フラナガン帰還
2014年 01月 18日
金曜日、仕事の終わり際である午後6:50分。
携帯電話が鳴った。
発信元は、「名古屋の弟分」、フラナガンだ。
かみ 「おう、もしもし! どした?」
フラ 「お久しぶりです。今、仕事で東京に来てるんですけど、今日って遊び行っても」
かみ 「おう、もちろんだ。早く来い!」
この段階で、翌日の土曜に予定していた、バイク修理はキャンセル。
さらに言えば、土曜の仕事は「二日酔いでやる」ことが決定した。
この男が遊びに来て、呑まなかったりバイクの話をしないのは不可能なのだ。
自宅へ戻り、風呂へ入って晩飯を食ったら、PCしながらフラを待つ。
すると、俺の予測を軽くぶっちぎって、二時間たってもフラはこない。
おかしいな、と思って電話をしてみると、相変わらずのアホっぷりだった。
かみ 「おめ、どこに居んだ?」
フラ 「どこなんすかねぇ、ここ。ローソンが見えますが」
かみ 「ぎゃははは! やっぱ迷ってやがったか! なんですぐ電話しねぇんだよ!」
フラ 「いやぁ、携帯のナビ通り来たんですけどねぇ」
だったらなんで角度で45度、距離で300メーターもズレた場所に居るんだ。
埒が明かないので、電話を持ったままベランダに出たかみさん。
おそらくフラが居るだろう方向を見ながら、「音声ナビ」を始める。
かみ 「周り、ほかになんかねぇか? ああ、わかった。んじゃ、そこを右に曲がれ」
フラ 「それじゃ、○○を右手に見ながら……」
かみ 「逆だ! 左手に見て歩いて来い! 今、赤に変わった信号を背にしろ」
フラ 「あーこっちですかぁ……見た覚えがないなぁ……」
かみ 「今、自転車が通っただろ? それが行った方向へ……あ、あれか? あの人影かな?」
フラ 「自転車ですか? えーと……」
かみ 「おめ、手ぇあげてみろ」
見当をつけた人影が片手を挙げたので、ようやくクソ寒いベランダを離れる。
フラ 「あー、思い出した! わかりました! ○階ですよね?」
かみ 「×階だあほたれ! いいからとっとと来い!」
つわけで、ようやくフラナガン登場。
仕事帰りなので、スーツなんか着てやがる。
とりあえず風呂へ入れて、暖かいものを食わせたら。
俺もようやく、酒盃を手に取った。
カンパイして、楽しい宴会の始まりだ。
フラ 「かみさん、おみやげつーかツマミ買って来ましたよ」
かみ 「おう、ありがとう。ん? 沖縄のみやげ?」
フラ 「いや、柏で買いました」
かみ 「ぎゃははははっ!」
いや、美味かったからいいんだけどさ(´▽`)
そこからは、呑んで喰って近況を聞いて、あとはひたすら単車の話。
途中で眠くなったナオミが引っ込んでからも、ひたすら呑んでしゃべり続ける。
俺やフラが、単車に乗るのと同じくらい、愛する時間だ。
旧型V‐MAX、新型V‐MAXを熱く語るフラに負けじと、俺もビューエルを語り。
ベロンベロンになりながら、コーナリングのアクセルワークを論じ。
タイア、グリップ、サスペンション、トラクション、話が止まる気配もなく。
いいだけ呑んだくれて話し込み、ついに目が開けてられなくなって就寝。
翌日、目を覚ました俺は、フラが起きる前に仕事へ。
仕事してると、よしなしがやってきたので治療して、ヤツはユウヒのところへ。
俺は最後の患者さんを治療してから、KLXで自宅へ向かう。
帰ると、ちょうどフラが起きてきたところだった。
フラはそのまま、タバコを買いにコンビニへゆき、俺は洗い物をかたづける。
食器を洗ってると玄関が開いて、ユウヒんトコでバイクを買ったよしなしがやってきた。
ほどなく帰ってきたフラと、こんだ三人で宴会スタートだ。
相変わらず飽きもせず、単車の話やバカ話をして笑い、俺とフラは酒盃を干す。
翌日仕事のよしなしは、今日は泊まってゆかないので、可哀想だが呑めない。
写真のビールは、昨日俺が呑んだ空き缶だ。
三時間ほど呑みながらバカ話してから、腹が減ったのでラーメンを喰いに出る。
近所のラーメン屋は、トンコツしょうゆの背脂チャッチャ系。
ナオミが苦手なので、普段はなかなかいけないのだ。
今回は初めて、味噌中落ち麺を喰ってみた。
トンコツベースの背脂たっぷり味噌ラーメンに、削り落としたばら肉が入っている。
コレもかなり美味しいけど、俺はしょうゆの方が好きかな。
フラはコンビニで買ったカツサンドだの喰ってたが、俺とよしなしは朝昼抜きだったのでソッコーで喰う。
呑んでた俺はスープ残したが、よしなし先生はスープまで完食してた。
それでも足りずに、帰りがけコンビニへ寄って。
ホットドッグかなかんか食ってた(´▽`)
そこからまた呑んで騒いでしてるうち、俺は酔っ払って寝オチ。
起きてそれぞれ好き勝手やりながら、キャンプ道具の話になったところで。
俺のキャンプイスを見せたら、フラが気に入ったつーので、半値で売りつける。
そっからキャンプやツーリングの話をしつつ、俺はお茶で休みをいれ、フラはワイン。
やがて、夜もいい時刻になり、よしなし先生は帰宅しなくちゃならない。
ユウヒんトコから買ったバイクをクルマに積んで、寒空の中、先生は帰って行った。
ハンパに寝た俺と、普段バイクの話に飢えてるフラは、元気満タンでそっからリスタート。
ワインをちまちま呑みながら、峠、旅、キャンプ、野宿、ツーリングの話。
新型バイクの話に、自分の愛機の話、単車との関わり方、生き方。
なんだかんだワインを二本カラにしつつ、朝の四時まで語り合った。
日曜の朝、起きてみるとフラはまだ寝てる。
ナオミと俺は休みの日の定番、それぞれ好き勝手に本を読んで過ごした。
やがてフラが起きてきて、帰り支度を始める。
荷物が重い上に、昨日、俺のキャンプイスを買ったフラは、さらにまだオミヤゲを買うと言う。
なので、ウチで遊んでたキャリアをあげた。
その合間にもYou Tubeで、スカイラインだの酷道だのの動画を見ながらバカ話。
「いかん! 帰れんくなる!」
叫んだフラが立ち上がったところで、二泊三日の柏宴会も残念ながらお開き。
「お世話になりました、また!」
「おう、またよ!」
三日間、ひたすら単車の話をした中部の弟は、満足げな笑みを浮かべて帰っていった。
フラ、たのしかったぜ! また呑んだくれて、単車の話しような(´▽`)/
フラナガン帰還/了