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榛名山賊宴会 ―御心(みこころ)のままに― (後編)

 
 
話は少しさかのぼって。

山賊の名物とも言える、ガッツリたっぷり、むちゃくちゃ美味しいeisukeさんの料理。

通称「クマめし」が、ついに出来上がった。

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今回は「豚汁」で、もちろんeisuke流の具だくさん。

ニンニクをガッツリ炒めたところへ、豚肉や根菜類、油揚げや豆腐をぶちこんだ逸品だ。

この段階では、まだ出来たてで味が若いが、そのぶん野菜の歯ごたえがシャキシャキ美味しい。



「やべぇ、ウマい」と大騒ぎしながら食っていると、どうやら、ろろちゃんの方も出来上がったようだ

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ご存知「ろろヤムクン」は、前回よりも「辛さを控え」て、より食べやすくなっている。

相変わらず見た目はアレだが、味のはいつもどおりの保障つき。

パスタとフライドポテトが汁のうまみを吸い、そこへ甘酢の肉団子がアクセントになっている。






旨い料理に舌鼓を打ち、腹がいっぱいになったところで。

のんびりと呑(や)りながら、焚き火台を引っ張り出して、組み立ててゆく。

それから、eisukeさんが用意してくれた小枝をくべて、軽い焚き火をはじめた。

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太陽がだいぶん傾き、湖を渡ってくる風が冷たくなってきた。

俺はそんなでもなかったが、ろろちゃんとよしなしは「寒い」つって、上着を着始めている。

そしてもちろんeisukeさんは、アロハに短パンのまま笑ってる(・∀・)



と、小枝をカットするために用意された「電ノコ」をもって、先生が身構えた。
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たぶん、「13日の金曜日」的なことを言いたいんだろうが、如何(いかん)せん、よしなし(´・ω・`)

緊張感のかけらもないその表情を、怖がれって方に無理がある。

それをツッコんだら、ろろちゃんと先生から「おめ、ホラー映画見れないだろ」と逆に突っ込まれた。



思えばこの辺からすでに、彼らふたりは「様子がおかしかった」ような気がする。



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つっても今回、ふたりとも日本酒なんて「ほんの一口づつくらいしか飲んでない」はずなんだけどなぁ。

とにかく、この先ふたりは、いいだけ大暴れするんだが、それはまたあとで。






一方、しきはしきで、もちろん「大人しく」なんて、引っくり返ってもするわけがなく。

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ストーブでウッドチップを燃やし、その火で肉を焼き。

焼きあがった肉をふうふうと冷ましたあと、口にくわえて娘(犬)たちに食べさせている。

「冷ましたあと、直接、手で食わせてやればいいじゃねぇか」と思ったら。



しき 「口移しであげると、俺も食った気になるから、ダイエットになるんですよ」



ならねぇよ(`・ω・´)






それぞれが好き勝手に、山賊スタイルで宴会を楽しんでいたら。

先のファイルで書いたように、榛名山を越えて黒い雲が流れ出してきた。

見る見る空を包んだ雲と同時に、榛名山名物の霧(きり)も湧き出してくる。



と、ぽつりぽつり、降り始めた。



まだ、大騒ぎするほどの雨じゃないが、このあとさらに強くなるのは、天気予報で確認済みだ。

少しだけ思案したあと、宴会場を移動することになった。

先ほどテントを張っていたとき、eisukeさんがブルーシートで宴会場を作ってくれていたのだ。

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宴会場を移し終わるか終わらないうち、雨が突然、ホンゴシ入れて降り始めた。

持ち込んだ荷物が多くて、焚き木の一部が雨にさらされている。

なので、雨に強い「ネオプレンの上着」を着ていた俺が、eisukeさんとブルーシートの調整をした。






雨の中なので、なかなか思うように作業が進まず。

あれこれ試行錯誤しながら、どうにかいい感じでブルーシートを張り終わり。

終わったころには、すっかり酔いもさめてしまう。



それと同時に、雨が小降りになってきた。せっかくシート張ったのに(´・ω・`)



