仕事を終え、柏インターを目指して走る。

柏から常磐道に乗り、一瞬、昨日までの流れのまま首都高を目指しかけながらも、一気に北上。

相変わらずの慣らし中のストレス速度で巡航しつつ、一路、福島を目指す。




R3もVTXと同じく、いや、それ以上に強風に強いようだ。

常磐道名物の強風をものともせず、半分(以下?)の力で、ぐいぐいと常磐道を下る。

でも、ホンキで走れないマルチシリンダほど面白くないものはないわけで。

いや、三春までの道中の長いこと長いこと。



 

いわきJCTの手前でマルに電話。

「もうすこじゃねーか、早く来いよ。気をつけてなー」

何も知らずに、のんきな声を出しやがって。いま、その顔をゆがめてやるからまってろよ。

と意地の悪い笑いを浮かべながら、昨日のアンコ抜きしたシートのせいで、ケツが痛くてしょうがないのに閉口しつつ、船引三春ICを目指してひた走り、やがて到着。駐車場で金を払い、どこかに出かけているというマルたちが来るのを待ちながら一服。

正直、樹齢千年の滝桜とか、も、どうでもいい。

とにかくマルの悔しい顔や、ガンボのびっくりする顔が見たい。

 


やがて、排気音が聞こえてきた。

赤いCBR1100XXを先頭に、ニンジャとFZ、三台の単車がやってくる。

R3は黒とメッキパーツのクルーザだから、一瞬見ただけではVTXと見分けがつかない

何事もなく横に停めた三人(まあ、Zは事情がわかってるから、実際はふたりなんだが)のうち。



真っ先に騒ぎ出したのは、予想通りガンボだ。

何度か『え?』って顔をし。

「なんで? なにがおこってるの?」と叫び。

ようやく事情を理解したのだろう、笑いながらおもむろに

「やられたっ! 」と叫ぶ。

俺、ニヤリ。




続いてマルが、

「何を騒いでるんだ?」

って顔をしながら、やつの脳内ではVTXなはずの単車をしげしげと眺め。

やがて理解すると、苦笑を浮かべて

「そうきたか!」

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もーね、我慢した甲斐があったよ。


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こいつらの驚いた顔だけで、ご飯三杯食えるね。




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そのあとは、R3購入のいきさつから、スペックやハンドリングの話を一通りして。

落ち着いたところで、みんなで滝桜を見に行った。

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ガンボとZは、俺がくるまでに行ってた「つくし取り」とか「花の撮影」の話をしてる。

マルがその後ろから

「美しいだの風流だのが、一番似合わない顔ぶれだよな」

言うと、Zやガンボが

「そういうマルさんが、花とか見るたびに『かわいー』とか『きれいだぁ』とか感動してたじゃないですか」

と切り替えす。


ところが。

本来ならそういうことを言われれば、照れるなり強がるなりごまかすなり、何らかの反応をするマルが、

「うるせー」

とか言ったきり。



ん? と思ってマルの顔を見ると。

俺の方を見ながら、ものすげえ複雑な笑顔を返しやがった。

なんのことはない。悔しいのだ。

いっやー! めちゃめちゃ気持ちいい!

この顔を見るためにR3を買ったといっても過言じゃないね。




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滝桜を鑑賞し(俺とマルは滝桜どころじゃなかったのだが)、駐車場にもどる。

俺とガンボは常磐道、Zはマルの家に行くと言うことで、ふたりは東北道。

ここでお別れかと思っていたらZが、天気の話でもするように淡々と


「ここからなら、ちょうど常磐と東北の間なので、途中まで下道で行きましょう」


つまり、せっかくだからワインディングを走ってから帰ろうと言うのだ。

もちろん、異存のあるような常識人は、 俺のダチの中には一人として存在しない。

あっというまにワインディング→高速ルートに決定した。



日も落ちかけた時間に、これから250キロくらい走って帰るってのに。

最高に楽しいヤツラだ。

 



R3の、ワインディングでの真価を試せるときが来た。

俺の苦手な中高速コーナが多いコースなので、逆にわかることも多いだろうし、VTXとの違いもはっきりするだはず。バンク角から言って、VTXよりは断然戦闘力が高いはずだし、上まで回せなくても、その実力の片鱗くらいはうかがえるはずだ。

