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予告ナシで急に決まった、ちっちゃいもん倶楽部。

なんせ昨日の土曜日、突然ダチのZから電話があり、

「明日、走りに行きません?」

「筑波? いいよ」

「RIIIで行きます? SDRなら俺、TZRで行きますけど」

「SDRで行く」

正味、2分くらいで決まった上に、そのとき俺はちょうどブックオフで大量に買い込んだマンガの山を前にしていたので、更新するのも忘れてた。ま、早朝だし、時間も短いから、いいでしょ。

 

てなわけで、朝4:30起きで整骨院へ向かう。

船取線から高柳へ入るところで、こっちに向かってきたTZRとすれ違った。

「お、もう行くのか、俺も早いトコSDRに乗り換えなくちゃ」

思って整骨院へつくと、程なく2サイクルの排気音。

TZRにのったZが、Uターンしてきたようだ。
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「どした?」

「国道から、県道19号曲がるところで、俺、別の道行ってみますから、先生はいつもどおり行ってください。競争じゃなくて、どっちの道が早くつけるか確認したいんです」

てなわけで、矢田部あたりまで一人で走る。

さすがに朝5時だと、いつもはそこそこ混んでる県道19号もガラガラだ。

これじゃあ、Zより早くついちゃうんじゃないか? ってくらい信号のつながりもいい。



矢田部インターのところで、Zがまってた。

「早いね」

「いや、思ったほど差がつきませんでした」

「でも、こっちは100巡航近くで、信号も一回しか捕まらなかったから」

「ま、帰りにもう一回通ってみましょう」

てな感じで、近道検証を終え、筑波まで走る。途中の信号待ちで、TZRに乗せてもらったのだが、「あれ、こんなに振動ないんだっけ?」「あれ、こんなにトルクあるんだっけ?」と、驚くことばかりだ。とくに、120越えたあたりからの安定感は、SDRとは比べ物にならない。

「高速コーナーだと、曲がってる気がしませんよ」

と言うZの感想も、もっともだと思った。

 

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コンビニで朝飯を食ったら、もう、峠は目の前。

気合を入れつつ、身体の方を慣らしてゆく。やがて、風返しに到着すると、へへっ、いるいる。

日曜の朝っぱらから、トランポまで持ち込んで、走りまくってる馬鹿がいっぱいだ。

そのまま、地元のNSR50軍団の合間を縫って、走り始めた。



のだが。

やっべー! Nチビはっえー! 無駄な減速は一切せず、まるでサーキットの如くきれいなラインで駆け抜けてゆく、NSR50たち。下りなんかだと、コーナー二つで見えなくなる。なんだあれ、ワープしてんじゃねーか? ってなもんで悪魔的に速い。

こっちがラジコンだとしたら、向こうはスロットレーシング。

突っ込んで、コーナリングして、立ち上がって、とやってる前を、すすすっとバンクしてその姿勢のまま、さーっと鮮やかに消えてゆく。必死こいて追いつこうとするんだが、まるきし歯が立たない。テクだマシンだの前に、コーナー二つで消えられては、心が折られる。

だが、それがまた、気持ちいい。

 


躍起になってついていくうちに、ラインだの、ブレーキングのポイントだの、イロイロと盗んで真似てみる。もっとも、マシンが違うから、まるきし同じようには行かないわけだが、参考になる部分はいっぱいあった。

自分でも、明らかにスピードが上がり、乗れてきてるのがわかる。ちょっとスピードの高いコーナーだと、つま先をすりっぱなしになる。とくに、登りは結構攻め込めた。つーか、登りで離されるわけにも行かないだろうって気持ちがあるから、余計にがんばったとも言う。

普段はくだりが得意だなんて思ってたんだけど、NチビやNSR250、それにバカ速いR-1(YZF)が、くだりでもがんがんNチビをつついてたりして、俺なんかまだまだだなぁと、いい意味で落ち込む

 

何本か走って一服。
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Zがトイレに行ってる間に、ひとりで攻め込んでみる。

ちょうど、地元連中が休んでたので、R-1やNSR250にくっついて、少しでも何かを盗んでやろうとがんばった。が、こいつらも速い速い。 ま、Nチビ追い込むようなNSR250についていけるわけもないんだが、それでもNチビとは違ったところで、参考になる。

R-1はさすがに、どうにも参考にしようがないけどね。



そのうちトイレから帰って来たZと、俺、NSRの3台で、しばし風返しを占領。

NSRに付いていく事は出来なかったが、引っ張ってもらったおかげで、ココを攻める際のキモみたいなものは、いくつか得られたと思う。

やがて一般車も出てきた7:00過ぎ、へとへとになった俺とZは、帰路についた。

「NSRとかR-1がNチビ追い込めるってコトは、俺らのバイクでもやれるってことですよね。腕だなぁ……」

信号待ちでつぶやいたZの言葉にうなずいた後 、俺はヘルメットの中で、ずっとにやけっぱなしだった。もちろん、俺もおんなじ思いだったからだ。ちっちゃいもんは、鍛えればもっと速くなる。もっと速くなれるんだ。

やっぱ、単車って楽しい。
 
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by noreturnrydeen | 2006-08-27 21:46 | ちっちゃいもん倶楽部 | Trackback
 

さて、いつもどおり唐突に決まった、ちっちゃいもん倶楽部。

だが、今回の俺は一味違う。

なぜなら、強力な味方が走りをサポートしてくれるからだ。

我がSDR最大の泣き所にして、正直、ものの役に立ってなかったブレーキ。この急所を克服するための、強力な新兵器が導入されたのだ。その名も、ブレンボ・キャスティング・キャリパー。イタリアブレンボ社の名品にして、ブレーキカスタムの代名詞。
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正直、「この金色はどうにかならないのか」とは、確かに思う。

もともと、今までブレンボを使ったことがなかったのだって、この金色が嫌いだからだ。

だが、これだけ大勢に支持されているモノである。使ってみれば、案外気に入るかもしれない。つーか、キャリパの選択がこれくらいしかないんだから、四の五の言ってられないわけで、仕事中、患者さんの切れた隙を見ては、午後に間に合うように、何とか取り付けた。

 

 

仕事が終わり、即、筑波山へ向かう。

走ってる途中で、パッドのあたりが出てきた。時々ブレーキをかけてやると、はじめのあいまいな印象が、だんだんはっきりとしてくる。カツンと効く感じではないが、「握ったら握ったぶんだけ」とインプレされる、まさにその通りの効き味だ。

こりゃあ、面白くなってきた。

小一時間ほどで、いつもの風返し峠に到着すると、誰も居ない。ヤツら、先乗りして、パープルラインでも走ってンのかな? そう思って電話をかけるが、なにやら圏外だ。何度かかけてみて、つながらないのであきらめる。


と。


おや、メールが着てる。開いてみると、Zからだ。

「入り口にパンダいるので、山頂パーキングに行ってます」

あんだ、先にこれ見りゃ良かった。

思っていると、なにやら上の方で2サイクルエンジンをふかす音が聞こえる。こりゃ、Zだなと、こっちもエンジンをかけて軽くレーシングで応えてから、山頂に向けて走り出した。

パープルラインや風返しの入り口ある交差点にでると、なるほど、確かに警察が居て、ビッグスクータのお兄ちゃんたちを捕まえてる。おぉ、俺が来たときは、居なくて良かったなぁ。 と思いながら登ろうとすると、そのとば口にZがいた。

「警察居るのに、風返しの方へ行っちゃうから、びっくりしましたよ」

居なかったんじゃなくて、気づかなかっただけらしい。

 
 

山頂パーキングにて、水分補給しながらマルを待ちつつダベる。
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やがて、マルがやってきた。
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クソマルのバカ、来るなり、暑いだの首が痛てぇだのうるさいので、軽くマッサージしてやって、とりあえず首の痛みをごまかしてやる。しかしまあ、確かに暑いので、少し休もうということになった。 そのまま三人で話をしているうちに、少し日が翳ってきて、いい頃合になる。

さて、ちっちゃいもん倶楽部、出撃しますか。

 

パープルラインにはパンダがいそうなので、風返しを攻める。

何本か走っては休み、先頭を入れ替えてまた走り、至福の時間が過ぎてゆく。特に俺の嬉しさは、マルやZの比じゃないだろう。もう、全身でニヤケっぱなしだ。だが、そりゃそうだろう?

