと感慨にふけっていると、moto君が走り出した。
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写真、よく見てほしい。

この先、まだ直線が続くってのに、車体の方向がおかしいだろう?

そう、写真ではわかりづらいが、ちょうどアクセルを戻し、エンブレでリアがブレイクしたところなのだ。このまま横向きにスライドして行って、コーナーを立ち上がるのである。間違いなく、変態だと言えるだろう。見てると、「おぉ!」しか言葉が出ない。

あと強いて出てくる言葉といえば、「俺もモタード買おうかなぁ」くれぇか。

 

俺も負けじと、RocketIIIにまたがっていろんな練習をする。

とはいえ、しょせんは俺。間違ってもmoto君のような変態ではないので、普通に定常円を書いたり、軽くホイルスピンさせたり、せっかく教習所なのでクランクの練習したりとか、かわいいもんだ。どっちかって言うと萌え系だ。

と、moto君のエンジン音がおとなしくなり。
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なんだ?

と思ってみていると。
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おいっ!

 
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おいおいっ!

 
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ぎゃはははははははははははっ!!

も、変態、ココに極まれり。

俺は大爆笑しながら写真を撮る。moto君に拠れば、この走りを達成するために自転車からはじめて、原付きを坂道で後ろ向きに乗る練習とか、かなり苦労したらしい。 ものすげえアサッテな苦労。絶好調にベクトルの間違った努力。最っ高にステキ。

もちろん、そんな努力のさなかにも、この男らしいバカ話があって。

仕事帰りに毎日毎日バックライドの練習してたら、散歩してるおばさんに目撃され、

『バイクに乗った不審者が出ます』てな

回覧板まわされたそうだ。

キチガイ沙汰のエピソードに俺はまた、腹を抱えて大笑い。

本人はニヤニヤしながら、「最終的には乗ったままスイッチバックしたい」などと、変態らしいアホ発言をしていた。もーね、こんだけやられたら、ベタベタに気に入るに決まってるだろ。最っ高に俺好み。 ホモセクシャル疑惑が発生しかねないほど気に入った。

この男、楽しすぎ。
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陽も傾き、それじゃあ帰って宴会やるべ。

moto家に戻った俺たちは、荷物やRocketIIIをキャンピングトレーラにおいて、moto君のアドレスV100でヤロウふたりのニケツでお買い物に出る。こんな楽しい男と飲むのに、『つまみが切れた』とかいう事態になれば、かなり悲しい話になることは明白だ。

なので刺身や揚げ物をがっちり買い込んで、moto家に戻った。

キャンピングカーに入って、さぁ、宴会だ
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中は、思いのほか広い。規格がメリケンだからだろうか。

 
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とりあえず、ブラウマイスターで乾杯したら、刺身をつまみながら、絶好調の宴会だ。

moto君の昔話や俺の昔話、バイクに車にボートの話まで、やはりにらんだ通り、この男、すげえたくさんの引き出しを持っている。んでまた、ただ乗ってたとか持ってたとかじゃなくて、それにまつわるバカ話が山ほど出てくるので、笑いながら、喋りながら、急ピッチで杯が空いてゆく。

こんな楽しい夜なら、明けないでほしいね。


と、話し込んでるところにmoto君の携帯が鳴る。

しばらく話して携帯を切ったヤツは、にやりと笑って言った。

「poitaさん、顔出すって」

朗報だ。

ゴキゲンになたっところに、変態度では俺らふたりなど足元にも及ばないあのヒトを肴に呑めるってんだから、こりゃ楽しいに決まってる。そうしてまたバカ話に興じていると、お土産に寿司をぶら下げ、 変態仙人コトpoitaさんが叫びながら登場。

「ケンタッキーが売ってねーんだ。宴会の差し入れつったらケンタなのに」

と、相変わらず少々残念なヒトっぷりを発揮しながら、スーツ姿でやってきたpoitaさん。

大将が宴に加わり(車で来たので、呑みはしないのだが)またも俺は超ゴキゲン。そのうちpoitaさんへバイク屋から電話がかかってくると、俺とmoto君は無言のアイコンタクトでタッグを組み、ささやき声や身振り手振りで、なんとかpoitaさんを笑わせようとする。

