人気ブログランキング | 話題のタグを見る

15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山

昨日の宣言どおり、ダチのZと筑波山に行ってきた。

ところで、俺は昨日からずっとSDRとRocketIIIのどちらで行くか悩んでいた。筑波ならSDRの方が楽しい。でも、リアブレーキが直って戦闘力アップ(復調とも言う)したRIIIのパフォーマンスも確認しておきたいと悩んでいたわけだが、話は思いがけない角度から簡単に片付いた。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_214847.jpg

こんな大荷物を抱えて、SDRでは走れない。

もちろん筑波までもって行くわけじゃなくて、途中で郵便局から発送する荷物なのだが、どっちにしてもこれでSDRと言う選択肢はなくなったわけだ。むしろ気持ちよくRocketIIIで出発できる。 いわゆる神様の配慮ってヤツなんだろうね(違います)。

んで、今回はあえて国道や大きな幹線道路を使って行ってみた。

のだが、これが見事に大失敗。完全無欠のルート選択ミス。途中で検問(単車は関係ない検問だったが)やってるわ、信号につかまりまくるわ、いつもの五割増しの時間がかかってしまった。

ほうほうの体で筑波を登ると、すでにZが風返しを攻めていた。

 


俺もすぐに走り出し、風返しを攻めていると、3本目くらいかな?

くだりの途中で、それはやってきた。

ぬかっ

そう、いつもの嫌な訪問者。むしろ世界で一番会いたくないムカツクやつ。ま~たリアがスカスカになったのだ。上まで来るなり、休憩も入れず走り出したからかも知れないが、やはり、根本的に走り方を変えるか、ブレーキを強化しないとダメのようだ。

ノーマルブレーキアッシー8万も出して買わなくてよかった。

Zいわく、「マフラーも関係してるんじゃないですかね」とのことで、
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21494240.jpg

確かに、ただでさえ俺のキャリパーは、ホワイト餃子ばりにビートルバッグに包まれている。

そのうえ念入りに、溶け出したバッグの樹脂でコーティングまでされている。

「ブレンボのビートル包み焼、樹脂の柳川風」といった様相を呈してるわけだ。

そこへ持ってきて、空気で冷えるはずのディスクに、数百度にも達するだろう、2300ccの排気ガスが、絶え間なく吹き付けられているんだから、改めて考えると、あまりぞっとしない光景だ。6000rpmまでぶん回したノーマ・ジーンのキスよりお熱いガス。

リアキャリパ近辺が、冷却と言う言葉からイチバン遠いのは間違いのない事実だろう。

Zの言うように、 リアのトラブルにはマフラーも関係ありそうだ。

 

15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_2151276.jpg

ディスクを冷やすために、しばらく風返しの休憩所で一服。

と、そこへビーンビーンと、元気な排気音(おと)で現れたのが
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21515057.jpg

アプリリアのRS50。現在ではほとんど見られない、50cc2stレプリカだ。

ま、見られないつったって、このすぐ横にTZR250SPRなんつー、ある意味同じくらいマニアックな単車が停まってるわけで、峠ってのは一般社会とまったく違った車両分布だから、面白くていいね。ビクスクとかいないし。

コレに乗ってるのは高校生だった。

おそらく通学の帰りだろう、風返しを一往復して山頂に戻ってくると、おもむろに弁当を取り出して、食べだしたのだ。学校帰りに軽く峠を走って、山頂で弁当を食うとか、すげえうらやましい青春模様。そこへZが

「あのRS、何年型?」

と話しかけ、そこからイロイロと話に華が咲く。2006か7モデルですとか、チャンバー入れてるから10psくらいありますよーとか、親がアレにしろって言ったんですだとか、俺とZで事情聴取を重ねるうちに、衝撃の事実が判明する。

 

少年の父親、俺と同い年でやんの。ショック。



ディスクが冷えたので、少年を追って走り出し、何本か風返しを攻めていると、やはり3~4本目くらいだろうか、くだりの途中で 予定調和のいつもどおり、ぬかっとリアが抜ける。しかたなく、上りきったところでまた休憩。Zはそのまま攻め倒している。

と。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21542056.jpg

ぬ”おぉぉぉぉぉん!