そう思って走り出したのだが。



いや、正直驚いた。

まだ俺も乗れてないし、上までまわせもしないのだが、その段階ですでにVTXより速い

5年も乗って、ステップ2セット以上削り倒し、イロイロ妄言を吐けるほど扱えるようになったVTXよりもだ。

「これで、俺が乗れてきて、エンジンも全開で回せるようになったら、どこまでいけるんだろう?」

マルのケツを眺めて走りながら、俺はヘルメットの中でほくそえんだ。





と。

東北道組と別れるポイントの手前で、Zが停まった。

「上にあった自販機まで戻って休憩しましょう」

翻訳すると、「面白い道だったから、もう一回走ろう」と言うことだ。

これから、200キロ以上も走って帰らなきゃならないのに。

それでも『楽しかった』という理由のみで、あえてもう一度、同じ道を走る。

これぞまさにZRZクオリティ。

や、知らないけどたぶん。

 



今度はマルの前に出て、Zに引っ張ってもらいながら走る。

のぼりだから、さっきほどZに離される事もなく、自販機のところまで一気に戻った。

と、マルがヘルメットを脱ぎざま

「やべぇ、思ったより追いつけなかった」

俺にとっては、最高の賛辞である。

同時にR3の秘められたポテンシャルを思って、うれしくて仕方なくなった。



それからしばらく自販機のまえでダベる。

ニンジャ好きのマルが、ガンボのニンジャのセッティングの話で熱く(暑く)なる。

ガンボも熱心に聴いてたのだが、そのうち

「乗ってみる?」

マルが断るわけがない

ガンボのニンジャにまたがると、いま来た道を下りだした。



三人でダベってるうちに、オンオンと排気音が聞こえ、マルが姿を現す。

そのままこっちには来ないで、さらに上へと消えてゆく。

そのコーナリングの姿を見て、俺は初めてマルに会ったころを思い出した。

アップハンのニンジャでコーナーの向こう側に消えてゆく姿は、二十歳のころと何も変わらない。

その変わらなさがうれしくて、思わず、「懐かしいぃ!」と叫んでしまった。



ガンボニンジャのこれからの課題が決まったところで、あたりはだいぶん暗くなってくる。

残念だが、<第六回Crazy Marmalade でっかいもん倶楽部in滝桜>も、終わりの時間だ。

俺たちは分かれ道でホーンの挨拶をすると、それぞれの帰路についた。


 



って終わればカッコいいのだが、現実は甘くない。

現実つーか俺の方向音痴っぷりは甘くない。



同じく方向音痴の気があるガンボとふたり、きっちり道を間違え。

予定よりひとつ遠いICから常磐道に乗る羽目になった。

もちろん、当たり前のごとく堂々と 、いっそすがすがしく道を間違えたのは、俺だ。



ふたりで相談しながら、半分野生のカンで走ると高速入り口の看板が見えてきた。

こうやってたまになんとかなるから、覚えないんだなきっと。



ようやくたどり着いた高速の入り口で、ふたり、顔を見合わせるまえに叫んだ言葉は

「ションベンしてぇ」

寒さと振動で、尿意が促進されるのは、単車乗りだけが知る秘密。



男ふたり仲良く連れションしたあと、柏インターを目指して走り出した。

「マルとZは、今頃もう、家についてるかもしれないなぁ」

なんて思いを、頭によぎらせながら。




 
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# by noreturnrydeen | 2006-04-20 19:32 | でっかいもん倶楽部 | Trackback
 

水曜の午後になると、じっとしてられなくなる。

ダチのマル、Zと三人で走ることが多いからだ。

今日もZの「北茨城に、ちょっとおもしろいところがあるんですよ」のヒトコトで、あっという間に栃木から飛んできたマル。まあ、正確には昨日なんだが。とりあえずこれで、マルのCBR1100XX、ZのFZ、俺のVTXそろって、でっかいもん倶楽部の起動である。

俺は午前中仕事なので、二人は先に出た。

とは言え、マルは前日ゲーム三昧、Zはろくに寝ないでFZのタイアを交換してきたので、ヤツラが出たのが12時。後を追う俺は1時過ぎに出発。

 

柏インターから常磐道に乗るってーと、なんだこのバカみてえな強風は?