ところが、そんな俺とは反対に、いいだけ酔っ払ってる連中もいた。

「狂気の天才」ろろちゃんと、「暗黒の狩人」よしなしである。

睡眠不足とか、疲労とか、いろんな要因はあったんだろうが。



ここへ来て、ふたりが暴走し始めた。






雨にぬれて、さすがにちょっと寒さを感じた俺が、小枝を燃やして暖を取っていると。

煙が流れていった先で、ろろちゃんが「ケムいよ!」と文句を言い始める。

すると、その潮流(ビッグウエーブ)に、先生まで「ケムいー!」と乗っかってくる始末。



かみ 「うるせぇ、こっちは寒いんだ。煙かったら、移動しろぉ」

ろろ 「目が痛いんだよー! 謝罪と賠償を求める!」

よし 「寒いから、動きたくないんですよ」

かみ 「モンク言いながら、ちゃっかり暖とってるんじゃねぇwww」



さんざ文句言ってたくせに、そのうちデカい方の焚き火台で、火を燃そうとするふたり。



かみ 「そこで燃やしたら、上のブルーシートに火がつくって!」

ろろ 「マキじゃなくて、小枝を入れれば大丈夫だよ」

よし 「そうそう、高さが出ないように、広げて燃やせば大丈夫」

かみ 「ぜってー大丈夫じゃねぇよ! おめーらどんだけ酔っ払ってんだ」

しき 「すげぇ、かみさんが大人になってる」

かみ 「俺だって、なりたかねぇよ! くっそ、ふたりとも気持ちよく酔っ払いやがって」






結局、小さく焚き火をはじめたのだが。

すっかり出来上がってる連中だけに、だんだん、くべる枝の量がいい加減になってくる。

やがて、どう見ても「ブルーシートに届くサイズ」の炎が上がり始めた。



かみ 「あーも、しかたねぇ。焚き火台を引っ張って、外に持っていこう」

えい 「大丈夫かい、かみさん。こっちから押そうか? いや、押しちゃだめか、ぎゃははは!」



なんかおかしいな、と思ったら。

eisukeさんも日本酒をぐいぐい呑んで、いつのまにか出来上がってやがる。

俺の方は、ハンパに酒が抜けたところへ、先に酔われてしまい、すっかり機を逸した。



なんだろう、すげぇ悔しい(´・ω・`)






ところで。

もともと、8月にやるはずだった、今回の榛名山賊。

そのときには、三重のおーがも参戦するはずだった。



そこでeisukeさん、彼らしい気づかいで、おーがの娘のために、「おもちゃ」を用意してくれていた。

しかし、お盆の山賊は流れ、おもちゃだけが残ってしまう。

「使用期限」があるものだけに、来年までは持たないかもしれないから、今日、使ってしまおう。



そんな経緯でeisukeさんから、ろろちゃんにプレゼントされた、そのおもちゃ。









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勝てねぇwwwwwwwwwwww



卑怯すぎて誰も勝てねぇよ、こんなもん。

表情から、シチュエイションから、後ろに映ったシルエットまで面白いんだから。

全員、ヒキツケを起こしかねないほど、盛大に爆笑する。



つーかろろちゃん、こうやって見ると、明らかに泥酔してるね。



そのあと、先生も挑戦してみたんだが。

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いかんせん八の字。

ろろちゃんに比べると、どうしても、いまひとつパンチに欠ける。

まあ、先生も別に、勝ちたかねぇだろうけど。



あと、先生もやっぱり泥酔してる顔だね。






小降りになっていた雨が、どうやらいったん、完全にあがったようだ。

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とは言え、榛名名物の霧は、さっきよりいっそう深くなってきた。

時々、通りがかる車も、みんな一様に速度を落とし、恐る恐る進んでいる。

明かりをバックに立つと、霧の中に「自分のシルエット」が浮かび上がる。



まるで山賊宴会・空島(スカイピア)編だ。



ときおり風が吹き、木々の葉に溜まった水を吹き飛ばすので。

雨は降ってないのに、ぱらぱらとブルーシートに水滴のあたる音がする。

時刻はまだ宵の口、ろろちゃんとよしなしは、絶好調に泥酔中。

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左から、自作の甘い梅ワインで、すっかりほろ酔いのしき。

出来上がって絶好調の、ろろちゃんとよしなし。

そして、こちらも日本酒を呑んで一気にふたりへ追いついた、eisukeさん。



5人のうち3人が泥酔。

にも拘(かかわ)らず、そこに俺が入っていない。

ありえないよ(´・ω・`)






相変わらずアホほど濃い霧の中を、そろそろとクルマが一台、通り過ぎてゆく。

それを見たろろちゃん。

何の電波をキャッチしちゃったのか、いきなり大声で叫びだした。



ろろ 「みんな、次のクルマが来たら、火を囲んで両手を上に上げるんだ」

全員 「???」

ろろ 「手を上げて、『みーこころの、まーまーに』って大声で唱えるんだよ」

全員 「ぎゃははははは! 何の宗教だよ!」



言ってるそばから、霧の中を走ってくるクルマが一台。



ろろ 「ほら来たぞ! さあ! みーこころの、まーまーにー! はい!」

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全員 「みーこころの、まーまーにー!」

ろろ 「みーこころの、まーまーにー!」

全員 「みーこころの、まーまーにー! ぎゃははははははっ!」



完ぺき、カオス状態(´・ω・`)






