続・水曜の午後は出たくない
2015年 03月 04日
確定申告書の提出を終え、本当のホントに心が軽くなった、水曜日の午後。
現金なもんで、心に引っ掛かりがあるうちは出不精だったのに。
憂いがなくなったとたん、晴天にそわそわしだすマイトガイ。
「やっぱ、行くでしょ」
つわけで、お出かけの準備。
上下とも革の、「バトルモードで出撃」ってのも考えたが、寒かったら困るので。
いつもの上着にアンダーパンツ&ジーンズ、プロテクターを着込み。
愛機ユリシーズにまたがって、意気揚々と出発する。
さあ、天気は最高だし、どこへ行こうか?
そうだな……とりあえず、まず最初に……
銀行だ。
遅ればせながら、住所変更の手続きをして、事業主としての仕事は終了。
今度こそフリータイムだ、すっ飛ばすぜ!
空いてる道を選んで走りつつ、なんとなく北上。
国道6号に乗って北へ向かえば、見えてくるのは県道19号線。
筑波山へ向かう、いつもの裏道だ。
そういえば、筑波山なんてずいぶん走ってなかったなぁ。
県道19号は、入りっぱなこそこんな風に空いていたが。
走り出してしばらくすると、嫌になるくらい、工事、工事、工事。
年度末なんだねぇと、改めて実感しつつ、車列を縫ってひた走る。
やがて、筑波山が見えてきた。
ワクワクする気持ちを抑えながら、スナッチで車を抜き去りつつ、ふもとへ。
山のふもとで、いつものコンビニへ滑り込む。
ここで一服するのは、「こっちルート」の時のお約束。
「コケないように気をつけて、でも、ガッチリ走ろうぜ、相棒!」
ゴキゲンで愛機へ話しかける45歳。
もっとも、それで大人しくしてるような相棒ではないんだけど(´・ω・`)
筑波山を駆け上がりながら、観光のクルマをパスしてゆく。
さすがに平日、神社を超えたあたりから、まるっきし車影がなくなり、貸しきり状態。
当然、テンションも上がってゆく。
「おぉ、やっぱこのマスターシリンダー、正解だったな!」
コントローラブルなブレーキのタッチに気をよくしながら、登りのタイトコーナーを攻める。
エンブレを使いすぎず、速度を殺さないように、短いホイールベースを使って、くるり。
つんのめったフロント寄りの重心も、柔らかい脚のおかげで、しっかりとリアに乗り。
ぎゅーん!
「カハッ! 気ン持ちいいー!」
書類との格闘で溜まってた澱(おり)が、排気音とともにすっ飛ばされる。
曲がってゆく道の向こうには、青空と山の緑。
降りそそぐ春の太陽は、やけに機嫌よく、道とバイクと俺を暖めてくれる。
生きてるなぁ(・∀・)
上りきったところで、そのまま迷わず右折。
今日の気分だと、風返しより不動峠を走りたい。
昔の料金所を抜けたら、そのままアクセル全開。
最初の左を景気よく曲がったら目の前に広がる、筑波の木々と青空。
軽い下り、アクセルを開けながら、元気に突っ込んでゆく。
スパっと右が決まったところで、おっと、路面が濡れてやがる。
リーンアウトで抜けながら、横目に見る「凍結注意」のカンバン。
「さすがに、この天気と気温なら、濡れてても凍ってるってことはなかろうよ」
それでも一応、凍結の可能性を念頭に置きつつ、しかし、逸(はや)る心は抑えられない。
登ったり下ったり、節操なく上下左右へ曲がる道を、ニコニコしながらトレース。
久しぶりの割には、それほど遅いこともなく、怖さもまったくない。
いい脚だよなぁ、相棒(・∀・)
だらだらと長く曲がりこむ右、リーンアウトで飛び込んで、ステップでバンク角の調整。
パーシャルからちょい開けで曲がりつつ、出口が見えたらアクセルオン。
リアが食うのを感じながら、身体を反対側へ移動しつつ、次の左へ。
ああ、もう。何だってこんなに楽しいんだ。
ブラインドコーナーの向こうで、クルマが三台停まっていた。
もちろんリーンアウトのまま、ひらりとかわしつつ、抜きざまに眺める。
事故かな? 山菜取りかな?
