29th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 in 赤城
2007年 10月 25日
俺がハヤブサを購入したと聞いて、イチバン喜んだ男がいる。
長年の腐れ縁、キチガイ単車乗りのマルだ。
ガンマに乗ってる頃、よく一緒に走ってヤりあった。
だが、俺がV-MAXにハマってからこっち、やつの単車とは、なかなかガチでやれなかった。
そりゃそうだ。
向こうはニンジャからVFR800、GSX-R1100ときて、CBR1100XXブラックバードってな正常進化(?)
こっちはV-MAXからVTX1800C、RocketIIIときて、M109Rなんて変態路線を歩んできたのだから。
ヤツとしては
「久しぶりに、イコールコンディションに近い状態でヤりあえる」
ってのが嬉しかったんだろう。
例え俺が、クルーザだってことを言い訳にしないとしても。
機種としての差が、厳然たる事実としてあったわけだから、内心、不満だったに違いない。
サイトにハヤブサを買ったと書いたその夜には、さっそく電話がかかってきて、
「やるぞ」
と嬉しそうに言いやがった。まったく、病人の相手も楽じゃない。
前日の火曜日の夜、moto君から掲示板に『Kくんを連れてってくれ』とリクエストが入る。
ケモライドで一緒に走った彼は、素直で穏やかな、かわいい後輩だ。
しかも、moto君に鍛えられ中と言う、筋金入りの変態(候補)のプロのメカニックだ。
普通だったら、オフ車に乗って、そこからロードに行くにしても、だんだんといろんな段階を踏む。
だが、彼の場合。
変態師匠に、『いきなりD-トラッカーでケモノ道』とか。
悪魔のZに、『いきなりR1で関越→磐越→常磐』とか。
尋常じゃない走らされ方をしてきている。
そう、それが普通だと勘違いしてしまっている、可哀想な子なのだ。
つまり、ココで、まっとうなツーリングライダーとしての走り方を伝えようと思うのは、一般優良ライダーである俺としては、当然の成り行きだ。てなわけで、二つ返事でOKすると、K君に俺の携帯番号とアドレスを教えるよう、moto君へ告げる。
そして、次の日、水曜日。
仕事をしていると、あと少しで終わりと言うときになって、ZがバランバランとTZRの音をさせてやってきた。
んで、来るなり整骨院の裏で、TZRをばらし始める。いわく、『イロイロと不調』らしい。
んで、ZにK君が来ることを伝えると、
「それじゃ、K君(メカニック)にTZRの修理を協力してもらおう」
この男は、俺が一緒に走りに行くんだと言ったセリフを、聞いてなかったのだろうか?
K君から電話があったので、Zに携帯を渡して段取りを任し。
当初の集合場所だったライコランドから、直接、整骨院に越させる段取りとなった。
それから、マルゾーに電話すると、『なんでもいいから、とにかく早く来い』と無理難題を吹っかける。
するとZが
「K君は先生と同じペースで走れないだろうから、俺が関越まで連れて行きますよ」
と、申し出てくれた。
ありがたくその申し出に乗っかった俺は、午後1:00に仕事がハネると、その足で出発する。
いつもの道を抜けて6号線に出ると、三郷南から外環に乗って、一気にフルアクセル。
言い過ぎた、そこそこアクセルの200巡航で走る。
外環は混んでたので、すり抜けながら走り、関越に乗ったところで、ちょっとだけ開ける。
するすると穏やかに加速し、220くらいのところから一気にフルアクセルにして数秒。
260ちょいの高速ゾーンを数秒楽しんで、そのあとまた200前後で巡航。
何度も繰り返していると、左横の燃料計が、目に見えて減ってくる。
「燃料の残量がわかるのはありがたいが、こう減りが早いとそれも良し悪しだなぁ」
とワガママな事をつぶやきつつ、高坂SAで休憩と給油。
一服いれながらマルにメールを入れると、折り返し電話が鳴る。
「あんだおめ、今ドコだ?」
「高坂」