RocketIIIもSDRも、とにかくブレーキで苦労してたのだ。なのに、今日のSDRは生まれ変わったかのごとく、ものすごい戦闘力を発揮している。ニヤケたくもなるって話だ。今までよりはるか奥まで突っ込んで、そのままリーン。フロントをナメ、リアをナメ、半クラあて、とにかく楽しい。

ビッグバイク的な乗り方を試したり、逆にコーナリングスピード重視で走ってみたり、わざとバンクさせないで走ってみたり、今まででイチバン、SDRと対話しながら走れた気がする。



が、実はそんなことさえ些事で。

今日はなんと、マルやZに後塵を浴びせることが出来たのだ。戦闘力的には、そりゃもちろんSDRがハナから一番、この峠には向いている。そんなことは重々承知の助で、それでも、バックミラーからマルやZが消えてゆくのは、最高の快感だ。

結構走りこんだ後、少し休憩しながら次のプランを話した。

ちょっとヘバってるマル。様子見ながらきちんと休むZ。
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そして、絶好調にご機嫌の俺。
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休憩中も、俺がマルのRZを借りて乗ってみたり、ZがSDRやRZを乗ってみて、イロイロと意見を述べ合う。ま、いくら述べたって、マルのやつは聞きゃあしないんだが。
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やがて、それじゃあと走り出す。

パープルライン経由の、比較的ハイスピードコースだ。さすがにスピードレンジが上がってくると、マシンの差ではごまかしきれない腕の差が、徐々に現れだす。中高速コーナーとそのつなぎ、ひとつひとつの作業でちょっとづつボロを出し、徐々に離されてしまう。

前が詰まって追いつき、今度は何とかZに食いつく。

マシンの仕上がりの悪かったマルも、中高速コーナーになればその腕を発揮する。しかし、今までならかなりがんばらないと、ついてゆけなかった様な場所でも、ブレーキがよくなったおかげで、それほど無理しなくても付いていける。

これがまた嬉しい。

一度か二度、ちょっとしたミスもやらかしたが、そのリカバリも楽だ。

もう、道が尽きるまで走ってたい。

 
 

嬉しくていつまでも走っていたかったが、気づけば50号線。

給油してしばらく走り、岩瀬のガストで晩飯。だらだらしながら、一時間ぐらいダベったろうか。やがてさすがに帰ろうということで、表に出ると。

雨だ。

それほど強い雨じゃなかったので、そのまま流れ解散という話になった。50号の途中でマルと別れ、Zと一度、筑西つくば線で帰ろうとするも、雨が強まってくる。

と。

Zが単車を止め、一度戻って雨のなさそうな294回りで帰ろうと提案。もちろん俺に異存があるはずもなく、Uターンして50号まで戻り、294へ入ると柏に向けてぶっ飛ばし始めた。

 

しばらく走るうち、SDRの排気音が、だんだん大きくなってきた。

山を走ってるときから、マルに「排気もれしてんべ」言われてたのだが、ココへ来て、明らかに様子がおかしいくらい大きな音。珍走車なみの直管サウンドを響かせながら、それでも帰路を急いでいると、途中、トイレに立ち寄ったコンビニの駐車場で、Zが何気なくSDRのチャンバーに触れた。

とたんに、笑い出す。

「やべ、おかしい。揺れすぎですよこれ。はずれかかってる」

言われて触れば、確かにぐらぐら。こりゃヤバいってんで、LEDライトで、チャンバーの取り付け部を照らしてみると、取り付けナットが緩んでる。ライトを口にくわえ、Zから借りた工具で、各部の締め付け。危なかった。マルに続いてチャンバー飛ばすところだった。

 
無事に走り出してから、ふと思ったのだが。

ファミレスでダベってたとき東北ツーリングのツーレポの話になって、俺、言ったんだよね。

「ツーリングより、レポートのが大変だったよ。つーかさ、今日なんて誰も何にもやらかさないから、ツーレポ書くにも、オチつけるのが大変だ。やっぱネタがあって、それをオチにすえて書き出す方が楽なんだよ」

って。

今日はホントに楽しいだけで、何もトラブルがなかった。つまりツーレポを書くとき、コアになる話がない。強いて言えばSDRのブレーキくらいだが、そんな話、楽しいのは俺だけだ。だから、もしかしたら、俺の潜在意識がネタを作ろうとしたのかもしれない。

ま、ホントにそうだったら、

 

 

 

 

自分の潜在意識だろうがぶっ飛ばすけどね、マジで。

ホント、国道でチャンバー落とすとか、軽く寒気がしたよ。

つわけで皆様、走行前点検は忘れずに。

 
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by noreturnrydeen | 2006-08-23 21:38 | ちっちゃいもん倶楽部 | Trackback
男、湖畔に立つ
 




深夜、家にたどり着いた俺は、そのまま倒れるように寝込んだ。

そして迎えた18日。起きてみれば、歯茎の腫れも痛みも、きれいさっぱり消えている。

一応、大事をとって一日休んだあとの、翌19日。

さて、ダチのツラを拝みに行くとするか。

近所のZやガンボ、栃木のマルあたりならいつでも会えるが、三重に住むおーがは、普段、ひょいとツラを見に行けない。それならおーがに会いに行こう。静岡のけいこのところで待ち合わせれば、二人まとめてツラが拝める。一石二鳥だ。

そう考えた俺は、二人に連絡する。


おーがもちょうど、うなぎが食いたいというので、静岡で待ち合わせようと言う話になった。

が。

遊びに来たZと話してるうちに、どうも東名はクソ暑いんじゃねーかつー話になる。ひたすら陽に焼かれてきたので、それを考えると、ちと気持ちが萎えた。それにほかの要因もあって、それじゃあ東名は避けて長野あたりにしようと決める。

ものすげえ勝手な話だが、俺の傍若無人をよく知ってるけいこは

「大丈夫だよーん。またそのうちにね。笑」

でカンベンしてくれた。

俺のダチってのは、こうやって俺を甘やかすのだ。

 
 

で、土曜の昼ごろ、またもやRocketをまたいで出発する。

待ち合わせは、諏訪湖だ。

おーがは仕事が終わってから来ると言うことなので、せっかくだから、このあいだマルとZが行きはぐったと言う、蓼科スカイラインを経由して走ろうと、関越を佐久で降りて、141号から蓼科スカイラインに入る。なんて書くと簡単に入ったようだが、入り口がわかりづらくて、一回Uターンした。


備忘録代わりに書いておくと、国道141を南下して、野沢西交差点を西へ折れ、そのまま県道を1キロほど進んで、片貝川つーちっちゃな川を越えた瞬間、南へ曲がってしばらく行けば蓼科スカイラインの入り口だ。


で、走ってみた感想だが。

全行程のうち三分の二は、確かに気持ちよく走れる。まさにスカイラインだ。それほどタイトなワインディングでもないし、攻めると言うよりは気持ちよく流した方が楽しめるだろう。のんびりツーリング向きってところかな。

問題なのは、佐久側から入ったとして、最後の三分の一。

地図にも、『このあたり路面が荒れている。走行注意』とか何とか書いてあるのだが……

その表現は、柔らかすぎ。


アスファルトが小さな無数のわだちでうねり、むしろ舗装してないほうが走りやすいんじゃないかとさえ思える。正直、「荒れてる」レヴェルじゃない。ツーリングマップルには猛省を促したい。今回の旅の中で一番、四国の悪夢が頭をよぎった。

途中に工事中のおじさんが居て、「この先、通れますか?」と聞いたら、一応うなずいてくれたので、何とか進む気になれたが、誰も居なかったら、先へ進むのがかなりためらわれる道である。

 
 

白樺湖を抜けて、ビーナスラインに入ると、しかし、そんな不満も吹っ飛んでしまった。

もっとも、今回俺が走ったところは、地図上でこそビーナスラインと呼ばれているが、本当のビーナスラインではなく、その前哨戦といったところらしい。ま、楽しみは、今度のでっかいもん倶楽部か、ちっちゃいもん倶楽部に取っておこうか。

途中の展望台で一休み。

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それから県道との合流で折れて、甲州街道を目指す。

上諏訪あたりに宿を取って、本日の走行はこれまで。夜には飯を食ってから、この時期は毎日上がるつー花火を見た。わずか20分で1000発打ち上げると言うふれこみに違(たが)わず、非常に景気のいい上げっぷりだ。

20分と言うのも、飽きっぽい俺にはちょうど良かった。

ここいらは白樺湖や蓼科に客をとられてんのか、観光地観光地しきってなくて、俺はかなり気に入った。なんとなく朴訥な感じがして、居心地がいい。いや、マジで褒めてるんだぜ?

