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目覚めると、足の痛みはすっかりひいていた。

「おぉ、よかった! これで旅を続けられる! やるじゃん松ぼっくり!」

昨夜の功労者へ、惜しみない賛辞を送る、朝からテンションの高いマイトガイ。



ま、冷静に考えれば、別に松ぼっくりのおかげではないのだが。

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砂丘の入り口を撮影したら、晴天の下、愛機とともに走り出す。

今日は国道9号で山口まで行き、ダチのデコと野宿しながら宴会する、ゆるゆるの予定。

要するに「国道をまっすぐ走る」だけの、簡単なお仕事。



なので途中、洗濯をしたり、忘れたサンダルの代わりを買ったりしながら、のんびり行く。

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鳥取の市街地を抜け、鳥取空港を過ぎれば、道はすぐに海岸線へと出る。



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白兎海岸を横目に見ながら、モーニング・クルージン(・∀・)



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姉泊海岸の先には、長尾鼻(長男岬)が見える。

天気は上々、山口までは特筆するほどのワインディングもなく、ずっと「旅モード」のままだろう。

景色を、風を、あるいはエンジンの鼓動を感じながら、快適なクルージングを楽しむ。



海沿いのド真っ直ぐな道へ出ると、右手にでかい風車が見えてきた。
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北栄町の風力発電用らしい風車が、何本も並んでいる。調べたら9本あるらしい。

旅で風車と言えば、イメージするのは「ドン・キホーテ」、風車を巨人と間違えた話。

そこから連想が、「進撃の巨人」へとつながるのは、自然な流れで。



「こんなバカでっかいのが襲ってきたら、少なくとも俺は、戦おうとは思わないだろうなぁ」



走りながらそんなことを考えたら、進撃の巨人のOP「紅蓮の弓矢」が浮かんでくる。

45歳の中学二年生、脳内で大暴れしながら、「イェーガー!」などと叫び、歌い。

イメージの中で「襲ってくる巨人の手」をすり抜け、愛機を縦横無尽に走らせる(妄想)。



ドコドコのんびりのはずが、いつの間にやらすり抜けモード

退屈なはずの長い直線を、実に楽しくぶっ飛ばしてゆく。

ツーリングって、楽しいよなぁ(・∀・)






やがて道は、米子をぬけて安来(やすき)へ入った。

もちろん、こっちはそこまで地理に詳しくないから、認識としては「米子あたり」なんだが。

そのまましばらく走っていると、目の前にふざけた看板が見えてくる。

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「道の駅・あらエッサ」と書かれたその看板を見て、一瞬、「なんだそりゃ?」と首をかしげ。

次の瞬間、「ああ、なるほど! アラエッサッサか! 安来節(やすきぶし)だ!」と思い当たる。

どじょうすくい踊りで有名な「安来節」発祥の地とわかって、にやっとするマイトガイ。



もちろん「どじょうすくい」に思い入れはないのだが、そういう意味じゃなく。

旅先で自分の「記憶」や「知識」と、「訪れた地名」が、思いがけずつながった時ってのは。

なんだか、やけに楽しいものなのだ。



少なくとも、俺が旅に出る理由のひとつではある。






メットの中、大声でガナる歌が、「紅蓮の弓矢」から「安来節」へとシフトしたころ。

「おぉ、山陰の旅の相棒、ポプラさんじゃないか!」

ご機嫌で叫んだ俺は、用もないのにポプラへと車体を滑り込ませた。

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千葉にもあるにはあるんだが、ポプラといえば中国地方の代表的コンビニだ。

本店は広島だが、初めて山陰地方を訪れた時すごく世話になったので、俺の中では山陰のコンビニ。

他店と一番違うのは、弁当のご飯を「その場で盛り付けてくれる」ところ。



店によってシステムは多少違うらしく、前は勝手に大盛りだったが、今回はグラム数を選べた。

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もちろん、意味もなく大盛りにしたのは、言うまでもない。



駐車場で焼きサバ弁当をもぐもぐ食ってると、通りがかったおっさんに声をかけられた。

「ツーリングですか?」「ええ!」「いいですね、気をつけて」「あざーっす!」

なんでもない、どこにでもありそうなやり取りだが、やけに嬉しいのもまたツーリングだからかな。






思いがけず大メシを喰らい、ついでにポプラでトイレを借りたら、また、のんびりと走り出そう。

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ところで今日は、洗濯をしようと思っていた。下着からジーンズから、すべて洗ってやるのだ。

つわけで今の俺は「上半身ロンT、下半身ノーパン+カッパ」という、アグレッシブなスタイルである。

そして本日の天気は快晴、気温も山で23度、下界になると26度にまで上がっている。



そう、つまり俺の下半身は、すでに汗でびっしょりなのだ。



なんたって俺のカッパは、通気性ゼロの上に、色は「いいだけ太陽熱を集める」ブラック。

このままゆけば、あせも湿疹に加えて、不快な臭気にまで悩まされることは疑いない。

さすがに「どうにかしなくちゃなぁ」と思っていると、松江あたりでユニクロを発見。



「おぉ、島根にユニクロが!」



県民に聞かれたら裁判にかけられそうなセリフを吐きつつ、ユニクロに飛び込んで服を買う。

サンダルも買ってやろうと思ったが、ココのユニクロには置いてなかった。

やはり俺の中では、「しまむら」の方が上だな(`・ω・´)

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ハーパンつーか七分丈の迷彩パンツ(なんて名かは知らん)を買って、駐車場で履き替える。

当然、一瞬だけノーパンになるのだが、柔道部出身の俺には、まったく問題ない。

ま、「ロンT一枚で下半身むき出しのおっさん」を、見せられた方の問題までは、責任もてんよ。






無事に着替えを済ませて、「通気性バツグン」になったサワヤカかみさん。

「ロンTの上にフルプロテクター、下半身はハーパンの45歳」が、サワヤカか否か。

その判断はあなたにゆだねるとして、俺は松江の市街を駆け抜ける。



「おぉ、気持ちいい! しんごやタカシの気持ちが、ちょっとわかるな」



ハーパンで300の大台を超える「クレイジーブルー兄弟」のことを思い出しながら。

風が抜けて行く心地よさを満喫しつつ、混んでる国道の車列を縫い。

市街地を抜けて、宍道湖(しんじこ)の南岸へ。


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「ここは夕方に来たかったなぁ」と、かつて見た宍道湖の「紫に染まる夕日」を思い出し。

同時に、「追いかけられた記憶」もよみがえって来たので、すこしアクセルを緩める。

が、当然そんなもん長くは続かず、ちょっと混んできたら我慢できなって、アクセルをワイドオープン!



「っしゃー! 行くぜー! このまま山口まで一気に……ぬぁ!」



突然、リュックの左ストラップが切れて、「ワンショルダーバッグ」になってしまった。

ウエストベルトがあるから、落っこちてしまうことはないが、ぶらぶらして走りづらい。

宍道湖を抜けたあたりに、ちょうど道の駅があったので、休憩がてらリュックのチェックをする。

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「湯の川」は、山陰本線と新建川にはさまれた、駐車場の広い道の駅だ。

とは言え、腹はいっぱいだし、ノドもそれほど渇いてないから、施設の中へは入らない。

バイクを停めて日陰に入り、タバコを一本つけてから、リュックをおろしてチェック。

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「なんだ、プラスチックバックルが外れただけか」

どうやら大事ではないようなので、いちおうバックル周辺もチェックしてから。

SNSでデコの言動をチェックしたあと、メンドーなので電話する。



かみ 「もしもーし。洗濯してから行くから、夕方ころになる」

デコ 「了解です、気をつけて来てくださいね!」

かみ 「おうよ、いい野宿場所、見つけといてくれよな」






道の駅を出て10キロほど走ると、目の前に斐伊川(ひいかわ)が広がる。

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ヤマタノオロチ伝説の元になったとも言われる、宍道湖へ注ぎ込む大きな川だ。

上流の岩石がもろくて風化しやすく、崩れた花崗岩(かこうがん)が大量に流れ込む。

さらに昔は、砂鉄を採るために山を掘ったので、流された土砂が堆積し、水位が浅く川底が露出している。



てな経緯で、この景色になったらしいが、もちろん、このときの俺は知らない。

「お、川が干上がってるな。晴れが続いたからかなぁ?」くらいのもんだ。

出雲、ヤマタノオロチ、鉄など、連想できる材料はあっただけに、気づけなかったのは悔しい。



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レポを書いてる今は、連想できなくてちょっと悔しいが、このときの俺は当然、そんなことなく

晴天の下をドコドコ走りながら、美しい自然を眺め、古代日本に思いを馳せ、旅を楽しんでいた。

上機嫌ってのを絵に描いて単車に乗せると、こういう生き物が出来上がる、みたいな感じ(・∀・)






出雲を抜けると、道は山間部と海岸線を縫うようになる。

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三方五湖や宍道湖でも多かったが、ここいらでもよく、ツーリングライダーに遭遇した。

もっとも、すっかり「旅モード」のかみさん、いきなり強引に抜いたりはせず。

写真のようにしばらく併走して様子を見つつ、驚かさないように抜いてゆく。



もっともそれは、こういう真っ直ぐなところだけだ。

山に入って道が曲がりだせば、「峠モード」に切り替わるのはいつものこと。

バイク、クルマ、観光バス、トラックの区別なく、ひたすらぶち抜いてすっ飛ばす。



曲がった道でチンタラ走るのは、集中力がそがれて、逆に危ないんだよ、俺の場合。






がんがんすっ飛ばして、そろそろかなぁと思ってるところで、スタンドが目に入った。

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二度ほど来た事のあるこのスタンドは、サンクス舞之市江津店が併設されている。

ここで給油を済ませ、デコに連絡を取り、タバコを一本付けて。

さて、それじゃあとは、「萩」まで一気に駆け抜けよう。



あ、そのまえに、コインランドリーを探さなくちゃ。



コンビニを出てしばらく走った、江津本町あたり。

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ここから国道9号線は二手に別れ、海沿いとバイパスになる。

急ぐ旅じゃないし、無料とは言え高速みたいな道は退屈なので、海沿いをゆくことにした。

海や町の風景を眺めながら、江津をぬけて浜田へ入り、益田へ向けて南下。



まえに野宿した道の駅、「ゆうひパーク三隅」を横目に、道は山間部へ入る。

相変わらず、トラックやクルマの列を抜きまくり、萩へ向けて順調に進みつつ。

山深いくだりのツイスト、長いトレーラーを見通しのいい直線でようやく追い越したとき。



突然、それは起こった……






トレーラーを追い越し、迫ってくるツイストへのアプローチ。

ブラインドコーナーを慎重に抜け、続くS字を切り替えした瞬間、「ガガガ!」っという振動。

そして車体から、ガラガラやかましいノイズが聞こえたかと思うと。




キン! カラカラカラ!



何かが落っこちてゆく音と、何かが転がってゆく音

同時にアクセルへのレスポンスがなくなり、エンジンが空回りして、車体が進まなくなる。

この感触は、よく知っている。ベルトが切れたときと同じだ。



「いや? チェーンだぞ? さすがに切れねぇだろ?」



頭ん中「???」だらけで、軽いパニックになりつつ、車体を路肩へ寄せる。

さっき抜いたトレーラーをやり過ごしてから、車体を覗き込んで。

次の瞬間、俺は目ん玉をひんむいて悲鳴を上げた。



「マジか! うっそだろう?」






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ドライブ・スプロケットがねぇwww



脳内で、かまやつひろしが「ヤツラの足音のバラード」を歌い始める。

つまり、さっき「カランカラン」と音を立てて落っこちたのは。

スプロケットナットと、ドライブスプロケットだったのだ。






とは言え、「あの夏の四国」から9年たった現在、俺のスキルはアップしている。

呆然と立ち尽くすなんてことはせず、すぐさま歩いて戻り、スプロケとナットを捜した。

スプロケットはすぐに見つかったが、しかし、ナットの方はどこにも見当たらない



仕方ないのでスプロケだけ持ち、愛機の元へ戻って、まずは広い場所へ押してゆく。


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スプロケに異常はなかったので、荷物を解いておろし、シートを開けて工具を出す。

テンショナーを外して、チェーンとスプロケットを元に戻し、逆の手順で組み付けたら。

とりあえず、形だけは元に戻った。



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が、もちろんナットをつけてないので、このまま走ったらまた、スプロケが外れる。

と、そこまで考えてから、ふいに別の考えが浮かんだ。

本当に外れるのか? ゆっくり走れば山口までなら何とか走れるんじゃないか?



昨日のファイルに書いたことを、覚えているだろうか?



「失敗した」と思ったときは、まだ失敗じゃない。

そのあと、「あわててとった行動」が、たいていの場合は致命傷になるのだ。

そう、つまりは、そういうことだ。






そーっと走り出して、数百メートル。

「おぉ、行けるじゃん! なんとか山口まで自走して……」

よろこびの叫び声を上げた瞬間。



ガラガラがっちゃん!

カランカラン!

キン! キンキン! キン! キンッ…………ぼすっ!