その先で、今度は工事の車線規制。
工事中のおっさんが一人、こっちを見ながら握りこぶしを上げて「こらー」っとやりつつ笑ってる。
それに左手を上げて応えながら、工事現場をかわして、先へ、先へ、先へ。
こうなったら、もう、止まらない(・∀・)
展望台で折り返し、来た道をまた攻める。
路面の状況がわかってる二本目は、更にアベレージを上げつつ。
工事の場所、事故の場所、ぬれてる場所だけゆっくりと抜けて。
あっという間に走りきる。
「風返しは……もう一往復してからかな」
つわけで二往復目、頭文字D的に言えば3本目へ、ノンストップで突入。
もう、このままずーっと走ってたい。
「税金も保険請求も終わったし、すこしくらい遅くなってもいいよな?」
そんな風に思いながら、気持ちよく走っていた3本目の途中。
ギャップを乗り越えた瞬間、ガゴン! と変な音がする。
「なんだ?」と思いながらアクセルを開けると、明らかにガロガロと変な音。
「この音って……もしかして……」
嫌な予感にさいなまれながら、クラッチを握ってアクセルをレーシング。
ぶろろん! という排気音へ追従するように、ガロガロっと異音が混ざる。
まるで違法トラックのようなその音質は、俺にとって馴染み深い音だ。
展望所へバイクを滑り込ませ、音のする下回りを確認。
すると……
「ああ、これか」
マフラーバンドが緩んでいる。
ただ緩むわけなぞ、間違ってもありえない。
肩越しに覗き込む失望の妖精、ガッカリスの存在を感じながら、反対側へ回ると。
まあ、そうだろうね。どっかでぶち切れてなきゃ、こんなに緩むわけないもんね。
ってコトはアレだね?
今、このクソ重いマフラーは半分、スプリングだけで留まってるんだね?
そら、あちこち緩んで、排気モレもするよね(´・ω・`)
リュックを探れど、入れたはずの針金が見つからず。
仕方ないので、このままそーっと「だましだまし」行くことにする。
もちろん、そんなことすれば、症状が悪化するだけなのは解ってるんだけど。
たらたら下って筑波山を降り、そのまま下道で帰路につく、傷心のマイトガイ。
でも、やっぱりガマンできなくて、ちょっと寄り道してみたり。
だってこんなに天気がいいのに、もったいないじゃん?(修理代の方がもったいないです)
晴天の下をのんびりと流していると、落ちた気分も回復して……
ガロガロガロガロ!
音が明らかに大きくなってる。
アイドリングでの音が、不整脈みたいに不安定化してきた。
さらに進むと、信号待ちのたびに、どんどんどんどん音が大きくなる。
当然、息継ぎもし始め、まるで「ハーレィの3拍子」のよう。
あの三拍子アイドリングにカッコよさを見出せてない俺は、当然、不安な気持ちでいっぱい。
がぼっ! ばすん、ばすん! んごっ!
柏まであと20キロくらいのところで、ついに、エンジンが止まりかける。
アクセルを開けると、ガゴっと息継ぎしてから、直管みたいな爆音を撒き散らし。
それでもなんとか進むので、信号待ちはひたすらアクセルをあおり、まるで暴走族。
この頃になると、不安を通り越して、なんだか笑けてきたり。
どうにかこうにか、治療院の裏までたどりついたマイトガイ&ユリシーズ。
大きくため息を吐き出してから、改めてエキパイ周りのチェック。
まあ、だいたいどんな様子なのかは、走ってる最中に見当ついてるんだけど。
エキパイを留めてたバンドがずれて、短いスプリングは全部吹っ飛んでる。
このままやり直すか、別の方法をとるかは未定。
も少し元気になってから、考える(´・ω・`)
つわけで、ユリシーズを仕舞って、KLXと入れ替えたら。
本日のソロツーリングは、相変わらずのトラブルで終了。
まあ、俺っぽいつーか、マーマレードスプーンらしい話では、あったかな。
さて、書類は全部終わって後顧の憂いもないし。
明日からまた、相棒の修理に精を出そうか。
これから暖かくなるのに、走れないんじゃ可哀想だからね(・∀・)
そんな感じで。