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119th 春の峠まつり 第三弾 リュックサック・ファイターの受難(2)

 
 
 
惨状を見た瞬間、出発前に感じたフロントの違和感を思い出す。



ここで、かみとみんなの約束だ。

いいか、どんなにちょっとした違和感でも、決して軽視しちゃいけない。

必ずチェック、もしくは専門家に見せてくれ。



もちろん、国産でここまでのことは中々ないだろう(ビューエルのベアリングはちょっとアレ)

が、それでも何があるか分からないのが人生

俺みたいにテキトーにせず、少しの違和感でも、時間をとってしっかり点検してくれ(`・ω・´)





とまあ、自業自得を棚に上げるのは、この辺にして。

とりあえず車載工具を引っ張り出す。

しかし、いくら「かなりのヘヴィメンテナンスに対応」してる俺の車載とは言え。



さすがに、ベアリングプーラーは入ってない。



「いちおう、アクスルを閉めなおして、ゆるみ止めボルトも締めて……あとはココじゃムリだな」

「どっかバイク屋に持って行きます?」

「いんや、だましだまし行くよ。フラ、ホントごめんな? 今日はこのまま高速で帰るわ」



知らない人に預けるのもイヤだし、長いこと手元から離れるのもイヤだ。

なので、良くないとはわかりつつ、そう選択する。

せっかくフラと走れたのに、と自分を責めてみるが、事態の解決にはならない。






それじゃあ帰ろうってんで、じわーっと走り始めたんだが。

リュックサックファイターの受難は、さらに続く

フラの後ろを走りながら、何気なくブレーキをかけた瞬間。



「ファッ!?」



フロントブレーキがスカスカになってる(´・ω・`)

どうやらホイールがミリ単位で暴れてるようで、ロータが振れてパッドを押し戻すのだ。

二、三回ポンピングすれば効くのだが、もちろん、そんなもんに何の意味もない。



この段階で、俺はフロントブレーキまで失った



<だましだまし、じわっと帰るプラン>は、難易度をさらに大きく上げ。

リアブレーキのみで、奈良から柏まで帰る

という、<S級難易度のサバイバルプラン>へ変貌を遂げたのだ。



「よし、とりあえず……生きて帰ろう」



そのくらいしか、目標が見当たらない






そこから、フラの先導で国道25号へ戻る。

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ところがどっこい、フラもまた期待に応える男

すこしでも短い距離で帰りたいのに、途中でバキっと道を間違う

さんざっぱら、林道みたいなウラ道を走ったあと、広い駐車場に出たところで。



「すんません、道を見失いました」

「ぎゃははは! このタイミングでやるな! 途中から変だなと思ってたんだよ」

「おかしいなぁ、こっちのはずなんだけどなぁ」

「とりあえず、現在位置を携帯で確認してみよう」

「いいなぁ。俺もスマホ買おうかなぁ」



ま、あんがい呑気にやってたんだけど。






紆余曲折ありつつも、どうやら25号をみつけて乗り。

フロントの被害を抑えるべく、のんびりペースで走ってゆく。

途中にあった休憩所へ入って、ここでフラとお別れだ。

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「フラ、今日はホントごめんな? や、申し訳ない」

「いやいや、顔が見れただけでも良かったですよ。直ったらまた走りましょう」

「おう! もちろんだ! ガッチリ直して準備しとくぜ!」



呼び出しといてこの仕打ちにも関わらず、フラはニカっと笑ってくれる。

フラ、今回はホント、ごめん&ありがとう!

またタイミングあわせて走ろうな!






すっ飛ばすだろうフラに別れを告げたら、さて、後はひたすら家路を急ごう。



亀山から高速に乗ると、東名はすでにかなり混んでいる

特にここから四日市までは渋滞の名所だ。

もちろんすっ飛ばすわけにはゆかないので、中途半端な速度でずーっとすり抜ける。



なんたって、急ブレーキできないのだ。



途中で一度、すり抜けてるフラに追いついたが、後ろにつけるほどまでは速度を上げられない。

結局、挨拶もできないまま、フラとは流れ解散になり、やがて四日市を過ぎる。

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無事、高速に乗ったところで、ちょっと欲が出たリュックサックファイター。

「むう、このまま東名をずーっとすり抜けはイヤだなぁ。やっぱ中央道で帰るか」

別におかしな選択肢ではないのだが、このときに限っては間違っていた。



俺のココロは、すっかりフロントホイール。

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なにかっちゃ、こんな風にそっちへ気をとられてる。

さらに、フロントブレーキレス、いわゆるスーサイドセットアップだ(違います)。

ただただ、神経が削られてゆく。



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中央道の看板を目指しながら、どこをどう走ったやら。



「中央道まであと35km」の表示に、一度、パーキングへ入って休憩。

休憩してても、気になるのはベアリング。

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「うむ、どうやらボールがずいぶん無くなったようだな」

うむ、じゃない。



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ここでナオミに連絡を入れ、「遅くなるけど今日のうちに帰る」旨を伝えたら。

さて、残りはまだまだ長いぞ、とっとと帰ろう。



しかし、そこはさすがの、かみさん43歳。

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100巡航でぼーっと走りながら、帰ってからのベアリング交換手順を考えていたら。






予定調和で、道を間違える。






目の前に「刈谷」とか見えた瞬間、

「くぁwせdrftgふじこlp;@:「」!」

絶望、やるせなさ、自分のバカさへの憤慨。



自分が悪いわけだから、怒るわけにもゆかず。

今、地図でチェックしてみたら、たぶん50kmくらい無駄に遠回りして。

結局、東名高速に乗るハメになった。

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そらぁ、富士山も笑ってるよ。



ただでさえかったるい東名高速の渋滞すりぬけに、フロントノーブレーキのおまけつき。

その上、渋滞でちんたら走ってると、途中でまたガロガロと聞きたくない音。

路肩に停めてチェックしてみるが、だからって何ができるわけでもなく



たぶん、俺の人生でイチバンってくらい時間を掛けて。

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夕方の6時すぎだったか。何とか無事、整骨院の方へ到着した。

さすがに、これからベアリング交換する、ガッツの持ち合わせも時間も無く。

荷物をすべて放り投げた、リュックサックファイターは。



駅へ向かって、トボトボと歩き出したのだった。







とまあ、春ツーリングのシメは。

俺らしく自業自得のバカトラブルで幕を閉じた。

ま、こんなトラブルはともかく。

ベースを作ってワインディングを空荷で走るのは気に入ったので。



夏のツーリングでも、何かしら考えてみようと思う。



そんじゃ、また次回のツーリングレポートで(´▽`)/





リュックサックファイターの受難/了
文責/かみ



 
 
by noreturnrydeen | 2013-05-05 21:26 | でっかいもん倶楽部

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