 
 

朝起きると、おーがからメール。

RocketIIIの写メが添付してあるとこ見ると、どうやら俺の居場所を見つけたようだ。

「近くのブンブン駐車場に居る」

というので、合流しに出る。ブンブン、ブンブンと、ちょっと弱い子みたいにつぶやきながら探していると、通り過ぎかけたコンビニの前に、見たことのある男が立っていた。その瞬間、俺はすべてを理解して、メットの中で大笑いする。


「ああ、そうか。ブンブンてな、セブンイレブンのことか」


Uターンして駐車場に単車を入れると、ニヤニヤしてる男に向かって、俺も笑顔で吼えた。

「おめ、ブンブンじゃわかんねーよ」

無事、再会を果たし、おーが一家と遊ぶ。

以下、その遊びっぷり。

 
 

間欠泉センターで、吹き上げる間欠泉を見る。

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こんな感じでぶくぶくきたあと、

 
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どっぱー! 一気に吹き上がる。わりと壮観。

でも、後で聞いたら、これは自然のものじゃなくてポンプで圧送してるらしい。

観光地も大変だ。

 
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なんか、でかい納豆を作ってた。(作ってません)


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彫刻を見たら、まねてみるのは、人として最低限の基本。


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基本なので、幼いうちに刷り込んでおく。

つーか、おーがのガキは俺やマルのせいで、きっと道を踏み外すことだろう。いや待て。基本的に道を踏み外した両親が、道の外から二人で手を引いてるんだから、俺らのせいじゃねーか。

 
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だんだん増殖するバカ。

 

さんざん遊んで充電した俺は、帰り際、ちっと雨に降られたりもしたが。

おおむね最高の気分で、旅の幕を閉じた。


総走行距離2800Km。

休息し、走り倒し、ダチの笑顔まで見れた、最高の一週間だった。

 

 

 

 

 

 

 
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タイアのワイヤー、出ちったけどなv(^0^)

 

危うく今回も、命がけになるところだったよ。

笑えねぇつの。

 
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by noreturnrydeen | 2006-08-19 22:43 | ソロツーリング | Trackback
 

入道崎を出て101号を走り、途中でまた、7号線に入る。

と、10キロもいかずに101へ戻るはずが、空腹と暑さでぼうっとしていたのだろう。そのまま7号線を行ってしまう。かなり行き過ぎたところで、「どうやらおかしい」と気づき、二ツ井あたりの道の駅『ふたつい』で、地図を確認がてら昼食をとることにする。
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「おにぎり」の文字にすいっと吸い寄せられ、おむすびを食べながら地図を確認。

戻る途中に「能代山本広域農道」を見つけ、これ幸いとそっちのルートで北上することにする。なんたって、前回のでっかいもん倶楽部以来、広域農道の言葉に弱いのだ。リルートして無事101に合流しなおすと、そのままさらに進み、途中の道の駅『はちもり』で休憩。

この時点で、2:30だ。

携帯の電源がなくなってきたので、『はちもり』のあずまやで手回し充電器での充電を試みるが、あまりの暑さに汗だくになってきたので、断念。つーか、この辺になってくると、冷房のない施設が多いのが、どうにも厳しい。

如実に身体が弱ってくる。

クルマの連中は冷房で冷えた身体に、海風と自然の気温が心地いいかもしれないが、こっちはフルタイム脱水状態。俺なんかはドリンクホルダーつけて、お茶飲み飲み走ってるからまだしも、普通のバイクのヤツラはそんなことも出来ないんだから大変だろう。

フルフェイスでかっ飛ばす人間は、夏の東北には要注意だ。

 
 

さて、事前に地図を見ていたとき、日本キャニオンなる謎の地名を見つけていた。

キャニオンとか付いてる段階で、間違っても古いものではないだろう。場合によっては、石切り場か何かを、断崖だと言い張ってるかもしれない。そんな風に気になっていた日本キャニオンに、俺はついにたどり着いた。

正確には、その入り口に。

ここは、この更に北にある十三湖とは似ても似つかない、十二湖と呼ばれる小さな湖群があり、そこそこの観光名所らしい。つわけで、当然ながら混んでる。その上、途中で道が狭くなり、最終的にはクルマがすれ違う幅もなくなってくる。

ちょっとした酷道、険道だ。

おまけに、狭い道の途中で接触事故を起こして立ち往生してるバカが居たせいで、のぼりも下りも、どうにもならなくなっていた。その脇をすり抜けて、入り口までたどり着いてみれば……

そこで車を置いて歩いて見に行くというシステム

前回のツーリングで一生分歩いた俺に対して、日本キャニオンだろうが、グランドキャニオンだろうが、これ以上の徒歩を強制させる力はない。かみは歩かないのだ。料金所の前できびすを返すと、俺は日本キャニオンを後にした。

 
 

このあたりから、「陽のあるうちに竜飛岬まで行ってみたい」と思い始めていた。

それでも、あくまで海沿いルートを、淡々と走る。

大間越街道から、青森行きのトラックが増えてきた中を、鯵ヶ沢あたりで屏風山広域農道へ。気持ちよく快走しながらも、傾いてきた日差しに、少し気持ちが焦る。別にあせる必要もなく、ここらでキャンプして明日の朝、竜飛を目指したってかまわない。

だが、走りながら俺のアタマには、『陽のあるうちに竜飛を見てそのままキャンプ。

次の朝イチには青森経由で太平洋側へ出るか北海道へ』、なんてプランがよぎっていたのである。

広域農道で十三湖にたどり着き、

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写真を取ったら一服するまもなく、そのままさらに北へ。

339号をたどってひた走る。

「どうやら陽のあるうちに竜飛に行けそうだ」と安心したところで。

神様は俺にステキなプレゼントを用意していてくれた。


339の竜飛へ出る少し前あたりが、ご機嫌なワインディングだったのだ。


ぐーっと登ってブラインドコーナーを抜けると、目の前に広がる蛇のような道。ジェットコ-スターのように、急激に下って右へ左へ。その先がうねりながら登っている様子が、上から一望できる。

そしてその道は、峡谷の合間を縫って、山の向こうに消えているのだ。


ダイナミックな光景に、俺はなまはげライン以来久しぶりに、アクセルを開け始めた。

しばし楽しんだ後、最初に出てきた展望台へRocketIIIを停める。

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ちなみに、ご機嫌なワインディングってのは、↑これじゃないよ。



カンカンとエンジンの冷える音を聞きながら、頭のほうもクールダウン。

「アレが北海道かなぁ」

とか、わからないなりに楽しみながら風景を見たあとは、さて、目的地の竜飛までは、もう一息だ。またゆっくりペースに戻って走っていると、ついに竜飛の文字が見えた。

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津軽半島の最北端に着いたのだ。

 
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モニュメントのあるところに、バイクが一台停まっていたので、そばへ行って声をかけた。

名古屋から来たその若者は、北海道を走った後、ココから俺の来た道を逆にたどって帰るという。


「へえ、北海道かぁ。それもいいなぁ」

「ここからなら県道14号(から12号)で蟹田に出れば、そのまま下北半島へ行けますよ。フェリーのタイミングが合えば、北海道まですぐじゃないですか」

「あー、そういう悪い情報をくれるなよなぁ。行く気マンマンになってくるじゃんか」

「ははは。僕は今日、もう少し行ったらキャンプしますけど」

「へえ、俺はこの足で、今晩中に千葉まで帰るけどね」


冗談で言うと、彼は目を丸くして驚いた。


「マジすか? すげぇなぁ! 今朝は鳥海山に居たんですよね? それで竜飛まで来て、そのまま千葉に? さすがだなぁ」

「や、冗談だって」

「えー、マジなんじゃないですか?」


今知り合ったやつと、そんな他愛ない話で、笑いあう。

バイクの話、北海道の話、日本海の話。

同じようにぶらっと旅をするもの同士、話は尽きない。ステキな時間だ。

 
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竜飛からの景色と、彼のバイク。

 
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RocketIIIを撮る彼を、俺がさらに写す。

それから一緒に、階段国道を見物した。
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残念ながら、ココで俺の携帯のバッテリが切れ、表竜飛の景色は撮り損なってしまったが、それよりも彼と話が出来た方が、俺にとっては楽しかった。

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どうしても、国道と言い張るのか?

