白鳥のいる村
2007年 02月 12日
本日は朝から快晴。
いくらリアブレーキがまるきし効かないからつって、こんな上天気に出かけないんじゃ、単車の神様に申し訳が立たない。幸い気温も高いし、こりゃ、ツーリングとまでは行かなくても、軽いお散歩くらいは行きたいなぁ。てなわけで、午後二時ころ、のっそりと出かける。
目的地は千葉県印旛郡、本埜村(もとのむら)。
印旛沼の近くで、ココに毎年白鳥が飛来するらしい。去年あたりは1000羽を超えたらしいのだが、今年は暖冬の影響か、あまり数が多くないという。たいした距離じゃないので、ふらっと行って白鳥でも見てくるか。
走り出す前にエアサスの空気を全部抜いて、伸び側のエアだけを入れる。
そう、リジットサスにしてみたのだ。
前から試したかったので、今日はゆっくり走る条件でリジットで走れるかを実験。
速度を抑えて、60くらいで走っている分には、国道のような道がフラットなところは、それほどの苦痛もなく、むしろド低いおかげでものすげえ楽な気持ちで、走ることが出来る。ただ、これだとさすがにフォアコン&ロングハンドルが欲しくなるが。
あと、ちょっと舗装が汚くなると、小さなギャップを拾ってガタガタになる。
もちろん、その分、速度を落とせば、なんてことはないんだけど。
つーかこりゃ面白いから、完全に攻めないと決めた日は、時々やってみよう。
16号から464号を走り、県道12号を北上すれば、左手に「白鳥」の看板が見えてくる。
両脇が切りっぱなしの土手の上を、かるく四国を思い出しながら走れば、「第二駐車場」の看板が見え てきた。左折して土手を下ると、第二駐車場は目の前だ。
止めた先に、なにやら小屋がある。
おそらく、白鳥の飛来した数が多いときには、この辺からでも見えるのだろう。
今日はせいぜい100羽程度と、とてもじゃないがココから見るとかのレヴェルではないので、歩いて白鳥を探しに行く。なお、第一駐車場も、それほど近いわけじゃない。ただ、バイクに関しては(おそらく原付のことをさしてるのだと思うが)もう少し奥までいける。
もっとも、せっかく白鳥を見ようなんて風情をかもしてるんだ。
晴天の下、冬らしからぬ暖かい太陽に照らされ、のんびりと歩くほうが気持ちいいだろう。
俺は白鳥ポイント目指して歩き出す。
しばらく行って、すれ違った老夫婦に白鳥の位置を尋ねると。
ものすげえ遠くを指差して、「あそこだよ」と教えられた。
親切に教えてくれてありがとう。
でも、おじさん。
ボクはあなたの指差す先に、何も見つけることが出来ないのですが?
絶望的な気分で歩いていると、↑上の写真の農家のところにたどり着く。
その農家の脇からのショットが、↓下の写真。
ねえ、ママ。ちっとも白鳥に近づかないよ。
距離的には、ココでようやく半分来たと言うところか。
わりと風情とかどうでもよくなって、タクシー通らねぇかなとか考えながら、白鳥の飛来地を目指して、ひたすら歩く。つっても時間にして10分から15分くらいだろうか。目の前に、大勢のヒトが集まってる場所が見えてきた。
白鳥らしき白い影も確認できるようになった。
と。
道端に羽毛が散乱してる。
写真を取って顔を上げると。
いた。
なんか、鴨みたいなのも一緒にわらわらと居る。
乾いた田んぼに、ココだけ水を張って、白鳥を呼び寄せているらしい。
車や単車を近くまで入れないのも、もちろん、白鳥が驚いてしまうからだ。
クワクワと色気のない声で鳴きながら、白鳥はえさを食ってた。
見る側には、こうして竹の柵が立てられてる。一見貧弱だが、よく見るとおまじないというか呪いというか、とにかくヒトが白鳥を脅かしたり白鳥の居るところまで行かないような、呪(しゅ)がかけられていた。
こんな感じの幼い文章がずらり。
効能としては、感動するというより、大人のやることの『あざとさに辟易して、柵を超える力もなくなってしまう』と言うところだろうか。ま、どっちにしても白鳥が安心して冬を越せるのなら、すばらしいことだとは思う。
数的には、せいぜい数十羽と言うところ。
100はいないと思う。
ぜひとも、1000羽を超える群れの姿を、見てみたいものだと思った。
のんびりと優雅に飛ぶ、白鳥の姿を脳裏に焼き付けて。
俺ものんびりとした気持ちで、家路についた。
来年も、また来るよ。