三車線の常磐道、車でさえ強風にあおられ足元がおぼつかないため、真ん中の車線ばかりやけに混んでる。当然俺はがらがらの追い越し車線を安全速度で走行。 しかし、ただでさえ強風で有名な常磐道だが、今日の風は輪をかけて半端じゃない。

160キープで走っていると、乾燥重量340㎏のVTXでさえ、酔っ払ったみたいにふらふら。

つーか、砂ぼこりで50メータ先の視界が効かないとか、どこのサハラだ?



自然、速度は120~140あたりをうろうろ。

これじゃあ追いつけないかなぁと、「一時間前に出発した相手に追いつくとか、どんだけケニーロバーツだオマエは」的セルフツッコミしつつ走っていると、後ろからフォン! と言う排気音とともに、マルがすっ飛んでゆく。
Zと合流してどっかのパーキングで話してたら、目の前を走ってく俺が見えたんだそうだ。

ゆっくり行ってくれてたおかげで、割合あっさり追いついた。

そのまま三人、日立中央SAで一回休憩を入れる。




こんどは単車を交換して高萩インターを目指す。

俺がマルのCBR、Zが俺のVTX、マルがZのFZつーラインナップだ。

つわけで、CBR乗った感想。



1)この強風下で、しかもフルカバードの癖にクソ安定

2)6速放り込んだままちょっと開けただけで、軽く190かよ

2)「あ、やべ」ってフロントブレーキなめただけで、カツンと効く



足、エンジン、ブレーキ、すべてが別次元。こりゃあ雨の東名であんなキチガイ技が出来るはずだよ。もっともこのリニアな特性とこのポジションで、三重まですっ飛んでくってのは、少なくとも俺は御免こうむりたい。クルーザが楽でいい。

それぞれほかのマシンの乗りにくさを思い知ったところで、高萩に到着。

料金所を出てマシンを乗り換える。

やっぱ誰がなんと言おうと、自分の単車が一番乗りやすいね。

 



ここから先は、峠に行くまでの道もふくめて、フルワインディング。

ものすげえ楽しい道が延々と続く。

俺自身は天気がいいからと装着してきたフルスモークのシールドが見づらかったり、だからってはずすと目ン玉が走行風で真っ赤になったり、完調とは言いがたいコンディションだった。だが、そんなことはイイワケにさえならない。

やっぱりマルとZは速い。

Zはこないだから乗り方を変えていて、フォーム改善の過渡期であるはずなのだが、それでも前よりは明らかに速くなってる。これ以上速くならなくていいのに。マルにいたってはCBRにもってこいの中高速コーナーが連続するワインディングだけに、そのZさえ突っつくほど。

もう、手がつけられない。

気持ちよく(?)走り倒して、峠のてっぺん。



そこからガソリンを入れるために一度反対側に降りる。

スタンドのおっちゃんとバカ話をして笑いあった後、満腹になった愛機とともに峠に戻り。

ふもと の販売機のところで休憩。ここらの一般的な休憩ポイントらしい。
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単車を降りると…………寒い。

そういえば山を登ってる間、ちらほらと雪が舞っていた。

もちろん、冠雪が風で吹き飛ばされたんだろうが、つまり、雪が溶け残ってるくらいには寒いわけだ。自販機でコーヒーを飲みながら、三人で震えつつ談笑。Zが「ダムを見に行く」とか言ってるんで、その間に俺とマルはもうひと走り。

片道3~4分の峠を上り下ってまた自販機の前。



マルが
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「寒いから走らん」

とかほざくので、俺はマルにヘルメットを借りてフルアタックしにもう一度山へ登った。やっぱりフルフェイスとクリアシールドは走りやすいね。これならもう少しマルやZの姿をビデオに納められたのに。とりあえずフルフェイスは買うことにしよう。

