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タープテスト

 
 
ケシュアのレクタタープを買ったので。

試し張りがてら、ソロキャンプに行こうと思い立った44歳。

忙しい合間なので、近場で済ますべく、「野田市スポーツ公園」へゆく。



つわけで半日仕事を終え、いったん帰宅して準備。

今回は、多少の不便を承知の上で、徹底的に荷物を減らしてみた。

とにかく、何よりも「走りを重視」したセットだ。

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左からコット、タープ、リュックサック、持って行くのはこれだけ。

リュック内に、シュラフ、シーツ、カバーの寝具類と、コッヘル&アルコールストーブ。

リュックの副室に、宿泊用の小さなバッグ、あとの細かいものはリュックのポケット。



野宿ツーリングの装備としては、「歴代最小にして最軽量」じゃないかな?



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コットの横幅があるものの、重量は「あわせて5キロ以下」と、走りへの影響は考えなくていいレベル。

走り出して何度か曲がっただけで、思わずにやりと笑みがこぼれる。

手ごたえが、「空荷で走るのと、ほとんど変わらない」からだ。



もっとも、そのぶんリュックは重いので、そっちは邪魔なんだけど(・∀・)



16号をガシガシすり抜けて、無事、野田市スポーツ公園に到着。

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さて、それじゃあ何はともあれ、タープを張ってみようか。






まず最初に、いちばんシンプルな張り方から。

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両端をペグダウンして、反対の端をポールで持ち上げ、斜め張り。



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最初に両端を地面へ固定してしまうので、ほとんど苦労なく張れる。

なお、わざわざ広いスペースに「背を向けた」のは、風向きがこっちからだったから。

風を受けて力のかかる面積が大きいのは、この張り方の弱点かもね。船の帆みたいなもんだし。



写真を見ても、「風で撓(しな)ってる」のがわかる。






張ったタープをいったんバラして、また、別の張り方をしてみる。

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ポール一本のウイングモード。



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風への抵抗もそれなりだし、見た目よりスペースはある。

ポールの固定ロープを増やせば、一本で済むぶん、重量的にはこれがいちばん有利。

あと、普通にかっこいいから好き(・∀・)






またバラして、お次はいちばんスタンダードな張り方。

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面白味はないが、タープのサイズを最も無駄なく使える張り方だろう。



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ただ、高さが思ったよりあるので、中でイスを使うんじゃないと、上部スペースが無駄かも。

そう思ったので、今度はポールの継ぎ手を少なくして、高さを抑えてみることにした。

つわけで、またバラして組み直し、ロープの長さを調節して……



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さっきの張り方より、350mmほど低くなった。

風への耐性、コットの高さとのバランスを考えると、これがベストか。

いや、張り方がって言うより、高さがね。



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真横から見ると、こんな感じ。風は向かって左から吹いてくる。

ここでいったん、テストを中止して、まずは一杯やることにしよう。

近所のスーパーで買ってきた日本酒で、本日最初の一杯がスタート。



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上善如水(じょうぜんみずのごとし)なんて、すげぇ久しぶりに呑んだ。

若いころは、「あんなもん日本酒じゃねぇ!」的なこと言ってたが、今はもうこだわらないからね。

これはこれで、充分に美味いし、呑みやすいのも悪くないなと思うよ(・∀・)






バタバタとしたタープ張りから一転、のんびりと呑みながら一服つける。

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飛んできたトンボが、張り綱にとまった。

もう、秋なんだねぇ。






さて、しばらくのんびりしたら、また、立ち上がってタープをバラそう。

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最初の張り方に戻したのは、これから「火を使う」ため、天井の高さを稼いだのだ。

アルストとヴァーゴの組み合わせってのは、結構、火が暴走するからね。

大丈夫だとは思うけど、とりあえず、火柱がどのくらいになるかを、チェックしながら使ってみる。



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ぶつ切りのベーコンを炒めながらつまみ、日本酒をぐびり。

あとで料理に使うので、全部食わないよう注意しながら、のんびりと呑(や)る。

暑すぎず、寒くもなく、風も強すぎない、まさにピクニック日和(・∀・)



ベーコンを炒め終わったらコッヘルに移し、今度は鳥のももを焼く。

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脂を出しながらじっくりと焼きつつ、日本酒を呑み切ったので、ウーロン割へシフト。

