房総ケモライド ―金色の少年― (前編)

 


さあ、待ちくたびれた春の連休。

第一弾は、「ケモライド in D山」。

房総の山ん中で、大汗かきながら、バイクを押したり引いたりするのだ(・∀・)

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仕事がはねた午後2時ころ、KLX125へまたがって走り出す、マイトガイことかみさん45歳。

ユウヒの職場のそばを通って、国道16号へ向かう。

と、16号へ出る交差点で、信号待ちしている時。



「あぁ! いけねぇ!」



悲鳴を上げながら、あわててUターンかまし、整骨院へ戻る。

うっかりかみさん得意の、「携帯忘れ」だ(´・ω・`)

この日のキャンプツーリングは、最初から「うっかり」で始まった。



16号、297号と順調に進み、房総半島を南下する。

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最近、カメラの調子が悪くて、この辺の写真は少ない。

「これはアレだね、神様が「新しいカメラ買っちゃいな」つってるね、きっと」

などとつぶやきながら、途中のウェルシアで点鼻薬を買うついでに、酒と食糧を買い込んだ。



「今日は久しぶりに、ジャックダニエル一本槍(いっぽんやり)で行こう!」



連休と久々のケモライドに浮かれて、この時はまだ、ムダにご機嫌なマイトガイ。

荷物を積んだら、絶好調で走り出す。

のちに訪れる悲劇なんぞ、まるっきし知るすべもなく(´・ω・`)





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なんだかんだ3時間半くらいで、D山の駐車場へ到着。

買い物や給油など、寄り道したわりに早かったのは、道に迷ってないから。

あと、「タイアもったいないから、のんびり」とか言ってたくせに、結局、すっ飛ばしちゃったから。



早速、荷物を解(ほど)いて、必要なものを引っ張り出し。

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テントとコットを組み立てる。

それから、広げたシートの上に荷物をばらまき、テーブルにストーブや酒を並べる。

慣れた作業はものの数分で終わり、組み立てたイスへどっかりと腰掛けたら。

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いただきます!



呑みながらツマミを作ろうと、ヴァーゴにアルコールストーブを入れて火をつける。

んで、フライパンをヴァーゴの上に置いたら、歪(ゆが)んでて、どうもフライパンのすわりが悪い。

あれだ。前の山賊宴会で、ヴァーゴに炭を放り込んで、いいだけ焼いたから熱で歪んだんだ。



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なのでその代わり、非常用に持ってきた十字ゴトクで、いざクッキングスタート。

時折、気持ちよく吹き付ける風も、今だけはジャマなので、風除けで囲って料理した。

んで、ソーセージを火にかけてから、箸を忘れたことに気づく。



「へん、こんな時のために、チタンスプーンが……あぁ! スプーンはあっちのリュックだ!」



ケモ道は「転ぶ前提」なので、今回も「ケモ専用のリュック」を持ってきた。

だが、いつものリュックに常備してあるモノすべてを、こっちへ移し変えたわけじゃない

平たく言うと、「うっかり」入れ替え忘れた(´・ω・`)



「ぬう……どうすっか……おう! いいモノが落ちてるじゃないか!」



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落っこちてる枯れ枝をひろって、ナイフで箸を自作した。

ま、見た目はアレだけど、機能的には充分だったよ。

ソーセージつまもうとしたら、先っぽからアリンコが落ちてきたけどwww






ソーセージをツマミに、ジャックダニエルを呑みながら、ふと見上げれば。

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青い空と、白い雲。

ほほを撫でてゆく、優しい春風。

これぞキャンプの醍醐味だよなぁと、ニヤニヤしながら視線を落とし、愛機へ向けると。



「え? あれ……? えぇ! 嘘だろ!?」



思わず立ち上がる、かみさん。

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セットしてたエアポンプが、いつの間にやらランナウェイ・フロム・イエスタデイ。

いや、出るときは付いてたから、失くしたのは間違いなく今日なんだけど。

そういえば、16号ですり抜けしてるとき、「落下音っぽいサウンド」が聞こえた気もしたけど。



こないだ、「ケモ行く前の準備」とか言いながら、外して洗ったあと、ちゃんと嵌めてなかったのかなぁ。



ま、落っことしちゃったもんは仕方ないので、エアポンプは明日、誰かに借りることとしよう。

前向きな対応策を思いついたイキオイで、立ち上がったついでにアレやっとこうか。

つわけで、リュックからY字レンチを取り出したら。

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ハンドルクランプを緩めて、暴走族の鬼ハンよろしく、ハンドルをカチ上げる。

中学生の頃、自転車のハンドルを上げてたろ?