「お、速ぇじゃん。俺は桐生あたりだ」
「つーかよ、おめーひでぇ世界にいたんだな。なんだこれ。めちゃめちゃ高速出しやすいぞ」
「俺様が今まで、いかに反則な乗り物に乗ってたか気づいたか。がははは」
「まったく、ひでぇ話だ。これじゃRIIIでも109でも置いていかれるはずだよ」
「たりめーだ。まいいや、早くこいよ」
「おう、んじゃ、あとでな」
給油したら、今度は赤城まで一気に走る。
そういえば、poitaさんとはじめて走ったのも、ココだったなぁと懐かしく思い出し、
「いやいや、まてまて。アレは、まだ去年の話だよ。懐かしく思い出すのは早すぎ」
とセルフツッコみ。
んで、すっ飛ばしてたんだけど、軽く違和感を感じる。
違和感つーか、不満。
「おい、関越ってのは、もっとギャップがあるんだぞ!」
誰に言うともなく憤(いきどお)ってみる。
今までに比べて極端に高速走行へ振ってある足回りのせいで。
200オーバーでギャップ(だったはずのもの)を踏んでも、びくともしないのだ。
「こんなに楽じゃ、ヘタクソになっちゃうんじゃねーか?」
と、それ以前に上手くもないのに、余計な心配をしつつ、気づけば赤城インター。
さくっと降りて空っ風街道を東行し、県道4号から北上して赤城へ入る。
赤城神社の駐車場に着くと、陽が斜めに傾き始めた、午後3:00。
携帯を取り出すと、Zからメールが入っている。
ヤツらしからぬ、しかもタイムリーなトラブルがあったみたいだが、コレは本人のところで。
んで、Zが無事にK君を送り出したと言うので、K君の携帯に、ココまでの道順を書いて送る。
赤城神社の景色を眺めながら、北面を走ってるだろうマルゾーを待っていると、程なくして電話が鳴った。
ブツブツと切れて話しづらいので、赤城神社に居る旨だけを伝える。
やがて、低い排気音を響かせて、ブラックバードがやってきた。
つーか、シンプソンの革上下バッチリ着込んでやる気満々じゃねーか、マル。
神社の駐車場で、マルにハヤブサのローダウンっぷりを見せて笑いをとった後。
17mmのオープンエンドレンチを取り出して、車高上げの作業に取り掛かる。
「なんだよ、結構メンドウじゃねーか」
と要らんツッコミをするマルを尻目に、数分で車高が上がった。
さ~てマルちゃん、走ろうか。
北面を、昔マルがRZでチャンバー飛ばしたあたりの休憩場所まで、軽く流して走る。
駐車場で停まったところでマルがこっちを振り向き、
「急に車高上げて、違和感はないか?」
と聞くので大丈夫だと伝えると、そこから今度は、マルいわく「50%くれぇ」のペースで走り始めた。
最初のコーナーに入って、ブレーキをリリース。
車体なりの一次旋回から、リアにトラクションをかけて二次旋回に移ると。
オーマイハヤブサ! なんてステキなんだおまえは。
ぐいぐいと力強く、かと言って神経質でもなく。
クイックというよりはコントローラブルな感じで、気持ちよくコーナリングしてゆく。
「やっべ、楽しい」
ココに来るまではローダウンのまま曲がってたんだが、さすがに車高を戻すと、旋回性が違う。
リアタイアを食いつかせ、トルクで押し出しながら曲がっていく感じは、なかなか筆舌にしがたい。
意識してシートの後ろに乗るようにすると、その感じはさらに顕著になる。
「スズキってフロント荷重のイメージがあったけど、これはずいぶん違うな」
そう思いながら、マルの背中を見て走る。
久しぶりだ。
やがて赤城北面の最長ストレートに出た。
ここで一気にアクセルを開ける。
ハヤブサは巨体をモリモリと押し出し、タコメータはまったくダルさを見せない。
容赦なく加速して、ストレートエンドで200に入ったところから、ガッツリとブレーキング。
これがまた、怖くない。
クルーザに比べると100kgも軽いからだろうか。
普通に流して走ってると、握ったとき奥で効く感じのノーマルブレーキは。
この速度からだと安心感のあるタッチに変わる。なんでだろ?