外れたスプロケは、そのままキンキンと、金属音を響かせながら転がってゆき。

草むら中、山あいのガケの下まで落ちていった。

もう、スプロケットは取り戻せない






肩を落とした45歳は、急に重たくなった愛機を押して、広い場所へ出る。

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「三隅斎場」というカンバンの前にあったスペースへ、ユリシーズを押し入れると。

スプロケの落ちていった先を眺めながら、デコへ連絡を入れる。

デコの検索で、近くのレッドバロンを見つけてもらい、山口店への搬送を頼んだ。



それが終わったら、今度は約束してたもうひとり、大阪のムラタへ連絡。

「悪りぃ、走れなくなった。また今度」と約束を交わして、お次はバイク屋のタクに電話。

事情を話し、愛機が店へ戻ったら、エリック牧場(俺の職場の裏)まで運んでもらう手配をする。



ひととおりやることを済ませたら、あとは一服しながら搬送車を待つだけだ。






一時間ほど待ってると、保険やからの連絡で、近隣のロードサービスが来る。
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山口まで運んでくれるのは、島根の「プロアーム」というショップ。

名前が気になったので、搬送車の中で質問したら、やはりバイクショップだった。

もっとも、今はロードサービスと中古車がメインで、バイクはあまりやれてないみたいだけど。



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もう何度目だろう、荷台に積まれた愛機ユリシーズからは、すでに貫禄さえ感じられる

トラブルと搬送(を受ける方)の、スペシャリストと言ってもいいだろう。

俺とコイツには、「ま、毎度のことだしね」的な、へんな余裕さえあった。



搬送車で山口へ向かいながら、プロアームの店長さんと話し込む。



ココには書けない業界裏話や、ロードサービスであった面白い話など、色んな話をしつつ。

ふたりしてゲラゲラ笑いながら走ったので、感覚的には割りとすぐ、山口へ着いてしまった。

次回の山陰ツーリングでは、タイミングが合えば、店に寄ってみたいところだ(・∀・)






レッドバロンの前には、デコが、彼の愛機MT09と一緒に、俺を待っていてくれた。

その姿を見た瞬間、俺は「悲しい現実」に引き戻される。

いや、バイクがトラブるのは、もはや慣れっこ日常茶飯事だからいいのだ。



そうじゃなくて、「ヤロウと2ケツ」で走るって現実が、俺を打ちのめしたである。



かみ 「うーす! わりいな! つーかおめ、太った?」

デコ 「太りましたね、歳ですから。それにしても、やっぱり何かありましたねぇ」

かみ 「なー? 今回はトラブルナシでいけると思ったんだけどなぁ」



笑いながら、久しぶりに見るダチの元気そうな姿に、こっちも元気をもらう。

バロンのスタッフに事情を話し、ついでにバカ話してから、デコの後ろへ乗って走り出した。

いっや、それにしてもMT09のタンデムシート、ハンパねぇケツの痛さだったぞ?(・∀・)






デコの新居(俺は初めて見る)までタンデムし、家の前でいったん降りたら。

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MTの姿を写真に収めて荷物を置き、そのまま家には入らないで、夕飯の買い出しへゆく。



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もちろん、タンデムは金輪際ごめんだから、デコのXTを貸してもらうwww

セローには乗ったことあるけど、XTは初めてだったから、興味津々で走り出すと。

いっや、面白れぇわこれ。足としては最高じゃね?



ケモ行けないから、俺は買わないけどwww






買い物をして戻ったら、シャワーを借りてさっぱり。

浴室から出てみると、デコの長女が帰ってきていた。

「中学生の女の子との接し方」がわからず、途方にくれるマイトガイ。



だが、いつまでも静かなままじゃ、せっかく会えたのに面白くないわけで。



ちょっとづつ軽いジョークを入れて反応を見つつ、だんだん遠慮なく話しはじめる。

もちろん、その合間にアルコールは入れてるわけで、やがて遠慮もストッパーも弾き飛ばし。

くだらない話をして、ゲラゲラ笑って、最近の中学生の考え方に触れて。

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最終的には、「女子中学生バー」とかの、やらせ写真を撮ってみたり(・∀・)

俺は、ロリータ、アリス、ハイジの誰にもコンプレックスなんぞないし、もちろんペドでもない。

だが、おーがの娘やデコの娘は、やっぱりとても可愛いと感じる。



これが「父性」なのかは知らんが、とりあえず。



彼女らが「初めて家に男を連れてくる」とき、俺も同席したいとは思ってる(`・ω・´)

そんで勝手に「貴様のようなヤツに娘をやれるか!」ってのを、やってやるのだwww

息子たちの方は知ったことか、独りで勝手に、たくましく生きろヽ(`Д´)ノ






そのあとは、デコや娘と呑みながら、デコ家の愛犬を手なずけるために、いろいろとがんばった。

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最初はずいぶん警戒されてたが、最終的には仲良くなれたよ。

ただコイツ、めっちゃめちゃ体力が有り余ってたので、やがて俺の方が疲れちゃったけど。

そのあと、息子たちや嫁さんも帰ってきて、みんなで話したり笑ったり。



一家団欒に突然やってきた闖入者にもかかわらず、温かく迎えてもらった。



やがてみんなが寝付いてから、デコとふたりで話をしつつ笑いあう。

一見するとクールで、慣れるまでは淡白な反応が多いけど、心の中には熱い魂を持つ。

久しぶりに会ったデコは、やっぱり、「俺の知ってるデコ」だった。



千葉と山口に離れてはいても、こうしてたまにしか会えなくても。

そんなことは関係なく、コイツは俺のダチで、これからもそうなんだ。

あらためて実感しながら、呑めないデコの笑顔をつまみに、俺はしこたま呑んだくれた。



愛機のトラブルがあったはずの三日目の夜は。



こうして、実に幸せな気持ちのまま、ゆっくりと更けていったのだった。









翌朝、デコの嫁Mちゃんに、朝飯まで作ってもらい

みんなが学校や仕事に出かける準備でバタバタしてる中、デコや犬とのんびり。

帰る方針がだいたい決まったので、近くのコンビにまでタクシーを呼んでもらう。



歩きながら、デコと最後のバカ話をして、「またな」と気持ちよく別れ。

えらく話好きなタクシーの運転手さんと、バカ話して笑いつつ駅へ。

そこから在来線に乗って、新山口で久しぶりの新幹線。
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6時間の長距離移動だが、こうして喫煙所もあるし、酒も呑みたいだけ呑めるわけで。

単車で行くのとは違った、「まったり呑んだくれる旅」を楽しむ。

俺は基本的に、単車か酒があれば、世界のすべてはOKだからね(・∀・)



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キャンプ道具を引っ張り出して、長時間の移動に備えたら。



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ビールとツマミで朝から独り宴会。

つーか山口から千葉へ帰る車内で、なんで「仙台の牛タン」買ってんだよ、俺。

そうSNSでつぶやいたら、ANPくんやKゾーに「仙台まで来い」って言われた。



単車なら、行ってもよかったんだけどなぁwww



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東海道新幹線弁当は、「沿線各地の名物が入っている」という売りだったが。

色んなものを詰め込みすぎて、単品でのパワーが低くなってしまってたのが、ちょっと残念。

酒のつまみにするには、品数が多くていいんだけどね。





とまあ、そんな感じで、過ぎてみればたったの三日間だった、春ツーリング。

穏やかだったのは初日だけで、二日目後半から三日目は、「怒涛の展開」を楽しめた。

トラブル慣れして、「俺自身のこと」であれば、かなりのことでも面白がれるとわかったし。



これからも、また旅に出るし、また何かあるだろう。

それも全部ひっくるめて、「俺の人生だ」と楽しんでいける。

自分にその力があることを、改めて確認できたよ。



その力を得られたのは、自分の努力だけじゃなく、

「こんなバカ話を読んで笑ってくれる、おまえらのおかげだ」

ってことも、ね。



俺ひとりじゃ、「面白いネタだ」って笑えたか、わかんねーもん。



みんなありがとー!

これからもバカやって、それを書いていくから。

読んで笑ってからかって、俺をもっと強くしてくれっと嬉しい(・∀・)b
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春ツーリング/了



 
 
 

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by noreturnrydeen | 2015-04-30 22:09 | ソロツーリング | Trackback


飛騨の朝日より、ちょっと早く起床

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登ってくる太陽を、愛機とともに眺めつつ、ゆっくりと「朝の準備」にかかる。

まずはツナおにぎりを、大きめのチタンシェラカップへ放り込み。

水をそそぎ入れて、アルコールストーブで煮る。



簡単でたっぷり食え、消化がよくて走りに差し支えないから、朝食はこういうのが多い。

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つっても俺は元々、朝も昼もあんま食わないから、ツーリングのとき、それも気が向いたときだけなんだが。

雑炊が煮えるまでの間、荷物の撤収にかかる。

昨夜いいだけ広げたモノを仕舞い終え、朝飯を食い始めたころには。

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陽もすっかり昇っていた。

そのまま走り出し、最初に見つけたコンビニで、タバコの補充とトイレ。

ついでに店員さんへ「いいですか?」と確認して、ゴミを捨てさせてもらう。



さあ、それじゃあ今日も、峠ひらひら国道チンタラ、楽しく走りますか!






昨日の夜、地図を見ながら「九頭竜湖の方を通って、敦賀へ出よう」と決めていた。

なのでいったん北上し、県道90号という道でぐるりと南下、飛騨清美へ抜ける。

ここはまだ走ったことがないので、ちょっと楽しみだ。

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国道41号を左折した、県道90号の入り口あたり。

上の方に登ってゆく道が見えて、「おぉ、曲がってるなぁ!」と喜ぶ、朝から元気なマイトガイ。

飽きもせず、「突っ込み・カットイン・リーン・二次旋回・立ち上がり」を楽しむ。



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最初こそ広くて走りやすい道は、だんだん幅員が狭くなり、クソ峠になってゆく。

もっとも、こっちは「それが大好き」な、いわば好事家だから、それはそれで大歓迎。

リズムよくコーナリングを楽しんでいると、途中から真っ直ぐなトンネルになった。



「ちぇ、いいところだったのにトンネルかぁ」



ココで気持ちのモードを「峠」から「旅」に切り替え、エンジンの回転を落とす。

ドコドコと、ハーレィ由来の空冷Vツインが振動しはじめ、エンジンも俺のドタマもクールダウン。

同時に身体も、クールダウンしてることに気づいた。



「うわ、寒い。なんでダウン着てこなかったんだ、俺」



昨日とまったく同じミスをする、さすがのかみさん45歳。

トンネルの中で、自分のウカツさにぶーぶー言いながら、寒さに耐えつつ走る。

長めのトンネルを抜けると、道の横を綺麗な川が流れていた。

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とは言え、ココから先は国道まで、ほとんど曲がってない道なので、テンションはそのまま。

写真を撮ったり、併走する川を眺めながら、飛騨の自然を楽しむ。

うん、そうだ。強がりだ。



寒くてアクセル開けられねーんだ(´・ω・`)






国道158号へ合流し、156号との併走区間へ入った。

そのまま南へ向かって、20キロほど走っただろうか。

トラックに引っかかったところで、ちょうど道の駅を見つけたので、そのままピットイン。



駐車場にまで残る雪にがっかりしつつ、まだ開店してない施設の前に停車した。

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「ツーリングかい? いいねぇ」「ういっす、あざっす!」

通りがかりのおっちゃんと挨拶を交わし、タバコをくわえてトイレの方へ。

用を済ませたら、バイクに戻ってバッグを開け、インナーダウンを引っ張り出す。

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ジーンズの上にもカッパを履き、寒さ対策は万全……かどうかはともかく、とりあえず「手持ちの全装備」を着る。

走り出してみて、どうやら寒さは気にならなくなったので、元気回復のマイトガイ。

九頭竜湖へ向かって、ムダにテンション高くアクセルを開けた。






山から平地(?)へ降りてくると、気温が上がってきて、ずいぶんと走りやすくなる。

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美濃白鳥あたりへ出ると、今まで併走してきた川幅が広がった。

156号(飛騨街道)と併走する「長良川」は、水の綺麗な美しい川だ。

このまま美濃白鳥の街中へ行き、そこで長良川や156号とはお別れして、また158号へ戻る。



西へ向かう分岐には、ループ橋があった。

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俺の中では、「ループ橋=高速コーナー」なんだが、せっかくなので速度を落として撮影してみた。

でも、今こうやって確認してみると、あんま感動がないね。

ループ橋の迫力とか良さって、どうすれば上手く撮れるんだろう。



いやまあ、方法がわかったとしても、たぶん、「走りながらは無理」なんだろうけどww






ループを抜ければそこは158号線、なんかいつの間にかバイパスも出来ていた。

「前に通ったとき、こんなんあったっけか?」

首をかしげてつぶやきつつ、しかし、向かうのはバイパスじゃなくてクソ峠の方に決まってる。



と思ったら。

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旧道の方は、思いっきり通行止めだった。



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赤い矢印の峠道を行きたかったのに、青い矢印のバイパスを通れと言うのだ。

「曲がり道特捜隊」である俺に対して、あまりにあまりな言い草である。

つっても、他に選択肢があるわけじゃなく(´・ω・`)



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仕方ないので、こっちのバイパスをゆく。

せっかくのクソ峠「油坂峠」を、バイパスの穏やかな曲線でサラっと抜け。

158号線は「美濃街道」となって、穏やかに西行する。



そのまましばらく進むと、九頭竜湖が見えてきた。

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ここから大野あたりで国道475へ折れ、グネグネだけど比較的最短距離で、敦賀へと向かう。