帰ってきたZと一緒にもう一往復して、そのまま帰路に着く。

「寒いし疲れたから、帰りは俺、100巡航するわ」

とかほざいた俺だが。

100でも150でも寒さは変わらないのに気づき、真っ先に裏切って高速をふっ飛ばし始める。



そして、そのまま流れ解散。

半日で300kmオーバーとか相変わらずバカっぷり絶好調な第五回でっかいもん倶楽部も、これにて幕。

マルなんぞ、昨日からの距離を考えたら三重に行けるってんだから、バカも極まってる。

途中のパーキングで三人一致した意見は。

 

「半日でも意外といけるじゃん」

 
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# by noreturnrydeen | 2006-03-30 19:22 | でっかいもん倶楽部 | Trackback
 


仕事をしていたら、整骨院にZがやってきた。


「じゃあ、先に行ってますから」

「えーと、『じゃあ』の意味が、まず、わからん」

「え? マルさんから聞いてません?」


無論、聞いてない。

が、Zが単車で現れた段階で、だいたい予想はつく。思ったとおり、筑波山に走りに行こうという話だった。俺やZとマルのちょうど中間に位置する筑波山は、突発的なちっちゃいもん倶楽部やでっかいもん倶楽部が行われる場所として有名である。

誰に有名なのかはともかく。



俺は仕事があるから、後から行くことになった。

俺ひとりで走るとなると、当然、迷子の心配が出てくるんだが。いくら千葉県随一の方向音痴を誇る俺でも、これだけ何度も行った筑波山なら迷うことはない。何より遅くなった分、走る時間がふたりより短くなるわけだから、そりゃ一生懸命、気合入れて走るってもんだ。

仕事が終わると同時にダッシュで帰ってくると、VTXにまたがって走り出した。

シオマネキ(SDR)じゃないのは現在、チャンバーに亀裂が入っているからだ。

それにマルもCBRで行くって言ってるらしいし、ZもFZ400で行った。

だから前前回に続いて今回の筑波山も、でっかいもん倶楽部だ。

 

てなわけで、かけらも迷うことなく筑波山に到着。

こないだと同じ場所で待ってるとほどなく、エグゾーストが聞こえてきた。

と、コーナーの向こうから、CBRとFZが姿を見せる。



休憩所に入ってくるなり、Zが肩をすくめて

「いやーマルさん速い」と笑う。

だからー! 例え思っても言っちゃダメなんだよそゆことは、調子にのるから。

なんて思いながらマルのツラをみれば、もう、憎らしいというのをヒト型にしたら、こういうのを言うんだろう的イキオイで、鼻高々な顔をしてやがる。 よりによってZにほめられてるんだから、そりゃあヤツの鼻も天を越えるって話だ。

ま、あ確かにクソマルはどこで何に乗っても速い。

もちろん例外もあるんだが、基本的にはオールラウンダーだ。

だがこのまま調子に乗らせては、彼の今後のためにもよくない。

そう思ったので、VTXに乗らせて、冷や汗かかせてやった。

もっとも俺もCBR借りて、ヤツの3倍くらいは冷や汗をかいたんだが。

 


その後、Zの提案で筑波サーキット近くのD'zというバイクのパーツショップに行く。

むかし上野にあった、結構有名な店だ。現在は上野のほうはつぶれてるらしいが。

途中でトッポい兄ちゃんが車で絡んできた。

俺らが信号待ちしている前に割り込んだので、気に入らなかったのだろう。赤信号のうちからじりじりと前に出て、左側のZやマルを行かせまいとしている。ちょっとカチンときたので、右から入り込んで真正面に停め、ケツを拝ませてやった。

案の定、青信号とともに、車はスキール音を響かせながらダッシュするクルマ。が、信号ダッシュでそこらの車が単車に勝てるわけはない。俺とZはあっという間に引き離し、前の車に追いついてのんびり走る。マルに至っては抜きもしないで後ろを走ってた。

たぶん嫌がらせだ。

途中、何度か信号で停まると、Zが後ろの車を指差して

「後ろの車、ゼロヨンやりたいんですかね?」

とか聞いてきた。うん、ありえないから。少なくともこの状況は、そんな友好的な話じゃないからね、Z君。と、Zが指差したのをナニヤラきな臭く勘違いしたのか、車はそれきりえらい車間距離をとって走るようになった。と……俺はそう思っていたのだが、Zは店に着くなり