 

彼と別れ、竜飛を回って339号を青森方面に向かいながら、北海道に行こうか迷いつつ走る。実は佐渡を出て本州に戻ってからこっち、ずっと歯が痛い気がしてたのだが、どうやらココへ来て、歯茎がぷっくりと腫れている。

これは、肩こりなんかが酷くなったときに、よく見られる現象だ。

疲労がたまっているんだろう。

北海道も魅力的だし、せっかくだから太平洋側も下道で走ってみたい。しかし、これが出てきたってことは、実感している以上に疲労がたまっているはずだ。休めば治るのはわかってるが、旅はこれ以上なく楽しい。まだ、旅していたい。ずっとずっと走っていたい。

こんなに楽しいのに。こんなに面白いのに……


そのうち、ふと、気づいた。

(四国の時もそうだった。今回もそうだ。俺は景色より、どこまで行ったっていうトロフィーより、なにより人と会うのが楽しいんだ)

そう思ったら、なんだか無性にダチの顔が見たくなった。里心なのか、それはわからないけれど、何でもいい。ダチに会って話がしたい。そう思ったら、もう、行く先は決まっていた。県道の14~12号から、国道280号線を南下して、青森に入る。

そしてそのまま青森インターめざし。

夕方6:30、俺は東北道に乗った。

 
 

もちろん、途中で泊まる気はさらさらない。

竜飛で会った彼に宣言したように、今晩中に柏入りしてやる。

調子に乗って、ヘルメットの中でにやりと不敵な笑みを浮かべる。

だが、それでもいつものキチガイペースには戻さず、あくまでゆったり旅速度で、俺は南を目指し走り続けた。頭の中で大雑把に盛岡、仙台、宇都宮、みたいな区切りをつけて、どこで給油と休憩を入れようかなどと、自分では冷静なつもりで企画を立てる。


が、不敵な笑みは、すぐ半泣きに変わった。

行けども行けども、とにかく盛岡がやってこないのだ。

感覚的には、新潟~竜飛間よりも遠い。

 
 

やっと盛岡について、PAで給油する。

そのとき会ったSRのお兄ちゃんと、バイクの話をして、少し元気をもらう。グース350の倒立フォークを入れた、カフェレーサーカスタムのSRに乗るその兄ちゃんは、「これから宮城まで帰る」んだと言ってた。


「へぇ、宮城かぁ……いいなぁ」

「そんないい所でもないっすよ?」

「や、そうじゃ……うん、いや、へぇ、そうなの?」


さすがに、近くていいなぁと言い直すことは出来なかった。

 
 

ようやく盛岡を過ぎ、かなりへこみながらガスを入れて、花巻あたりで「これが花園ならなぁ」とか、ものすげえ現実逃避を始めたころ、泣きっ面にハチとばかりに、霧が出てくる。それも、赤城あたりの霧にキスしたくなるほど濃厚な、濃霧ってヤツだ。

これで巡航速度は100にダウン。

都市部に近いところはともかく、山間部に入ると暗い上に霧が出て、道がゼンゼン見えない。前のクルマのテールライトを頼りに、ヒイヒイ言いながら走る。すると、晴れ男の力もなくなったのか、雨まで降ってきた

まさに泣きっ面にインパチ

オーラスハコ下から、トドメに親ッパネへぶち込んだ気分で、しょぼしょぼになりながら、とにかく事故らないようにだけ気をつけて、左手でシールドをぬぐいぬぐい、山間部の霧と雨の中を走る。ツイスティな道が、これほど恨めしかったのは初めてだ。

 
 

意地を張らずに、どこかのPAで泊まればいい。

当然、それが当たり前の意見だろう。

恐怖のおかげで睡魔は襲ってこないものの、危ないことに変わりはない。だが、危ないと言うなら、キチガイ速度でぶっ飛ばすのも、危ないことに変わりはない。物分かり良く、効率よく生きたいなら、はるか昔に単車を降りてる。

危険、それも他者を巻き込む可能性さえある、傲慢な危険だ。

それは重々承知の上で、それでも俺は『今晩中に走りたい』と思ったから走る。自己中心的で、許しがたい考え方だろう。俺はいつだって、自分が事故らないように、他者を巻き込まないように、あくまでそのつもりで単車にまたがる。

しかし、意思はあっても結果が伴うとは限らない


それに対して、俺が持っている答えはひとつ。


覚悟だけだ。


無論、覚悟がない者だって路上にはいるし、そいつらに覚悟があるのかと問いただしたいわけではない。どっかのバカのように話を一般化して、大層に述べたいわけでもない。正直、一般論も、ほかのやつのことも、知ったことか。


経験則で、イケると思ったからいく。

イケなかったときは……言葉にしても虚しいだけだ。そうならないように生きてゆくのだし、そうなったときは腹をくくるしかない。そして、結果に対して結果で答える、行動で示すしかないのだ。誰がってことじゃなく、これはもちろん、俺が考える俺の場合だけの話だが。


とまあ、そんなことを考えながら。

もちろん、ビール飲みてぇとかくだらないことも一緒に考えながら。

俺はとにかく距離を稼ぐ。

あまり楽しい旅とは言えないが、これもまた俺の旅だ。

 
 

仙台を越え、福島あたりで先が渋滞してる表示が出た。

こりゃ、常磐道で行った方がマシかな?

と、今あらためて考えれば、「おめ、バカじゃねえの?」と怒鳴りつけたくなるような、悪魔のささやきが聞こえた。郡山で、進路を磐越道に取る。磐越に入ったら、とたんに車の数が減った。「大正解じゃん」と叫ぶまもなく、福島の霧は濃厚に絡み付いてくる。

雨もざんざんと音を立てて強くなってきた。


道が見えないから、前のクルマにつきたい。でも、車の巻き上げる水煙は食らいたくない。


そんな二律背反にさいなまれていると、磐越の道は一車線になる。そして、俺の前にはクロネコヤマトのトラック。ダブルタイヤで効率よく水をかきあげ、俺に向かって盛大に降り注いでくれる。

「んだよ、トラック。前、見えねぇじゃんよ!」

吼えてるうちに、悪口はトラックから天候、福島と、だんだん見境がなくなってくる。福島県民が聞いたら、全県裁判で死刑確定のアサッテな悪口をわめきながら、最後の方は50キロくらいまでスピードが落ちる。




常磐道にはいっても、状況はさして変わらなかった。

ただでさえ暗い常磐道に、こちらも霧と雨がさらにヒートアップ。俺の悪口もヒートアップし、最終的にはすべて茨城在住のダチ、「うわばん」のせいにしてわめきまくった。

「あーも、クソ茨城め。常磐道に明かりつけろってンだよ。だいたい、そんなのうわばんの仕事じゃねえか(違います)。あのヤロウ、今度ウチに来たら、どうやって責任取らせよう」

ひとりで騒ぎながら走っていると、ようやく雨がやんできた。



「ふん、やっぱり、うわばんのせいだったか」

つぶやく俺の横を、なんだか種類は知らないが、結構速いクルマがぶち抜いていった。その抜きっぷりが気に食わなかったつーか、世界中のすべてが気に食わない精神状態の俺は、ほとんど無意識のうちに右手をひねる。

ヘビーウエットの上に、暗い常磐道。

確かに危険である。

しかし、こんどは他者を巻き込む心配はない。

いや、そんな理屈より何より、とにかくその車が、癪(しゃく)なオーラを放っているのだ。

ズオーっと回っていたRocketのエンジンが、徐々に声を高め始める。一度小さな赤い点になってたテールランプが、だんだん近づいてきた。やがて迫ってきた俺のライトを見て、向こうのスイッチも入ったらしい。クルマが急に加速を始める。


「へ、やっぱコイツもバカだ」


嬉しくなった俺は、同時にアクセルをワイドオープンした。

状況が状況だけに、200を越えるような走りにはならなかったが、体感的にはそれ以上のシビレとともに、四輪と二輪は加速する。Rocketの実力的には、本来なら敵じゃないかも知れないが、悪条件と時々思い出したように降る雨が、コンディションを平らにしてくれる。

今までの鬱憤がウソのように、日立から柏までは一気だった。


旅もステキだが、これも捨てがたい。


結局、20時間ぶっ通し、1200キロ以上走った、五日目の話。
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by noreturnrydeen | 2006-08-17 22:17 | ソロツーリング | Trackback
男の一番長い日
 




目を覚ますと、朝の6:30。

4時間弱、眠った計算になる。俺にとっては、充分なはずの睡眠時間だ。

さて早速、鳥海山を攻めてみよう。

荷物を積むと、今日も真夏日を連想させる、朝からやけに厳しい太陽に、ひと睨みくれて走り出した。さすがに早朝だけあって、鳥海ブルーラインはがらがら。しかも、太陽が低いので、陰になった涼しい道を走ることが出来る。

空いた道と、気持ちのいい天気。

単車に乗ってて、イチバン嬉しい瞬間だ。


ただ、いつもとちょっと違うのは、昨日からずっとのんびり走行していたせいなのか、あまりシャカリキになって飛ばそうと言う欲求がわいてこないことだ。

朝の空気。鳥の声。緑にはずむ陽光。

自分でも不思議な、なんだかくすぐったいような上機嫌で、俺はのんびりブルーラインを楽しむ。



頂上を抜けて7号線まで出たところで、一度Uターン。

取り立てて特別なワインディングでもないし、正直、この程度の道なら関東にだってある。だが、楽しくて楽しくて仕方がない。違ったのは、俺の精神状態の方なんだろう。そのうち、「おそらく今日は何度走っても攻める気がわいてこないだろう」という自分の心に気づく。

もう一度、今度はもっとゆっくり走りだし。

朝の空気とじゃれあいながら、途中の展望台に入った。



鳥海山の山側。

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同じく谷側。

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景色もさることながら、それよりも自分自身の微妙な変化がくすぐったくて、俺はひとりでニヤニヤしていた。携帯を取り出して、展望台からの風景を撮る。

と。

指にトンボが止まった。
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もちろん激しく偶然に決まってるんだが、自分が穏やかな気持ちになっているときだったので、