と爆音を響かせて、銀のHONDA(四輪)が往復し始める。「おぉ、頭文字Dだ」とかくだらないコトを思いながら、しばらくの間車の走りを見てたのだが、やっぱ車はつまんないので、 すぐ飽きてしまう。そこで俺はリアバッグから工具を取り出した。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21545140.jpg

ハンドルの位置を変えてみるのだ。

今回、わずかだがリアを使って走ってみて、自分でも勘違いしてたことに気づいた。

リアが使えないうちは、フロント制動に頼るしかないから、自然、フロントがボトムした突込み気味の走り方になる。そういう乗り方だとハンドルが遠い方がコントロールしやすい。だが、RIIIみたいな基本がクルーザーの場合、往々にしてリアステアな場合が多い。

むしろ、リアステアと言い切ってもいいかもしれない。

なので、リアステアの単車をフロントで乗れば、こじったり、無理寝かせしたり、余計な動きをする羽目になる。しかも、それが速さにも安全にもつながらないと言う、厄介な事態に陥りやすい。

今回、前後ブレーキを使って、つまり本来の制動力を使って、ノーズダイブを抑えながらキッチリ減速し、シートのかなり後ろの方、ほとんどリップにケツがつくほど後ろに座りながら、後輪を意識して操ってみた。

と、やはり本来は素直なハンドリング(クルーザにしては)のRIII。

突っ込んでキッチリ減速し、旋回からアクセルをアテ気味に回してやると、非常に素直に(車格なりだが)旋回してゆくチカラが感じられる。リアタイアに乗って、リアが傾くだけ車体が回ってゆく感じ。

当たり前かもしれないが、コレが非常に気持ちよかった。

しかし、そのときに問題があって、後ろに座ると当然のことながら、ハンドルが遠すぎるのだ。前寄りで早くからリーンさせて走ってるときはよかったポジションが、リアステアで回り始めると、やたらと大柄に感じる。ま、実際、大柄な単車なんだが。

俄然、ポジションをコンパクトにしたくなってきた。

 


やがて4:00になり、Zが帰ると言う。

しかし、俺はまだ走り足りなかった。だが、ようやく冷えたリアに、これ以上、負担をかけたくないのも事実。 走ろうか帰ろうか迷いながら帰り支度をしてるうちに、ふと、ここの所ずっと気になってたことを思い出したので、Zにその旨を告げる。

「俺さ、前から気になってた道があるんだよ。そこ、走ってみるわ」

俺が場所を地図で示すと、Zが笑いながら

「えぇ、あそこ走るんですか? すげえ荒れたグネグネの道ですよ?」

どうやらRIIIで行くところではないらしい。しかも、くだりは特にありえないとのコトだ。だがそこは俺、走りたいと思っちゃたんだから仕方ない。風返しの頂上でZと別れると、俺はそのまま筑波スカイライン(パープルではない)へ入っていった。

 

入るなり、ものすげえカントに、荒れた路面……いや、むしろコレは歩道だな。

ボコボコと規則的に凹凸のある、コークスクリューみたいな道を、ほとんどエンブレだけを頼りに下って行く。道は狭くなり、砂が浮き始めた。が、四国の林道に比べれば、全然問題なし。四国ツーリングを思い出しながら、ヘルメットの中で自然に笑いが漏れてくる。

「こんなトコ、320kgのクルーザーで下るバカ、どこにいるんだよ。ココにいるっ!」

とか、ひとり突っ込みしながら、最後の方はゲタゲタ笑いながら下ってゆく。

かなりアレなひとチックな光景だっただろう。

 

やがて道が広くなり、筑波山を下りきった。

しかし、ブレーキのこともあるし、何よりいい天気のもと、走るのは筑波の田舎道。

久しぶりのソロツーリング気分で、のんびりと流す。流す速度だと、コレもやっぱりハンドルが遠い。まあ、俺の場合、ひとつ気に入らなくなるとすべて気に入らなくなると言う、わかりやすいメンタルの構造なので、そのせいも多分にあるとは思う。

しかし「やっぱりのんびり走れなくちゃ、単車の楽しみの半分がなくなるな」と、軽く反省。

そこからまっすぐ走り、広域農道の入り口で右折。一気に上ってゆくと、途中からカマボコ(暴走防止用の路面突起)が地面に生えてる。そう、第12回でっかいもん倶楽部で走った、筑波への入り口のカマボコだらけの道。アレの、山頂と反対側の道だ。