まるきし、ガキだ。

だが、最高に楽しい夜だ。



12時過ぎころだろうか。

明日仕事だというmoto君の、「そろそろ寝る」つー言葉を潮に、poitaさんも帰り支度を始める。俺も持参のシュラフを引っ張り出して、お泊りの準備だ。笑いの絶えない、でたらめに楽しい時間は 、最高の思い出を残しつつあっという間に過ぎ。

都合6時間強の宴は、こうして幕を閉じた。




その翌日は、歴史民族博物館を見学。



歴史民族博物館を出た俺は、県道65号、佐倉印西線を北上。

国道464の渋滞を避けて利根川の川沿いを、のんびりと西行する。利根水郷ラインのまっすぐな道を走っているうちに、花粉パワーによる分泌物で顔面がえらいことになってきたので、ぶっ飛ばしたりはしない。晴天の心地よい風を受けながら、のんびりと走る。

土手沿いには、あちこちに花が咲き、もう春なんだと主張している。

春の証拠たちを眺めながら、昨日のステキな宴を思い出しながら。

俺はヘルメットの中で、顔がほころんでくるのを止められなかった。

 

朝晩は寒いこともある。

でも。

なあ、みんな。

 

春が来たぜ。

 
# by noreturnrydeen | 2007-03-03 12:44 | でっかいもん倶楽部

白鳥のいる村



本日は朝から快晴。

いくらリアブレーキがまるきし効かないからつって、こんな上天気に出かけないんじゃ、単車の神様に申し訳が立たない。幸い気温も高いし、こりゃ、ツーリングとまでは行かなくても、軽いお散歩くらいは行きたいなぁ。てなわけで、午後二時ころ、のっそりと出かける。

目的地は千葉県印旛郡、本埜村(もとのむら)。

印旛沼の近くで、ココに毎年白鳥が飛来するらしい。去年あたりは1000羽を超えたらしいのだが、今年は暖冬の影響か、あまり数が多くないという。たいした距離じゃないので、ふらっと行って白鳥でも見てくるか。




走り出す前にエアサスの空気を全部抜いて、伸び側のエアだけを入れる。

そう、リジットサスにしてみたのだ。

前から試したかったので、今日はゆっくり走る条件でリジットで走れるかを実験。

速度を抑えて、60くらいで走っている分には、国道のような道がフラットなところは、それほどの苦痛もなく、むしろド低いおかげでものすげえ楽な気持ちで、走ることが出来る。ただ、これだとさすがにフォアコン&ロングハンドルが欲しくなるが。

あと、ちょっと舗装が汚くなると、小さなギャップを拾ってガタガタになる。

もちろん、その分、速度を落とせば、なんてことはないんだけど。

つーかこりゃ面白いから、完全に攻めないと決めた日は、時々やってみよう。

 
 

16号から464号を走り、県道12号を北上すれば、左手に「白鳥」の看板が見えてくる。

両脇が切りっぱなしの土手の上を、かるく四国を思い出しながら走れば、「第二駐車場」の看板が見え てきた。左折して土手を下ると、第二駐車場は目の前だ。

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止めた先に、なにやら小屋がある。

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おそらく、白鳥の飛来した数が多いときには、この辺からでも見えるのだろう。

今日はせいぜい100羽程度と、とてもじゃないがココから見るとかのレヴェルではないので、歩いて白鳥を探しに行く。なお、第一駐車場も、それほど近いわけじゃない。ただ、バイクに関しては(おそらく原付のことをさしてるのだと思うが)もう少し奥までいける。

もっとも、せっかく白鳥を見ようなんて風情をかもしてるんだ。

晴天の下、冬らしからぬ暖かい太陽に照らされ、のんびりと歩くほうが気持ちいいだろう。

俺は白鳥ポイント目指して歩き出す。

 
 

しばらく行って、すれ違った老夫婦に白鳥の位置を尋ねると。

ものすげえ遠くを指差して、「あそこだよ」と教えられた。

親切に教えてくれてありがとう。

でも、おじさん。

ボクはあなたの指差す先に、何も見つけることが出来ないのですが?

