大郷戸山賊宴会~雪のふる前に~ショートラン編
2013年 01月 12日
長い冬休みの終わりは、<新年最初の山賊宴会>でシメようと決めた。
いや、確かに、翌日は雨どころか雪予報だったりする。
そのうえ、こないだからの腰痛はまだじんわり尾を引いている。
だが、構うもんか。最悪、俺ひとりでもやってやるっ!
などと悲壮な覚悟を決めなくても、どうせ茨城の連中は顔を出すに決まっている。
ドイツもこいつもオランダも、普段から、
「月に一度は、山で焚き火をしながら呑まないと、どうも寿命が縮む」
とか、アタマの悪いことを言ってるキチガイどもだから。
朝、恐る恐る起きてみると、腰痛はだいぶ軽減していた。
これなら行ける! 俺、やれるよ母さん!
てなわけでユリシーズに、荷物をしこたま積みこむ。
ちなみにリアの赤いのは、荷物運び用のキャリア。
翌々日から仕事なのに腰やっちゃうとヤだから。
準備が出来たら、クソ寒い中を走り出す。
今日はいつもより出発時間が早いから、筑波山を回って軽くワインディングを楽しもうか。
気のせいか、腰も治ったっぽいし(気のせいです)。
水戸街道を北上し、取手あたりで県道19号へ。
いい具合にガラガラの道を、気持ちよくすっ飛ばし。
信号にはちょいちょい捕まりつつも、学園都市の中を走ってゆく。
このあたりは最近の数年で開発が進んだから、きれいで気持ちのいい道が多い。
空いてる上に見通しがいいから、やっかいなデキゴトも起こりづらいのだ。
「ま、だからこそ、事故には気をつけないとなぁ」
なんて思ってたそのタイミングで。
事故を目撃する。
国道408号にぶつかるT字路だ。
「うっわ、ぐっしゃりヤッちゃってんなぁ」
と、ヒトゴトながら軽く寒気を感じてると、「おまわりさん」がひとり近づいてくる。
なんだこのやろう、なに文句つける気だ? と構えてたら。
「オイルが流れ出してるんで、気をつけてください」
北関東のイントネーションで、むちゃくちゃニコニコしながら教えてくれた。
だから、先の表記がオマワリじゃなくて、おまわりさんになってるのだ。
ちなみに北関東弁というのは、漫才師のU字工事の話し方ね。
気を引き締めて走ってると、やがて筑波山がはっきり見えてくる。
ま、見えるだけなら、利根川こえればケッコー見えるんだけど。
筑波山の入り口になる交差点で、すでにちょっとクルマが詰まってるのが見えた。
なので、いつもやる、<コケないオマジナイ>のコンビニ一服を入れずに登りはじめる。
すると間もなく、クルマの渋滞につかまった。
前にハーレィのサイドカーが走ってたんで、とりあえず追いついて写真。
動力車の車種はイマイチわからなかった。
ま、カタチ的にFLHとかその辺だと思うけど。
サイドカーを眺め飽きたので、渋滞の先頭へ出て登ってゆく。
荷物を積んでいても、ユリシーズの旋回は相変わらず楽しい。
もちろんケツが重たく重心が高くなってるから、普段のようなひらひらは望めない。
だが、単発の曲がりなら話は別。
重心の高さからくる一気の倒しこみや、「登り道+リアに荷物」ゆえの強力なトラクションが気分いい。
そして、なにより。
ステップを上げたおかげでコーナリング中に擦らない。
これがデカかった。
いつものひらひら乗りより、むしろSSに近い「バンクで曲がる」感じを、久々に楽しめた。
風返し峠の頂上に到着し、
一瞬、パープルに行きかけて思いとどまる。
せっかく積んだ荷物を解(ほど)きたくなっちゃうに決まってるからだ。
だが、山は登ったら降りなければならない。
仕方なくそのまま、例の林道みたいな道を降る。
相変わらずジェットコースターみてぇな、急坂でせまっ苦しいレイアウト。
こんな道なので、満載の荷物や、前下がりディメンションが効いて(?)走りづらい。
ステップが高いのも、ちょっと不安に感じた。
まさに、さっきのポジがネガに裏返るカンジ。
降りきったら途中で北に折れ、笠間(岩瀬)を目指す。
ここらは二輪禁止の道が多いので、注意して走らなければならない。
もっとも、禁止が多いってことは当然、楽しい道が多いということでもある。
等価交換ってヤツだ(違います)。
50号に出る手前あたりで、そろそろ忘れてた負債の請求が来た。
腰がジンジンし始めたのだ。
なので目に付いたコンビニへ飛び込んで休憩。
今回は固まっちゃうこともなく、無事に降車して身体を休める。
コンビニで買ったコーヒーで、痛み止めのクスリを流し込んだら。
さて、もう少しで買い出しのスーパーだ。
50号を西に向かっていると、途中の信号でホンダのNC700Xに追いついた。
「けっこう売れてるらしいなぁ」と眺めてると、信号が青に変わる。
するとそのNCが、けっこう開け目にダッシュした。
「お、意外と速い。つーかそうか! クラッチ(操作が)ねぇんだっけ! 確かにスムーズな加速だなぁ」
もちろん付いていけないほどじゃないが、シームレスな加速は俺の想像より速かった。
なので後ろにくっついて、しばらくNCの走りを眺める。
やりあうとかじゃなく、ただ見てるのが楽しいのだ。
俺、バイクが好きだから(*´▽`*)
結局、スーパーまでの道すがら、ずっとケツにくっついてた。
まるっきしストーカー。
スーパーで、ワイン1.8リッターと梅酒1.8リッター、チーズやそのほかの食材を買い込み。
積み込んですっ飛ばせば、あっという間に大郷戸ダムだ。
そしてやっぱり思ったとおり、茨城組のふたりはすでに到着していた。
POPOさんもよしなしも、今日はクルマで参加。
ま、明日、雨か雪だって予報だからね。
普通はそうするよね。
今回の俺の寝床は、今までと違う新アイテム。
地面に銀マットを敷いて、その上にドッペルギャンガーのダブルレイヤーキャンピングマット。
この二つで地面からの冷気をさえぎりつつ、やわらかい寝心地を作り出す。
さすがにコットは寒いんだよ、気温が零下になると。
シュラフは前回デビューのイスカのダウンプラス・ポカラ。
んでカバーとシーツは、ソロでも使ってるここ数年来の相棒。
大郷戸は標高が高いわけでもないし、周りを低い山に囲まれて風も弱い。
真冬でも秩父よりは暖かい(俺認識)ので、この装備なら充分だ。
寝床を作り終えて戻ると。
よしなしとPOPOさんが、そろって七輪に炭を熾(おこ)してる。
なので俺もガソリンバーナを組み立てて、早速、初挑戦する料理の準備に取り掛かる。
とは言え、それほど大げさなことでもない。
アルミホイルを取り出し、新しいコッヘルセットのフライパンに敷き詰め。
アホほど買ってきたワインを、ちょろっと注ぎ込んで、火にかける。
そこへたっぷりとチーズをぶち込めば、そう。
今日の晩飯つーかツマミは、珍しくチーズフォンデュにしてみた。
バケットは買い忘れて、具はボイルえびとソーセージ。
料理と言うほどのモノでもないが、野外で食うフォンデュは予想以上に美味かった。
次回はオイルフォンデュをやってみようかな。
後編へ続く