少なくともこのときの俺は、何の疑いもなくそう考えていた。

もちろん、この段階ですでに、その予定は「遂行できないミッション」なんだが(´・ω・`)






九頭竜湖の北岸を気持ちよく走っていると、一台のクルマに追いついた。

特徴的なテールは、四輪にビタイチ興味のない俺もよく知っているモノだ。

単車乗りの一部に、「色んな感情」を抱かせる、かつての同盟国ドイツの名機。



ポルシェである。



近づいたのがわかったからだろうか、ポルシェの排気音が高まった。

当然、こっちもシフトを蹴り込んでスクランブル。アクセルをガツンと開ける。

低く響くポルシェのエンジン音と、かつて朋友マルに「発電機」と言わしめたビューエルの音が混ざり合い。



ぎゅん! ぎゅん! と曲がってゆくポルシェを、ひらひらと追いかける。



「こら楽しくなってきたな」と思った、その矢先。

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残念ながら、前走の観光一般車に追いついてしまった。

ちょっとガッカリしつつ写真を撮り、それからポルシェに挨拶をして抜いてゆく。

ストレートが短かったので、運転者の顔を見る余裕はなかった。



笑っててくれたら、いいんだけどな(・∀・)






九頭竜を過ぎてツイスト区間が終わると、越前大野へ向けて道が広がってくる。

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この先、大野の街中を抜ければ、次のツイスト「国道476号」は目の前だ。

やがて青カンバンに476の文字を、見つけつつも通り過ぎ、あわててUターン。

無事に国道へ乗った俺は、田園風景の中を、軽やかに抜けてゆく。



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ふいに現れた美しい花々に、一瞬、目と心を奪われる45歳。

「うわぁ、キレーだなぁ。なんだろう? つつじかな?」

花の名前などひとっつもわからない無粋モノは、それでもその美しさに魅了される。



なんて言ってるうちに、道が山間部へ入った。



さっきまで花に感動してたことなど、すでに脳名から霧散し。

目の前に現れた、「これぞクソ峠」というツイストロードへ向かってアクセルオン。

1~1.5車線、荒れた路面、きつく曲がったコーナー。

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オフロードかモタードのようなスタイルで、上半身を起こして先を見すえつつ。

リーンアウトで突っ込み、そのまま股の下で旋回させながら、姿勢をリーンウィズへ移行。

先が見えたらアクセルをガッツリ開けて、リアのトラクションを感じながら立ち上がる。



元気に生きて、単車に乗ってられて。俺は幸せだな。






気持ちよく駆け抜けていた目の前に、突然、見覚えのある風景が飛び込んできた。



その瞬間、いろんなことを一気に思い出して、思わず単車を停める。

思い出されたのは三年前、2012年・春の記憶だ。

そのときも、ほとんど同じルートで476へ入り、同じ場所で立ち尽くしたのだ。


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写真は2012年・春のもの。

何がすごいって、「ここの記憶だけ」が、スコンとカンペキに抜けてたことだ。

前に走ったことも、道の感じも、いろんなことを割りとハッキリ覚えてるのに。



ま、同時に、必要なことも思い出したから、いいだろう。

この先の県道を適当に抜けていけば、国道8号へ出たはずだ。

つーか俺、「旅の経験値」や「記憶力」は、相変わらずスカスカなのに、



「動じない」ってスキルばかり上がっていくなぁ(´・ω・`)






つわけで気を取り直し、迂回路の県道を、とっとと進んでゆく。

ショックからさめれば、ルート自体は楽しいクソ峠。

次から次に現れる曲がり道を、右に左に単車を躍らせて、気の向くままに駆け抜ければ。



いろんなことが頭からすっ飛んで、空っぽになってゆく。



あ、そうか。

だから経験値も記憶力も、ずーっとスカスカのままなのか(´・ω・`)

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平地に出たところで、テキトーに停まって一服。

お楽しみ「山間部の曲がり道」は、残念ながらココまで。

国道305から、福井を縦断する国道8号線へ出て、敦賀、小浜、舞鶴と山陰を走る。



海沿いの大動脈だから、混んでることを覚悟しながら走り出すと。

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連休中にもかかわらず、思ったよりずっと空いていた。

こりゃいいやと喜んで、国道を景気よくすっ飛ばし、やがて日本海へと出る。

目の前に海が広がると、いつものように「峠」から「旅」へ切り替わり。

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道の駅「河野」に入って休憩しながら、これから先のルートを確認。

つっても、基本的には海沿いをだらだら走るだけ……あ、まてよ?

そういえば俺、「三方五湖」って走ったことないよな?



そんじゃ、ついでにあそこを走って行こうか。



方針が決まったので走り出すと。

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海沿いの美しい風景が、心を洗ってくれる。

もっとも、これから先、「ずーっと海沿いの絶景が続く」から、どうぜそのうち飽きるんだけどね。

ま、今春さいしょの海沿い風景だし、アタマ空っぽにして楽しもうか。



こうして俺の頭は、どんどん空っぽになってゆく(´・ω・`)






8号で少し下ったら、27号へ歩を進めて、そのまま海沿いを西行。

ほどなく出てきた「三方五湖レインボーライン」の案内に沿って、県道214へ出た。

若狭湾と五つの湖ではさまれる様に区切られて、ほとんど島のような半島を、のんびりと進んでゆく。



するとほどなく、レインボーラインの入り口が見えてきた。

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つっても、料金を払ってまで走らなくても、周りに「狭いながらも湖を回る道」がある。

ワインディングはさんざん走ってきたし、この狭い道をちょろちょろ走ってみようか。

レインボーラインは、誰かと来たときでもいいだろう。



つわけで、半島の沿岸に沿って走る、おそらくは生活道路であろう道へ、フロントを向けた。

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案の定、道は地元の方々の生活に沿った道で、そこへ加えて、釣り師の姿もたくさん見える。

明らかに漁師っぽい人が海草を干してたり、家族連れや友達同士だろう釣り客の間を抜け。

日向湖を半周して県道244へ出る。

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県道を走っていれば自然に国道27号へ出るので、いったん、27号を南下し。

数キロ走ったところで、三方湖の南岸を走る、国道162へ。

そう、例の「京都まで気持ちのいいワインディングが続く」でおなじみ、「国道162号」である。






三方湖を眺めながら、真っ直ぐな道をのんびりと流す。

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ドコドコとVツインの鼓動を感じつつ、162号の海沿い区間を抜けたら。

小浜から国道27号線へ出てしばらくの間は、混んでる道を四輪と一緒に淡々と走る。

モードはすでに「旅だから、特に苦痛ってこともなく、きょろきょろしながらのんびりと。



ま、「きょろきょろしてっからトラブるんだ」つーのはわかってるよ(´・ω・`)






舞鶴からは27号に沿って曲がらず、175号へ真っ直ぐ抜けて「お魚とれとれセンター」の前を通過。

由良川にぶつかったところで、本当は川を越えなきゃいけないのに、間違って手前を左折してしまう。

もちろんビタイチ気づかずに、そのまましばらく走ってると、急激に道が狭くなってきた。



国道175号を走ってるはずが、案内カンバンには「県道55号」の表示。



「いけねぇ、間違えた!」

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Uターンしたところで、エンジンを切ってちょっと休憩する。



間違えた時ってのは、まだ間に合うことが多い。

そのあと、「焦って取った行動」が、たいていは致命的なミスにつながる。

最初の間違いは、落ち着けばリカバリできたはずなのに。



なので急いで戻らず、一服しながら地図を見て、もう一度しっかりと道を確認。






175へ戻るまではいいとして、そこから先は「普通に行けば」9号線だろう。

だが、地図を見るともうひとつ、426から178という別のルートが見つかる。

9号はぜってー混むし、一回走ったこともある。それならこっちで行ってみようか。

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一般的な(1)のルートをやめて、(2)のルートで行ってみようと決め、426号を北へ曲がる。



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ワインディングになれば、ゴキゲンにすっ飛ばし。

混んできたり真っ直ぐになったら、アクセルを緩めてのんびり流し。

いつも通り気ままに走っていると、カンバンに「香美町(かみちょう)」の文字。



昔、ケーナナで山陰を走ったとき、「俺の町だ!」と、ひとり大騒ぎした場所である。

「おぉ懐かしい! 香ばしく美しい俺の町、香美町じゃないか!」

ま、俺のドタマの中身なんぞ、7年前とたいして変わらない。



とは言えせっかくの「かみ町」だし、何かしらの記録を残したいのが人情。



「香美」の文字が出るたびに「それっぽい派手なカンバン」を探して、カメラを構えながら走る。

が、今ひとつ、いい感じのカンバンとか、ランドマークが見つからないまま。

いつの間にか、香美町をとおり過ぎちゃってた。

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めんどくさくなったので、写真はあきらめ、そのままひたすら178号を走る。






延々と走って、さすがにケツが痛くなってきたころ。

「鳥取砂丘」の文字とともに、見覚えのある道が見えてきた。

思わず声を上げる、マイトガイこと、かみさん45歳。

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「おぉ、懐かしい!」

続いて、こんな道を明確に覚えている理由に、遅まきながら思い当たる。

「つーかアレだ。自分で走ったのもあるけど、この画は『水曜どうでしょう』で覚えてんだな」



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そうと気づけば、当然、「飛砂注意」のカンバンは、きちんと写真に収める。

どうでしょう藩士(ファン)たるものの基本だ。

ヌルい企画はやめて、またカブやってくんねーかな。「カブでアフリカ」とか(・∀・)






連休中なので当たり前だが、もちろん砂丘はヒトだらけ

たくさんの観光客を見て、砂丘へ立ち寄る気も失せた。

そのぶんの時間を、別のことに使おう。



さすがに、このまま野宿しちゃうには、まだちょっと早いしね。

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砂丘の一部を写真に納めたら、いったん、鳥取市街へ走ってゆく。

少し走れば、目的のものは、すぐに見つかった。

こないだ開港した「鳥取の新名所」にして、新しい空港。



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その名も、「鳥取砂丘コナン空港」。

気持ちはわかるけど、もう少しどうにかならなかったのかね、そのネーミング(´・ω・`)

つわけで空港の中へ入ってゆくと、「空港に用のない方は、駐車を御遠慮ください」と書いてある。



写真を撮りたいわけだから、厳密に言えば「用がないわけじゃない」のだが。

もちろん、そんな理由でルールを破るのもアレなので、おとなしく走りながら写真を撮る。

これなら、駐停車してねーから文句はあるまい。

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ま、言ってもそれほど「コナンに思い入れがある」わけじゃねぇけど。






コナン空港を出たら、今度こそ野宿場所へ向かう。

マルキューで初めて鳥取に来た時、飛び込みで一泊した無料キャンプ場だ。

当初は、砂丘近くの海岸あたりで寝る予定だったんだが、今日は観光客が多すぎる。

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つわけで実に八年ぶり、思い出の「柳茶屋キャンプ場」へやってきた感慨にふけっていると。

ストトトッ!

歯切れのいい排気音を響かせて、SR400が一台、駐車場にやってきた。



そしてエンジンを止めたそのライダーが、ヘルメットを脱いだ瞬間。

なんとなく見ていた俺は、驚きに目ん玉をひんむく

それは、「うわさには聞いても、現実ではあきらめていた」男たちの夢(ドリーム)。



「可愛い女の子ライダーのソロキャンプ」



ヤロウども、信じられるか? 

「可愛い女の子」「ライダー」「ソロキャンプ」の三重苦だぞ?(苦ではありません)

アニメでもねぇのに、キャンプ場に美少女だぞ?



驚きつつも内心を隠し、とりあえず「満面の笑みでアイサツ」するおっさん。

「こんにちはー!」

「あ、こんにちは!」

おぉ、にっこり笑ったぞ! 相手は俺なのに





万が一、あとで「料金を請求」されても困るので、それ以上の接触は避ける45歳。

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とっとと店を開いて、本日の宴会場所を整えたら。



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かんぱーい!