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絶望的な気分で歩いていると、↑上の写真の農家のところにたどり着く。

その農家の脇からのショットが、↓下の写真。
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ねえ、ママ。ちっとも白鳥に近づかないよ。



距離的には、ココでようやく半分来たと言うところか。

わりと風情とかどうでもよくなって、タクシー通らねぇかなとか考えながら、白鳥の飛来地を目指して、ひたすら歩く。つっても時間にして10分から15分くらいだろうか。目の前に、大勢のヒトが集まってる場所が見えてきた。

白鳥らしき白い影も確認できるようになった。


と。

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道端に羽毛が散乱してる。



写真を取って顔を上げると。
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いた。

なんか、鴨みたいなのも一緒にわらわらと居る。
白鳥のいる村 _e0086244_22314065.jpg

乾いた田んぼに、ココだけ水を張って、白鳥を呼び寄せているらしい。

車や単車を近くまで入れないのも、もちろん、白鳥が驚いてしまうからだ。

クワクワと色気のない声で鳴きながら、白鳥はえさを食ってた。

白鳥のいる村 _e0086244_2232712.jpg

見る側には、こうして竹の柵が立てられてる。一見貧弱だが、よく見るとおまじないというか呪いというか、とにかくヒトが白鳥を脅かしたり白鳥の居るところまで行かないような、呪(しゅ)がかけられていた。

白鳥のいる村 _e0086244_22322479.jpg

こんな感じの幼い文章がずらり。

効能としては、感動するというより、大人のやることの『あざとさに辟易して、柵を超える力もなくなってしまう』と言うところだろうか。ま、どっちにしても白鳥が安心して冬を越せるのなら、すばらしいことだとは思う。

白鳥のいる村 _e0086244_22325938.jpg

数的には、せいぜい数十羽と言うところ。

100はいないと思う。

ぜひとも、1000羽を超える群れの姿を、見てみたいものだと思った。
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のんびりと優雅に飛ぶ、白鳥の姿を脳裏に焼き付けて。

俺ものんびりとした気持ちで、家路についた。

来年も、また来るよ。

 
# by noreturnrydeen | 2007-02-12 22:24 | ソロツーリング
<前編はこちら>

ダムだ。
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ちなみに、大きさは↓こんくらい。
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真ん中の豆粒みたいなのが、poitaさんとmioさんだ。

ふたりがダム見学してる隙に、俺は途中で買い込んで来たブレーキフルードを足して、走りの準備を整える。さらにトイレに行って 出すものを出し、マシンと人間両方の準備が万端に整ったら、いよいよお待ちかねのとき。

レッツ・ワインディングロード。

下りながら登りながら、ぐいっと曲がってゆくダイナミックなコースに、様子を見ながら走る俺は、流れるよだれを押さえ切れない。もちろん、前を行く黄色いヒトも、ヘルメットの中 は間違いなくよだれだろう。セントバーナードばりに。

mioさんの先導で一本走ったあと、Uターンして、さあ、行こうか。

 



やっべー! 相変わらず速いね、イエローロケット。

クラッチ滑ってるから立ち上がりはイマイチだけど、コーナリングスピードは、クルーザーのレヴェルじゃないよ、このヒト。復調したら、どうなっちゃうんだろ?

最初のうちは、ブレーキングからカットインした瞬間、ぐぐぐっとアクセルオンで旋回してゆく、Rocketのイチバン気持ちのいい走り方だったのが、poitaさんに引っ張られて、どんどん突込み気味になってゆく。いかん、いかん。気持ちよく走ることを心がけ……ブオーン!

くっそ、速っえぇなぁ、poitaさん。

でも、俺も面白くなってきた。ギャップに乗り上げても、ステップに荷重できてるから、怖くない。いいぞ、面白い。へへっ、なんだか笑いがこみ上げてくるな。いろんな楽しみ方あるけど、やっぱ、単車はコレがイチバン面白いよなぁ……って、あれ?

うっわ、来やがった!

