茨城 林道探索(中編)
2013年 11月 03日
富谷観音の入り口を登ってゆくと。
色づき始めた木々に出迎えられる。
アチコチに楽しそうな入り口が散見されるが。
これは遊歩道なので、バイクは入り込めない。
かと言ってもちろん、俺が「歩いて入る」なんてことしないのは、
みなさんご存知のとおり。
昔、M109Rで走ったときは、「荒れた林道だな」と感じた道も。
相棒がKLXの今では、むしろ物足りない舗装路だ。
思い出し笑いしつつ、分岐を上へ登ってゆく。
頂上を少し越えたところから、展望公園に降(くだ)る道へでた。
「アスファルト」や「ガードレール」ってのは人工物だが、俺には自然の一部に思える。
山の中を縫うように走る曲がり道は、いつ見てもワクワクさせられるね。
ちょっとした曲がりを楽しんで、そのまま公園の駐車場へ。
駐車場に単車を停めて、ヘルメットを脱ぐ。
初冬のひんやりした空気が、やさしく頬(ほほ)をなでてゆく。
気持ちいい(´▽`)
爽快な気分で、上の方に見える東屋の屋根を目印に、珍しく歩き出すかみさん。
もっとも、100メータかそこらの話なんだけど。
東屋はそのまま、展望台の代わりになってた。
晴れた日だと富士山が見えるらしいが、この日はもちろんビタイチ見えなかった。
それでも、色づいた山々の美しさは堪能できる。
大きく伸びをしてから、振り返ってみると。
こちらもまた、いい具合の色合いだ。
春の花や緑の、鮮やかな色彩も良いけど、こんな侘びのある色も好きだ。
ワビサビの話になると、とかく自然だの古い建築物の話になりがちだが。
ガードレールやアスファルトだって、使われ続ければ侘びが出るだろうと思う。
俺の個人的な見解になるが。
ただ「朽ちた」のではなく、侘びを経ての朽ちこそが、寂(さび)なのではないだろうか。
話がそれた。
単車にまたがり、来た道を分岐まで戻る。
分岐から別の道を入ると、すぐにまた駐車場があった。
昔、MOTO三兄弟たちとツーリングで寄った場所だ。
「なはは。そう言やここでMOTOが、「おねえ」のKTMで、ドリフトだのウイリーしてたっけ」
MOTOライディング動画:約2分
色々と思い出しつつ、ヘルメットをかぶって走り出す。
かつては近所の走り屋が集まっていた道も。
今では「クルマ止めの段差」や、センターキャッツが出来ている。
いやまあ、それでも地元の連中は走ってるか知らんけど。
とにかく、元々そんな道だから、段差に気をつければ、楽しく走れる。
まして今日は、荷物を降ろした空荷の状態だ。
KLXの貧弱な足回りが音を上げるまで、キッチリ締め上げてやりつつ。
「かぁーっ! 早くビューエル戻って来ねぇかなぁっ!」
気持ちはいつしか、入院中の愛機へ飛ぶ。
ま、乗ってるときに、他の単車の事を考えると、ヤキモチ焼かれてコケるからほどほどに。
林道探索などすっかり忘れて、ワインディングを楽しんだら。
そのまま41号へ出て南下、次の目的地、「雨引観音」を目指す。
すっかり霧の晴れた県道を、きょろきょろしながら走ってゆくと。
「雨引観音」の看板を発見。
ハーフウエットの舗装路を、さっきの余韻ですっ飛ばしながら登ってゆけば。
どうやら、それっぽい場所に出た。
ここからも少し上がった場所で、トイレを見つけ。
用を足しながらアタマを冷やす。
途中から、「林道探索を全然やってない」ことに、今更ながら気づいたのだ。
オンロードからオフロードへ気持ちを切り替えて。
それじゃあ改めて、細道を探して回ろう。
トコトコきょろきょろ、走りながら入り口っぽいところを探し、見つけては入り込む。
勢い込んで入ってみれば、その先は大抵の場合、
こんな風に行き止まりで、歩道になってることが多い。
「階段、登ったら怒られるだろうなぁ」
俺のバカな行動で、オフローダー全体に迷惑をかけるわけにはゆかない。
行けるところまで行って、立ち入り禁止や歩道になれば戻って。
Uターンを繰り返すうち、だんだん、めんどくさくなってくる。
探索よりも、ちゃんと山の中を走りたくなってきた。
「も、探すのはいいや。ここからなら、加波山にでも入って、山道を走ろう」
予定変更、確実に面白いだろう山の中を目指して、雨引を後にする。
とっとと下まで降ったら。
またも41号を南下し、加波山の入り口で左折。
入り口の看板を撮って、さあ、楽しい山道の始まりだ。
道なりに登ってゆくと、途中に神社を発見。
朝っぱらなので、柏手を打って神様を起こすことはせず、ただ合掌してご挨拶したら。
徐々に細くなってくる道にワクワクしながら、山を登ってゆく。
と、途中で矢印看板があり、「加波山頂上まで○○メートル」とか書いてあった。
もちろん、間髪入れず入り込むマイトガイ。
徒歩で登る登山者の脇を、ゆっくり静かに抜けながら、
「おはようございまーす!」「おはようございます」
挨拶を交わしつつ、トコトコ進んでゆく。
こんなとき、静かな排気音のKLXは、負い目を感じなくていい。
道はすぐに、アスファルトじゃなく、コンクリの歩道っぽくなる。
「ありゃ、ここって歩道なのかな?」
と思うが、クルマの登った跡があるので、まあ大丈夫だろうと進んでゆき。
やがて、小さな駐車場が現れ、同時に道が尽きた。
登山客の中には、ここまでクルマで来て、この先を徒歩で登って行くひとも居るのだろう。
もちろん、「かみは歩かない」ので、ここでUターンする。
狭かったので、スタンドを立ててその場ターンをし、下にフロントを向ける。
そして一瞬、気をひきしめる。
写真だと、ただのまっつぐなコンクリ道だが、結構な急勾配で下ってるのだ。
こんなイージーなところでコケたくないので、慎重に走ってゆき。
さっき入り込んだ矢印看板まで戻ったら、また上を目指して走りだす。
ガレ場の多い茨城の山は、ココから先が本番だ。
後編に続く