XB12X ラジアルポンプマスターシリンダー
2014年 10月 29日
こないだ秩父へ行ったときから、ブレーキのタッチが気になってた。
チェックしてみると、レバー自体にガタが出てる。ま、5年近く使ってるしね。
で、いくらメンテナンスをしても、「削れてなくなったモノ」は元に戻せない。
ブレーキだから、ワッシャーを入れるなどの、ハンパな対応も危険だ。
減ってるのがレバーだけなら交換で済むのだが、バラしてみると「マスター側も削れてる」っぽい。
「それじゃあ奮発して新品のマスターを買おう」と決めたら。
ノーマルを探すか、社外品にするかを決めてから、次の手順に移ろう。
サーキットユースは知らないが、ストリートにおいて、ノーマルのブレーキはいい仕事をする。
出来ればこのタッチを変えたくないので、ノーマルを買うのがベストなんだが、新品は見つからない。
オークションで中古を買うのも、いったんオーバホールすることを考えると手間の割りに安くない。
今後の部品調達も考えて、社外品を買うことに決める。
「どうせ社外にするなら、ラジアルポンプを入れよう」ってのはすぐ決まり、お次はサイズ。
社外でメジャーなのは、ブレンボの16φと、ニッシンの17φなのだが、ここで疑問がわく。
ノーマルと比較したときの、吐出量やタッチの変わり方についてだ。
レバー比や形状にもよるから、一概には言えないだろうけど。
ノーマルの「横置き1/2インチ(12.7mm)」に対して、17だと大き過ぎるんじゃないだろうか?
よく、「カチっとした手ごたえ」なんて言うけど、要するにそれは大きすぎて硬いんじゃ?
それなら高くてもブレンボの16の方がいいだろうな、と考えつつ検索してたら。
個人的にベストだろうと考える、15φのラジアルポンプが見つかった。
それもなんと鍛造で、なのに激安。
ブレンボなら5万からする鍛造ラジアルが、1.8万(ショップによってはそれ以下)で売ってる。
一瞬、大喜びしつつも、モノがブレーキだけに、いったん冷静になって考える。
安物買いは銭失いどころか、命を失いかねない。
見つけた商品名をグーグルさんに放り込んで、いろんな人のインプレを読んでみる。
と、評判は上々のようで、だいぶん、購入意欲が固まってくる。
さらに、友人連中からも「悪くない」って話が、アチコチから入ってきたので。
意を決して購入してみたのが、かれこれ2~3週間前。
それが本日、ようやく着荷した。
「FRANDO ラジアルポンプマスターシリンダー 7NB φ15」
台湾製、アルミ鍛造の15φ。
あっちではレースで使ってる人も多いみたいだから、とりあえずクオリティは及第だろう。
この値段で、リザーバタンクとステーに、油圧スイッチまで付いているのもお買い得。
現物を見ても、仕上げがとても綺麗で、安っぽい感じはしない。
動かしてみても変なガタはなく、スムーズで気持ちがいい。
「コレはいい買い物をしたなぁ」と喜びながら、早速、取り付け作業へ移る。
作業は慎重にさえやれば、さほど難しいこともなく。
フィッティングしてリザーバタンクやミラーをつけ、オイルを入れてエア抜きするだけ。
ただし、クラッシュワッシャーは同梱されてないので、別途に用意する必要がある。
俺は今回、新品のアルミクラッシュワッシャーを使った。
エアが抜けて手ごたえが出たら、各部を本締めして取り付け終了。
続いて、ブレーキスイッチの配線に移る。
もちろん、付属のカプラーは形が違うので、ぶった切って、手持ちのカプラーでつなぐ。
今回は小型のカプラーで、すっきりとつないでみた。
そしたら、念のために防水と擦れの養生をする。
シールテープで下巻き。
それから得意のブチルテープで上巻きして完成。
って、写真を分けて撮るほど、大げさな作業でもないんだがw
取り付け終わったら、可動部分へ注油。
チカラのかかる場所なので、ナスカルブを浸透させてやり。
動きをもう一度確認してから、キーオンでブレーキランプの点灯確認。
全部OKだったので、最後にハンドガードの調整をする。
マスターの外側には入れられなかったので、内側へ入れてから、ガードの微調整をする。
レーステックのガードは、異常なほど調整範囲が広いので、それほど苦もなくフィッティング完了。
左右長を目いっぱい伸ばして、今までより数センチほど横長になったガード。
ま、俺以外の人間には、間違いなく、違いなんてわからないだろうけど。
いいんだよ、自己満足の世界なんだから、単車なんて。
さて、それじゃあ早速、テストライドしてみよう。
まずはエンジンをかけないまま、何度も前後させつつブレーキをかけてみる。
この段階で、「ほとんど差異が感じられない」コトに満足したら、いよいよ走ってみる。
直線で後ろを確認しつつ、何度もブレーキング。
「カチッとした手ごたえ」なんぞ微塵もなく、本当に換えたのか? ってくれえフツー。
街中を本当に「いつも通り」走って、今度は、走りなれてる「通勤ツイスト」だ。
少し速度の乗るS字へ、ブレーキをナメながら進入。
この辺のコントロールは、いくらか「握りしろ」が増えた感じでコントロールしやすい。
そしてなにより、換えたばっかりなのに、異常なほどいつも通りの感覚で乗れる。
それじゃあと、お次は少し長めのストレートを全開で加速し、ガッチリとブレーキング。
気になってた「グググッ」という手ごたえは姿を消し。
すーっと減速してゆく。
やはり気のせいじゃなく、奥の方まで握りこみやすく、コントロールしやすい。
「これはいい! 今までとほとんど変わらなくて、扱いやすさが増えた」
ニッコニコで走れば、ガタのない、気持ちのいいブレーキが、さらにニコニコを加速させる。
まったく違和感を感じず、「今までどおりの走り」で、一気に自宅へ戻ってこれた。
完全に、狙ったとおりの結果になって、大満足の44歳。
台湾製ということで、必要以上に過敏になっていたが、どうやらフランドーはうわさどおり。
実によく出来た、コストパフォーマンスの高いマスターシリンダーだった。
耐久性はこれから検証してゆくが、総じて、値段以上の満足感があったよ。
これからブレーキシステムを変えようと考えてる人は、候補のひとつに入れてもいいと思う。
つーかこんないいんだったら……
3.4万で買える、「鍛造・総削り出し」の方、買ってもよかったなぁ(・∀・)
そんなかんじで。