案の定、リアブレーキがスカスカになる。

こう毎度毎度だと、ヘコむとかムカつくより、むしろ笑う。結局、途中でリアブレーキが死ぬまで、休憩を入れながらpoitaさん、mioさんと走り倒す。つっても、三本くらいかな? poitaさんの息が上がってきたのを潮に、休憩所でまたもダベリング。
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mioさんとは初めて会ったのだが、カケラもそんな気がしない。

そりゃ、多少の遠慮はしたが(アレでもしたのですよ、mioさん)、気持ちのいい天気と、気持ちのいいロケーションと、気持ちのいい男に会えて、俺はもう、まったくもって最高にゴキゲンだった。

そして同時に、俺は心を痛めている。

こんな気持ちのいい男が、俺とpoitaさん、ふたりのダメ人間に、あろうことか家まで教えてしまったという事実に。遠いpoitaさんはともかく、柏なら秩父なんてお散歩コース。もうカンベンしてくれつーくらい、遊びにいってやる。

 


とにかくまたひとり、面白れぇオトコに会えた。

面白れぇ道も教わった。

俺の単車ライフが、またひとつ、面白くなった。最高に楽しい一日だった。むしろmioさんが用事で帰るってのに、俺もついて行っちゃおうかと思ったくらい。ま、おとなしく帰ってきたけど。んで帰り道、俺が先導してたら、またも見事に、道を間違えたけど。

poitaさんが気づいてリカバリしてくれたので、事なきを得た。

つーか俺ひとりなら間違いなくそのまま、秩父に向かって走ってたね。そんで、mioさんの家を急襲してただろうね。さらに、勝手に晩飯まで喰って、酒も飲んで、家人の迷惑なんぞ、これっぱかしも省みることなく、ゴキゲンに喋り倒してただろうね。

あれ? それでもよかったか(よくありません)。

 

こんなうれしい出会いばかりだから、また、走りたくなっちゃうんだよな。

さて。

じゃあ、次はどこに行く?

 
# by noreturnrydeen | 2007-02-04 10:11 | でっかいもん倶楽部
いつもの仕事と同じ時間なのに、どうしてこう気持ちよく起きられるんだろう。

もちろん走りに行くから。その上、ダメ人間のダメ走りに付き合ってくれるpoitaさんがいるから。さらに、web上で知っていても会うのが初めてなmioさんとも顔合わせ。楽しみは倍増だ。俺、生まれてからこっち、人見知りとかしたことないしね。

ちょっと余裕を見て、早めに出発。何が起こるかわからないからね。

柏インターから常磐道に乗り、気持ちよく走り出す。天気は快晴、気温も心配したほど寒くない。オマワリもいないし、ここはひとつ、気持ちよくかっ飛ばすとするか。ひゃっほー!  絶好調ぉー! しっかし、それにしても今日はキチガイ沙汰に風が強いなぁ……

ぶおっ!

「あぁっ!」
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タンクバッグが吹っ飛んだ。

あわてて路側帯に単車を止め、転がってるタンクバッグのところまで走って戻る。

だが、すっ飛ばしてたので、すぐ停まったにもかかわらず、かなりの距離を進んでしまっていた 。落としたタンクバッグを取りに行くと言う、ベクトル的に後ろ向きな作業であることが、アサイチからやらかして傷ついた俺の心を、さらに蝕む。

タンクバッグのところまで、タクシー拾いたいとか、わりと真剣に願ったね。


「ま、つまりコレは、浮かれてる俺に、神様が気をつけろという意味で……」


自分をごまかしながら歩いていると、後続車が次々とやってくる。みんな路上にある黒い物体を、きれいにまたいで通り過ぎて行ってくれる。と、拾うタイミングを見計らって、よーいドンの構えをした俺の目の前で、強い横風が吹いた。 当然、転がるタンクバッグ。

あぁ、と悲鳴を上げる俺。

そして……無情にも俺のタンクバッグを「ぼシュッ!」という破裂音とともに轢いてゆく、巨大なトラックさん。朝からお仕事ご苦労様です。轢かれたタンクバッグは見事な放物線を描き、避けた口から舞い散るのは、朝日を浴びて銀色にきらめく、3000円分の百円玉






拾ったね。

追い越し車線まで駆けていって、過ぎてゆく車の合間を縫い、100円玉を泣きながら拾ったよ、俺。その姿は、ミレーの名画『落穂ひろい』に匹敵する美しさだったに違いないね。 そうでも思わないと哀しくて手首切りそうだね(ミレーに謝りましょう)。

