イロハとタカシ
2013年 08月 05日
月曜日、仕事してたらメールが二件。
房総のイロハと、最近常連のタカシからだ。
「あ、そうか。あいつら今日、走りに行ってるんだっけ」
見てみると、予想通り「今日行きます」メール。
「んじゃ、こないだ日記に書いたラーメン屋いくべ」と快諾して、ナオミにその旨メール。
すると、「わたしソーメン食べたいから、三人で行っておいで」おっしゃる。
仕事がハネた午後七時半過ぎ、ユリシーズをすっ飛ばして帰ると。
ちょうど、二人も到着したところだった。
かみ 「おぉ、なんだおめーら。今、来たんけ?」
イロ 「はい、ちょうど今です。いやー楽しかった」
タカ 「かみさん、俺も雨男でした」
も、ってなんだ。俺は雨男じゃねぇ。
バカ言いながら家に戻り、荷物を置いて近所のラーメン屋へ。
こないだ開店したばかりの、麺屋KAZZまで歩き、テーブルに陣取る。
俺は前回の反省を元に、ラーメンの麺やわらかめ。
タカシも俺の日記を読んだのか、同じくラーメン麺やわらかめ。
そして、何も知らないイロハは、中おちチャーシュー麺。
イロ 「大盛りで!」
店員 「大盛りはないんです。替え玉でよろしくお願いします」
大盛りないのかぁ、などとブツブツ言ってたが、イロハはこのシステムに助けられたことを、この段階では気づいていない。それから、生ビールを三杯頼んで、ヤツラはツーリングの打ち上げ。俺は仕事を終えたあとの、「お疲れ様ビール」って感じで、カンパイする。
イロ 「いやー、美味い! この店のビールは最高ですね」
かみ 「ぎゃはは、店カンケーねぇ。しこたま走ってきた後なら美味めぇだろうよ」
タカ 「いや、ほんっと楽しかったっす」
かみ 「んで、どうだった? タカシ、イロハぶっちぎってきたか?」
イロ 「いや~タカシ君には参りました。超ぉつっつかれましたよ」
タカ 「あははは! カンベンしてくださいよ~」
バカ三人、ラーメン屋で絶好調の宴会。
やがて、その時が来る。
かみ 「ようイロハ、正直に言ってみろ。おめ、もてあましてるだろ?」
イロ 「食えなくはないですけど……さっきより美味しくない」
タカ 「あははは!」
かみ 「だから俺ぁ、ただのラーメンにしたんだよ。替え玉、食うか?」
イロ 「要りませんよ! なんで教えてくれないんですかっ!」
タカ 「ぎゃはははっ!」
そら、そのほうが面白いからに決まってる。
一日走り倒して、疲れているのだろう。
イロハは生ビール一杯で顔を赤く染めている。
食い終わったら、コンビニへ寄り道して、酒の買出しだ。
イロハとタカシはちょこっと、俺はしこたま酒を買って戻ったら。
さあ、宴会を始めよう!
月曜だけど。
俺だけ、明日も仕事だけど(`Д´)
呑んだくれながら、イロハの近況やバカ話を聞いて笑い。
今日の走りや、単車の話になったところで、ナオミは脱落。
あとはバカ三人、単車、乗り方、構造、キャンプ、山賊話で盛り上がる。
話の合間にイロハがボケ、俺が突っ込み、タカシが爆笑。
週初めから、実に楽しい宴会だ。
ふたりを置いて俺ひとり、カンカン杯を干してゆく。
イロハがあくびをしようが、タカシが寝っ転がろうがお構いナシに。
延々としゃべり続ける、手のつけられない43歳の酔っ払い。
なんだかんだ、夜中の三時過ぎまでバカ話して過ごした。
翌朝、起きると、タカシはすでに帰っていた。
そしてイロハは熟睡している。
カギの置き場所だのを書いた置手紙を残して、俺は仕事へ。
昼過ぎ、イロハからメールが来た。
「雨が降りそうですが、洗濯物、取り込んでおきましょうか?」
「相変わらず気の回る男だなぁ」と感心しながら、お言葉に甘える。
しばらくして、仕事の手が空いた時。
イロハはもう、帰ったのかな? なんて思いながらmixiを見てみると。
「これが絶望ってやつか…駐輪場から出れねぇ」
の書き込みと共に、一葉の写真が上がっていた。
イロハには悪いが、思いっきり爆笑してしまった。
イロハに電話してちょっと話し、再会を約して切る。
電話を切ってからも、俺は思わずニヤニヤ。
仕事が終わり家に帰ると、イロハからナオミに置手紙がしてあった。
「いつも喰い散らかしてすいません」「片付けありがとうございます」
そんな内容の手紙に、ナオミも思わずほほえんでいる。
やけに気の回る、嫌味のない、気持ちのいい男の顔を思い浮かべながら。
俺は、「イロハらしいなぁ」と、また笑ってしまった。
二日酔いが、ちょっと楽になった気がした。
イロハとタカシ/了