んで、ストレートエンドからコーナーへ慎重に飛び込む。
ここは最大速度からのブレーキングになる。
なので、進入スピードを読み違えると、即、事故につながりやすい。
充分に安全マージンを取って、少し速度を殺しすぎたかな? くらいの感じで入る。
少なくとも俺とマルは、そんな感じ。地元は知らないけど。
マルに引っ張ってもらったおかげで。
下の休憩場所につくころには、だいぶんと乗れるようになってきた。
いつもの話だが、ありがたいことではある。
普段はそんなコト言わないんだけど、ハヤブサに少し乗れ出したのが嬉しくて、マルゾーに礼を言った。
聞いてなかったけど。
んで、マシンを取り替えて、今度は登りを、相手の単車で走ってみる。
うん、しばらく走ったあと、マルが乗れてきたら、コーナー三つで消された。
ところがこっちは、ハヤブサの後だとやけに乗りづらい。アレだけすげぇと思っていたブラックバードが、吹け上がりもダルいし、コーナリングではコンビブレーキが邪魔をして、コントロールしづらいのだ。や、コンビブレーキ、ホント要らねぇ。
マルやpoitaさんみたいに、一発でコーナリングスピードを決められれば良いんだろうけど。
俺はコーナリング中にリアブレーキを多用するタイプ(これでRIIIのリアブレーキをぶっ壊した)。
なので、とにかく乗りづらい。ま、ヘタクソのイイワケって面もあるけどね。
でも、速度や姿勢を調整しようとリアをなめると、フロントがボトムして車体が起き上がり、とっ散らかってしまう。ブラバの特殊な乗り方に戸惑いつつ、必死にマルを追う。それでも、今までほど離されないのは、やっぱり単純に嬉しい。
休憩場所に着くと、マルもちょうど単車を停めたところだった。
「どーよ?」
ニヤニヤしながら聞いてみると、マル、もんすご凹んだ顔で。
「あんだこれ、すんげぇ曲がるじゃん」
「あーよ。ブラバは怖いな。コンビブレーキ、キャンセルしねーの?」
「する。つーかかみ君、正直に言うとね、ハヤブサ、欲しいな俺」
ウデでは凹ませられないが、ハヤブサがへこましてくれたので、よしとしようか。
凹みマル。
んで、楽しく(主に俺が)話してると、K君が新型のYZF-R1(180ps)でやってきた。
「お、思ったより早かったな」
K君をマルに紹介すると、ヤロウ、挨拶もそこそこに
「K君、初対面で悪いんだけど、R1、またがせてもらって良い?」
イキナリのマルゾーに嫌な顔ひとつせず、うなずくK君。どっちが大人だか、わかりゃしない。
ま、結局、俺もまたいだどころか、ふたりとも赤城北面を往復、乗らせてもらったんだけどね。
ホント、K君、ありがとね。
それから三人で、とりあえず往復しようと走り出す。
言っても、お互い単車乗り。
初対面の会話は、クチじゃなくてこっちでやるのが、ゼッタイに正しい。
マルが今度は7~80%で走り、俺も後ろからK君が来てるので、ちょっと気合を入れて走った。
後ろに乗って、トラクションをかけて曲げる。
きちんと作業をしてやれば、きちんと曲がってくれる。
楽しい。
下まで降りたら、タバコ一本つけて休憩し。
「マルゾー。どうよ、離されなくなったろ?」
とご機嫌な俺。するとヤロウ、にやりと笑って言った。
「あそ。んじゃ、本気で走っていい?」
俺は一瞬、言葉に詰まる。
ヤツの本気って言葉を、久しぶりに聞いたからだ。
だが、それを聞いたら、なんだか腹の中から、もぞりと起き上がってくるものがある。
俺は、腹の中でわめき始めた、そいつの言うとおりに答えた。
「おうよ、本気で走れ」
K君には悪いが、もう、彼を気遣う余裕はない。
マルが走り出し、俺はその後を追って走りだす。
直線を登ぼりながら、俺とK君の車体が道に対してまっすぐ向いたのをミラーで確認したマルは。
アクセルをひねった。
排気音が高まる。
ズボォ!
ブラックバードが加速する。俺もその後ろでアクセルを開ける。
シュゴー!