ろろちゃんがトイレに行くたび、緑に光るネコ耳がふわふわ踊り。

しきが、腹を抱えながら「今、ろろちゃんがどっち向いてるかすげぇわかるwww」と叫び。

全員、爆笑につぐ爆笑、ワルノリにつぐワルノリ。



こうなったら、もう、誰にも止められない。



普段なら、俺がやるはずの、派手な大きい焚き火。

今回は、泥酔した先生が、「その役」を買って出てくれた。

いや、ひとっつも頼んじゃいないんだけど。

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天高く燃え上がる、豪快な炎。

そして、俺以外の誰も、この焚き火がデカ過ぎるって事に気づいてない。

みんなに追いつこうとガンガン酒を飲むんだが、どうにも焚き火が気になって酔えない。



かみ 「ちょ、まてお前ら! 炎がでかすぎる!」

よし 「大丈夫ですよ、ほら、あったかい」

かみ 「大丈夫じゃねぇよ、見てみろ、そこのブルーシート!」

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わずかづつ、しかし確かに、ブルーシートが伸びてきている。



かみ 「あぶねーって! ブルーシート伸びてるって!」

ろろ 「本当だ、ぎゃはははは!」

えい 「まあ、これももう何年か使ったし、いいんじゃない?」



そういう問題じゃないですよeisukeさん(´・ω・`)

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あと、写メ撮ってる場合じゃねぇです。

あなたの身長よりでかい炎が上がってますって!

炎が外にこぼれて、確実に「延焼モード」へ入ってますって!



いつも、みんなに迷惑かけてるぶんつーか、その報いつーか。

今日は独りでツッコみ続ける、シラフのマイトガイ。

異常に疲れ果て、10時を回るころにはぐったりとしてしまう。




結局、48時間寝てないしきが、テントにもぐったのと前後して。

また降り出した雨の中、俺も自分のテントにもぐりこんだ。

コットへ横になって、雨がテントに当たる音を聞いているうち。



ほとんど瞬殺で、眠りについたのだった。







開けて翌朝。

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もやもやとハッキリしない天気ながら、どうやら雨は免(まぬが)れた、榛名湖畔。



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昨日の狂乱がウソのように、おだやかなダメ人間ふたり。

「さぞかし二日酔いがつらいだろう」と、心配(期待)した俺は。

朝の挨拶をしてから、ふたりに聞いてみた。



かみ 「二日酔いはないかい?」

ろろ 「大丈夫だよ、するわけないじゃないか」

よし 「平気です、眠いけど」



それもそれで、なんか納得いかない(´・ω・`)



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あっちゃこっちゃ濡れたモノを、乾かしたり、あきらめたりしながら、のんびりと撤収。



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準備が整ったところで、みんなに声を掛けて。

「そんじゃ、また来月ー!」

ユリシーズにまたがると、霧の流れる朝の湖畔を、ゆっくりと走り出した。






せっかくだから、裏榛名とか周辺を走って行きたいところだが。

昼には神奈川からコジロウが、家族連れで遊びに来る予定なので、とっとと帰ることにする。

つわけで、せめて頭文字Dでおなじみ、「榛名の下り」を楽しもうじゃないか。

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道はドライとハーフウエットが替わりばんこに出てくる、ちょっと走りづらいコンディション。

とは言え、「脳内ユーロビート」を聞きながら朝イチの峠道と来れば、やっぱりテンションは上がる。

荷物のおかげで、ちょいちょい車体を振られながら、着合い入れて下りを攻めるマイトガイ。



「行くぜ、五連ヘアピン! ……うっわ、俺、遅っせえwww ぎゃはははは!」



おっさんの叫び声が、朝の榛名にこだまする。






高速に乗って帰るか、それとも下道をゆくか、しばらく迷ったんだが。

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休日の朝、しかも「上り方向」だしってことで、結局、下道で帰ることに決める。

17号を走ってると、昨日の宴会の様子が浮かんできて、くすりと思い出し笑い。

笑いながら、歌いながら、相棒ユリシーズと一緒に車列を縫いながら。



晴れやかな気分で、朝の国道を駆け抜けた。






榛名山賊宴会 ―御心(みこころ)のままに― /了



 
 
 
by noreturnrydeen | 2014-08-31 14:47 | エンカイ

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