要するにあの要領でハンドルを上げ、スタンディング(立ち乗り)で操り易くするのだ。



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カチ上がったハンドルを眺めて、満足げに微笑むマイトガイ。

「これで明日のケモライドは、立ち放題だぜ」

と、小さくつぶやいた俺の顔を、「ありえない、あってはいけない感触」が襲う。



今日、朝から何度目だろうか。

「嘘だろ?」

と、絶望のため息を漏らす俺の顔に当たったのは、数滴の雨粒だった。






嘆いてもへこんでも、雨はやまないどころか、むしろちょっと強くなってきたので。

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荷物を置いたシートごと引きずって、枝の張り出した場所まで移動する。

それから、「雨だ!」とミクシィやフェイスブックでつぶやこうとしたら。

さっきまでギリギリつながってた携帯の電波が、思いっクソ圏外。

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写真、矢印のとこ「圏外のバッテン」を、哀しい表情で見つめるマイトガイ。

画面についた雨粒は、俺の涙だと思ってくれていい。

ま、とにかくこうなったら仕方ない、あきらめて「雨見酒」としゃれこもうか。



呑もうと思ってシェラカップを見ると、中の酒が残り1センチほどしかない。

なので注ぎ足そうと、テーブルの上に置いた酒瓶に手を伸ばす。

ところがこの時の俺はカンペキに、降ってきた雨の方へ気をとられていた。



当然の帰結として、伸ばした指先への神経が、おろそかになるわけで。

指先に酒瓶が当たり、それが思いのほか強い当たりで、「あ!」と目を向けたときには。

俺の目の前、ジャックダニエルのビンが、スローモーションで倒れてゆく。



がしゃん!



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ありえねぇ。

四国の悪夢以来、ひさしぶりに、素でこのセリフを吐いたね、かみさん。

正月からGSX-Rのキーシリンダーがほじられてた時くらい、唖然としたね、かみさん。



覆水、盆に帰らず。

昔の人は、うまいこと言いやがる。

でも、このときの俺にこれを言ったら、問答無用で「背負い投げ on アスファルト」だけどね。



そしてまた、いいタイミングで「携帯の電波がつながる」んだよ、これが。

とりあえず、この惨劇をアップロードして、みなの同情を買うことにする。

もちろん、だれひとり同情なんぞしちゃくれねぇんだけどな(´・ω・`)

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仕方ないので、買ってきた「ゴボウ天いり鍋焼きうどん」を加熱し。

ぺしょぺしょと哀しく食べ終えたら。

ミクシィコメントという名の「罵詈雑言(ばりぞうごん)」へ、さびしく返答する作業に没頭する。

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それを終えて、しばらく放心しながらロウソクの炎を眺めたあと。

シュラフへもぐりこみ、とっとと不貞寝(ふてね)を決め込んだ。

闇に響くカエルの鳴き声が、なんだか、やけに切ない夜だった。









明けて翌朝。

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目を覚ましてテントをどけると、目にこんな光景が飛び込んでくる。

とたんに嬉しくなって、飛び起きるマイトガイ。

俺は、短くて30分~長くてもひと晩寝ると、大抵のことは忘れるか、気にならなくなるのだ。



それに、今日はこれから、久しぶりのケモ遊びだしね(・∀・)

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ぽかぽか朝日にニコニコしながら、のんびりと荷物を片付ける。

身軽に走りたいから、貴重品は持っていくが、大荷物はすべてココへ置きっぱなしにする。

その間に、荷物を盗まれたりしたらどうするって?