『なにかあってもいいように』と早く家を出たわけだが、本当に何かあっちゃダメだろ。

ブツブツ文句を言いながら、なんとか百円玉を拾い集めると、気を取り直して出発。結局、遅れちゃいそうだなぁ。やばいなーと 焦りながら、poitaさんと待ち合わせの新倉PAに着いてみると、あれ? 黄色いRocketIIIがいないぞ? おかしいなぁ……

するとメールが来てたので開いてみる。

poitaさんからだ。

「少し遅れる」

なはは、ダメ人間はいいねぇ。




しばらくして合流した俺たちは、お互いに

俺「風が強いから、ゆっくり行きましょう

poitaさん「そうだね。俺もクラッチ滑ってるし」

と、新倉を出る。

そしてもちろん、このセリフを言ってるあいだ俺たちは、お互いの目を決して見なかった。ほら、ふたりともあんまりウソが得意じゃないから。なんつーの?  ウソのつけない純粋な心を持った、少年のような瞳のもういいですかそうですか。

でまあ、案の定。

新倉を出て、外環を関越方面に走り出しておよそ5秒、poitaさんのRIIIが160を超え始める。俺もアクセルを開ける。が、確かにpoitaさんのクラッチは滑っているようで、排気音が高まってもマシンが前に出ない。しばらく走るうち俺の中の悪魔が目を覚ます。

パワーをうまく路面に伝えられないイエローロケットの横を、するすると抜け出し、簡単に前に出る。それを横目でにらみながら、追いすがりたいのにマシンが前に出なくて四苦八苦してるpoita号 。可哀想なその姿をミラーの中に確認すると。

ヒュゴー!(ノーマルマフラーだから、こんな音なのだ)

poita号、ミラーの点。

しばらく走ったら、ロール切ったりして遊びながらpoita号を待つ。

そしてまた、ヒュゴー!

ああ、気持ちいい。なに? 卑怯? 汚い? 何とでも言うがいい。poita号が復調したら、こんなことは出来なくなるのだ。それに、poitaさんだって、ホンキでどうのって思うわけじゃない。ただ、イかれたことより、マシンが不調なことで悔しい思いをしてるだろう。

それでいいのだ。なぜなら、俺らは似たもの同士、ダメ人間だから。

逆の立場なら、あのヒト、ゼッタイ同じコトやってるから。

 
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花園インターを降り、ようやく道の駅「はなぞの」に到着。

 
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mioさんと、はじめましてのご挨拶。

 
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つーか、挨拶もそこそこに、ビートルバッグをはずす俺。

なぜなら、リアブレーキからオイルが駄々漏れしてるから。 なんだろう? やっぱりヤマハのシールじゃだめだったのかなぁと不安になりながら、キャリパーを見てみると、何のことはない、ただのケアレスミス。ブリーザーバルブが緩んでた。ウカツすぎ。

mioさんが心配そうな顔をしてるので

「あ、大丈夫っす。俺、こういうのいつものことなんで」

つったら、苦笑してた。

ブレーキオイルがなくなってしまっているので、とりあえずどこかでオイルを買って、峠の前にオイルを足してやればいいやということで、バッグを戻した後は、強風の元、三人でしばらくダベる。しばらくっつーか、軽く二時間くらいか。

いろんなことを話してると、あっと言う間に時間がたつ。

 


昼も過ぎて、それじゃあ飯を食いに行こうと、道の駅を出る。

mioさんの先導で、140号を秩父方面に。本日のメイン、浦山ダムに向かう途中でうまい蕎麦屋につれてってくれるということらしい。黄色いRocketのヒトは、「俺は日本でイチバン蕎麦好きな40歳だっ」とか、相変わらず気の毒なことを言ってた。

なんでこのヒト(も、俺も)「○○でイチバン」とかそういうフレーズが好きなんだろうね。

ま、だからRocketIIIなんて変態バイクに乗ってるんだろうね。

 

一軒目が臨時休業だったので、もう一軒の蕎麦屋に到着。
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つーか、ツーリングをきちんと企画してやるの自体、俺的にはすげえなと思うのだが、目的の店が閉まっててもきちんと代案があるってのがすげえと思う。俺なら確実に、「もう、めんどうだからファミレスでいいよね」になるだろう。

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駐車場から、店に向かう光景。この黄色いM&M’sの背中。