ぐびぐびとビールを干して、一息ついたところで。

携帯を出して、mixiやらFacebookへ、写真とともに書き込みをする。



ああ、こうして「むさくるしいおまえら」とやり取りしてると、なんだかやけにホッとするぜ。

キャンプ場にソロツーリングの美少女なんて、そんな話、あるわけねーよ。

幻だマボロシヽ(`Д´)ノ



あのブドウはすっぱいに違いない。






幻の美少女が、淡雪のように消え去ったところで(風呂へ行っただけです)、おもむろに立ち上がる。

今晩の酒のつまみを、拾い集めなきゃならないからだ。

いや、昨日に続いて「カニカマ」を買ってきたし、他にもつまむ食い物はある。



そうじゃなくて、キャンプで一番のツマミといったら、アレしかないだろう。

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そう、キャンプに必須のツマミ、「焚き火」の燃料を集めるのだ。

ここは無料なのにマキを用意してあったりするのだが、残念ながら、俺のヴァーゴにはちと大きい。

松ぼっくりを拾い集めて準備ができたら、愛用のネイチャーストーブを引っ張り出して組み立てる。



歪んでて調理には使いづらいが、焚き火台に使うなら充分なストーブへ、しこたま松ぼっくりを入れ。

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ライド・オン・ファイア\(・∀・)/

いい具合に陽が落ちてきて、少しづつあたりが暗くなってゆく。

ビール、男梅サワーとやっつけて、メインのジャック・ダニエルを引っ張り出すころには。



すっかり陽が落ちて、薄暗い闇があたりを包む。



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焚き火をしながら、まったり呑んでいると、ふいに後ろから声がかかった。

「ハーイ! ドゥユースピーク・イングリッシュ?」

話しかけてきたのは、少し離れた場所でバーベキューをやっていた、外国人のカップルだ。



かみ 「イエス・バット・ヴェリィヴェリィ・リトル」

外人 「テルミー・ハウメニィタイム・ディス……」



言いながら彼が見せたのは、「早ゆで1分30秒」と書かれた乾燥パスタ。

なるほど、「ゆで時間1分半」ってのが、早すぎて信じられなかったのか。

合点がいったマイトガイ、言いたいことがわかれば、あとは「単語の羅列」でも通じる。



かみ 「ワンミニッツ・サーティセコンズ」

外人 「ワンミニッツ!? リアリィ?」

かみ 「イエス。ヘイ、ルックディス・ジャパニーズ。『早ゆで』ミーン・クイックタイム」

外人 「オウ! センキュー!」



まあ、数字の1とか30は読めてたろうから、要するに「一分半でいいという確信」が欲しかったんだろう。

喜んで戻ってゆくその後ろ姿に笑いながら、また、ジャックダニエルをひと口。

彼らは、俺とトイレの間に位置していたので、このあともトイレのたびに、カタコトで話した。



違う国だろうが、言葉がわからなかろうが、笑顔とボディランゲージでどうにかなるもんさ。



ま、あとは酒な(・∀・)






携帯の呼び出し音が鳴ったので、表示を見てみると。

朋友、ろろちゃんからの電話だった。

画面をフリックしながら、俺はもう、すでに顔がゆるんでいる。



かみ 「なはは、もしもしー! どしたー!」

ろろ 「キャンプツーリングしてるのかい? いいなぁ。ボクは明日、大変だよ」

かみ 「なんだい、いきなり? なにがあるの?」

ろろ 「大腸の内視鏡検査だよう! これまでずっと、純潔を守ってきたのに!」

かみ  「ぎゃはははははは! それはまた、『新しい世界の扉』が開けるねぇwww」



すっかり日の暮れたキャンプ場に、俺の笑い声が響く。

もっとも、他にも大勢で騒いでる若者たちがいたから、特別メイワクになったわけじゃない。

俺の周りは、特にみんなが距離を置いてたしね(´・ω・`)






ろろちゃんとバカ話をして笑っていると、「あのー、すいません」と、またもや突然、声をかけられた。

電話してるところへ声をかけてくるんだから、何か緊急の用事だろうか?

そう思いながら振り返ると、若い男女のカップルが、真剣な顔で立っていた。



かみ 「ろろちゃん、ちょっとごめんね。(話しかけてきた相手を見て)はい、なんでしょう?」

男女 「携帯が落ちてるのを見てませんか?」

かみ 「いや、見てないです。俺、ずっとここから動いてませんし」

男女 「そうですか、すみません。もし、見かけたら」

かみ 「ええ、お知らせします。どんなヤツですか?」



携帯の特徴を聞いて、見つけたら知らせると約束する。

男女はそのあとも、けっこう長いこと、携帯を探してうろうろしていた。

俺は電話へ戻り、またしばらくろろちゃんとバカ話して、ようやく電話を切った。






松の間を渡る夜風に、優しくほほを撫でられながら。

松ぼっくりの燃える炎を眺めて、ぼんやりと酒を呑んでいると。

あっという間に時間がすぎて、夜の10時を回っている。



「さーて、そろそろ歯を磨いて寝るか」



歯磨きセットを持って、靴下を履いたら(サンダルを持ってき忘れてたのだ)。

ブーツに足を突っ込んで、炊事場まで歩き出す。

と、ブーツの中で、なにかがモゾモゾした気がする。



(まあ、アレだろ? 靴下がたるんでシワに……)



ビリッ!



突然、左足の親指に電撃が走る

危うく叫びかけた悲鳴を飲み込み、あわててブーツから足を引っこ抜いて、逆さにする。

何も出てこないので、さらに強くブーツをシェイクすると。



ポロッ






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ムカデが落ちてきた……



「うっわ、痛てぇ! めっちゃ痛てぇ! くっそ、なんでムカデ!? くそー!」

怒りに任せてムカデを踏みつけるが、御存知のとおり、ムカデはめちゃくちゃタフだ。

ぐねぐねと、のた打ち回りはするものの、踏んでも踏んでもムダに元気。



いや、こんなコトしてる場合じゃない。足の指を養生してやらなくては。






あいにく、ムカデに噛まれたときの知識がなかったので、携帯で調べてみる。

すると「すぐに冷やせ」「43度以上で暖めろ」と言う、「相反する対処」が見つかった。

余計に混乱しつつ、とりあえず説明をよく読んで、ムカデの毒について勉強する。



「んじゃ、どっちの言うことも、おかしいとまでは言いがたいなぁ」



どうしようかと悩むところだが、勉強してるうちに、落ち着いたのだろう。

少なくとも「今できる対処」は、暖める方しかないことに気づいた。

それなら、やることはひとつだ。


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熾き火に患部を近づけて、ピンポイントで加熱する。

43度以上とのことだが、熾き火なら確実にそれ以上の温度をキープできる。

問題なのは「この痛み」が、ムカデなのかヤケドなのか、判別しがたいコトくらいか。



ま、それでもやるしかないので、ジャックを呑みつつ、足の指をしこたま炙(あぶ)る






温熱療法をしながら、噛まれた場所を詳細に観察してみると。

ほとんど傷らしい傷もなく、ひどく腫れ上がったりもしていない。

患部に発赤(ほっせき:赤い色)はあるが、これは火であぶってるからだろう。



落ち着いたら、「ま、ある意味、美味しいネタだな」と、ちょっと笑えてきた。



とまあ、二日目の夜はこんな風に、「爆笑、激痛、勉強」で過ぎていったのだった。

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そうそう、四つの光の右から二番目、半月型の光んトコが、「例の美少女」のテントな?

通報されたくないから、45歳のおっさんには、これが限界だったよ。

つーか後半はもう、いろいろありすぎて、美少女どころじゃなかったよ(´・ω・`)






 
 





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by noreturnrydeen | 2015-04-29 21:55 | ソロツーリング | Trackback
 

さあ、春のロングツーリングだ。

今回の目的はふたつ。

ずっと顔を見てない山口のダチ「デコ」へ会いにゆき、大阪のダチ「ムラタ」と走る



さらに自分的な縛りとして、「すべての宿泊を野宿にする」ことも決めた。

ダチの家とかで、甘えちゃうことが多かったからね。

そんじゃ、日曜のケモ疲れも取れたし、とっとと準備して出かけよう!

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単車に荷物を積んでたら、なにやら今日はやけに暑いじゃないか。

準備してるだけで、すでに汗をかいてきたぞ?

つわけで着込んでた上着を脱ぎ、トレーナーの上からプロテクターをする。

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トレーナーはもちろん、レブステーキのロゴ入りwww

ま、プロテクターしちゃうから、レブのロゴは見えなくなっちゃうんだけどね。

バカ飛ばししたりするから、むしろ見えない方がいいかもね(・∀・)



愛機ユリシーズにまたがって、キーをひねり、エンジンをかける。

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午前9時15分 ―千葉県・柏― ポイント・オブ・ノーリターン

久しぶりのロングツーリング。

そうさ、俺は気も狂わんばかりに、狂喜していたのさ……

と、いつものようにキリンごっこを済ませて、早速、走り出す。






走り出してからしばらくの写真は、がんばって撮っても、レポのときに使わないことが多い。

なので、自分用の覚えに、「一時間ごとの写真だけ撮ろう」と、なんとなくこの時に決める。

ルートとしては、16号からいつもの秩父よりもう少し南下して、奥多摩の方を行こう。

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一時間後、目に付いたコンビニで、休憩がてら「青汁&乳酸菌」という怪しげなドリンクを買って飲む。

見た目とかネーミングのわりには、爽やかで飲みやすかった。

でも、この写真だと、今どこにいるんだか、ひとっつもわかんねーねwww



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二時間後。

どうやらこの写真、あまり意味がない上に、ビタイチ面白くないと、ようやく気づいたマイトガイ。

これよりあとは、「時計の撮影」をやめる。



早いトコ気づいてよかったね(・∀・)



それで今度は、メッキローリーに写った自分の姿を撮影したら。

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タンクに書かれた文字のせいで、「俺の商品名が牛乳」みたいな画になった。

これが確か、埼玉と東京の境目くらいじゃなかったかな?

やがて八王子あたりまで来ると、「国道411」の文字が見えてきたので、そこを右折。



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明確に覚えてはいないけど、なんとなく「奥多摩あたり」っぽい感じになってきた。



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奥多摩湖の脇を抜けつつ、西へ向かってひた走る。

今日は先が長いから、聖地「奥多摩周遊道路」はパスしていこう。

どうせこの先ずっと、いいだけ曲がった道を走るんだしね(・∀・)






この411ってのは、塩山の方まで続く楽しいワインディングだ。
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クルマが多いと抜きづらくて鬱陶しいけど、曲率がそこまで高くないので、比較的ハイアベレージで抜けられる。

かつてK7の引退ツーリングで走ったのを思い出し、ニコニコしながら抜けてゆく。

道はガラガラ、天気は最高、路面のグリップもカンペキ(・∀・)b



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直線をすっ飛んでゆく、じゅんやしんごの背中を思い出しながら。

こんな道ならあの時より速く、あの時よりさらに楽しめる相棒と、ツイストステップを踊る。

やがて道端に、販売機が数台置かれた駐車場が見えてきた。



ナリさんがパンク修理財をぶちまけた「例の駐車場」だ(・∀・)

さすがに休日の午前中、色んなバイクがいっぱい停まっていた。

入って誰かと話をしてもよかったんだが、今日は一日目、なるべく距離を稼いでおきたいのでスルー。



何より、曲がり道を走るのが、楽しくて楽しくて。



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荷物の収束具合もよく、リアへヴィの割りにいい感じでカーブをトレースできるから、イヤでも顔が緩んでくる。

と、「大菩薩峠」の看板が目に入った。そろそろ、甲府の市街地に出るんだっけか。

少し速度を緩めて、今度は景色を眺めつつ、軽く流して走る。



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荷物を積んだユリシーズの動きを感じ、サスペンションの動きを感じ、ひらひら穏やかに。

「ははっ! やっぱり、峠はいいなぁ」

単車に乗り始めたガキのころから、もう何度となくつぶやいたセリフが、また、口をつく。






広い交差点に出たので、単車を停めた。
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青い空、白い雲、緑の山々。

アスファルト、モータサイクル。

至福の時間、俺の生きる理由。



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甲府の市街に入ったようで、多少、クルマの数が増えてきた。

道は411から、長野への動脈、国道20号線へ。

右に左に車列をかわしながら走っていると、フロントはいつの間にか北西の方向へ向いている。



真西には日本アルプスが行く手を阻んでいるから、20号で長野の諏訪湖へ向かう。

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「諏訪湖から先は、あまり代わり映えしないルートだけど、大好きな野麦峠を抜けてゆこう」

そんな風にゆく道を決めて、でも、もし面白そうなルートを思いついたら、もちろんそっちへゆく。

勝手気ままな一人旅、風の吹いた方へ走るのが楽しくて、独りで走ってるんだからね。



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20号に沿って、釜無川が流れている。

行く先には南アルプスの山々。

ときどき、「ワイン」の文字が見えると、ああ、甲府を走ってるんだなぁと感じる。



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水の綺麗な川を見ると、一気に「旅に出た感」が盛り上がってきて、早くもこのまま放浪して暮らしたくなる。

旅人なんてカッコいいもんじゃなくて、ただの浮浪体質なんだろう。

小学校のころからよく、「落ち着きがない」って言われてたし(・∀・)






川沿いの国道「双葉バイパス」を抜けると、どっかん直線と一緒に、セブンイレブンが見えた。

「ちょっとノドが渇いたし、軽く休憩していこう」

「峠モード」から「旅モード」へシフトしていた俺は、メンドくさがらず減速すると。



コンビニの駐車場へ、ユリシーズを滑り込ませる。



と、灰皿の前で休憩していた、Z400FXの青年と目が合った。

「こんちわー!」

「こんにちは!」

アイサツして、俺も灰皿のそばへ。
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爽やかな好青年は、長野の実家から東京へ戻るところらしい。

ほかに750ニンジャも持ってて、夜、たまに首都高を走ったりするらしいよ。

のんびり走ってるらしいから、タカシあたりはぶち抜いたことがあるかもね。



Zのカスタム内容、峠道の走り、元地元民ならではの交通情報、いろんな話で盛り上がり。

タバコを二三本灰にしたところで、彼は東へ、俺は西へ。

いやまあ、この位置だと正確には、「彼は南東、俺は北西」なんだけどwww






さっき青年に教わった場所を、警察に注意しながら進んで、やがて諏訪市内へ。

車が多く、渋滞とまでは行かないが混んできたので、ちょっと早いけど買い出ししよう。

目に付いたコンビニへ入って、ツマミとジャックダニエルを買い込む。
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D山のリベンジで持ってきた1リットルのナルゲンボトルに、俺の体液、ジャックを景気よく注ぎ込む。