「マルさん、ブロックされてたんですか?」と聞く。

まあ、ないこともないだろうが、そんなことをされてたらそのまま黙ってるマルじゃないし、きっとなんでもないはずだ。そう思いながらマルの返事を聞いていると

「え? あ、わかんね」

どうやら、それ以前の問題だったようである。

 


サーキットの目の前にあるため、普通の用品ではなく、「レース中にこわれたり減ったりしたのを補充する」という需要のせいだろう。明らかに一般とかけ離れた品揃えに、三人で笑いながら店の中を探索。白いヘルメットばっかりだったり、レーシングスタンドがずらりと並んでたり。

逆に一般的な用品は日焼けして変色してたり。

街中のショップじゃ絶対にありえないだろう。

サーキット近くに住んでるヒトには珍しくもない光景だろうが、俺は堪能させてもらった。

マルとZの目がらんらんと光り輝いてるのが、ちょっと怖かった。

 

ステップやカウルの効果もさっそく確かめられたし、マルとCBRが峠に強いこともわかった、実に有意義な、『突発的でっかいもん倶楽部』だった。今日のデータを元に、VTXのカスタムを進めることにしよう。

目指せ、ハイライン&峠最速クルーザー!
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# by noreturnrydeen | 2006-03-22 19:10 | でっかいもん倶楽部 | Trackback
1日目

5月の連休に、ダチのおーがが三重から遊びに来るという話になってる。

で、その前に一発、急に訪ねて脅かしてやろうと思って、結構前から、三重行きをたくらんでいた。3月の20日を休診にして19~21日を連休にしたのも、そういう意図があったからだ。つわけで18日の午後、仕事が終わると同時に、速攻で家に帰る。

家ではマルが待っているので、そこで合流して三重に向かうのだ。

と、家の前に見慣れない単車が停まっている。
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CBR1100スーパーブラックバード。

やられた。

コイツがマルの手元に帰ってきたのは知っていたが、車検通す金も時間もないなんてほざいていたのを、鵜呑みにしていたのだ。後で聞いた話では、今月の生活費をつぎ込んだそうで、やっぱバカだこいつ。『くそマルめ、狙ってやがったな』うめきながら家に入る。

と、マルのヤロウがものすげぇ憎たらしい顔で笑ってる。

異常に悔しい。

だいたいこの顔は俺がマルに向かってするもので、されるものじゃないのだ。

「いやー、ほら。三重までぶっ飛ばすのに、足を引っ張ったら悪いじゃん? だから少しでも、かみくんの迷惑にならないようにだな……」

悔しいので、みなまで言わせず、ちゃっちゃと出かける。

 


柏インターから常磐道を登り、地獄の首都高渋滞を抜ける。

東名高速で一路三重県四日市へ。なにやらいつものとおりいつものごとく、大雨が降ってきたので、海老名SAで合羽を着る。そこに居たバルカン800の兄ちゃんと缶コーヒーを飲みながら、単車や雨について軽く話し、友好を深めたり。

その後、神戸へ向かう彼に別れを告げ、クソ雨の中を走り出した。

前日の段階でインジェクションのセッティングを終えているVTXは、ご機嫌な中間加速+心地よい高速域の伸びを見せつつ、ぐいぐいと加速してゆく。ここまで気持ちよく加速してくれるのに、こっちがヘタレてるわけにはゆかないので、マルのケツをにらみながら、じりじりアクセルを開ける。

が、さすがに雨の東名は、びりびりと神経にくる。



右ルートを取り高速としてはかなりタイトな、300、400Rのコーナーが続くなか、雨で手ごたえのない路面の上を170を超えてぶっ飛んでゆくマルの後ろを、飛び出す心臓を押さえながらついてゆく。短い直線でトルクを生かし、雨で全開しきれないCBRを抜く。

しかし道が左右に振れはじめると。

必死こいてる横をクソマルが信じられない速度でかわしてゆく。こっちだって水しぶきの中を160オーバーで突っ込んでいるのに、である。こういうキチ○イを野放しにしてるという事実が、静岡県警の怠慢ややる気のなさを如実にあらわしている。

