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昨晩、雨が降らなかったので、ちと寒いがZとふたり筑波に行ってきた。

仕事が終わると同時に、整骨院ウラにZがやってくる。そのまま単車をまたいで、向かうは筑波山。途中でガソリンを入れたときくらいから、だんだんと寒さが身にしみてくる。こりゃ、おとといとはワケが違いそうだ。ふたりで突っ走れば、筑波山はあっという間だ。
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いつものコンビニで休憩入れたら、さて、あがりますか。



年末が関係してるかは知らないが、なにやらいつもより車が多いようだ。

混んでるところを、車と一緒に、あるいは追い越しかけながら、さくさく昇って風返し峠に入り、そのまま一本目に突入するスキモノふたり。だが、いくらバンク角が増えたとはいえ、さすがに風返しはタイトで厳しい。


二三本走ったところで、ビデオを装着するために停まり、ビートルバッグから取り出してセットする。が、この間の雨でイカれたらしく、うんともすんとも言わない。仕方なく、ビデオなしで走り出した。ところが、やはり風返しはRIII向きではないようだ(あたりまえです)。

かなり四苦八苦しながら攻めてるうちに……あ、やっぱりきた。

案の定、リアブレーキがスカスカになった。




休憩所に止めて、リアを確認してみると。

うん、なんか暖かいよ母さん。

リアのキャリパとロータの放熱でそのあたり一帯が暖かいとか、ちょっと意味がわからない。なにこの冬に重宝しそうなギミック。本気で要らねぇつの。ためしに買ってきたお茶を吹き付けてみると、軽くエキパイくらいの勢いで、チュン! と蒸発しくさる。

Zと検証した結果。

やはり例の赤城でのくだりから、シールが死んでてロールバックしない=引きずりっぱなしなんだろうということに落ち着いた。そりゃ、オイル 換えようが何しようが効果あるわけないって話だ。むしろ換えなきゃいけないのは乗り手。
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ブレーキを冷やしたころ、時間は午後3時過ぎ。

程なく寒くなってくるだろうということで、パープルを往復してから帰ろう。もっとも、いくら手ごたえが回復したとはいえ、根本的な治療ができたわけじゃない 。RocketIIIがどこまで走れるかは疑問だが、せっかくきたんだし、攻め納めにがんばって走ってみる。

バンク角が増えた分は、リアのスカスカでダメな方に相殺されたか。

ZのTZR、前よりは追えるが、しかしじりじりと離され、やがて見えなくなる。

さすがに、こないだのGSX-Rのようなわけには行かない。

リアが踏めりゃ、もう少しはいけるんだろうが、どっちにしても、まだまだ、戦闘力不足だ。
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パープルくだり際の駐車場にて。

今まで見たことないくらい、四輪が多かった。

しばらくダベったあと走り出し、帰る前に頂上の休憩所に。
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日が短い分、どうしても走り足りない気はするが。

本日のクイレジーマーマレードは、いや、今年のクレイジーマーマはこれにて。来年に向けて、走りの課題もみえたし、リアブレーキなど、やらなきゃいけないこともわかった。単車乗り換えれば済んじゃう話ばかりなのだが、そこは惚れて乗ってるRocketIII。

こいつで速くなきゃ、だめなんだ。

マフラー入れて、セッティング出して、リアブレーキオーバーホールして。なんだかんだ、やることはいっぱい。めんどくさいなって気持ちもないことはないが、それ以上に楽しくて仕方ない。 俺は単車に乗れてればハッピーなのさ。

来年も走り倒すぞー!

 
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by noreturnrydeen | 2006-12-30 21:27 | でっかいもん倶楽部 | Trackback

悪魔との再会

今日の診療は半日で終わりだ。

なので、終わると同時に整骨院のウラへ行き、RocketIIIをまたいでライコランドへ向かう。交換用の汎用ステップの寸法を見に行くのだ。が、到着して現物を見てみると、どうも合いそうなものがない。

そして天気は抜けるようなピーカン

こりゃモタモタしてられないと、整骨院に戻り、ステップの加工を始める。ほかのRAASK(社外ステップ)ユーザーと同じように、ステップのふちにグラインダでざくざくと切りかきを入れる。だったら、ハナからやれって話なんだが、まあ、そこはそれ。

 
 

走り出して、さて、どこにしようかと考えていると。

初心者を引き連れて練習走行の真っ只中にあるZに出会った。どうやら筑波を目指しつつ、だめそうなら近所のでかい駐車場で練習会になるとのコト。んじゃ、俺も適当に走ってあとで合流するかも、と言いつつ、