つっても一本750mlだから、ボトル2/3くらいしか入らないんだけど。

見た目、「検尿」かなんかにしか見えないし、量も半分くらいしか入ってない。



なんか哀しいイメージ(´・ω・`)



ジャックの空ビンをゴミ箱に捨て、ツマミと酒をバッグへ仕舞ったら、お次はタンクバッグの養生だ。

ろろちゃんからもらったバッグは、使いやすくていいんだけど、Buell XBはタンクの形が曲面すぎる。

走ってると吸盤がはずれてしまうので、これをスペアの荷かけバンドでガッチリ固定してやるのだ。
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パーフェクト(`・ω・´)

これ以降、峠だろうがどこだろうが、「タンクバッグが外れる」ことは、二度となかった。

つわけで「今宵の仕度」も整ったことだし、野宿場所を探しながら、もう少し先まで行こうか。






諏訪から、「19号」に名前を変えた国道を、松本まですり抜けし。

松本市街から、国道158号線を入れば。

上高地へ向かう、俺の西行きではお馴染みのルートだ。

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軽井沢からの抜け道と合流するローソンは、このルートの時に寄ることが多い店。

でも今回は、写真だけ撮って、寄らずに先へ進む。

酒とつまみが、すでにバッグへ入ってるからね。怖いもんは何もないよ(`・ω・´)



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市街地を抜けた158号が少しづつ曲がり出し、山間部を走るワインディングになる。

ホンキのハイシーズンでもない限り、それほど混むことはないのだが、天気が不安定なのが玉に瑕。

気持ちよく走ってると、前走のトラックに追いついていしまったので、そのまま稲核ダムへ寄り道。



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特別すごいダムってわけでもないんだが、場所的にちょうど滑り込みやすいので、ときどき寄る場所だ。

タバコを一本灰にしてから、軽く体操をして身体をほぐす。

この先しばらく行ったら南下して「野麦峠」へ向かう予定だから、峠モードに切り替えないとね。






稲核ダムを走り出してしばらくすると、強情な俺も、ついに認めざるを得なくなった。

「いいや、違うね。俺は感じないね」

さんざんっぱら知らんふりして強がってたが、もう、寒くて仕方ないのだ。



するとカンバンに、「県道26号」の文字が出る。野麦峠へ向かう分岐が近い。

この分岐からショートカット、そのまま直接、野麦峠方面に抜けられるのだが。

とりあえず寒いので、上着を着るために単車を停める場所が必要だ。



トンネルに入ったら、またも出てきた分岐カンバンを無視してまっすぐ進み。

梓湖が見えたところで、左端に単車を寄せた。
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いつも、「湖とかT字路の方しか写真に撮ってない」から、今回はトンネルの出口側ショット。



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ここでバッグから上着を引っ張り出し、この先の、「ぜってー寒いだろう野麦峠」に備える。

下も防風ジーンズの上にカッパを履いて、準備完了。

さあ、俺の大好きなクソ峠、野麦峠を駆け抜けるぜ!






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何度も走った道なのに、出だしからのグネりっぷりに、おもわずケタケタと笑い出し。

春だというのにやたらと寒い山間部を、アクセルオープン、がっちり走り出す。

交換したタイアが車体を、突っ込みでスカっと寝かせ、立ち上がりでドカドカ蹴っ飛ばす。



「やっぱココは楽しいな……ぬおっ! なんですとっ!?」



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降ってこそいないものの、路面はカンペキにウエッティン(´・ω・`)

「マジかよ、なんだ? さっき降ったのか? くっそ、せっかくの曲がり道が!」

ココまで散々曲がり倒してきたのに、相変わらず意地の汚いことを叫びながら。



それでもウエットには強い、パイロットロード3、濡れた路面でもそれなりの速度で走れる。






そのうち濡れてた道も、乾いた場所が散見されるようになり。

やがて完全に乾いた道となれば、呼応してテンションも上がってくる……はずなのだが……

「それにしても、やっぱり寒いなぁ……あ! あー、なるほどなるほど。そら寒いよね」

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春ツーリングでは毎度の光景ながら、道端に雪が残っていた。

気温もぐんぐん下降してゆき、俺のやる気も弧を描いて下ってゆく。

それでも好きな峠だし、何度も走ってなんとなくリズムはつかめてるし、楽しくないわけじゃない。



するりするりと舞いながら、ふもとの平坦なツイストを駆け抜けてゆく。



と。



「おっと、今度はそう来たか。ふーん、なるほどね。やるじゃない、野麦峠」

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「全面通行止」のカンバンと、がっちり閉まった鉄門が、いっそ清々(すがすが)しい(・∀・)

ま、通行止めじゃどうしようもないので、戻るしか手はない。

門扉の前でUターンすると、来た道を戻ってゆく、傷心のマイトガイ。



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さっき見かけて、写真を撮りそこなった川を写したり。



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このへんまでなら道が乾いてるし、景色が綺麗なのは救いだね。

もっともこの寒さだと、真冬の山で見られる「寂しさを含んだ綺麗さ」だけどね。

そんな風に来た道を20~30キロほど戻り、当然、途中からは濡れてる路面にへこまされながら。






国道158号線にもどって、そのまま西を目指す。

せっかくだから、有料バイパスの「安房峠道路」を走らず、158号のクソ峠を行こうと思ってのだが。

中ノ湯まで来ると、158号は思いっきり「通行止」だったので、仕方なく安房峠道路へ。

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そら距離も時間もショートカットだろうし、便利かも知れんが、この道はひとっつも面白くない。

それに何より、この辺はもう、でたらめに寒いのだ。

中にインナーダウンも着込んでるが、それでも寒いとなると、もはや「手持ちの札」は一枚もない。



「やっぱ、冬装備の上着、持ってくりゃよかったなぁ」



思えば俺は、いつもこの手の後悔をしながらツーリングしてる気がする。

そろそろ学習してしかるべきなんだろうが、一向に成長する気配がないね。

きっとまた、出発のときに暑いと、「ダウン持ってるし、要らねーかな?」って思っちゃうんだろうね。


なんかもう、色々とあきらめが付いたよ(・∀・)





安房山を抜けて、無事、平湯へ到着。
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「二輪650円」だかの価値は、俺にはないかな。

ここからまた158号を走って、高山から福井方面へ向かう予定。

白山をよけるために北上して白川へ出るか、それとも南下して九頭竜へ出るか。



先を考えながら、158号を走っていると。

ふと、目に留まった景色があり、思わずアクセルを緩める。

そのまま、反対車線の向こうにあった、廃屋っぽい建物の前へ。

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この建物もなかなか雰囲気があって、「エセ廃屋好き」の俺としては楽しめたのだが。



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俺の目に留まったのは、この水しぶきだ。

ココからの写真だと滝のように見えるが、水が出てきてるのは、人工的なパイプだった。

ダムの排水口でもないだろうし、なんだったんだろう?



ま、考えても答えは出ないし、とっとと走り出そう(・∀・)






高山の市街に入り、国道41号との交差点まで来る。

調子に乗って走ってたら、だいぶん、陽が傾いてきた。

さすがにココから山を走るのはイヤだし、野宿場所を探すのもめんどくさいなぁ。



手拍子で41号を右折し、15~16キロほど走ったところで、目に付いた道の駅へ。

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道の駅「アルプ飛騨古川」は、41号線沿いにある、新しめの道の駅だった。

写真の右、地面に書かれた青いペイントは、「エレクトリックビーグル」用の充電スタンド。

電気自動車用の設備とは、時代だねぇ……



タバコ吸ってのんびりしてたら、あっという間に陽が落ちてゆく。

「いけねぇ! 荷物を下ろして、野宿の準備をしなくちゃ」

いそいで荷を解(ほど)き、今夜の宿を設営する。

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おとといも、房総の山の中でやった作業。野宿の準備は旅の儀式(・∀・)

雨は大丈夫そうだから、テントは開かず「シュラフだけ」で寝ることにしよう。

道の駅でテントを張るのは、基本的には避けた方がいいらしいからね。






酒とツマミのカニカマを取り出し、シェラカップの酒を地面にこぼして、神様への分け前

空を見上げながら「ぐびり」と呑(や)れば、ノドを焼く強い酒精が、疲れた体に心地いい。

酒気とともに、吐息を「ふう」と吐き出して。



ただいま。今年も旅に出たよ(・∀・)



酒を入れて一息ついたところで、トイレに行きがてら、道の駅を探索。
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なんだと? 俺のことか? それともビューエルのことかーっ!ヽ(`Д´)ノ



空を眺めて呑みながら、ときどき携帯でSNSに書き込みしたりしつつ。

やっと旅に出られた喜びをかみ締め、また、ジャックダニエルをひと口。

飲み込んだ酒が胃の腑に溜まり、代わりにストレスや雑味が抜けてゆく。



「生きてるなぁ」



春ツーリング最初の晩は。

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慣れた酒の味とともに、ゆっくりと更けていった。



二日目に続く




 
 
 




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by noreturnrydeen | 2015-04-28 21:28 | ソロツーリング | Trackback
 

イロハがあまりにも簡単に登ったあとは。

「知性派おちんちん」ばんちょさんのトライだ。

さすがのランドネ&ばんちょさんコンビは、するすると走り出し、そのまま軽快に登って……


轍(わだち)に足を取られたのか、ばんちょさん、珍しくスコンと簡単に転んでしまった。

その瞬間、俺は「ありがとうございます。ごちそう様です」と、労(いた)わりの声をかける。

もちろん、さっきバラされた、ゴールデンボーイの復讐だ(`・ω・´)キリッ


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そのあと、みんなでリカバリして、ランドネを上まで引っ張り上げた。



さて、お次は俺の番……なのだが。

ゴールデンボーイマジックで、苦労することなく、いろはと同じ位置まで登ってしまう。

これだけグリップがよくてトラクションがかけやすいと、KLX125でも登坂が楽だよホント。



続いてはりょーさん@ハスクバーナ with モトクロタイア。

「パワーはあるけど、マシンの性格的にケモは厳しいかなぁ」と思っていたのだが。

これもイキオイよく駆け上がり、ほとんど上まで登り切った。



「おぉ! すばらしい!」



と、「登坂成功」に、みんなから拍手が沸いたんだが。
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冷静になって写真を見てみると、「事故現場」にしか見えないwww

まあ、こういうのを積み重ねて、オフローダーの「常識」が構築されていくんだけどね。

一般的には「ガケ」と呼ぶような場所を、「坂」とか「道」とか言い出したら、もう、帰ってこれない。



ほとんどの変態オフ乗りたちは、これっぱかしも帰る気ないだろうけど(・∀・)



最後はユタ君@SL230の登坂。
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D605なんて普通のタイアで、これもすんなり登り切ってしまう。

おぉ、やるなぁと思ってたんだが、あとで確認したら、リアタイアのエアが「全抜け」だったらしい。

ポンプでエア入れして、けっこう入った後に、「今、0.3キロなんですけど」とか言ってたwww



そら、食いつきもいいって話だ。

SLはチューブレスだから、まったく問題なかったけど。

つーか俺もSL乗ってたとき、もっと思い切って抜けばよかった(・∀・)






坂を越えたあとに、倒木が並んでる場所がある。

難所ってほどの難所ではない……はずだったんだが、あのあと、たくさんのライダーが走ったのだろう。

ナナメった倒木の周りが削れて、乗り越えるべき高さが、少し高くなっていた。



オフやるひとは分かるだろうが、ナナメの倒木ってのは、見た目より越えづらい。



フロントアップして前輪が越えても、続くリアが斜めに滑って、車体がとんでもない方向を向くのだ。

少なくとも、俺っくれぇの腕では、倒木に対して「直角にアプローチ」しないと、高確率で転ぶ

かといってイキオイよく乗り越えると、アサッテの方へすっ飛んでいく。



とまあ、なんで「事細かに説明した」かといえば。



この倒木越えで珍しく、イロハがすっ飛んでったからだwww






ガケに落っこちかけながら、「早くー!」と声を上げるイロハ。

するとイロハを「師匠」と呼ぶユタくんが、あわてて駆け寄っていく。

ところがこの変態は、手を伸ばしたユタくんに、「違う! 違う!」と叫ぶ。
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イロハを助けに入ったユタくんは、それで困惑してしまう。

彼は知らなかったが、我々が「早く」と叫んだときは、「助けてくれ」という意味ではない

助けて欲しいときは、「ヘルプお願いします」であって、「早く」などという言い方はしないのだ。



そう、これは例のアレだ。



俺のレポなんて読んでるモノ好きにはお馴染み、「早く写真を撮れ!」と「撮影の催促」をしてるのだ。

困惑するユタくんを尻目に、近づいていった俺は、カメラを起動して写真を取る。

もちろん、ばんちょさんはニヤニヤ笑い、りょーさんも苦笑している。



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ガケオチ寸前のイロハ。

見よ、崖下に向かって、頭から突っ込んでゆくその雄姿。

この状態で、「かみさん、写真撮りました?」と叫ぶに至っては、もはや神々しささえ感じる。



「撮ったよ」と伝えるなり、ようやく身体を起こし始めるイロハと、苦笑しながら手伝う面々。



けっこう苦労しつつ、なんとかセロ-を引っ張り上げると。

メインのイロハを筆頭に、全員の身体から湯気が上がりそうなイキオイだ。

だが、「大切なこと」を忘れちゃいけない。



俺たちはこれから、同じ場所で倒木越えをするのである。






俺はフロントを上げて車体を倒木に載せ、亀の子になったところで、得意の力技。

チカラ任せにリアを持ち上げて倒木を越える。

軽い125ならではの強引なクリアー方法である。



ばんちょさんも難なく倒木を乗り越えて。
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軽く亀の子になった、りょーさんをヘルプにゆく。

