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大郷戸山賊宴会 こりないヤツラ 中編

 
 
夏場の大郷戸は、ブヨが多い

しかし、コレだけ涼しくなってくれば、さすがにヤツラも居ないだろう。

そんな風に思いながら、それでもちょっとした虫除けに火を焚く。

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煙が上がって、羽虫程度なら避けられる。

たぶん、ブヨも避けられるだろう、と、このときは考えていた。



それが、どれほど浅はかな考えかも知らずに。






やがて、下からエンジン音が聞こえ、ろろちゃんが現れた。

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愛機テネレ1200は、今回もイロイロとカスタムが進んでいた。

その最たるものが、ブラックの渋いパニアケースだ。

リアボックスと併用で、狂ったような積載量を誇る。



「積めるようになったぶん、余計なものまで持ってきちゃうんだよ」



ダメじゃん(´▽`)






ろろちゃんが来たのを潮に、改めて東屋の全貌を撮ってみたり。

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すると突然、地面がグラグラと揺れた。



「うおっ! 地震だっ! ろろちゃん、地震だよ」

「揺れるねぇ。そして、東屋の屋根も、すごく揺れてるねぇ」

「ぎゃはははっ! ホントだ! すげぇ揺れてる! 大丈夫かな、俺たち」



筋交(すじかい)もない四本柱の東屋は、いいだけ揺れている。

揺れが収まってもしばらく、「屋根が落っこちてきたら死ぬね」、などと笑っていた。

ひとりだったら、も少しビビってただろう(´▽`)







昼は喰ったし、酒も入ってる俺は、ろろちゃんの準備を眺めながら、ツマミを焼く。

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たっぷり600gほど買ってきた、豚モツを網焼きしてやるのだ。

そんで残りは、も少し寒くなってきてから、スープで煮込んでモツ煮にする。



そのうち、ろろちゃんも荷物を降ろして、つまみを作り始めた。

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最近ハマってる、ブリトーの網焼き

焼きあがったのを、「はい、かみさん」とくれたので、ありがたくいただいてみる。

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「うお! めっちゃ美味いじゃん焼きブリトー! へぇ、やるなぁブリトー」

「ね、美味しいでしょ? レンジであっためるより、ずっと美味しいよね」



網焼きブリトーに舌鼓を打ちながら、ろろちゃんとふたり、のんびり呑み始めた。



「そう言えばさ、ろろちゃんと(野外で)サシで呑むのって、あの橋の下以来じゃない?」

「そう言えばそうだねぇ。懐かしいねぇ」



あのとき、橋の下で野宿しながら酒盃を交わした男は。

かけがえのない朋友のひとりとなって、今、目の前にいる。

そんな不思議な縁を嬉しく思いながら、俺は友と杯を重ねる。



静かな山の中で。

ふたりとも黙って酒を呑みながら。

穏やかな時間が流れてゆく。







とるるるるっ!

静かな排気音とともに、荷物を満載したトレール車が現れた。

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茨城の誇る最強ハンター、よしなし先生の登場だ。

「うーい!」 「ういーっす!」

もはや何語かさえわからない挨拶をかわし、とっとと準備を始める先生。



手早く準備を整えると、どかりとイスに腰掛けて。

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まずは、カンパイだ。

見慣れた顔、いつもの山、そして酒。

テンションが上がるというよりは、穏やかな喜びにつつまれる。



ろろちゃんのテネレを検分する、よしなし先生。

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ヤツのメインウエポンは、BMWのR1200GSだから、テネレは気になるバイクなのだ。

リアケースのマウントや、パニアの話で盛り上がっている。

俺は、「絶対に箱を積まない」ので、なんとなく横で話を聞いてた。






焚き火台に炭を足して、モツ煮の準備を始める。

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まだ、腹が減ってるわけじゃないが、モツは煮込んだほうが美味いからね。



山賊といえば、もはやテッパンのふたり。

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俺と三人で、他の追随を許さない、圧倒的な「山賊宴会参加率」を誇る。

そんなよしなし先生の足元には、組立コンパクト焚き火台、「B6君」が展開されている。

俺の用途にはちと小さいが、ソロでつまみを焼きながら呑むには充分なサイズだ。



写真には写ってないが、ろろちゃんの足元にも、同じグリルが展開している。







やがて秋の陽が傾き始め、あたりが薄暗くなってきた。

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よしなしは鶏だんご鍋、ろろちゃんはおでん、そして俺はモツ煮と、みんな汁モノだ。

寒くなってくると、暖を取れる汁物がイチバン美味い。

まして、こいつらと呑みながらなら、余計に美味い(´▽`)



三人そろって、腹が膨れたら。

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それぞれのコンロで炭火に当たりながら、更に酒盃を重ねてゆく。



写真はフラッシュを焚いてるが、実際に見える映像は。

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こんな感じで、すっかり真っ暗だ。

ガソリンバーナーやガスバーナーのような燃焼音がないので、実に静かである。

時折りパチパチとはぜる炭の音を聞きながら、ポツポツしゃべったり、無言で炎を見つめたり。



1mgも気を使わなくていい連中だけに、その無言でさえ楽しい






山の中で火を焚き、それを眺めながら、ただ酒盃を重ねる

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たったそれだけのことが、どうしてこれほど楽しいんだろう。

答えも出ないまま、夜は更けてゆく。

しかし、この夜は、このまま静かには終わらなかった




後編に続く


 
 
by noreturnrydeen | 2013-11-03 11:48 | エンカイ

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