世界中のCBRが逮捕されちまえば良いのに。




SAで給油と休憩をするたびに

「バカじゃねーの? 雨だぞ? ケツ、滑ってるじゃねーか」

とやさしく諭してやるのだが、クソマルには馬の耳に念仏。

いくらか雨が弱まってきたので、静岡を過ぎたあたりでカッパを脱ぎ、身軽になって本腰を入れる。まだ雲行きは怪しいし、雨は一日降るという予報だったが、今晴れてるならカッパを脱ぐのが男の子。

相変わらずバカ丸出し200オーバーでぶっ飛んでゆくマルのテールをにらみながら、大台超えるとひよひよと怪しくなるハンドルを押さえ込んで、振られるたびに大声を上げながら、それでもとにかくアクセルを開ける。

おとなしく走りゃ、怖くないのにね。

豊田ジャンクションを越え、伊勢湾岸に入ったところで最後の休憩。


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結局、雨も振り出した中、おーが宅へ向かってもう一息だ。

30分後、おーがんちの近所のインターから自宅へ向かい、迷うこともなく到着。

俺ひとりならあちこち迷って、もうひとつくらいトラブルなりネタを作れただろう。

が、人間ナビゲータのマルと、ホンダ車2台じゃトラブりようもない。

 

裏の駐車場へ単車を入れたところで、窓が開いておーがが顔を出した。

「あぁっはっはっはっはっ! アホや。アホがきよった」

とりあえず喜んでいるようで、サプライズは大成功。

風呂を借りてさっぱりしたあと、焼肉屋でしこたま飲み食いし、帰り際のコンビニで酒を酒を買い込んで、おーが家に戻って宴会。まあ、それほど飲んだくれるまもなく、あっという間につぶれて寝た。

 

二日目の話は単車関係ないので、こっちに書く。



3日目

で、三日目だ。

前の日、というよりその日の朝までおーがと喋っていて、寝たのが朝の8時。

起きたのが朝10:30。

だが爆睡したのがよかったのか、はたまたおーがやマルと居るから楽しいのか、寝不足でつらいといった感覚はない。休みの日は早起きな、俺の子供メンタルの勝利と言えよう。



帰る前にどこか走っていこうということで、おーがの家の近くにあるという峠に向かった。

ハイエースの後ろでマルと二人、ロールを切ったり身体を伸ばしたりしながら、ひたすら峠に備える。

やがて、ようやく峠の情報看板が見えた。

 

冬季閉鎖中

 

はい、終了。

上がってたテンションは一気に奈落の底へ。まあ、閉鎖ってんだから仕方がない。

そのまま近くのジャス○へ行き、昼飯を食うことになった。

こっちの人間で30以上なら懐かしいだろう、スガキヤのラーメンを食いにいくのだ。



平日のジャ○コのお食事ゾーンは、お母さんと子供でいっぱい。

そんなほのぼの風景の中に、突如現れた、「革ジャンの怪しい子連れおーが」&「上下革に丸坊主+ピアスの俺」&「目つきの悪いマル」のイカツくも間の抜けた姿。いきなり世紀末救世主伝説フレーバー漂う、三重ジ○スコの店内

すると。

飼い主様がニヤニヤしながら、「ここだけ明らかに浮いとるな」とつぶやく。

残念ながら彼女は、浮いてるのをおもしろがって周りのひとびとの「異物を見る視線」を楽しんでる段階で、自分も同じ側の人間なんだってことに気づいてないようだ。

かわいそうな子である。

 



ラーメンが来るまでの間さびしいので、たこ焼きを買ってきて喰いながら、おーがの愛息UKTとふたり、周りの女の子を食い入るようにガン見した。UKTは子供担当で、俺はお母さん担当だ。その様子を見たマルが笑いながら

「UKT、女の子見てるんだろー」

と、からかうと

「マル、女の子見てるとか言うな!」

とか怒られてた。

俺はその様子を見て笑いながら、自分も若いお母さんたちを、特に露出の激しいかわいいお母さんを、視線で子供生ませるくらいのイキオイで全力ガン見してたことに関しては完璧にほっかむりして、なかったことにした。UKT、裏切ってごめんな?