ユタくんも多少苦労しながら、なんとか倒木を乗り越えた。

と、ここらで後ろから追いついてきた連中が居る。



イロハの知り合いのオフローダーが、D山お初の人々を連れてやってきたのだ。



道をゆずろうかと思ったが、後続が「例の急坂」で引っかかってるようなので、先に出発する。

向かう先はケモレポお馴染み、スーパーVと呼ばれるセクションだ。

もっとも、ここも初期のレポと比べて、ずいぶん様変わりしてしまった。



昔、アレだけ苦労した「阿弥陀くじ」のようなルートは、腐葉土で埋まり、走りやすくなってる。
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苦労という苦労もせずに、途中の広場まで駆け上がってしまった。

かつては、この広場まで上がるのが、ひと苦労だったんだけどなぁ。

もっとも、「セクションそのものの変化」以外の要因もあるだろうが。



俺が多少は上手くなったとか。

今日は晴れててコンディションがいいとか。

もしくは「ゴールデンボーイ」とかな。



ほっとけヽ(`Д´)ノ






ここで、後続が追いついてきたのだが。

その中にひとり、かなりのツワモノと言うか、冒険者というか、ちょっとアレなひとが居た。

いや、人物そのものじゃなくて、「乗ってきたマシンがアレ」なのだ。
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まさかのホンダFTR223。

いくらリアにオフタイア履いてると言っても、驚愕つーか変態すぎる。

ここを走ってるバイクでびっくりした中では、第三位に入るよ。



ちなみに二位は「ロードタイアのモタード」で、一位はあの大型バイク「アフリカツイン」ね。



で、この人たちと話したり、一服したりしてると。

イロハがなにやら、やる気マンマンでエンジンをかけた……って、おめ、そっから行くのかよ?

セローのフロントは、「ココで一番の激坂」と、さらにその先。



もはや「壁」としか言えない、感覚的には垂直の切り立った場所ヘと向かっていた。






激坂を一気に登りきり、途中の少し平らになった場所でバイクを停めたイロハは。

深呼吸しながら、これから向かう難所をにらみつける。

俺に言わせればそこは、「ただ眺めるための風景」なのだが。



登るとか、そういうアクションを起こす場所じゃないはずの、垂直に切り立った壁に向かい。

しばらくルートを考察したり、イメージを固めたりしたあと。

気合一閃、アクセルを開けたイロハ。



なんとそのまま、ほとんど天辺まで登りきった



とたんに歓声をあげ、喝采しながらヘルプに向かう俺たち。

しかしこの坂は、徒歩で登ることさえ、とんでもなく大変なのだ。

なのにイロハはそのさらに先、もう、登ろうという気力さえ湧かない、ただの壁を登ったのである。



かみ 「やったなぁ。すげえじゃん」

イロ 「悔しいなぁ。もう一回、チャレンジしようかな」

出会ったころから変わらない、いろはの底なしガッツである。






するとここで、イロハの知り合いによって、「チャレンジするぜ」みたいな空気が漂う。

もちろんイロハはそんなこと意図してないんだが、その知り合いが、煽ったりする系の人らしい。

前に何度か走って、イロハやユタくんはイヤな思いをしたことがあるそうだ。



何でか、俺やばんちょさんには、そんなそぶりはほとんど見せなかったが。



で、二番手は俺なのだが、しかしもちろん、そんなガッツも見栄も持ち合わせていない。

つーか、「行きたくなくても行かざるを得ない空気」ってのは、あんまし俺の好みじゃない

煽(あお)りあったり、キツい言葉を吐いたりとか、好きじゃないんだよね、部活じゃあるまいし。



やりたきゃ、大学の柔道部とか警視庁の柔道場行けば、死ぬほど味わえる(・∀・)



なので、さらっと三番坂(迂回路)を駆け上がって、「どっちからでもいいよ」的な流れを作る。
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もっとも、あんまし効果はなかったみたいだけどwww

それでも、一番坂は結局イロハだけで、あとのみんなは二番坂を登った。

ちなみに一番坂だの二番坂てな名は、俺が今、思いつきでつけただけで、正式名称じゃない。






急坂を登り切った先は、ずっと隘路(あいろ)なので、単車を置く場所がない

つまり、かなり先まで登って、広くなった場所に単車を停め、坂を下ってヘルプにゆくことになる。

そして無事にヘルプが終わったら、単車の場所まで戻ることになるのだが。



戻る道ゆきは、当然、「山道の登り」になるわけだ。
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クソ重たいオフロードブーツを履き、半死半生で山道を登るダメ人間たち。

もちろん俺がその筆頭で、「かみは歩かないんだぞ!」「ちょっとタクシー呼んで!」と喧(やかま)しい。

ほうほうの体(てい)で、単車の置いてある場所まで登りきったら、そこで一服。
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イロハが疲れた感じなのは、もちろん歩いて山を登ってきたから(・∀・)

この辺で、だいたいお昼ころになった。

ちょうどいいので、下って途中にある「水のみ場」を目指し、そこでお昼にしようとなる。






おなじみの水のみ場では、今日も美しく冷たい湧き水が、俺たちを待っていてくれた。
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停まってるクルマを避けて、かつ、通行のジャマにならないよう、道端へ停める。



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それから水のみ場の湧き水で、顔や頭を洗ったり、のどを潤したりする。

一息ついたところで、各自、リュックから食料を引っ張り出した。

俺とりょーさんのメシは、「かつておにぎりだった何か、あるいはパンだった何か」と化していた。



ふと顔を上げると、新緑の姿が目に入る。
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激しい登りや、おっかない下り坂、ボコボコと大蛇のようにのたうつ、太い木の根。

フロントを弾かれ、蹴飛ばされ、リアを取られ、滑らされ。

そんな走りが大好きだから、もちろん目いっぱい楽しんでるんだが、ふと、こんな風に気が緩んだ瞬間。



さっきまで「視界にはあっても、見えてなかった」美しい景色に、突然、頭じゃなく心で気づく。



綺麗だなぁとにんまりしながら、大きく息を吸って、身体の中に山を取り込む。

難所を越えたときとはまた違った、「生きてるなぁ」が頭をよぎる。

それを口に出すと、聞いてたりょーさんがニンマリと笑った。



その笑顔に、俺もまた嬉しくなって笑い返す、笑いの連鎖。感動の共有。







昼食で長めの休憩をとったら、少しダルいつーか眠くなっちゃったけど、そろそろ走り出そうか。

またも山の中へ入り込み、相変わらずの「手強い道」を相手に、5台並んで挑んでゆく。

協力して越えるほどの難所がない代わりに、眠気を吹き飛ばす程度に走りづらくて、それがまた楽しい。



同じ空間を走りながらも、みんな、それぞれ自分の世界に没頭してゆく。



あるいはスタックし、あるいは捲(まく)れ、あるいはすっ転び。

それでも出来る限り、目の前の難所を自力で突破してゆく。

「オフロードバイクに出会えたこと」を、心の底から感謝して。



上手く操れた喜びと、思うように行かない悔しさを、何度も交互に味わいながら。






やがて、例の「つるつる坂」の下までやって来た。

イロ 「今日は乾いてて行けそうですね。このまま行っちゃいます?」

かみ 「そだね。行っちゃおうか」



雨のあとなら立つことさえ難しい低μの急坂が、今日はコンディションがよくてあまり滑らない。

せっかくなので一人づつ、ヘルプなしの単独アタックを開始した。

いや、もちろんハマったらヘルプするけど、あくまで心意気は単独だ。



イロハ、俺、ばんちょさんはそのまま登りきり。



ユタくんが深溝でスタックしてしまい、後ろから来てたりょーさんもストップを余儀なくされ。

りょーさんのヘルプでユタくんが登りきったあと、中途スタートのため、りょーさんが苦労する。

モトクロスタイアのりょーさんは、溝の横のフラットな部分へ乗せるのが難しいのだ。



結局、深溝を使ってある程度まで登り、そこから先をみんなでヘルプして登った。

ヘルプしながらも、バカ話して大笑いが続く。






つるつる坂を登りきった先は、広がった場所と舗装路へ出る。
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左・ユタくんと、右・りょーさん。

ふたりとも疲れてるはずなのだが、実にいい笑顔だ。

そしてふたりがいるのは、例の「ここが入り口です」で有名な(?)後半のスタート地点である。



もっとも、夏の盛りより草が少ないからか、あるいは何台も通りすぎたためか。

かつては「どこにあるのか」ビタイチわからなかった入り口も、今はすっかり確認できるようになっていた。

山はちょっと見ない間に、驚くほど変貌する。






休憩したら、それじゃあ後半戦に入りますか。

広場の中でくるりとUターンし、イロハを先頭に「入り口」を入ってゆく。

が、少し進んだところで、ばんちょさんの声が上がった。



ばん 「りょーさん、戻ってっちゃった!」



最後に来たりょーさんは、メットを被ったりグローブをしたりが遅れたのだろう。

なのに俺たちが走り出してしまったので、あわてて後を追うことになった。

ところがUターンして入る先を勘違いしてしまい、つるつる坂を戻ってしまったのである。



みんなは下りの途中で単車を停め、どうするかの対策を協議する。



しかし、モタモタしてる間に、りょーさんはどんどん下ってってしまう。

と、ここでばんちょさんが、迂回路から彼を追って下り出した。

抜群の行動力に、「さすがだなぁ」とみんなで感心していると。



やがて二台の排気音が聞こえてきて、ほどなく、ばんちょさんの姿が見えた。
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ところが、見えるところまで来ているりょーさんが、なかなか戻ってこない。

停まったあと、何度かセルを回すのだが、聞こえるのは「明らかに掛かる気配のないモータ音」だけ。

「こら、バッテリやばそうだな」と思ってると、イロハがりょーさんの元へ。






俺とばんちょさん、ユタくんの三人は、その場でしばらく待っていた。



だが、時折モータの空回り音が聞こえるばかりで、一向に戻ってこない。

不思議に思って、みなでりょーさんとイロハの居るところまで歩く。

するとちょっと困った顔のりょーさんが、ハスクにまたがったまま、色々やっている。



どうやらクラッチについてる、「遠心クラッチみたいなハイテク装置」が原因のようだ。



しばらくオイルが冷めるのを待ちながら、一服しつつ歓談する。

りょーさんは申し訳なさそうだったが、マシントラブルなんて誰にでもあることだ。

特にオフ乗りは、そんな状況に慣れてるバカばっかりだから、誰も何にも気にしない。



何度か試してみて、どうも「このまま無理するとぶっ壊れる」と判断したので。

りょーさんの単車をつるつる坂まで下ろし、5人がかりで押し上げる。

そこで今後の展開を考えた。






結局、りょーさんはココで、クラッチ周りやオイルが冷めるのを待つことになる。

そして俺たちは、残りの4人でケモ道を進みながら、りょーさんと携帯で連絡を取る。

エンジンがかかれば、りょーさんはそのままゆっくりと帰り、ダメならもう一度、集合



つわけでりょーさんといったん別れ、4人は「入り口」から歩いて単車の元へ戻った。



さて、ここから改めて再スタートだ。

ここで変に気を使いすぎるのは、俺たちの流儀じゃない。

りょーさんが「俺のせい」なんて気にしないよう、がんがん走って楽しまなくちゃ。



俺だったら、俺のトラブルのせいでみんなが楽しめないのはャだし、きっとみんなもそうだろう。



つわけで、そろって悪魔的な激坂を下り始めたのだが。

さっきりょーさんのハスクを押し上げたとき、カメラのヒモを引っ掛けて、切ってしまった。

なので残念ながら、ココから先は「走ってる途中の写真」が、あまりたくさん撮れてない。



ま、派手な「やらかし」もなかったし、あの時の走りや景色は、俺たちの心の中だけで(・∀・)






ヘルプが要るほど厳しい場所はないので、またも、ひとりひとり自分の世界でひた走る。

駆け上り、駆け下り、慎重に登り、慎重に降り。

俺はゴールデンボーイのおかげで、それほどしんどい思いをすることもなく。



イロハの背中、ばんちょさんの姿、ユタくんの笑顔を楽しみながら走った。
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もちろん転んだりもしたんだが、今回はたぶん史上最少、5回以下の転倒で済んでる(・∀・)

恐るべし、ゴールデンボーイのパフォーマンス。

まだスペアがワンセットあるけど、もう2セットくらい買っちゃおうかなwww






ある程度走ってきたところで、りょーさんに連絡を取ってみた。

すると、どうやらカンペキに動けないようなので、「畳屋ルート」は止めることになった。

まあ、俺はもう膝が軽く笑ってたから、ちょうどいいっちゃちょうどいい。



変態のばんちょさんは、脳内で勝手にトライアルコースを作って、走ろうとしてたけど。

しかも、そのルートを、俺たちにも走らせようとしてたけど。

そんなキチガイに付き合えるかってんだヽ(`Д´)ノ



つわけで、そこからつるつる坂を登り、りょーさんの待つ広場へ出てみると。

別のオフローダーがふたり、りょーさんと話をしていた。

誰だろうと思いながら挨拶をして、俺たちも単車を停める。



すると、ばんちょさんが、突然「おぉー!」と声を上げた(※気が触れたわけではない)。






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そこに居たのは、ばんちょさんやトモゾー、ケモ教室で走ったアニキさんなんかの友人。

