XB12X エキパイとスタッドボルト サードシーズン
2013年 11月 18日
さて、セカンドシーズンでタップを折ったままになっていたユリシーズ。
作業としてはタップをドリルアウトして、新たにタップを切るか、ヘリサート加工って感じなのだが。
なんでこんなに時間がかかってる(一ヶ月以上)のか、その経緯から語ろう。
まず、心折られた俺は、プロにケツを持ってもらおうとした。
タクの店で工賃を見積もってもらうため、ドナドナされてゆくユリシーズ。
そして10日後くらいだったか、見積もりの結果が出た。
「やはり、シリンダーはずして加工になるんで、8~10万ですね」
この段階でナオミからの指令、「10万以上なら新しいバイクを買う」に抵触する。
しかし、俺としては何とかしてコイツを復活させてやりたい。
つわけで単車を戻してもらい、自分でやってみることにする。
用意したのは、サンデーメカニック最強のドリル。
ドリルバービットだ(真ん中の銀色のドリル刃)。
前回のより太いヤツを購入し、戦いに備える。
ちなみに下は、念のため新しく購入した、5/16‐18サイズのタップ。
尚、ここからは「やることが多くてしかも進まない」ため、写真を撮ってない。
なので、イキサツを図で説明する。
1)タップの折れ口がナナメになっている
ドリルバービットで穴をあけようにも、センターが出ない(硬すぎてポンチは効かない)。
タクがリューターでハツったヘコミが付いてて、ドリルの先がそこへ滑るのだ。
「まあ、だいたい合ってればいいか」と、そのままドリルアウト開始。
2)当然、ドリルの先がセンターからずれる。
しかし、もはやどうにもならないので、そのまま掘り進んでゆく。
俺のバイクいじりは、「後退のネジを外してある」のだ(Ⓒ愚地独歩)。
ま、だからいっつも、引き返せないところまで追い込まれるんだけど(´・ω・`)
3)シリンダー壁を削り取りながら、何とか進んでゆく
掘り進めてはいるものの、刃はやわらかい外壁の方へと逃げてゆく。
そのため、タップの削り残しが出てる(数字の3が書いてあるあたり)。
この段階で、外壁の方は最強パテ「ハチサン」で埋めようと決め、大胆になる。
4)反対側から攻めてみる
こちらも削れはするものの、やはりセンターは外す。外壁はすでに気にしてない。
ドリルバービットは、エンドミルのように本体の横で削ることも出来るので、削れなくはない。
しかし、さすがに先端で掘るのと比べると、切削速度が遅く、イライラさせられる。
5)埒(らち)をあけるため、ダイヤモンドドリルを投入
削り残しのとがった部分へ、先の平たいダイヤモンドドリルを当て、平たくする。
今回は乾式の、回転専用ダイヤモンドドリル。
コンクリートや陶器を削るドリルなので、もちろん、使い捨てになってしまう。
3000円のドリル刃が使えなくなってゆくのは、見るに耐えない哀しい光景だ。
しかも、思ったほど切削が進まず、埒(らち)、ひとっつも開かない(´・ω・`)
6)平たくなった場所へ、ドリルバービットを当てる
当初の予定では、上図のようにゆくはずだった。
実際、少しは平たく削れていたのだが、やはりコンクリ用。
とてもここまで平らにはならず、やはりドリルの先が逃げる。
作業にだいぶん嫌気が差してきたのが、ココ最近の話。
さらにここで、予想外の事態となった
酔っ払った俺がオークションで、新しいエキパイを落としやがったのだ。
つまり、結局、「エンジン半降ろし」をするハメになったのである。
と、昨日までのイキサツは、およそこんな感じだ。
んで、「どーすんべかなぁ」と考えながら、徒然にネットを眺めていたのだが。
その中に、「スタッドボルトである理由」ってのが書いてあって、興味深く読んだ。
アルミニウムはやわいから、何度もネジを付け外しすると雌ネジがバカになる。
スタッドボルトを使う理由は、要するにそういうことらしい。
だから普通のボルトを使うなら、ヘリサート加工するなりして強度を上げろという話だった。
「しかし、まだ生きてる方まで削って、ヘリサート加工するってのは面倒だなぁ」
ネットの記事を読んでるうちに、なんだかイロイロとめんどくさくなってきた。
これで新しいボルトまで折れたら、俺は完全に心を折られるだろう。
つーかもう、硬いタップのドリルアウト作業をしたくない。
しばらく考えた俺は、やがて結論らしきものに到達した。
「よし、この際だ。エキパイの取り付けをスプリングにしよう!」
口に出した瞬間、心がすっと晴れて、青空のごとく爽快な気持ちになった。
どういうことかといえば、つまり。
切り飛ばすはずのタップ(黒い部分)をそのままにして、
ハチサン(赤い部分)でリングを埋め込んでやるのだ。
そしてエキパイ側にも金具をつけ、スプリングで留める。
そうすれば、二度と振動で外れることはないだろう。
つわけで、シリンダー掘りはいったん中止。
スプリング固定に路線を変更し、そのための情報とパーツを集める。
それらが揃うまでヤルコトがないので、
明日からは面倒だが、エンジン半降ろし作業へ取り掛かる。
そんな感じで。
エキパイとスタッドボルト サードシーズン/了