「へぇ、虫にも俺の変化がわかるのかな?」


とか、今考えると相当に恥ずかしいセリフを、わりと真顔で吐いてみたりして。

今日はかけらもイラつかないで走れそうだと、不思議な期待に胸を膨らませながら、俺は展望台を後にし、鳥海山五合目にしてブルーラインの最高地点にあると言う、ビジターセンターの駐車場に入った。

 
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鳥海山の五合目に位置するらしい。

 
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山荘と名が付いているが、宿泊はできない不思議な山荘。

 
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鳥海山を後にすると、次の目的に定めた、男鹿半島へと向かう。

もはや今回の旅の友と化した7号線上を、岩城にある道の駅で休憩を入れた以外は、飛ばさずあわてず、ゆっくりと北へ北へひた走る。その道の駅『岩城』でも、北海道帰りの夫婦にあった。男鹿半島へ向かう旨を話すと、夫の方は俺を見て


「どうせ、泊まるところなんか、どうでもいいんだろう?」

「ええ、考えてません。適当に」

「ははは。男鹿を回った後は、能代から海沿いかい?」

「そんな感じです」

「気をつけてな」

「ありがとう。そちらも、お道を」


上品な中年紳士と、真っ黒に日焼けしたバカ。ふだんなら接点のなさそうなふたりが、年齢も何も関係なく、『単車に乗ってる』ってだけの理由で、出会った瞬間から気さくに話すことができ、あまつさえ別れ際には、お互いの道中の安全を祈る

単車ってのは、本当にステキだ。
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上は岩城にあった、なんか出島みたいなヤツ。

 

101号に入ったところ、男鹿半島の入り口くらいから、急激に道が混み始めた。

工業地帯っぽい中を、太陽とアスファルトの照り返し、おまけにクソでかいエンジンからの放熱にさらされるうち、走ってるのがだんだんイヤになってくる。


んで、道の駅「てんのう」に飛び込んで、身体とエンジンを冷やす。

低い周りの建物の中で、妙に浮いていた「てんのう」のビルを写真に撮ってから、俺は喫煙所に向かった。喫煙所は便所の前。近年、タバコのみはだんだん圧迫されて、昔の単車乗りみたくなってるね。
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おとなしげなニンジャ乗りがいて、そばでは掃除のおばさんがトイレの前を掃除していた。

ニンジャ乗りに声をかけると、その声に反応しておばさんがこっちを向く。

俺はおばさんにも挨拶した。


「こんちわ」

「こんにちわ。暑いわねぇ」


これが呼び水になってしまったようだ。おばさんは掃除の手を休めると、オーバーアクションの身振り手振りで、俺とニンジャ乗り相手に、延々と話を始める。


「このへんはねぇ、ここらまで(手で高さを示しながら)雪が積もるんだよ。もうね、毎年雪かきが大変でね。去年の12月24日の大雪のときなんか、そりゃ大変だった」

「へぇ、そりゃクリスマスどころじゃなかったね」

「ホントよ。そうそう、それでね。そんな日に埼玉から来た夫婦がいてね。こっちが大汗かいて雪かきしてる横で、枯れ木に積もった雪を見ながら奥さんの方が、『あら、ステキ。冬ソナみたいねぇ』なんて言ってるのよ。アタマきちゃう」


まあ、話を聞いた瞬間、俺もその見たこともない『埼玉のおばさん』をぶっ飛ばしたくなったのは事実だから、彼女の気持ちも、確かにわからんでもない。だが、なにも真夏まで怒りを持ち越さなくてもいいだろうに。

 
 

おとなしいニンジャ乗りと三人でしばし談笑した後、彼もやはり男鹿半島を一周するという話を聞いて、俺の天邪鬼が首をもたげてきた。


「そーなんだ。やっぱ半島一周って、みんなやるんだね」

「まあ、そうでしょうね。さっき会った人たちも、みんなそれぞれ、回ってきたって言ってましたよ」


情報交換の後、道の駅てんのうを後にすると、渋滞の中を走りながら考える。

(暑い。飽きた。みんなやるんじゃツマラン)

ま、考えると言うよりは、本能に近いが。

そうこうするうちに、俺の目に道の看板が飛び込んできた。



寒風山



真夏のアスファルトの上で、目の前に続く車の列を見ながら、しかも股の下に2300ccのエンジンを抱えて、この文字に心揺れないヤツがいるとしたら、見てみたいもんだ。寒い風の山だぞ? 何をどう間違ったって、暑さとは無縁だろう? パラダイスだろう?

そりゃ、岩ガキだろうが切り立ったガケだろうが(どちらもこの先で予定していた)すべて振り切って、そっちへ向かうって話だ。一度入った県道59号を外れ、またも国道101号に戻ると、一路、寒風山を目指す。しばらく走ると、なまはげラインの文字が見えてきた。

「へぇ、なまはげラインねぇ。面白いのかなぁ……あぁっ!」

道に立ついろんな施設への看板の中、その看板は光り輝いていた。



なまはげ直売所



売ってるのかよ!

なまはげ、販売してるのかっ!

直売ってことは、獲りたてなのかっ!?

俺のUMAハンター心が、直売なまはげの魅力に、がっちりとつかまれてしまったとて、誰が責められよう。俺は直売所目指して、RocketIIIに鞭を入れた。今回の旅ではじめて、ワインディングを風のように駆け抜けた俺は、ついに謎の施設、『なまはげ直売所』の前に立った。

 

 

 

 

 

 
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普通の野菜の直売所なんだけどね。知ってたけどね。

淡い望みを絶たれた俺は、肩を落としてなまはげラインに戻ろうとし、そこでせっかくだからと、そのまま少し奥に入ってみた。神社がどうのと書いてあったので、もしかしたら作り物じゃないなまはげに会えるかもしれないと思ったのだ。

作り物じゃないなまはげってなんだ? と思う向きもあるだろう。

だが、この段階で、すでに俺の心の中のなまはげはUMAになっていたのである。中に人が入ってるのはウソモノ。本物のなまはげは、山の中に住んでて、時々里に下りてきたり、剣術を教えてくれたりするのだ(それは天狗です)。

生(いき)なまはげを求めてしばらく山道を行くと。

目の前に巨大な鳥居が見えてくる。


「ほれ見ろ。やっぱ、生なまはげ居るじゃんよ」


突っ込みどころ満載の独り言をつぶやきながら鳥居をくぐると……

ヤ~な感じに、道がダートになってきた。一瞬、四国の悪夢がよみがえる。

しかし、これは逆にチャンスだ。このダートを制し、はるか山の奥深くで、天狗の親戚である(違います)なまはげを捕まえれば、九州で追った精神的な傷も克服できるだろう。意を決した俺は、武者震いを抑えつつ、山の中に乗り出した。

と。

モノの数十秒で、神社の境内が見えてくる。

そこが行き止まり。

山道は一瞬で終わり、俺のリハビリも一瞬で終わった。

 


なまはげラインまで戻り、男鹿半島の反対側へ出ると、半島の西北端、入道崎に向かう。

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さすがに観光地観光地しているが、景色は抜群にきれいだった。

 

続く
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by noreturnrydeen | 2006-08-17 21:59 | ソロツーリング | Trackback
北へひとり、男は走る
 



出発予定の日だ。

朝イチでフェリーに乗ってやろうと思っていたのだが、起きぬけ太陽に照らされた瞬間、おもわずうめき声が出る。ひりひりと、むしろビリビリと皮膚が痛い。調子に乗って焼きすぎだバカ。日が傾くまで、肌を休めることにしようと、日陰に逃げながら、飯を炊く。

メニューはもちろん、醤油メシ。

飯を食いながら駐車場を見ると、ずいぶんと客が減っている。

「そうか、みんなもう、仕事なんだな」

と思うと、まだまだ遊べる状況に、思わず笑みがこぼれる。


その少ない客の内、近くのテントのガキがボール遊びをしていた。

俺は背中を向けて、しょうゆ飯を食っている。

すると、投げたボールが俺のテントに当たった。が、ガキはノーリアクション。

「ガキがガキ育ててるから、こういうガキになるんだ」

思いながら、しょうゆとメシのハーモニーを楽しんでいると、今度は俺の焼けて敏感な背中にボールが直撃。スイッチの入った俺は、「痛ぇぞ、おい」と叫んだ。すると、遠くにいた親があわてて走ってくる。

俺はガキを無視して、親を怒鳴りつける気マンマンで、戦闘体制に入った。

すると、ガキは俺の顔を見て頭を下げる。


「ご、ごめんなさい」


んだよ、親がバカでも、やれば出来るじゃん。

俺はガキに、ニヤリと笑い返した。ガキはほっとした顔で笑う。そのころになって、ようやくやってきた親。たかがそれだけのことに両親で飛んできて、謝るかと思いきやガキを抱きすくめて俺をにらむ。