いろんな人の「D山ケモレポ」で、ちょいちょい名前を目にする有名人の、「青鬼さん」だった。

そして、青鬼さんの隣のひとはと言えば、当然といえば当然ながら、「赤鬼さん」である。



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青鬼さんのフロントフォークには、ハンドソーが挿してあった。

「本当は嫌いなんだよね、倒木を切ってまで進むの。でも、こないだソロで行くことがあって」

と、ちょっと照れながら話すのだが、彼が照れてるのは、「倒木を切ることに対して」である。



「ここにノコギリを挿してる」ことに関しては、もちろん、ひとっつも気にしてないwww



そんな青鬼さん、KLXについてる「F19・R17」の小径トラタイアに食いついていた。

当然、俺もここぞとばかりに、このタイアの「やれる子っぷり」を力説する。

その横ですかさず、ばんちょさんが、「名前はゴールデンボーイだけどなwww」と突っ込む。



この変態、いつかやっつけてやる(・∀・)






「房総オフローダー200人説」を裏付けるかのように、こんな山の中で知り合いに出くわし。
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しばらく話をすれば、別の友人やショップの話から、新たなお互いのつながりが見つかる。

そして、そんな彼らの話は、とても興味深く、面白く、みんなから笑いが絶えない。

もちろんオフロード、特にツートラや「それもどき」をやってる人間にとっては、だけんども。



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赤鬼さんのマシンは、よーくみると……フロントフェンダーがないwww

本人はしれっと、「フェンダーがないと、口ん中に泥が飛び込むんだよね」つって笑ってる。

俺やイロハは楽しくなっちゃって、フェンダー泥はね事情のバカ話に参加した。



赤鬼 「ハーレーのひととか、よくあんなんで走ってるよねぇ」



「よくあんなんで」つーセリフは、ハーレー乗りよりも、あなたたちにこそ似合ってますよ、赤鬼さんwww






そんなこんなで、楽しい話がいつまでも続く。

さらに、後からやってきた別のグループへも、ばんちょさんが「おぉ!」と話しかけ。

このまま放っておいたら、山中のオフローダーが集まってきそうな様相を呈する。



「イロハ、大変だ。あと数時間もしたら、この場所に100人くらい変態が集まるぞ、これ」

「ぎゃははは、そーすね。んじゃ、そろそろ行きますか」



が、先に書いたように、りょーさんのバイクは動かない。

一般的には、「レッカーでも呼ぶか」となるわけだが、もちろんそんなわけがあるはずもなく。

変態の出した結論は、もちろん、変態らしい作戦だった。












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も、「嫌な予感」しかしねぇwww



かみ 「イロハ、おめ、ぜってー3速なんか入れるなよ?」

イロ 「え? とりあえず3~4速はいけると思ってますが?」

かみ 「ぎゃははは! やめろおめ、りょーさん死ぬからwww」



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満面の笑みとVサインで応える、イロハ(・∀・)

しかもこの後、家に帰ってから、無事に着いたらしいイロハへ連絡入れて、様子を聞いてみたところ。

「結局、70キロくらい出せました。りょーさんも楽しんでましたよ」



俺が電話口で、思いっきり大笑いをしたことは、言うまでもないwww






一日、山の中を案内してくれて、いろいろと気を配ってくれたイロハに。

ここでもう一度、お礼を述べつつ、心からの感謝を伝えたいと思う。

いやぁ、最高に笑った楽しいケモツーだったぜ! ありがとな、イロハ!



また山の中で、バカやって笑おうぜ!



そして、りょーさん、ありがとうございました!

今回は途中トラブルでしたが、それもまた楽しい思い出でした(って言っちゃ申し訳ないですが)。

帰りに話をしたときも、みんな笑って「また走りたいね」つってましたよ!



ぜひまた、山の中で楽しい時間をご一緒させてください!



んで、ユタくん。

ガッツのある走りは、見ていて気持ちがよかったよ!

これからも師匠を見習って、若いオフローダーをがんがん捕まえてくださいwww
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君の笑顔は、一緒にいる人間をニコニコさせる、すばらしい武器だと思うな、おっさんは(・∀・)





えーと……

あ、そうそう。

そういえば、もうひとり居たな。



やい、房総の知性派おちんちん、ばんちょさん!ヽ(`Д´)ノ
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あなたのせいで、「ケモ後のノンアルコール・ビール」が定番化しちゃったじゃないかwww

あと、情報をもらったトラタイアは最高でしたが、よくもゴールデンボーイってバラしたなヽ(`Д´)ノ

いやぁ、本当に楽しいケモツーでした、また、近いうちに走りましょう!






つわけで、本日の「ちっちゃいもん倶楽部」は、誰ひとり大ケガも事故もなく、無事に終了。



ノンアルビールで乾杯したあと、五井のあたりまで、ばんちょさん&ユタくんと一緒に帰り。

途中からイロハに合流するふたりと別れて、あとはいつものソロツーリング。

最高の相棒、ゴールデンボーイのショルダーをがんがん削りながら。



16号を全開ですり抜けて、無事、エリック牧場(職場の裏)へ到着した。
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職場に入って、書類仕事をケースに入れて持ち出し。



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翌日からの「春季ロングツーリング」にそなえて、バイクを入れ替え、荷物を積みなおす。

つっても案の定、身体がバキバキだったので、結局、一日休みをいれ。

天気のいい昼間っから、自宅でこのレポートを書いてるんだけどなwww



みんな、本当にありがとう!

近いうちに、また山の中で会おう!

もちろん、オフロードバイクの上で(・∀・)b

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房総ケモライド ―金色の少年― /了
 
 
 
 

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by noreturnrydeen | 2015-04-26 20:50 | ちっちゃいもん倶楽部 | Trackback
 


さあ、待ちくたびれた春の連休。

第一弾は、「ケモライド in D山」。

房総の山ん中で、大汗かきながら、バイクを押したり引いたりするのだ(・∀・)

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仕事がはねた午後2時ころ、KLX125へまたがって走り出す、マイトガイことかみさん45歳。

ユウヒの職場のそばを通って、国道16号へ向かう。

と、16号へ出る交差点で、信号待ちしている時。



「あぁ! いけねぇ!」



悲鳴を上げながら、あわててUターンかまし、整骨院へ戻る。

うっかりかみさん得意の、「携帯忘れ」だ(´・ω・`)

この日のキャンプツーリングは、最初から「うっかり」で始まった。



16号、297号と順調に進み、房総半島を南下する。

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最近、カメラの調子が悪くて、この辺の写真は少ない。

「これはアレだね、神様が「新しいカメラ買っちゃいな」つってるね、きっと」

などとつぶやきながら、途中のウェルシアで点鼻薬を買うついでに、酒と食糧を買い込んだ。



「今日は久しぶりに、ジャックダニエル一本槍(いっぽんやり)で行こう!」



連休と久々のケモライドに浮かれて、この時はまだ、ムダにご機嫌なマイトガイ。

荷物を積んだら、絶好調で走り出す。

のちに訪れる悲劇なんぞ、まるっきし知るすべもなく(´・ω・`)





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なんだかんだ3時間半くらいで、D山の駐車場へ到着。

買い物や給油など、寄り道したわりに早かったのは、道に迷ってないから。

あと、「タイアもったいないから、のんびり」とか言ってたくせに、結局、すっ飛ばしちゃったから。



早速、荷物を解(ほど)いて、必要なものを引っ張り出し。

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テントとコットを組み立てる。

それから、広げたシートの上に荷物をばらまき、テーブルにストーブや酒を並べる。

慣れた作業はものの数分で終わり、組み立てたイスへどっかりと腰掛けたら。

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いただきます!



呑みながらツマミを作ろうと、ヴァーゴにアルコールストーブを入れて火をつける。

んで、フライパンをヴァーゴの上に置いたら、歪(ゆが)んでて、どうもフライパンのすわりが悪い。

あれだ。前の山賊宴会で、ヴァーゴに炭を放り込んで、いいだけ焼いたから熱で歪んだんだ。



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なのでその代わり、非常用に持ってきた十字ゴトクで、いざクッキングスタート。

時折、気持ちよく吹き付ける風も、今だけはジャマなので、風除けで囲って料理した。

んで、ソーセージを火にかけてから、箸を忘れたことに気づく。



「へん、こんな時のために、チタンスプーンが……あぁ! スプーンはあっちのリュックだ!」



ケモ道は「転ぶ前提」なので、今回も「ケモ専用のリュック」を持ってきた。

だが、いつものリュックに常備してあるモノすべてを、こっちへ移し変えたわけじゃない

平たく言うと、「うっかり」入れ替え忘れた(´・ω・`)



「ぬう……どうすっか……おう! いいモノが落ちてるじゃないか!」



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落っこちてる枯れ枝をひろって、ナイフで箸を自作した。

ま、見た目はアレだけど、機能的には充分だったよ。

ソーセージつまもうとしたら、先っぽからアリンコが落ちてきたけどwww






ソーセージをツマミに、ジャックダニエルを呑みながら、ふと見上げれば。

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青い空と、白い雲。

ほほを撫でてゆく、優しい春風。

これぞキャンプの醍醐味だよなぁと、ニヤニヤしながら視線を落とし、愛機へ向けると。



「え? あれ……? えぇ! 嘘だろ!?」



思わず立ち上がる、かみさん。

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セットしてたエアポンプが、いつの間にやらランナウェイ・フロム・イエスタデイ。

いや、出るときは付いてたから、失くしたのは間違いなく今日なんだけど。

そういえば、16号ですり抜けしてるとき、「落下音っぽいサウンド」が聞こえた気もしたけど。



こないだ、「ケモ行く前の準備」とか言いながら、外して洗ったあと、ちゃんと嵌めてなかったのかなぁ。



ま、落っことしちゃったもんは仕方ないので、エアポンプは明日、誰かに借りることとしよう。

前向きな対応策を思いついたイキオイで、立ち上がったついでにアレやっとこうか。

つわけで、リュックからY字レンチを取り出したら。

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ハンドルクランプを緩めて、暴走族の鬼ハンよろしく、ハンドルをカチ上げる。

中学生の頃、自転車のハンドルを上げてたろ?

要するにあの要領でハンドルを上げ、スタンディング(立ち乗り)で操り易くするのだ。



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カチ上がったハンドルを眺めて、満足げに微笑むマイトガイ。

「これで明日のケモライドは、立ち放題だぜ」

と、小さくつぶやいた俺の顔を、「ありえない、あってはいけない感触」が襲う。



今日、朝から何度目だろうか。

「嘘だろ?」

と、絶望のため息を漏らす俺の顔に当たったのは、数滴の雨粒だった。






嘆いてもへこんでも、雨はやまないどころか、むしろちょっと強くなってきたので。

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荷物を置いたシートごと引きずって、枝の張り出した場所まで移動する。

それから、「雨だ!」とミクシィやフェイスブックでつぶやこうとしたら。

さっきまでギリギリつながってた携帯の電波が、思いっクソ圏外。

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写真、矢印のとこ「圏外のバッテン」を、哀しい表情で見つめるマイトガイ。

画面についた雨粒は、俺の涙だと思ってくれていい。

ま、とにかくこうなったら仕方ない、あきらめて「雨見酒」としゃれこもうか。



呑もうと思ってシェラカップを見ると、中の酒が残り1センチほどしかない。

なので注ぎ足そうと、テーブルの上に置いた酒瓶に手を伸ばす。

ところがこの時の俺はカンペキに、降ってきた雨の方へ気をとられていた。



当然の帰結として、伸ばした指先への神経が、おろそかになるわけで。

指先に酒瓶が当たり、それが思いのほか強い当たりで、「あ!」と目を向けたときには。

俺の目の前、ジャックダニエルのビンが、スローモーションで倒れてゆく。



がしゃん!



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ありえねぇ。

四国の悪夢以来、ひさしぶりに、素でこのセリフを吐いたね、かみさん。

正月からGSX-Rのキーシリンダーがほじられてた時くらい、唖然としたね、かみさん。



覆水、盆に帰らず。

昔の人は、うまいこと言いやがる。

でも、このときの俺にこれを言ったら、問答無用で「背負い投げ on アスファルト」だけどね。



そしてまた、いいタイミングで「携帯の電波がつながる」んだよ、これが。

とりあえず、この惨劇をアップロードして、みなの同情を買うことにする。

もちろん、だれひとり同情なんぞしちゃくれねぇんだけどな(´・ω・`)

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仕方ないので、買ってきた「ゴボウ天いり鍋焼きうどん」を加熱し。

ぺしょぺしょと哀しく食べ終えたら。

ミクシィコメントという名の「罵詈雑言(ばりぞうごん)」へ、さびしく返答する作業に没頭する。

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それを終えて、しばらく放心しながらロウソクの炎を眺めたあと。

シュラフへもぐりこみ、とっとと不貞寝(ふてね)を決め込んだ。

闇に響くカエルの鳴き声が、なんだか、やけに切ない夜だった。









明けて翌朝。

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目を覚ましてテントをどけると、目にこんな光景が飛び込んでくる。

とたんに嬉しくなって、飛び起きるマイトガイ。

俺は、短くて30分~長くてもひと晩寝ると、大抵のことは忘れるか、気にならなくなるのだ。



それに、今日はこれから、久しぶりのケモ遊びだしね(・∀・)

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ぽかぽか朝日にニコニコしながら、のんびりと荷物を片付ける。

身軽に走りたいから、貴重品は持っていくが、大荷物はすべてココへ置きっぱなしにする。

その間に、荷物を盗まれたりしたらどうするって?



