霞ヶ浦スクランブル 1/2
2007年 03月 25日
朝から土砂降り。
なので、ネットで買い物したり、ベッドでごろごろしながら本を読んでいた。
すると、12時ごろだろうか。ちゅんちゅんと言う鳴き声が聞こえる。
俺は思わず飛び起きた。
「んだ? 鳥の声? 雨、やんだんじゃね?」
窓の外を見てみれば、ものすげ怪しい雲行きながら、とりあえず雨は上がっている。携帯の天気予報で確認すると、降雨率が下がってるじゃないか。 つまりこれは、出かけろっつー神様の誘いだろう(違います)。
ものの30秒で準備を済ませると、俺はM109Rにまたがった。
最近よく行く、利根川沿いの道があるのだが。
「アレの対岸ってそう言えばまだ走ったことがないよなぁ」
んじゃ、対岸を走ってそのまま、霞ヶ浦に行くとするか。
そうと決まれば話は早い。
国道6号線を北上し、利根川をまたぐ大利根橋の手前から土手に出ると、利根水郷ラインを東行する。途中で雨が降ってきたが、走り出してしまったら、もう、止まらない。このまま栄橋まで走り、川を渡って、初の向こう岸を走ってやる。
栄橋が見えてきたところで、俺の右横から反対車線に出る車がいる。
あんだ? と思ってそちらに眼を向けると。
ウインドウがスルスルと開いて、助手席のお姉ちゃん越しに、運転席のお兄ちゃんが大声を上げた。
「それ、なんてバイクですか?」
「M109R。スズキの単車だよ」
お兄ちゃんはうなずくと、手を上げて俺の後ろに戻った。なかなか豪快な尋ね方をする男だ。気に入った。このまま同じ道行きにならねーかなと思っていたが、栄橋をわたると、彼はそのまままっすぐ行ってしまった。残念。
俺は橋の出口を右に折れて、そのまま利根川沿いに走り出す。
こっち側の土手沿いは、初めて走る。
左手には田園風景。天気がよければ、もっと気持ちよかったろうな。
利根川のこっち側は初めて走ったが、向こう側より車の数が少なくて、気持ちよく走れる。
コレで雨さえなければ言うことないのだが、途中から降り出した雨が本格的になってきた。ゆっくり走るつもりで、半ヘルとウインドシェード(透明のサングラス)だけで出てきたので、パシパシと顔面に当たる雨が痛い。
さすがに辟易して、もう少し雨脚が収まるのを待つことにした。
つーか、雨確率40%なのに、カッパも着なけりゃシールドもなし、てのが、基本的にナメてるつー話ではある。いや、景色が見たいときは、やっぱ半ヘルがいいんだよ、ホント。
ちょうど、若草大橋の下が、トンネルみたいになって雨宿りできそうだったので、そこで休憩することに決め、単車を停めてタバコを取り出した。雨が吹き込まないところで、とりあえず一服。
コンクリ打ちっぱなしで、結構カッコいい。
もちっとうまく撮れれば、壁紙に出来たかな。
30分ほど待ってみたが、やむ気配はない。
それでもさっきよりはマシになってきたので、腰を上げて走り出した。
ひたすら土手沿いを走り、適当なところで左折。しばらく走っていると県道5号、龍ヶ崎潮来線にぶちあたる。 雨が降っているのとあいまって、なんだか物悲しい景色だったが、それでも田園風景というのは、やっぱり心が落ち着く。
日本人の心のふるさとなんだね。
俺の先祖は、盗賊だったらしいから、あんま関係なさそうだけど。
5号線を125号まで行って左折。
5~6kmほど走ると、右手に道があり「浮島」と書いてある。
「浮く島」なんだから、どう考えてもこっちのが水っ気がありそうだと、その道に入った。
こういう推理して行き先を決めるやり方は、Zに教わった。俺なんかだと、当たる確率は少ないけれど、闇雲にただ走るより、『これこれこうだから、きっとあそこはこうだろう』とあたりをつけて走った方が、確かに何倍も面白い。
ホント、今までスピードばっかりで、もったいない走りかたしてたなぁ。
しばらく走り、「ところでココはどこなんだ?」と、いまさらながら単車を停める。
地図を見て調べたら、どうやら県道206号、上新田木原線らしい。曇天で確認できないが、左手に霞ヶ浦があるはずだ。途中にコンビニがあったので、そこへ寄り、ジュースを買いがてら、レジのお姉ちゃんに道を聞く。
「手っ取り早く霞ヶ浦を見たいんだけど、どっちに行けばいいかな?」
地味目でおとなしそうながらも、なかなか可愛らしいお姉ちゃんが教えてくれたとおり走ると、なるほど、霞ヶ浦に出た。トイレに行きたくなり、探しながら走る。もう、めんどうだから道端でいいかなぁって思ってきたころ。
トイレのある駐車場を見つけた。
用を足して、地図を確認する。
そこから一度、霞ヶ浦沿いに走ってみた。
とにかく、天気が惜しまれる。晴天なら、この数倍はきれいだったろう。
つってもまあ、雨予報バリバリなのに、出かけるほうが悪いんだが。もっとも、このころには雨もだいぶん弱まってきていた。降ったり止んだりの繰り返しだ。カッパなんか着ないで 大正解(そのわりにずぶ濡れです)。
そのまま走っていると、また、206号に出る。
また同じ道を、東へ向かって気持ちよく単車を走らせていると、目の前に橋が見えてきた。
稲敷大橋だ。
本当は、コレを超えたところを左折して、霞ヶ浦沿いに走りたい。
だが、ガスの残量が怪しくなってきていた。
とりあえず橋を渡ったらそのまま直進し、国道51号へ出る。ココはかなり広いので、ガソリンスタンドはすぐ見つかるだろう……ほら、あったあった。 ほっと胸をなでおろしつつ、これっぱかしもやる気のなさそうなおばちゃんにガソリンを足してもらって、準備万端。
51号から355号に入り、しばらく車と一緒に走る。
もっとも、このまま国道を走る気など、当然ながら毛頭ない。いや、毛髪はまだ大丈夫だから心配ない。やがて、左側に土手らしきものが見えてきたので、適当な道をみつくろって入り込み、土手に向かって走った。ほどなく、土手沿いの道に出る。
やけに道の右側に寄っているのは、ここがすれ違い用の安全帯だから。
決して、土手の向こうに落っこちるのを恐れたわけではない。
いや、何もない土手は誰だって普通に怖いんだから、別に恐れてもいいのか。
同じ場所、別アングル。
突堤の先で、結構な人数が釣りをしていた。
さて、それじゃあ霞ヶ浦周遊に参るとしますか。
2/2に続く