やがて登りきり、パープルの入り口を右手に見ながら下り始める。

と、下り始めてすぐのところで、俺はおもむろに単車を停めた。

なぜなら、空 になかなか気の利いた楽しそうなヤツが浮かんでいたからである。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21583932.jpg

ハングライダー。

 

「気持ちよさそうだなぁ……」

と気分はすっかり、のんびりソロツーリングモードに切り替わる。ハングライダーのふわふわした浮遊感の漂う飛び方が、そのムードに拍車を加える。そのうちふわふわとこっちにやってくるので、手なんか振ってみたりして。さっきの峠とは大違いの、ゆったり気分。

ああ、天気はいいし、あったかいし、気持ちいいなぁ。

さぁ、あとはのんびり、家に帰ろうか。

 

 

 
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21585691.jpg

うん、帰れなかった。

つーか、ある意味ココも俺の家みたいなものだが。いつもどおり、ものすごくナチュラルにライコランドの駐車場に入った俺は、中で買い物を済ませると、そそくさともどり、単車をまたがずに、 ビートルバッグを開けて工具バッグをとりだし、作業を始めた。

 

一時間後。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21592659.jpg

ハンドルを、ハリケーンのナロー3に交換。

 
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_21594356.jpg

もともと、V-MAXの時に好んで使ってたハンドルだ。

だが、インチバーにはこの形が見当たらなかったので、すっかり存在を忘れてた。もう少し立ち上がりの高いナロー4にしようかとも思ったが(タンクがもりあがってるから)あまり高すぎてもと思い直したのだ。コレでハンドルが近くなり、ポジションもコンパクトになる。

ブレーキの問題さえ片付ければ、きちんとリアステアで回ってやれるはずだ。

poitaさんとのハンドリング比べの前に換えてしまったのは申し訳ないトコロだが、同じ単車で似たようなポジションなら、そんなに違わないだろうから勘弁してもらうとして。さて、それじゃ試運転もかねて、軽く遠回りしながら家に帰ろう。

 

 

 

 

「隊長っ! ライトとインジケータは点灯(つ)くのにセルが回りません

ベタな展開に軽くめまいを覚えながら、なんか出そうなくらいに暗くなってきたライコの駐車場で原因を探ってみる。さっきまで走ってたんだから、それほど重要なトラブルではあるまい。 さっきやらかしたハンドル交換が原因だろう。そう当たりをつけて探してみると。

あった。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_2204753.jpg

セルスイッチの線が、一本切れてるじゃん。

スイッチ開けてとか面倒なので、ロケーションを利用して、ライコ店内に駆け戻る。同じスイッチがなかったので、前に使ってたトグルタイプのスイッチを買い込んだ。ついでに、スイッチベースも買ってきて。自販機の明かりを頼りに配線作業とか、ホントやりたくねぇ。

 

どうにかこうにか、作業も終わり。
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_2212516.jpg

前よりちっとはマシになったかな?

 
15th Crazy marmalade でっかいもん倶楽部 筑波山_e0086244_2213912.jpg

ライダー側から見ると、突っ込みどころ満載だけど。

 

こうして第15回でっかいもん倶楽部は、最後までネタまみれになりながら終わった。

スクリーンがイチバンの急務だと思ってたけど、ほかにも不具合がいっぱいあるなぁ。

つーかこれ、やればやるほど悪くなる、ダメなカスタムの見本な状況だよなぁ。



でも、神様がくれたプレゼントみたいに、いい天気だった午後。

走って、ダベって、いじって。

この上なく、充実した一日だった。同じくトラブルまみれでも、こんな風に楽しく思えないときもあるんだから、やっぱり人生って気の持ちようなんだなぁと、つくづく感じた。どうせトラブルや嫌なことは、これからだってやってくるんだろう。

だけどやっぱり、気持ちよく、楽しく走った方がいいに決まってる。

そのためにも、装備や対策はすごく大事だ。しかし、楽しく走るためにもっとも大事なことは、楽しんでやろうって気持ちなんだと思う。ものすげえ当たり前のことだけど、実践するのはなかなか難しいよね。いつの間にか、言い訳ばっかりうまくなって。

今日は、青い空とダチと道と単車に、改めて感謝したくなった。

 

う~ん、またソロツーリングしたくなってきたぞ。

 
by noreturnrydeen | 2007-01-31 22:03 | でっかいもん倶楽部

アーカイブ


by かみ