でも、これがかみなのだよ。

 

スガキヤを堪能し。
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ラーメン食ったら、さて、帰ろうか。

おーがたちと再会の約束をすると、彼らの思い出の地ジ○スコをでて、マルとふたり一路、関東平野へ。楽しいイベントの最後に必ず行われるべき儀式を、マルとふたりで厳かに執行する。

「さみしーよー!」

「遠足おわっちゃったよー!」

「かえりたくねーよー!」

などと奇声を上げながら、高速までの道をすり抜け大会だ。




風は強いが天気は良い。

高速に乗った瞬間、今までの楽しかった思い出は自動的に頭の隅へ仕舞われ、バトルモードに入る。

インラインフォーの官能的な排気音と共にかっとんで行くCBRを追いかけ、俺もアクセルを開けた。



が、とにかく横風がすごい。

湾岸線だから当たり前なんだが、前をゆくマルのバイクが直線なのにバンクしながら走っている。つーか、バンクしちゃうくらいなら速度ゆるめりゃいいのに。もっともVTXは重いからそこまでバンクしないだけで、俺も開けっ放しだったのは変わらないのだが。

ゆっくり走ったって、どうせトラックの風であおられちゃうしね。



そのうち、前が空いたのを見てマルがさらに開ける。

おいてかれまいと俺も開けると、強い風にスクリーンを取られ、いつもより早い段階でフロントがひよひよと頼りなくゆれだす。普段なら「関係あるかっ!」と腕力で抑えながら開けるのだが、いくらなんでも180やそこらで振れるのはまずい。

これがニンジャやV-maxなら当たり前だけど。

 

給油に寄ったSAでスクリーンを確認すると、どうやら固定ネジがぶっ飛んでる。

どうにかごまかしてやろうと苦心するのだが、いかんせん出先。

サイドケースをまさぐっても、ネジのあまりなど一本もない。



そこへ隣の悪魔から、ちゃちゃが入った。

「めんどくせーから、はずせよ」

まあ、めんどくせーからというのは非常に同意できる意見だったので、潔くカウルを取っ払い、久しぶりにネイキッド状態で走り出した。もちろん、悪魔のクソマルがスピードをゆるめるなんてぬるい事をするわけがない。

今度は、速度+αの風圧をモロに喰らいながら、気合と勢いだけで突っ走る。



それでも邪魔な抵抗のなくなったハンドリングはそこそこの安定を見せ、さっきよりはだいぶんカッチリと、路面の手ごたえを感じながら走れるようになった。ステアリングが振られる不安に比べれば、空気の壁なんてハナクソだ。

心持ちパワー不足な気がするのは、風の抵抗のせいだろう。

なんて思いながら一生懸命マルについてゆく。



クソマルは完調のCBRの走りが、よほど楽しいのだろう。

そして俺をいじめるのが、その数倍楽しいのだろう。

ぶち抜いちゃ減速、ぶち抜いちゃ減速、繰り返して俺をいじめる。



俺もムキになってわずかな直線で抜き返すが、ちょっと前が詰まって減速すると、そこを狙ってクソマルがぶち抜いてゆく。こっちの減速にあわせるのは、よりスピード差を感じさせて、焦燥と絶望を味あわせるためだろうか。考えすぎかもしれないけど、そうに決まってる。

クソマルめ。

 



そんな風に追いかけっこしてるうちに、いつの間にか渋滞が始まった。

そこから先はもう、ただの苦行だ。

東名→首都高とすり抜け続け、へろへろになりながら小菅ジャンクションでマルと別れると、常磐道をまたも延々とすり抜け、高速出口から16号、家までの道行き「すべて渋滞」のまま。帰り着いたときには、青息吐息の状態だった。

それでも早速おーがに電話して、無事帰宅を知らせる。

やがてほどなく、マルからも電話。

これにて第三回クレイジーマーマレードは終わった。



俺が往復800キロ。マルが往復1000キロ。



そんな距離を、身体はともかく精神的にはまったく感じない、楽しい旅だった。
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# by noreturnrydeen | 2006-03-18 18:58 | でっかいもん倶楽部 | Trackback

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by かみ