こうしてみる分には何てことないんだが、高速や峠で後ろから見る (見せ付けられる)と、無性にハラ立つんだよなー。ま、今日はいいだけイジメたったからそーでもないけど(そう言うこと言ってるから仕返しされるんです)。

 
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なにやらクールなmioさんの背中。

寡黙と言うか、静かなヒトだ。

ま、俺とpoitaさんがおしゃべりなだけって話もあるが。



ここで10分ほどだろうか、空席を待って、店に入る。
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mioさん、ざる2枚。俺、ざる2枚+もり2枚。んで、poitaさん、もり5枚

喰いながら、「すいませーん」と店員を呼ぶたびに、ほかのお客の冷たい視線を浴びる。

やってきた店員も、「そば湯おかわり」の言葉に、心なしかほっとしてたようだ。

「もり、4枚追加」とか言うと思ったんだろうね。



<参考リンク>



腹いっぱいになり、しばらく喋ってから、待望の浦山ダムへ。

と、そのまえにmioさん、「ウチへ寄っていきます」。後ろについてちょっと走ると、mioさん宅へすぐに到着。なんで家に寄ったかと言えば、なんと、使ってないハンマーグローブを俺にくれるというのだ。 なにその太っ腹。黄色いヒトより太っ腹。
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ハンマーとかこう言うマッドマックス系のアイテム、大好き。

今日は暖かいから、峠はいつものハンマーガントレットじゃなく、コレで行こう。

 



ところでmioさんと言えば、ペットのヘビ、ハル君が有名だ。

せっかくお宅にお邪魔したんだし、ここでハル君に会っていかなければ、一生後悔することは、想像に難くない( さすがにそれは言いすぎです)ので、ハル君に会わせてもらうことにする。ペット小屋つーか、むしろ離れの小部屋くらいの規模の小屋の扉を開けると、

中からmioさんのお父さんが出てくる。

ダメ人間ふたりはお父さんに挨拶すると、興味しんしん、おっかなびっくり小屋をのぞきこんだ。

と。
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カメー!

なんかでっかい亀がいるよ?

余りのでかさに、かなりビビりながら、それでも上の写真じゃ大きさがわかりづらいだろうと、比較対照にpoitaさんを交えて、亀を撮影することにした。なんて気のきく、かみ君37歳 。市原悦子も目じゃないね。さて、それじゃ亀のデカさを確認してもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
16th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 秩父浦山ダム(前編)_e0086244_106331.jpg

すまん、人選を誤った。

いや、これでも十分すぎるくらい大きいことは伝わると思うが、よく考えたらpoitaさんは、あのRocketIIIでさえ小さく見せてしまうヒトだった。mioさんと比較して撮りゃよかった。 むしろpoitaさん意外なら誰でもいいのに、ピンポイントでイチバンダメな人選だった。

 

亀にビビった後は、お待ちかね、ハル君とご対面。
16th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 秩父浦山ダム(前編)_e0086244_1081532.jpg

でけー! カッけー!

ウチの若い衆に見せたら、うらやましさに悲鳴上げるね、間違いなく。
16th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 秩父浦山ダム(前編)_e0086244_1083240.jpg

個人的には、この子がかわいくて好き。

 
16th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 秩父浦山ダム(前編)_e0086244_1084650.jpg

mio家の庭。

ウラから入って表から出られる、Uターンレスな生活。あこがれるなぁ……

 

かみ&poitaの建物探訪(mio家編)も終り、こんどこそ浦山ダムへ。

家から数分で峠の入り口とか、最高にうらやましいロケーションだね。poitaさんも言ってたけど、収入のめどさえつくのなら、俺はこういうところに住みたい。つーか、チェックしてみたら結構あったんだよな、整骨院。イケっかな? (安易な転院はやめましょう)
16th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 秩父浦山ダム(前編)_e0086244_1091749.jpg

美しい光景だが、落っこちたら命はないだろう。

いや、四国からこっち、高いところに来るととりあえず「ここから落ちたら」ってシミュレーションしちゃうんだよね。こうなるともう、トラウマとか恐怖症を通り越して、むしろ芸風だと思うね自分でも。

<後編に続く>
# by noreturnrydeen | 2007-02-04 09:51 | でっかいもん倶楽部

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