「でも、こないと思っててくれ」

と、念を押すのを忘れない。

天気がいい日は、走り出してしばらくすると、世界のすべてが近く感じてきて、面倒だと思ってたコトが面倒じゃなくなってしまうことが多いからだ。結果的に言えば、念を押しといて大正解。県道8号から水戸街道に乗るころには、筑波に行く気が満々になってしまい。

結局、そのまま県道19号を折れ、筑波山に向かってしまったからだ。



いつもの道をかっ飛ばしながら。

ステップや自作レザーアイテムの調子を見つつ(風で飛んだりとか、実際の使い勝手ね)、気づけば筑波山のふもと。本当はふもとのコンビニで一服してこうと思ったのだが、停まるのが面倒になって、「上で休もう」とそのまま筑波山を上りだした。

後で思えば、これが間違いの始まりだった。

 
 

上について、いつもの風返しに入ろうと思っていると。

ちょうど俺の前を通り過ぎた単車が、そのままパープルラインへ入っていくのが見えた。油冷のGSX-Rストリートファイター仕様だ。こりゃぁ、ステップの実力を測るには、ちょうどいい相手じゃねーか。

俺もそのままパープルに入り、GSXの後を追う。

しばらく後ろについて走りながら、様子を見る。速いことは速いが、マルほどじゃない。それになんだか今日は、えらく乗れてる気がする。つーか、メータや風景を見る限り、とんでもないスピードなはずなんだが、遅く感じる。


いけるな、こりゃ。


何度か後ろから突っつくと、相手のラインがすこし突込み気味になってきた。

ふむ、あせってるな。突っ込む分、立ち上がりが苦しくなってきてるぞ。こっちは、立ち上がりのトルクが命なんだ。ワンテンポずらしゃ、イケる。

左コーナーの立ち上がり。

前が開けて、対抗がいないのが確認できた瞬間、俺はワンテンポ早くアクセルを開けて、立ち上がりで反対車線に出ると、思いっきりぶち抜いた。充分車間が取れたのをミラーで確認して、GSXの前に進路を戻す。

同時に、鳥肌が立った。




「いぃぃぃぃやっほうっ!」

メットの中で叫びながら、アクセルを開けた。

切り返しや、極低速は厳しいにしても、単発の中高速コーナーならコーナリングスピードで引けをとらない。その苦手な低速切り替えしも、巨体のおかげで、相手に抜くスペースを与えない。そして、強烈な立ち上がりは、あの油冷Rにさえ隙を与えない。

楽しい。

最高に、楽しい。

フォアコン理論も、負けた気がどーのも、なんもかんもどうでもよくなる


が、もちろん抜かれたGSXも黙ってない。

こっちが気を抜くと、後ろから突っつかれる。中高速コーナーや、Rはゆるいが曲がり込みの激しいコーナー、プラス立ち上がりでアドバンテージを稼ぎ、高速コーナーと低速コーナー、突っ込みでチャラにされる。

クソ、やるな。

でも、おめーもこんなクルーザー、見たことねぇだろう?



いつの間にかヤツとふたり、西日のきついパープルを、会話するように走っている。

長い直線でイカれるかなと思うと、向こうは後ろに付いたまま。

ははぁ、なんとしてもテクニックで抜き返したいんだな?


させねぇよ。


俺は身体中で至福を感じながら、ニヤニヤしっぱなしだった。

 

が。

そんなわけはないのだ。



こんなアベレージのままで、無理がこないわけがない

はじめの兆候は、リアサスだった。荷重のかかるコーナリングで、踏ん張りが甘くなってきたと思ったら、急にふわふわになる。わけがわからないまま、その挙動をリアブレーキで黙らせつつ、それでも速度は緩めない。

GSX-Rもピタリと後ろについてくる。

やばいと思うが、コーナリングが安定しない。アクセルを戻そうものなら、ものすごい勢いでピッチング。仕方なくリアブレーキでコーナリングスピードを調整しながら、アクセルをアテ気味に走る。

赤城で懲りたので、その分、直線の減速にはエンブレを多用し、リアを休ませる。

しかし、それは突然やってきた。


ぬかっ

「あ」


リアブレーキの手ごたえが突然、抜ける。

しかしもう、コーナリングアプローチは始まっている。

やばいと思いながら、コーナー出口に無理やり顔を向け、アクセルを戻す。

とたんにピッチングが出て前後に揺れた車体は……俺の意思よりも1メータほど外側へ


「やっちまった」


諦めながら車体を立て、側溝に対してなるべく垂直になるよう車体を整え。


ずががががっ!