重たいビンのゴミを出したくなかったので、今日のメインは紙パックの宝焼酎。

それでも足りなきゃ、バッグにはジャックダニエルのポケットビンもある(`・ω・´)






とまあ、ひとりで楽しく呑っていると。

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向こうで宴会やってる団体から、男性がひとり、こちらへやってきた。

「もしよかったら、あっちで一緒に呑みませんか?」

「いや、ひとりでやりたいんで。わざわざ声かけてくださって、ありがとうございます」



笑顔でお断りしつつ、戻ってゆく彼の背中を見ながら。

「気さくな人だなぁ。もともとかな、それとも開放的な雰囲気だからかな」

などと空想してみたり。



さて、料理の続きに取り掛かろう。

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コッヘルに放り込んだベーコンや鶏の上から、



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トマト缶をぶち込んで、あとはコトコト煮るだけ。



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トマト缶に野菜も入ってるから、手軽に出来る。

つわけで手が空いたマイトガイ、タバコをくゆらしながらのんびりと酒を呑む。

「ああ、風が気持ちいいなぁ。ひとりは久しぶりだなぁ」と、久々のソロを満喫していると。



「お待ちしてますからねー!」



向こうから、さっきの男性の声が聞こえてきた。

笑い声もイチバン大きいし、やたら皆を仕切ってるから、「親分肌の性格」なんだろう。

苦笑と共に会釈を返しつつ、こちらはあくまで、ひとりを楽しむ。




と。



「呑みましょうよー! 五分だけ! ね? 五分だけっ! あそれ五分だけ!」



なにやら、「五分だけコール」が始まった。

もちろん、コールしてるのは彼(か)の男性ひとりだけ。

周りの人々は明らかに困惑している。



「ここで首を突っ込んでも、満足するのはあの人だけで、周りにはメイワクだろう」



そう判断したので、苦笑しながら手を上げて、「いやいや」と断りを入れる。

同時に、彼の親切さと言うか、ありがたメイワクさに、既視感(デジャヴュ)を覚えた。

なんだろうとしばらく考えて、その理由に思い当たる。



「ああ、なんだ。あの人、酔っ払った俺と同じタイプなんだ」



なんか面白くなって、また、小さく苦笑をもらすマイトガイ。






やがて、日が暮れてきた。

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先ほどの集団が、ドラム缶で焚き火をはじめる。

ヴァーゴで小さい焚き火でもしようと思っていたんだが、これなら俺の焚き火は要らない。

遠くから炎を眺めつつ、夜風に吹かれて酒を呑む。



と、尿意を催したので、少し遠くにあるトイレまで歩いた。

で、用を済ませてから手を洗ってると、鏡に自分の顔が映る。

仕事帰りで来たから、頭が整髪料でべとべとだ。



「気持ち悪いなぁ」



と思ったときには、蛇口の下にドタマを突っ込んでいた。

ちょうど、石鹸がおいてあったので、それでゴシゴシと頭を洗う。

ロングツーリングのとき、「肩までの長髪をレモン石鹸で洗った」こともあるマイトガイ。



このくらいは何でもない。



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頭を洗って気分もよくなり、意気揚々と戻ってくる、濡れ髪の44歳。

気分がよくなったところで、それじゃあ、またタープを張り替えよう。

せっかくかだから、「暗い中で張る練習」もしておくのだ。



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地面に打った方のペグはそのまま、ポールを短くしつつ、位置を真ん中へ移動。

片側が地面に着き、反対側を開放した、わりとスタンダードな張り方。

少し風が強くなってきたので、その対策として地面につけたままにしてみたのだ。


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横から見たところ。風は右から。つーか写真の方向を統一すればよかった(´・ω・`)






完全に陽が落ち、あたりは真っ暗闇に……

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ならない。先ほどの集団は、絶好調に盛り上がっている。

と、その中から、「五分だけコール」のおじさんとは別の、若い男性がこちらへ近づいてきた。

なんだろう? 何度もタープを張りなおしてるから、気になったのかな?