カチンときたが、ガキがまた不安そうに俺を見るので、キれるのはやめた。

ガキにもう一度笑いかけ


「そやってちゃんと謝れば、大丈夫だぜ?」


と穏やかに言う。ガキはビックリした顔をしながらも、あわててブンブンとうなずいた。そこでようやく、コトの次第を察したのか、両親が「すみません」と謝ったが、俺は肩をすくめてタバコに火をつけ、振り向いてしょうゆメシの続き。

内心、「おー、ガキの印象ばっちりゲット!」とか考えていたのは、もちろん内緒だ。

 
 

海に入ろうか、迷っていた。

片付けた道具や海パンを洗うのが、面倒なのだ。つーか、その前にこの肌じゃあ、直射日光に耐えるために、ウエットを着ざる得ない。それもめんどくさい。なので、海はすっぱりあきらめて、テントや荷物を片付け、単車に積んだ。

それから受付に行って、今日出発す旨を述べ。

そのあと受け付けのオヤジとビールを飲んだ。

一本でやめようと思ったら、オヤジがオゴるつーんで、三本飲んだ。夕方まで出る気はないので、特に問題なし。つーか、このオヤジ。オヤジかと思ったら俺と同い年くらいだった。太った気のいい酒場の店主といった雰囲気。

やたら気を使う人で、いい人なんだが、その気づかい『すぎる』ところが少々邪魔くさい。



彼によれば、一番大変なのがごみの処理らしい。

だが、柏に比べりゃ天国みたいな分別方式なので、イマイチ実感に乏しい。まあ、量が半端じゃないってことなんだろう。水着の女の子も、「ちょっかい出せるわけじゃないし(奥さんが一緒に働いてる)慣れるとどうってことはない」と言ってた。

つーかこいつ飲みすぎだ。

半日以上あるとはいえ、出る前に三本やっつけてく俺もどうかとは思うが、ニコニコと笑いながら、やたら客に声をかけつつ、その間もずーっと飲んでた彼は、間違いなく俺よりダメ人間だと思う。ある意味、カッコイイ。

 
夕方になり、まだ明るい国道を車の流れに乗って走りだす。

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いよいよ佐渡ともお別れだ。

海沿いの道を気持ちよく走りながら、楽しかったのと、ちょっと名残惜しい気持ちを、ドリンクホルダに入れたお茶と一緒に、飲み下して走る。気持ちのいい道なので、思わず鼻歌が出た。

♪フン、フン、フフ~ン♪

ひゅっ!

ばしゅ!

痛てぇっ!

単車乗りなら良く知ってる、カナブン攻撃だ。

いつものごとく、バカみたいに大口開けて歌ってなくてよかった。

 
 

相川でガスを入れ、小木港を目指す。

小木港で、あまりの暑さに柿ソフトを食った。甘いもの苦手な俺が、あっという間に完食。しかも、えらい美味く感じた。思えばこの時、すでに疲れの兆候があったのかもしれない。

フェリーの待合で、スーパーシェルパに乗ったおじさんが声をかけてきた。

旅人っぽい感じだったので、いろんな話が聞けるかと期待したのが、RocketIIIの排気量と値段、自分が三台のバイクを持っていて、その種類はなになにで、的な話しかなかったので少々がっかりした。

旅の情報交換とか、したかったのになぁ。

フェリーに乗ったら、速攻でオチた。

 
 

直江津に降り立つと、すでに真っ暗だ。

休息の日々は終わり、これから走り倒すのである。

とりあえず北陸道から、日本海東北自動車道にはいり、ひたすら北上する。

高速の北端、中条インターで降りて、ナチュラルに7号線の方へ入ってしまった。海沿いの 345号と違って、7号は街中を走る。時間は夜。当然ながら夜の街の誘惑が多いので、だいぶん苦労した。

しかし、火のついた俺の旅魂は、居酒屋程度の誘惑力では止められない。

ステージに鉄パイプが立ってて、踊り子が絡みつく系の店ならともかく。

 
 

村上あたりで345号に入り、後はひたすら海沿いを進んだ。

つっても、夜中で景色が見えるわけじゃないし、夜の暗い海を見ながら走るのは、正直、ちっと寂しい。フェーン現象で、やたらクソ暑いし。そのままひた走れば、いつの間にか道はまた 7号線になり、庄内夕陽街道、112号線と名前を変えて海沿いを縫ってゆく。

その庄内夕陽街道あたりの、すでに店じまいしたドライブン。

自販機の前にバイクが止まっていたので、休憩がてら寄ってみた。RocketIIIを停め、XJR1300のそばに立っているその男に声をかける。話してみると、彼は北海道ツーリングの帰りで、この朝、本州に降り立って、そのまま下道で大阪まで帰るところだそうだ。


「北海道、寒かったですか?」

「涼しかったで。でもな、途中でタイヤ終わってもーて、交換せなならんかったんやけど、工賃、6000円も取りよったんやで? 大阪なら2000円で済むちゅぅのに」

「あぁ、シーズン価格ってやつじゃないですか? そーか、涼しいんだ。いいなぁ、こっちはず~っと暑くて弱ってるのに」

「まあ、涼しいんはいいけどな。せやかて6000円はないで」


とにかく6000円が気になるようだ。

 


しばらくダベっているうちに、彼はココで寝るという話を聞いて、俺も今日はココで休もうかなぁなんて思っていると、暗闇から声がかかる。


「こんばんわっす」

「あれ、ほかにも誰かいたんだ。ごめんなさい、起こしちゃったかな?」

「いや、どうせ寝れなかったんで。蚊がすごくて」


奥の方にニンジャをとめて寝袋で寝ていた若者が、起きてきた。彼も俺と同じく、関東から来て、なんの予定もたてずに、ただ北を走っているそうだ。考えることは、皆同じようである。 三人で、バイクの話をしたり、自分が来た道の情報を交換し合ったりした。

昼間は「これ、何cc?」みたいな話ばかりだったので、こんな時間がとても楽しい。




彼らと話しているうちに、やっぱり走りたくなってきた。

なので俺は、『そこで一泊する』と言う彼らに挨拶すると、数少ない当初の予定のひとつ、鳥海山目指して走り出した。なぁに、寝るところなんぞ、どうにでもなる。

1500から3000回転くらいの低回転で、それでもあふれるトルクを利用し、ひたすら低燃費走行を心がけた。高速と違って、スタンドが開いてるかわからないし、開いてても高速より高いわけだから、ガスは節約するに越したことはない。

そうして、普段では考えられないようなゆっくりペースで走っていると、道につれて変化する街の様子や、海岸線の田舎町らしい景色が、暗いながらも堪能できる。こんな走り方も、 これはこれでなかなか楽しいものだ。

 
 

やがて、夜中をはるかに回り、月が真上に来るころ。

道の駅「鳥海」に到着。

ココで眠って、明日の朝早く、鳥海山を走ることにしよう。

と思ったのだが、駐車場には車で一泊する連中が多かった。しかも今夜は、フェーン現象のおかげだろうか、やけに暑い。みんな、エンジンをかけてクーラーを入れたまま寝ている。 当然、排気ガスくさいし、エンジンの放熱でクソ暑い。

とてもじゃないが、彼らのそばでは眠れない。

なので、ちょっと奥まで入ってみる。

するとコッチにはトラックが停まっていて、排気も熱も、乗用車の比じゃない。


「こりゃまいったなぁ」


と、さらに奥まで入っていくと、どうやら第二、第三駐車場と言うのが見つかった。特に第三駐車場はまだ施工途中らしく、コンクリどころか、砂利もない、土まるだしの駐車場だ。さすがにここは誰もいないので、今夜の宿は第三駐車場に決める。

と言っても、時刻は夜中の2:30だ。テントを張るのはめんどくさい。

幸いにも海風が強く、虫の心配がなさそうだ。

なので、グランドシートと銀マットだけを敷いて、そこで寝ることにする。

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写真は、翌日の朝イチ。

荷物を降ろして、風でグランドシートが飛んでいかないように養生すると、ごろりと転がって夜空を眺めた。夜中で月が高かったので、昨日ほどは星が見えないが、それでもほほをなでる海風と、誰もいない大きな駐車場。 気分は悪くない。

タバコを一本つけて夜空を眺め、佐渡から持ってきたさば缶の灰皿でもみ消すころには、夕方から7時間ほど走った疲れが、大きなあくびと一緒に出てきて、俺はすぐに眠ってしまった。


そんな、四日目の話。
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by noreturnrydeen | 2006-08-16 21:46 | ソロツーリング | Trackback
男は兄弟と散歩する

 