ノーマルの静かな排気音とともに、ハヤブサは瞬時にブラックバードの後を追った。
乗り比べて、加速というか吹け上がりの早さや、下からのトルクではこっちに分があるとわかってはいた。
が、それでも加速するマルの背中にぴたりとついていけるのは嬉しい。
ウデじゃぁないのは、充分わかってるけどね。
と。
最初のコーナーで、マルの背中がゆらっと揺れる。
きた。
本気のマルだ。
俺も気合を入れてコーナリング。
コーナー途中から、アクセルを開け始め、リアにトラクションをかけてぐいぐいと曲がりながら加速し始める。
ハヤブサ、やっぱり気持ちいいなぁと思いながら出口を見ると。
マルはもう、次のコーナーに差し掛かっている。
くっそ、やっぱり速ぇ。
短い直線を加速し、そのまま次のコーナーへ。
立ち上がって出口を見ると。
消された。
わかってたことだが、本気のマルはやっぱり桁が違う。
それでも今までのようにモチベーションが下がらないのは、
「こいつ(ハヤブサ)ならそんなに離されないだろう」という期待と、後ろから追ってくるK君の存在だ。
路面のギャップを拾うたびに、ちらちらとミラーに映るR1のヘッドライトが背中を押すのだ。
闇雲に突っ込まずに、もっと頭を使え。
早くアクセルを開けるために、我慢するところは我慢するんだ。
直線は大胆に、コーナーは慎重に。
慎重とビビリは違げぇんだぞ?
おい、だからって突っ込みすぎるなって。
慌てるな。
言い聞かせながら、それでも「K君をミラーから消してやろう」と言う、入れ込みがあったのだろう。
少し開けるタイミングが早すぎたのと、上体が突っ込みすぎてた。
トラクション不足だろう、何度かリアタイアがずずっとすべる。
だが、滑った感じがつかみやすいので、そんなに怖くない。
むしろ、自分を叱咤するいい材料だ。
パワースライドなんてかっこいいもんじゃねーぞ。
今のは単にトラクション不足だ。
もっとしっかりリアに荷重しろ。このヘタクソが!
すると、一度だけ、しかも限りなく偶然だが。
立ち上がりでケツを流しながらフロントがリフトする。
「おぉ! 今の俺、カッコよくね?」
なんて余計なことを考えてたら、次のコーナーでまた早めに開けすぎて滑った。
コレはダメな方の滑り方。
結局、綺麗にトラクションをかけて、軽くリフトしながらコーナーを抜けられたのは、この一回だけ。
ヘタクソだなぁ、俺。
長い直線では、何とかマルの姿が見える。
が、コーナリングに入るとふたつかみっつ先のコーナーを走るやつの姿は見えなくなる。
それでも何とか、バックミラーからK君の姿を消して、そのまま上の休憩所に。
楽ぁのしいっ! 気ン持ちいいぃ!
メットの中でわめきながら休憩所に入り、フルアタックで疲れたので、少し休憩。
その間に、体力のあり余ってるK君に、
『俺たち(俺とK君)が、どんなマシンで引き離され、消されたのか』
を体感してもらうことにした。
K君、ブラックバードにまたがって、
赤城北面の下りへ消えてゆく。
俺とマルは、そこで彼を待ちながら、走り方の話なんかをした。
『いまよりもっとリアに荷重をかけて、もっと身体をインに入れろ』
と言うマルのアドバイスにうなずきながら、俺はハヤブサの楽しさに、興奮で身体がほてり気味だ。
そうしてバカ話や単車話をしながら待っていると、やがてK君が帰ってきた。
「怖いです。なんでこのバイクで、あんなに速く走れるんですか?」
ダメだK君、そんなこと言っちゃ。クソマルが図に乗っちまうから。
K君がマルゾーの変態っぷりを確認したところで、今度はK君をハヤブサに乗せてみる。
ついでに、K君に快諾をもらって、マルゾーがR1に乗る。
俺は、しょんべんタイム。だって、もうブラックバードに乗りたくないんだもん(可愛くないです)。
官能的な排気音を響かせて、マルとK君がくだりへ消えていく。
俺はその間、ブラバで定常円書いてみたり。
紅葉の始まった赤城山を見ながら、ケモノ道を探したり。
色々しながら暇をつぶした。
いや、ランツァじゃ来ないって、こんな遠いところ。わかんねーけど。