側溝を飛び越えて、土壁に刺さるRocketIII

まさに変形ミゾ落とし。頭文字Dじゃねーっての。

 
 

「あーあ」

立ち上がって車体を起こしていると、GSX-Rが停まって、ライダーが降りてきた。心配そうなその顔へ、ヘルメットを取って笑顔を見せながら、大丈夫だと手を上げる。彼に手伝ってもらって、RocketIIIを斜面から引きずり出し、側溝を乗り越えさせて道端に止める。

土を落とし、ギヤをニュートラに入れ、セルを回すと、RIIIは元気に吼えた。


「大丈夫っすか?」

「あー、エンジンかかるし、工具とかは持ってるんで、大丈夫ですよ」

「そーすか。なんか手伝うことあります?」

「大丈夫……あ、そうだ」

「?」

写真、撮らせてください」


唖然とした後、苦笑する彼の了解を得て、写真を撮らせてもらう。

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気のいい、親切なおにいちゃんだった。

 
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彼のGSX-R。

ステップつけてすぐにコケたとか、ウインカーステーが折れちまったとか、正直、へこむ要因は多々あったはずだ。本来なら、コケた動揺が落ち着いたこのあたりから急に、へこんできてもおかしくないはずなのだ。

しかし。

彼の放ったヒトコトが、すべてを吹き飛ばした。


「俺、アメリカンにぶっちぎられたの、生まれて初めてですよ」


俺は、このヒトコトのために、走ってるのかもしれない。

そのくらい、最高に気持ちよかった。

 
 

彼に先に行ってもらい、数十メータ先の直線まで出ると、改めて愛機の様子をみる。

ウインカステーが折れたのと、ミラーがずれたくらいの、軽症だ。

アベレージスピードを考えれば、幸運だといえるだろう。

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しかし、走り出すとリアブレーキが完全にバカになってる。

そのまま流して、休憩所に入り、リアの確認をした。

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ホント、毎度毎度、痛い思いをさせるねぇ。

 

さて、駐車場で後ろに回りこみ、確認してみると、なにこの宇宙生命体

リアキャリパーがあってはならない色に染まっている。どうにも手術が必要そうなので、大きくため息をつき、ビートルバッグをはずしにかかる。隣の車の中でいちゃついていたカップルが、怪訝な表情で俺を見てるが、それどころじゃない。

バッグをはずすと。

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あーも、何から話そう。

とりあえず、赤い矢印を見てくれ。行き先がサスなところからわかるように、これはエアサス用のエアホースだ。キャリパの熱で切れてらっしゃる。つまり、このせいでサスの踏ん張りが甘くなったのだ。そりゃ、踏ん張れるわけがない。

突然、プロアームになったんだから。


んで、次は青い矢印。

このありえない色味は、ビートルバッグの成分だ。熱で溶け出し、穴が開く寸前だった。ビートルバッグが何の成分でできてるのかよく知らないが、少なくともヤサシサではないと思う。 むしろヤサシくないなにか。

 

 

思いっきり肩を落とした俺は、8mmのメガネを取り出して、キャリパにオイルをぶっこぼしながら、エア抜きする。どうせまたしばらく使えばスカスカになるだろうが、とりあえず少しでもマシになるよう、手ごたえが出るまでエア抜きした。

やがて手ごたえが出てきたので、作業終了。

こぼれたオイルをウエットティッシュでふき取って、ビートルバッグを戻し、工具をしまってから、タバコに火をつける。大きく吸い込んで、ため息と一緒に吐き出すと。

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眼下に広がる、筑波山麓の景色。



まあ、気分的にはそれほどへこんではいない。

頭の中にお兄ちゃんの言葉が、何度もリフレインしてるからだ。

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ウインカーをガムテで固定したら、せっかくだし、もう少しパープルを走ろう。

結局、もう一周し終わる寸前に、またもリアブレーキがバカになったので、そのまま山を下って帰路に着いた。帰りにまたライコへ行って、ウインカーを買ってくる。これは明日つけよう。

 

ステップのシェイクダウンのはずが、初の走行中転倒のおまけが付いた。

だが、しかし強がりじゃなく、マジでウキウキワクワの方が上をゆく、楽しい半日だった。

そして、同時に恐怖を感じる。

V-MAXの時、初めて感じた恐怖だ。


今までよりも、格段によくなったコーナリング性能に対して、重い車体とそれなりのブレーキ。魂を揺さぶる加速性能とそれに見合うリスクの大きさ。すべてが、あのときのような魅力で俺をつかむ。かつて両足の骨を持っていった、あの悪魔と同じ種類の悪魔

そいつが、このRocketIIIって単車にも、確かに取り憑いている。


そして俺は、それが何よりもうれしいのだ。

今度こそ俺は、この悪魔をねじ伏せる。

俺はそのために、生きているのだから。

 
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by noreturnrydeen | 2006-12-27 21:51 | ソロツーリング | Trackback

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