海が凪いでいた。

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ぱっと見で明らかにわかるほど、透明度が増している。

俺が初めて見た瞬間、一気に魅了され取り付かれた、これが佐渡の海だ。

今日こそ、その一番の原因になった『回廊』が見たい。

飯を炊き始めるが、火力の弱い固形燃料だと、なんだかんだで一時間以上、ヘタすると二時間近くかかる。この辺は20分で炊けるストーブの方がいいか。ま、待ってるヒマに片付けや準備をすればいいし、佐渡の、のんびりした時間の流れの中では

「なんでも早くできればいいってモノじゃないな」

と、思い直したりもするのだが。

 

 

海に入ると、やはり透明度が高い。

いつもの岩場まで行き、ゆっくりともぐる。岩や石だらけの海底に、そこだけ真っ白な砂で出来た巨大な回廊が、変わらない神々しさで、俺を待っててくれた。回廊は浜で一番巨大な岩に向かって続いている。この大岩の根元に神像の祭ってある意味が、ココへくると理解できる。

岩場で休んでは、回廊への参拝を繰り返す。

ちっとも飽きることがない。ひたすらにもぐり、白砂の道を通り、神殿を詣でる。それを繰り返すうち、俺の心にたまった滓(おり)が、ゆっくりと剥がれ落ちてゆく。



と、兄弟が俺を迎えに来た。

回廊詣でを中止して、兄弟の先導の下、海の中を散歩する。

さすが兄弟、何度も来てる俺の気づかなかった変わった場所を、イロイロと案内してくれた。前を横断するクサフグの群にご挨拶。クサフグは猛毒を持っていて、食うと美味いそうだが、俺は今、イカなので、フグなんぞに興味はない。

兄弟と一緒にフグの脇を通り過ぎ、海中散歩を楽しんだ。

 

ビールをひっかけつつ沈む夕日を見つめながら、今日の晩飯はカップヌードル。
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海で食うカップヌードル。

ただでさえ美味いその味は、海で食うことによりパーフェクトさに切れ味が増す。格別の美味さだ。海岸で目を細めて夕日を眺めながら、潮風に吹かれて食うのに、これ以上イケてる食い物はないだろう。日清カッコよすぎ。

俺もカッコよすぎ(確実に勘違いです)。

 

やがて日が落ちたのでもぞもぞとテントに入る。

ところが、火照りと痛みで、ちっとも寝付けない。

原因はもちろん、日焼けのしすぎだ。

仕方なく、身体を動かすたびに、イタイイタイと叫びながら、もって来た本を読む。



やがて読書も飽きて、テントから出た。


と。


すげぇ! 星が降ってくる!

満天の星とは、まさにこれだろう。

もちろん、山の頂上で見る星には及ばないが、それでも空一面、普段は見たこともない星が、ひしめき合っている。さすがお盆。星までラッシュだ。いつものように、無数の星を勝手につなぎ合わせ、今晩限定の俺星座を作って楽しむ。

時々空をぶった切る、ヘッドライトがうるさい。



飽きることなく、2~3時間は見てたのだろうか。


やがて東の空が明るくなってきた。


え? もう朝?

ビックリしながら空を見上げると、山の向こうから月が顔を出し始めている。

満月ではないが、その明るさはいつもとは比べ物にならない。

月もココではヤル気があるようだ。



もちろん、月も月で、ずいぶんと美しい。

だが、今晩はもう少し星を見ていたかったなぁ。

 

そんな三日目の話。
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by noreturnrydeen | 2006-08-15 21:40 | ソロツーリング | Trackback
海で男は癒される
 


起きて朝食。

今回ストーブ(キャンプ用品の)の代わりに持って行った固形燃料は、フタが二重になっていて、『普通のフタをはずす小口径』と、『その周りのリング状のフタをはずす大口径』、二種類の火力調整がある……のだが。

よく見ると『小口径は保温用、大口径は調理用』となっている。

それを知らずに、ケチって長持ちする小口径でお湯を沸かそうとしたもんだから、いつまでも湯が沸かない。ブツブツ文句を言いながら、大口径に変えて、改めて炊飯。つーか、出発前によく確認しておけって話だ。


炊き上がって食ってみると、やはりこういうところで食うのはうまい。

だが、しょうゆが欲しいな。事前の準備のとき、

「しょうゆなんか要らねえか。俺は北欧の貴族だし」

と、軽く考えていたことを反省する貴族。今日の買出しで、早速買って来よう。

 

一服して海へ。
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きれいではあるが、この程度の透明度ではまだ、俺の目的『海の回廊』は良く見えないだろう。今日は回廊をあきらめて、遠出記録更新といくか。つわけで、今まで行ったことのない岩場を経由して、かなり沖のほうへ泳ぎだす。

と、途中で冷たく外向きに流れる海流にぶつかった

あわてて必死に泳ぎ、岩場へ戻る。冷や汗をかいた。

なるほど、みなこうやって遭難していくんだろうな。

気を引き締めよう(太字重要)。

 

すこし海岸に戻ると、そろそろ海水浴客が増えてきた。

若いねーちゃんが多くて、目の保養になる。引き締まったはずの心は一瞬にして融解。三分と持ちゃしねぇ。鼻の下を伸ばしながら、色とりどりの水着を着た女の子を、しばし鑑賞。黙って鑑賞してるだけでシアワセになれるんだから、女の子ってのは偉大だ。

ま、黙って鑑賞してても捕まる場合があるってのが、難点と言えば難点だが。



やがて女の子鑑賞にも飽きたので、も一度海へ入る。

クサフグやイソギンチャクを眺めながら漂っていると、イカが俺の目の前をよぎった。手のひらに乗るくらいの、小さなイカだ。ゆっくりと驚かさないように、そのあとを付回す。いや、付回したのはホントにイカだ。

鑑賞してた女の子では談じてない。本当だ。

追いかけてゆくと、だんだんと仲間と合流し始め、やがて彼らはいつのまにか大群になった。俺は海の中で目を見張りながらも、彼らと一緒になってゆっくりと泳ぐ。ジェット噴射を使わずに、よこっちょのヒレみたいなのでひらひら泳ぐその様は、優雅と言ってもいいだろう。

すると感動的なことに、彼らは俺も仲間に加えてくれた。

後ろについて泳いでいたはずが、いつの間にか取り囲まれ、仲間になって泳ぐ。

きもちいい。

 
 

岩場に上がると、ほかの客が「イカの大群だ」と騒ぎ出した。

俺は舌打ちし、網やモリでイカを取ろうとする連中の姿を、憮然とした表情で眺めていた。

やがて一匹のガキが、「パパぁ、イカとれたぁ?」とか、のん気な面で聞いている。俺は怒りと不安にいらだった。しかし、そのオヤジらしきすっとぼけたツラの貧弱な男が(ボロクソ言い過ぎです)、イカを逃がしたのだろう、肩をすくめて首を横に振った瞬間、思わずニヤリ。

どうやら俺の仲間は、難なく魔の手から逃れたようだ。

さすが、兄弟。

 
 
水シャワーを浴びて、買出しに行く。今回は、ビールとしょうゆ、それに魚介類にしよう。

イカが並べてあったが、兄弟を食うわけにはイカないので、えびを買って帰る。えびは炒めて、しょうゆで食ったがどうってことはなかった。昨日の残りの塩味の焼肉たれで食ったら、その方がうまかった。世の中、なかなか思い通りにはならないものである。

佐渡はごみの分別が甘く、金属以外は燃えるごみ指定なので、非常に助かる。


 
そろそろ日も落ちて、さて寝るかとテントに入ったら、ドンドコやかましい太鼓の男が聞こえてきた。

「ま~ったく、こんなところまで来て、音楽なんかかけなくてもいいだろうに」

と不機嫌な思いで寝ようとしていたら、どうも様子がおかしい。つーか、さっきまでラジオかなんかでかかってた、『夏で恋して愛ラヴュー』みたいなぬるい曲じゃなくて、どう聞いても和太鼓だ。漢と書いてオトコの音だ。「妙な趣味のヤツがいるな」と、ごそごそテントを出る。

と。

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鬼太鼓(おんでこ)だ。

もとは大陸からわたってきた獅子舞が変化したものだと言う、佐渡の名物、鬼太鼓踊りである。長髪の鬼の扮装をした男が、入れ替わり立ち代り、狂ったように踊るのだ。
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鬼気迫るその迫力に圧倒され、しばし魅入ってしまう。

 
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まさに狂踊。目の前すぐ、手が触れられそうな距離で、踊りまくるのだ。大迫力。

 
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今まで見た鬼太鼓の中でも、一番近くで見られ、一番迫力があった。

そのあと鬼が、ガキと並んで写真撮ってる風景も、そのギャップがおかしくて、
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小説のネタを考えながら、いつまでもその場を去らずに鬼を見ていた。


そんな、二日目の話。
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by noreturnrydeen | 2006-08-14 21:32 | ソロツーリング | Trackback
男は北へ走り出す
 