ケモ道は山なら必ずあるはず。ほんと、ランツァとmoto君のおかげで、見方が変わったなぁ。
やがて、ふたりが帰ってくるが、マルが首をかしげている。俺はさっそく感想を聞いてみた。
「あんだ? やっぱすげぇか?」
「ん~わかんね。いや、速いし停まるし曲がるけど、なんかぴんとこない」
バカの解説では要領を得ない。
「いいから借りて乗ってみろ」
つわけで、俺も乗ってみたのだが、なるほど、ぴんとこない。
速いには速い。
直線もコーナーも速いことは間違いない。
だけど、なんていうかコーナリング中の高揚感がないのだ。
ためしに前に乗ったり後ろに乗ったりしてみると、前乗りの方がいくらか面白いか。
俺の個人的感想としては、このマシンなら2stエンジンが乗ってて欲しい。
特性とかじゃなくて、1000ccはでかすぎる(重すぎる)気がするのだ。
実際は間違いなく軽いし、マスも集中してるんだろうけど。
身体の下に抱えてるそのカタマリ感みたいなもんが、正直、邪魔くさい。
いや、借り物で一往復しただけだし、ヘタクソな俺がR1をきちんと使えてないことは充分わかってる。
だが、それでも、R1=ストリートの王様的なイメージがあったので、全体的な『硬さ』が気になった。
脚の初期入力は確かに柔らかいんだけど、それでも全体的にサーキット臭がする。
俺とマルはハヤブサのほうが好みみたいだ。
すでに陽が暮れてきた。
息も白くなってきた。
さすがに山は寒い。
その上、K君のR1は俺が借りて往復する間に、貧乏ランプがついてしまっている。
さらに、マルゾーは鳥目なので、暗くなると、とたんに走れなくなる。
つーか、俺も暗い道は嫌いだ。
んじゃまあ、お開きと行こうか。
赤城山を下るうちに、陽はとっぷりと暮れてしまった。
暗い峠道を、車の後について、おとなしく下る。
それから県道4号を南下し、空っ風を超えて、しばらく行った先にあるスタンドで、みんなで給油した。
ホント、ガソリン食うね、こいつらは。
んで、俺はココでやることがある。
もちろん、車高を下げるのだ。シャコタンはかみのアイデンティティ。
待たせるのも悪いので、ココで解散しようと言いながら、K君に冗談めかして。
「なんだよ。明日仕事じゃねーなら、K君、俺ン家に拉致するんだけどなぁ」
言うと、彼はこともなげに
「かみさんさえよろしければ」
よろしいに決まってるじゃねーか。
そうと決まれば、「せっかくだから車高下げ作業を見てろ」という話になり。
「それじゃあ俺も」とマルも付き合ってくれる。
んでマルのおごりの缶コーヒーを飲みながら作業をしていると、
「おぉ、気持ち悪りぃ。見る見る下がってくじゃん」
とガキみたいな歓声を上げてるバカマル。
やがて作業が終わり、本日のcrazy marmaladeでっかいもん倶楽部は、これでおしまい。
県道4号を南下し、国道と交わったところで、マルとホーンを慣らしてお別れする。
そしてK君とふたり、インター目指して走る。
途中で『俺が先頭を走るときのお約束』、
インター入り口を見逃してUターン
なんてイベントも、華麗にこなしながら、関越に乗った。
後は、ぶっ飛ばして帰るだけ、なんだが。
予(あらかじ)め「K君は160くらいで走る」的なことを聞いてたのを、ギリギリ思い出した。
なので、K君が離れないくらいの感じで、ミラーを確認しながらすり抜けつつ、家路を急ぎ。
何とか無事にたどり着く。
たどり着いたらいつも雨降り、もとい、『いつも宴会』のかみ家。
K君はあんまり飲めないので、ビールのフルーツジュース割りを。
俺はもちろん、ビールをスタートに色々とチャンポンで飲みつつ。
バカな話をしながら、楽しく、しこたま酔っ払った。
時間的には、遠かったのと陽が短かったので、大して走りこんだわけじゃない。
けど、マルやK君と走った時間は、久しぶりに気持ちよく。
マシン的なストレスもまったく無しに(これ、非常に重要)全開で走れて、最っ高に楽しかった。
その後の酒もバッチリ効き、めちゃめちゃ幸せに酔っ払えたことは言うまでもない。
ケモノも良いし、サーキットも良い。
でも、これもまた、本当に楽しい時間だよね。