ナニ言ってんだ? 新しいの買う、大義名分になるじゃないか(・∀・)



準備を終えて一服してると、エンジン音が聞こえてきた。

「あれ? ばんちょさんとイロハ……いや、時間が早すぎる。あ、イロハの友達が来るって言ってたな」

と思ってると、イロハとは全然関係ない、通りがかりのツーリングライダーだった。

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CRMからCRFに乗り換えたというこの方は、御歳65歳だそうだ。

「2stと比べちゃうとパワーないけど、もう歳だからねぇ」

などと笑う彼と、しばらく単車談義に花を咲かせる。



CRFのライダーが走り出してしばらくすると、今度こそ本命がやってくる。

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「房総の歩くおちんちん」イロハが、友人ふたりを連れてやってきた。

その後ろには、「房総の知性派おちんちん」ばんちょさんが続く。

蛇足だが説明しておくと、基本的に房総半島には変態しかいない




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本日のメンバーは、イロハ@ヤマハ・セロー、ばんちょさん@ガスガス・ランドネ。

それからイロハ友人で、ハスク乗り(ごめんなさい車種わからん)のりょーさんと、ホンダSL乗りのユタくん。

それに俺を加えた、計5人のパーティだ。



これだけ居れば、ひっくり返そうが、崖から落とそうが、どうにでもなる人数である。






と、ばんちょさんが俺のKLXをしみじみと眺め、急に大笑いし始めた。

「ぎゃははは! このタイア、ゴールデンボーイって名前なんだ!?」

周りは笑い出し、俺は苦笑しつつうなずいた。



このタイアを買って初めて見たとき、その名前には気づいていた。

しかし、あまりにあまりなネーミングなので、わざわざ「シンコーSR241」と型式で書いたのだ。

それをこのおっさん、問答無用でバラしやがったwwwww



かみ 「なに、いきなしバラしてんすか! せっかく黙ってたのに!」

ばん 「だってタイアに書いてあるだもんwww これで性能がよかったら、ちゃんとレポに書きなよ」

かみ 「わかりました。マジでいいタイアだったら、その時はちゃんと書きますよ」

ばん 「ゴールデンボーイってなwww ぎゃはははははっ!」



変態の上に鬼だよ、このおっさん(´・ω・`)



なんやかんや言いながら、みんなでタイアのエアを抜く。

俺も0.5キロくらいまでガッツリ抜いて、ゴールデンボーイをフニャチンにしてやった。

さて、それじゃあ一発、楽しいケモライドと行きましょう!






舗装林道から、いつもの入り口を入って、山の中を進んでゆく。

そして俺はもう、この段階ですでに、ゴールデンボーイの虜(とりこ)となっていた。

とにかく、リアタイアのグリップやトラクションが、冗談みたいに利(き)くのだ。



滑るだろうな、と思いながら乗り上げた倒木を、あるいは泥濘を。

ものともせずに食らいつき、グイグイと車体を前に押し出す。

「やべぇ、なんだこれwww すげぇじゃん、ゴールデンボーイwwww」

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最初の「急坂セクション」へたどり着いたとき。

ヘルメットの中で、喜びのニヤニヤが止められなくなっていた。

トラタイア、低圧、そして「二日酔いじゃない」。三つの要素がかみ合って、最高のコンディション。



初手からこんなに楽しくていいんだろうか?(・∀・)



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地震や大雨で崩落しまくり、去年だか久しぶりに走ったときは、表情が別物になってたD山。

ルートがだいぶん変わってて、この急坂を登るのは、今回で二回目だ。

前回は濡れてたのもあって、上まで登りきれずに転んだのだが、さて、今回はどうだろう?



つわけで、まずは先頭のイロハがチャレンジする。

二三度アクセルを煽(あお)ったあと、イキオイよく走り出した「歩くおちんちん」イロハ。

そのまま軽々と坂を駆け上がり、ほとんど天辺(てっぺん)まで登りきってしまった。


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メットの上からでもわかる「ドヤ顔」だったんで、写真、思いっきり小さくしたった(`・ω・´)



てな感じで、D山ケモライドが始まった……わけだが。

続きは、次のファイルで。

ポロリもあるよ。ないよ。



後編に続く



 

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by noreturnrydeen | 2015-04-25 20:41 | ちっちゃいもん倶楽部 | Trackback
 

ケモ道を走るのに、タイアのエアを落とすのだが。

ビードストッパーがないと、色々とトラブルをおこしやすいらしい。

今までは必要性を感じなかったのだが、トラタイアを入れるついでにビードストッパーも入れようか。



でも、どうせ入れるなら、リムなりホイールを交換してからにしたいのも人情。



つわけで今回はストッパーを見送り、別の方法で対処することにした。

いやまあ、対処ってほど大げさな話じゃなくて、バルブの固定ナットを外すだけ。

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チューブタイアのエアを抜くと、タイアがズレやすくなり、それに引きずられてチューブもずれたりする。

ところがバルブはホイールに固定されてるから、引っ張られてチューブのバルブ付近が裂けることがある。

このナットを外すことで、そんな悲劇を多少なりとも防げるらしい。



当然、リム打ちとかの対策にはならないけど、そこまでエア落とさないから。



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はずした。

しかし、このままだと、バルブとホイールのスキマから、ドロだの水だのいいだけ入ってしまう。

なので、ココにつけるゴム製のカバーを買ったのだ。



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これがその、エアバルブ・マッドガード。

スキマからのドロや水の浸入を、かなり軽減してくれる……はず。

ビードストッパーに比べれば、効果絶大とはとても言いがたいが、気休めくらいにはなる。



0.4とかまで落とすわけじゃないし、ま、どうにかなるだろ(・∀・)b



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さあ、これで週末のケモ遊びの準備は整った。

きっと、色々とトラブルはあるだろうけど、それも含めて楽しみだ。

朝からトラタイアで飛ばすとか鬱陶しいので、D山へは前日の夕方から入る予定。



駐車場で野宿しながら、わくわくテカテカしてこようと思う。



そんなかんじで。



 
 
 
 
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by noreturnrydeen | 2015-04-23 20:02 | メンテナンス・カスタム | Trackback
 

半日休みは、カブのメンテナンス。

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チェーンと、前後のスプロケを交換する。

チェーンはEKのクリップタイプ、スプロケはキタコ、すべて純正サイズの社外品だ。

ホントは色々とカスタムしてみたいんだけど、これ、俺のじゃないしね(´・ω・`)



カブのパーツは安いから、夢ばかり膨らむ(・∀・)



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つわけで、センスタかけたら準備完了。

「そういえばカブのリア周りって、ばらすの初めてだなぁ」

ま、なんとかなるべ。



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ばらした。意外とめんどくさい。

調子に乗って、ヨケーなトコまでばらしまくった。

後悔はしていない(`・ω・´)



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ばらしたついでに、ハブ周りも掃除してグリスアップ。



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キタコのは純正より肉薄で軽い。純正と比べて、耐久性が落ちるのかな?

つってもカブだし、「だからなに?」って話ではあるけど。

とまあテンションが低いのは、純正サイズで交換という、燃えないメンテナンスだから。



スプロケの丁数を変えていいなら、一気にやる気も出るんだけど(´・ω・`)



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ハブのブレーキシューから出てる矢印の部分の金具が、いちばん難儀させられた。

「これがなんだか判ってない」から、意味を理解するまで嵌らなくて苦労したのだ。

シューの減り具合、こんなトコでチェックするんだね。



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ハブの取り付け部分にあった割りピンは、いつものようにベータピンへ交換。

いやわかってるよ、確かにちょっとでかいけど、ちょうど近くにコレがあったんだからいいじゃん。

これでも充分、緩みもハズレもしねぇよ、たぶん(・∀・)



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チェーンをクリップして、おおざっぱに組み上げたら。

長さの調整や、各部の微調整。最後にボルトを本締めして、終了。

一部、ちょっとてこずったけど、基本的にはスムーズにできた。



もっとも、色々見つけちゃったから、かえってやることは増えたんだけど。

タイア交換とか、ブレーキシューの交換とか、エンジンオイルもそろそろだし。

またヒマ見て、面倒を見てやろう。



そんなかんじで。



 
 
 
 
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by noreturnrydeen | 2015-04-22 16:56 | メンテナンス・カスタム | Trackback
 
 
オフロード、それもクソ山ん中を走るためのトライアルタイア。

それのロード走行をインプレしても、仕方ないっつーか意味がない。

それは充分わかってるんだが、ちょっと書いておきたかったので。

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シンコーSR241(ロードなので空気圧は指定値=F1.5のR2.2)



こいつは俺が知ってる他のトラタイアより、プロファイルが尖(とが)ってる。

トラタイアつったら断面が四角くて、クルマのタイアみたいなイメージだが、

これは比較的ラウンドしてるつーか、「フツーのタイア」なのだ。



なので、ターマック(舗装路)でいつも通り乗っても、コーナリングが自然。



ごつごつ感もないし、けっこう深いところまでバンク出来る。

やわらかい分グリップ感も高く、その割りに強い直進指向ってほどでもない。

ひらひら気持ちよくて、「ロード用だよ」って言われたら信じちゃいそうなくらい。



当初はケモに行くときだけ履き替えようかと思ってたが、これなら通勤で使ってもいいかも。

まあ、やわらかい分、寿命が短いかも知れないから、そのときは考えるけど。

何にせよ、前後で一万円つー安価な割りに、よく出来たタイアだと思う。



オフロードは今週末に乗ってみるけど、この分だと、ちょっと期待できるかも。



そんな感じで(・∀・)

<オフロード編へ>
 
 
 
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by noreturnrydeen | 2015-04-21 21:20 | 雑記 | Trackback
 
 
さて土曜日だ。

こないだ買ったトライアルタイアを履かせよう。

仕事がハネるなりエリック牧場(職場のウラ)へ出て、早速、フロントから交換する。

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チューブを傷つけてしまうことだけ気をつけて、慎重に作業すれば、交換自体はとてもかんたん。

トラタイア自体やわらかいし、暖かいからゴムの伸びもいい。

フロントが済んだら、お次はリア。

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工具とかコンプレッサに空気をためるとか、準備・段取りの方がよっぽど時間を食うくらい。

前後で一時間かからずに、交換終了。

トラタイアではよくある、スイングアームへの干渉も問題なし。



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長いこと求めてた、トライアルタイア。

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一般的なトラタイアより、ラウンドが強い気がするけど、ブロックはやわらかくて期待できそう。

ただ、もしかしたらチューブに傷をつけてるかもしれないので、今日はこのまま仕舞っておく。

週明けにチェックして、漏れてたらやり直し。大丈夫なら、そのまま週末ケモライドだ。



つわけで単車を入れ替え、ユリシーズを引っ張り出す。

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風が強いから今日はまっすぐ家に帰って、明日、元気があったら出かけよう。

そんな感じで(・∀・)
 
 
 
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by noreturnrydeen | 2015-04-18 15:29 | メンテナンス・カスタム | Trackback
 
 
こないだ付けたミラーが、やっぱり気に入らない。
 
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気に入らないスタイルのまま乗るのはヤなので、またまた新しいのを買った。

モノは前回、次点の候補に挙がってた、ナポレオンのGSミラーだ。

ちなみにあまったランドクロスミラーは、しきが買ってくれた(・∀・)



つわけで、着荷したGSミラー。
 
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取り付けはすぐに終わったのだが、右側のゴムブーツがちゃんと嵌(はま)らない。

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なので、現物にあわせてハサミで切り飛ばす。



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完了。面白味はまったくないけど、俺のバイクにはこの方が似合う気がする。

見え方の方はもちろんバッチリ。

振動で見えなくなることもなく、充分に及第点だ。






それから、もう一つ買ったものの取り付け。

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1000円以下の防水腕時計。コレをハンドルにセットする。



ビューエルの時計はトリップメータと共用なので、表示が限られる。

時計にするとトリップが見えないから、ロングだとちょっと不便なのだ。

こないだ、「ガス欠やったばっか」だし、トリップは常に確認しておきたいからね。



いやまあ、あのガス欠は、ほとんどトリップ関係ねぇけどwww



5気圧防水だから、よっぽど大雨じゃなければ大丈夫のはず。

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ま、ここにつけちゃうと、パーパッド付けてる意味がまるっきしないけどね(・∀・)

ハードなオフロード走るわけじゃないし、ボディプロテクタしてっから大丈夫でしょ。



最後に、リュックサックへ防水スプレーをしこたま吹いて。

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ユリシーズに関しては、ツーリング準備終了かな。

あとは今週から来週あたりで、KLXのタイア交換とメンテをして準備完了。

春休みを待って、走り出すだけだ。



そんな感じで(・∀・)
 
 
 
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by noreturnrydeen | 2015-04-16 13:41 | メンテナンス・カスタム | Trackback

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by かみ