「こんばんはー! あの、あそこのビューエルの方ですか?」

「ええ、そうです」

「実は僕ら、ツーリングチームなんですよ。よかったら一緒に呑みません?」

「ありがとう。でも、今日はひとりでやりたいんで、ごめんなさい」



えらい親切に声をかけていただいて、なんだか申し訳ないようだ。

が、今日はタープの試し張りに来たんだし、なにより、ソロを楽しみたい。

なので、丁重にお断りさせていただいた。ちなみに、声かけ下さったのはこの方々



すげぇ真面目っぽいチームだから、俺なんかが首を突っ込まなくてよかった(・∀・)






さて、タープのテストも、最後のひと張り。

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ポールの継ぎ手を二つ外し、約1メータの高さにして、タープの両端をペグダウン。

居住性は俺の持ってるワンタッチテントとどっこいの、ビバーグ仕様。

風にも強く、雨にも負けないだろう、最強のモードへ張り替え、中へもぐってみる。



何が驚いたって、たったこれだけの布、しかも横スカスカで天井だけなのに。

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さっきまでもぐってたシュラフが、暑くてかぶってられないのだ。

風に対して直角方向だってのも利いてるんだろうが、ひとっつも寒くない。

適度に風が吹き抜けて、むしろ気持ちいいくらいだ。



しかも、両脇はスカスカなので、視界がよく、開放感さえ感じられる。

「いやー、タープすげぇな、ナメてたわ」

思わぬタープの実力に、驚きと喜びで、顔がにやけるマイトガイ。



宝焼酎のウーロン茶割りを、ぐびりと呑んでニヤリ(カッコよくありません)。






さて、そろそろ寝る準備をしようか。

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上着を、「レンジャーロール」に巻いて枕を作り、ごろりと横になる。

心地よい風と、暖かいシュラフと、ほどよい酔いが、見る見る俺の意識を奪い。

やがて、眠りに落ちた。






と思ったら、耳栓を通しても聞こえてくる、サイレンの音。

なんぞ? と、いぶかしみつつ、起き上がって耳栓をとる。

とたんに聞こえてくる、女の叫び声。



「っせーな! 離せよ! あたしはくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!」



携帯の時計を見ると、夜中の三時半。

もそもそとシュラフから出て、トイレに行きがてら、様子を見にゆく。

すると、ジャージで裸足のままの女が、駐車場に座り込んでいた。



叫び声を上げる彼女を取り囲んでいるのは、警察官とパトカー数台。

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さらに、救急車まで呼ばれる始末。



どうやら、泥酔した女性に手を焼いた警察が、救急車で連れ去ろうとしてるのだろう。

「面白いけど、さすがにこの時間だと、やかましいな」

小さくつぶやいて苦笑をもらすと、シュラフにもぐりこんで、今度こそ眠りについた。








明けて翌朝、予報どおり天気は雨。

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昨日の親切なツーリングチームも、ほとんど撤収している。

俺はと言えば、家は近いし予定もないから、時間的には充分、余裕がある。

なので、朝飯を作りながら、ゆっくりと撤収に取り掛かる。



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昨日食ったチキンとベーコンのトマト煮へ、サトウのごはんを放り込み。



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トマトリゾットを作ったら、さんまの塩焼き缶をおかずに、朝からもりもり食べる。

雨の降るキャンプ場を眺めながら、気分よく朝食をすませて。

ウーロン茶を飲んだら、さあ、それじゃ撤収しよう。






タープのいいところのひとつに、雨の撤収がしやすいことが挙げられる。

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今回は高さが低いから、ちょっと姿勢が苦しいけど、それでも荷物を濡らさず撤収完了。



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荷物を置いたまま、片方づつポールを外して、タープを片付ける。



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アルミペグが、二本ほど曲がってしまった。

もちろん、すでにジュラルミンペグを購入済みだから、まったく問題ない(`・ω・´)

で、あとは最後に、「駐車場で張る練習」をする予定だったのだが。



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雨に濡れる愛機を見たら、なんかもう帰りたくなったので。

荷物を積んで、帰り支度をする。

つーかホント、荷物が少ないっていいねー!






とまあ、最後の予定だけは、面倒でやらなかったが。

タープを張る練習と、その実力を知ることが出来た、実に有意義なソロキャンプだった。

もっとも、帰ってきてから思いついちゃった張り方もあるので、これはまた次回の課題だ。

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次の土曜日、10月11日は秩父山賊宴会。

ソロの楽しさとは別の、腹筋や顔が痛くなるような面白さ。

バカな山賊どもとのバカな宴会をやってくる(・∀・)b




 
 
 
タープテスト/了

 
 
 
by noreturnrydeen | 2014-10-04 09:56 | ソロツーリング

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