今回のツーリング目的は、二つ。

第一の目的が休息。精神の徹底的な休息だ。俺の場合、肉体の方は設定価格がお安く出来てるので、基本的にちょっと休めば回復するが、精神の方はそうも行かない。その、気持ちの休みってやつを取りに行くのだ。

もうひとつはもちろん、旅。

ひごろ時間的制約で行くことの出来ない遠くへ、いけるだけ行ってみようと思ってる。もちろん、行く気がなくなれば、その場にキャンプすればいい。何の制約もなく行動すると言うのが、とにかく大切なのだ。

てなわけで、出発しようか。

 


土曜日の夜。

準備を終えた俺は、意気揚々と柏を出発した。

と、真夏の夜なのに、神様も俺の出発を気づかったのだろうか、やけに涼しい立ち上がりを用意してくれた。平たく言うと寒い。タンクトップつーアッタマ悪いカッコで乗ってた俺は、給油ついでに革ジャンを着込む。
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三郷から外環に乗り、走り出すとずぐ、革ジャン効果の高さを思い知る。

つーか、夏の夜のツーリングのときはいつも、出るときは「今回はやっぱ要らないかな」と考えるのに、もって出て高速に乗った瞬間、「やっぱり、あってよかった」と安堵するんだよな。


さて今回はいつもと違って、休息とか旅とか、わりと生ぬるいテーマだ。

ここで目を三角にして走るのは馬鹿げてる。

100~120くらいで流して走ると、これはこれで存外気持ちいい。無目的、と言うのが効いてるのかも知れない。どれだけ時間がかかろうが、眠くなればパーキングに寝て、起きたらその日の気分で走ればいいのだから、やはりたまらなく楽しい。

とりあえず、最初になんとなく定めた、新潟から日本海という流れに沿って、新潟を目指す。

 


赤城あたりで霧が出て、とたんに寒くなってくる。

が、もともと毎年行ってた佐渡島行きのツーリングでよく知ってるので、寒さに驚くこともなく順調に距離を重ねる。革ジャン様様。赤城の先から、越後川口あたりまで、どのPAに立ち寄っても給油の列が出来ていた。

今年はやけに関越が人気だなと思ったら、PAのスタンドの兄ちゃん、

「TVで、高速のスタンドは、値上がりするまでにタイムラグがあるって番組をやったんです。そしたら給油に来る車の数が、いつもの四倍ですよ。でも、満タンのお客さんは少ないんですけど」

と、悲鳴をあげていた。

 
 

走り出し、しばらくして決心が付つく。

やっぱ、佐渡へいこう。

新潟で降りて、フェリー乗り場に行くと、さすがにシーズンで、キャンセル待ちだという。もちろん、そのまま待っても良かったんだが、受付のかわいいお姉ちゃん(推定年齢:俺の母親とタメ)が

直江津の方なら、あったかもしれないんだけどね」

ん? なに?

俺に対する挑戦かそれは?(親切な意見です)

 
 

俺はくるりときびすを返すと、高速に乗りなおし、直江津港を目指して走り出す。

こういうことが出来るから、時間のある旅は楽しい。ちなみに、いつも使ってた赤泊→寺泊線は、いつの間にか廃止になってた。一年行かないだけで、ずいぶんと様変わりするもんだ。場末の飲み屋みたいな恒久性はないらしい。

100キロほど走って、直江津港に到着。
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やはり、うら寂しい感じの日本海。

 
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フェリー待ちのRocketIII。

 

直江津港でフェリーを待っていると、
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ZZR1200に乗ったおっちゃん、いや、兄ちゃん? まあいいや。とにかく俺と同い年くらいの人に会った。なんかテンション高めで変な男だったが、俺もいいかげん元気だったから、向こうも同じように思っているかもしれない。

 
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RocketIIIの話をちょっとしたが、それほどうるさい話にならなかったのは良かった。石川県から来た彼も、俺と同じく佐渡に取り付かれたクチで、延々佐渡の話をしてから、行ったことあります? と聞くので9回目だといったら、目を丸くしてた。

フェリーに乗ったところで、缶ビールを一本、うん、嘘ついた。二本買ってくる。

直江津→小木航路は二時間半かかるので、寝入りには、このくらいがちょうどいい。

ZZRの兄ちゃんは、ほかの「ライダー」を集めて講釈してた。

俺は知ってる話ばっかりだったので、さくっと寝た。

 



佐渡に到着。

小木港から、外海府ルートで入崎を目指す。

入崎にはここ数年、必ず使ってるキャンプ場がある。休息目的なので、サバイバルっぽい雰囲気よりも、自宅の延長のカンジが欲しかったのだ。相川を越え、尖閣湾を越えて、タンポポ畑を横目に眺めながら、海沿いの道を走る。

ああ、家に帰ってきた気分だ。


と。


その家に突然、知らない家具が置かれてた

正確には家具じゃなくて道。ずっと一番の難所になっていた険しく細い道がなくなり、代わりにでかいトンネルが出来ているのだ。対面通行ぎりぎりで、譲り合いの精神を大きく育んでいたその細道は、跡形もなく消えている。

「あのしょぼい道と、小さな洞窟みたいなトンネルが、こんなに大きく育ったか」

久しぶりに帰ったら息子が成人してました的な、放蕩オヤジっぽい感慨にふけりつつ、俺はトンネルの中に入った。とたんに襲ってくる、驚くほどの冷気。『これは間違いなくUMAがいるぞ』と俺様の感性が、ビリビリと危険信号を伝えてきた。

UMAハンター(実績なし)であり、人々にUMA人(ゆまんちゅ)と恐れられる俺の感性に。

何もなかったけど。

すげえ使えない感性。



このトンネルの涼しさは、しかし、尋常じゃない。

日陰に入ってああ涼しいとか、地下水が染み出しててかなり涼しいとかのレヴェルじゃないのだ。むしろ極寒。『冷房中』の札を出しておくべきだ。トンネルを出るころは、エンジン以外の金属製品が、軒並み冷たくなってたほどなのである。

熱くてグローブをはずしてたから、たまたま気づいたのだが、ブレーキレバーが冷たくなったのには、マジで度肝を抜かれた。熱中症が持病のダチのZなら間違いなく、あの中にテントを張るだろう。もちろん、俺も張りたいと思った。

ガマンしたけど。

 


入崎に到着し、そのテントをトンネルではなく、海岸沿いの土手に張る。
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雨なんか降るわけないので、グランドシートは省略。

 
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ポールを組んで、テントを吊り。

 
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フライシートをかけて完成。

仮の我が家が出来たところで、水シャワーを浴びて熱気を冷ました。

ここは温水シャワーは有料だが、水シャワーは無料なので、俺は一日に何度も入ることが多い。

 
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そのまま、テントを張った場所にある木製のベンチで昼寝。

 

昼過ぎころ目を覚ますと、風が強くなっていた。

当然、海は荒れている。すぐに入りたかったが、せっかくだから凪の綺麗な時に入ろうと、先に単車で走ることにした。入崎からわずか数分のところに、ドンデン峠への入り口がある。前回の四国行きで患った『ガケ恐怖症』のリハビリ第一弾だ。

入るとすぐに、四国の山中を髣髴とさせる、舗装林道フレーバな峠道が続く。

ガケの恐怖と戦いながら、慎重に、でも楽しんで走った。山頂の、佐渡を一望できる展望台に、フェリーで会ったZZRの男がいる。聞くと彼は、暑さをしのいでドンデン山にキャンプするそうだ。海辺の俺が吉と出るか、山の彼が吉と出るか。



ドンデンを越え、両津に入ってそこで買い物をする。

そのまま取って返し、入崎に戻ると少し涼しかった。

こりゃあ、俺の方が吉と出たかな?

テントを張って荷物を降ろし、ベースキャンプにする走り方は、いままであまりしたことがなかったが、意識してやってみると、面白い。提案してくれたZに感謝だ。

 

少しテントで休んでから、今度は近くのJAに夕食の買出し。

ビール350×6のパックをふたつ。.あと、肉とさば缶。さば缶は安売りしてたので、思わず買ってしまった。まあ、空き缶がちょうどいい灰皿になるだろう。
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ぐいぐいとビールを飲んで、肉とさばを食って寝る……ハズが、虫に食われて目が覚めた。

せっかく虫除けを持っていったのに、間抜けな話だ。

あわてて起きると、虫除けを塗る。


と、月が煌々と明るい。


ペットボトルに朝飯用の水を汲んで、タバコを一本つけ、一服しながら夜の海と月を交互に眺める。ああ、また佐渡に来たんだな。感傷的になってからテントに入ろうとして、入り口の前で待ち構えていた、でかいフナムシをぶっ飛ばし、こんどこそ幸せな眠りに付いた。

風が涼しい、最初の夜の話。


 
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by noreturnrydeen | 2006-08-12 21:13 | ソロツーリング | Trackback

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