ナニ言ってんだ? 新しいの買う、大義名分になるじゃないか(・∀・)



準備を終えて一服してると、エンジン音が聞こえてきた。

「あれ? ばんちょさんとイロハ……いや、時間が早すぎる。あ、イロハの友達が来るって言ってたな」

と思ってると、イロハとは全然関係ない、通りがかりのツーリングライダーだった。

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CRMからCRFに乗り換えたというこの方は、御歳65歳だそうだ。

「2stと比べちゃうとパワーないけど、もう歳だからねぇ」

などと笑う彼と、しばらく単車談義に花を咲かせる。



CRFのライダーが走り出してしばらくすると、今度こそ本命がやってくる。

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「房総の歩くおちんちん」イロハが、友人ふたりを連れてやってきた。

その後ろには、「房総の知性派おちんちん」ばんちょさんが続く。

蛇足だが説明しておくと、基本的に房総半島には変態しかいない




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本日のメンバーは、イロハ@ヤマハ・セロー、ばんちょさん@ガスガス・ランドネ。

それからイロハ友人で、ハスク乗り(ごめんなさい車種わからん)のりょーさんと、ホンダSL乗りのユタくん。

それに俺を加えた、計5人のパーティだ。



これだけ居れば、ひっくり返そうが、崖から落とそうが、どうにでもなる人数である。






と、ばんちょさんが俺のKLXをしみじみと眺め、急に大笑いし始めた。

「ぎゃははは! このタイア、ゴールデンボーイって名前なんだ!?」

周りは笑い出し、俺は苦笑しつつうなずいた。



このタイアを買って初めて見たとき、その名前には気づいていた。

しかし、あまりにあまりなネーミングなので、わざわざ「シンコーSR241」と型式で書いたのだ。

それをこのおっさん、問答無用でバラしやがったwwwww



かみ 「なに、いきなしバラしてんすか! せっかく黙ってたのに!」

ばん 「だってタイアに書いてあるだもんwww これで性能がよかったら、ちゃんとレポに書きなよ」

かみ 「わかりました。マジでいいタイアだったら、その時はちゃんと書きますよ」

ばん 「ゴールデンボーイってなwww ぎゃはははははっ!」



変態の上に鬼だよ、このおっさん(´・ω・`)



なんやかんや言いながら、みんなでタイアのエアを抜く。

俺も0.5キロくらいまでガッツリ抜いて、ゴールデンボーイをフニャチンにしてやった。

さて、それじゃあ一発、楽しいケモライドと行きましょう!






舗装林道から、いつもの入り口を入って、山の中を進んでゆく。

そして俺はもう、この段階ですでに、ゴールデンボーイの虜(とりこ)となっていた。

とにかく、リアタイアのグリップやトラクションが、冗談みたいに利(き)くのだ。



滑るだろうな、と思いながら乗り上げた倒木を、あるいは泥濘を。

ものともせずに食らいつき、グイグイと車体を前に押し出す。

「やべぇ、なんだこれwww すげぇじゃん、ゴールデンボーイwwww」

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最初の「急坂セクション」へたどり着いたとき。

ヘルメットの中で、喜びのニヤニヤが止められなくなっていた。

トラタイア、低圧、そして「二日酔いじゃない」。三つの要素がかみ合って、最高のコンディション。



初手からこんなに楽しくていいんだろうか?(・∀・)



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地震や大雨で崩落しまくり、去年だか久しぶりに走ったときは、表情が別物になってたD山。

ルートがだいぶん変わってて、この急坂を登るのは、今回で二回目だ。

前回は濡れてたのもあって、上まで登りきれずに転んだのだが、さて、今回はどうだろう?



つわけで、まずは先頭のイロハがチャレンジする。

二三度アクセルを煽(あお)ったあと、イキオイよく走り出した「歩くおちんちん」イロハ。

そのまま軽々と坂を駆け上がり、ほとんど天辺(てっぺん)まで登りきってしまった。


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メットの上からでもわかる「ドヤ顔」だったんで、写真、思いっきり小さくしたった(`・ω・´)



てな感じで、D山ケモライドが始まった……わけだが。

続きは、次のファイルで。

ポロリもあるよ。ないよ。



後編に続く



 

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by noreturnrydeen | 2015-04-25 20:41 | ちっちゃいもん倶楽部 | Trackback

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