山陽~九州~山陰ツーリング 西遊記 六日目3/4
2007年 07月 19日
うん、迷った。
だんだん様子のおかしくなる峠道、いやむしろ林道チックな道に『コレはさすがにおかしいだろう』と気づき、道しるべが出てきたところで単車を停めて、地図を確認する。さすがに最近は慣れてきたので、リルートも手際がいい。
つーか、イイワケさせてもらえれば、県道と銘打つのはいかがなものか的な、廃道みたいな県道が多すぎるつー話だよ、山陰。あと、ツーリングマップルも、あんな細い山道に、緑の線を引くのは間違ってると思う。
海岸沿いの、プライベートロード的な道を走る。
やっぱり、ガスってるぼやけた景色。
県道23号線。
いい加減にしないか。
ちなみにこの辺は、ツーリングマップル中国・四国の第1ページになる。いや、だからナニっちゃナンてこたないんだが、イチバンが好きなので、なんとなく第1ページを走れるのが嬉しかったのだ。
や、でもこれで県道はないとは、やっぱり思うけど。
国道431号から、山陰の大動脈、国道9号線にもどる。
ひたすら東へ走り、赤崎で休憩。
道の駅の何がすばらしいって、頭の硬い高速のSAなんぞと違って酒が売ってるところ。
もっとも、時刻は4:30くれぇだったが、陽の長いこっちではまだあわてて宿を探すこともない。
つまり、まだ酒は買わなくていい。
正直、名前のアホさだけで停まってみた。
なみにココは鳥取県東伯郡湯梨浜町。もともと羽合(はわい)町だった町が、泊村、東郷町と合併して湯梨浜町になったということらしい。こんなん、俺ならゼッタイ「ハワイ町」の名を残すけどなぁ。能天気っぷりが秀逸すぎだから。
きっと色んな事情があったんだろうね(キナ臭い言い回しはやめましょう)
どこに龍を見たんだろう。
向こうに見える半島っぽいトコか。
この海岸線かもしれない。
ただ。
このドラゴンでは、断じてないコトだけは確かだ。
つーかコレ、偶然信号待ちで引っかかった交差点にあった、石屋さんの庭先にあったオブジェ。デモンストレーションに飾ってあるんだろうね。自分とこの技術力を見せるみたいな。しかも、周りが無理にやらせたんだきっと。
「ワシは、そんなもんは作らん!」
「おとうさん、そんなこといってる時代じゃないのよ!」
「そうですよ、お義父さん」
「貴様は黙ってろ! 半人前の癖に、ヒトの娘に手を出し……」
「お父さんっ! このままじゃ、ウチはやっていけないのよ! 私やこのヒト、お父さんは我慢できるかもしれないけど、ヒロシにひもじい思いはさせたくないでしょう? ねえ、ヒロシ。ヒロシもおいしいもの食べたいよねぇ?」
「ううん、ボクは醤油ごはんでいい。おじいちゃんに嫌なことさせたくないよ」
「ヒ、ヒロシ……」
(かみ著/『ヒロシの醤油ごはん』より)
てな流れで出来上がったものだと、俺は確信している。
もちろん、上の小芝居が必要ないことも確信しているから黙ってろ。
俺はノってくると、回りくどくなる。
目的地が近いのなら、さっさと行けばいいようなものなのに、余計なことにばかり、気をとられてしまうのだ。まあ、さっきの小芝居も、そう言う類(たぐい)のものだと思えば間違いない。ツーレポはまだまだ続くけど。
てなワケで、寄り道。
神話の里、白うさぎ。
道の駅の分際で、鳥居まであるどころか『長く駐車しないでください』とか、わりと居丈高な場所だ。
神話の里だからって、調子に乗ってるっぽい。
長く居るなとは生意気な。
逆に野宿してやろうか。
つづく