119th 春の峠まつり 第三弾 リュックサック・ファイターの受難(1)

 
 
 
春ツーリングに出発する前から、そういえば、ハンドリングに若干の違和感があった。

「あんだろ。空気圧はチェックしたし、ブレーキも見たし、タイアの減りかなぁ」

帰ってからタイア交換でもするか、と思う程度の小さな違和感だったのだが。






楽しい和歌山ツーリング&宴会で大笑いした、翌朝の7時過ぎだったか。

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みんなを起こすのもアレなので、そーっと家を出るリュックサックファイター。



昨晩、酔っ払ってフラナガンと連絡を取り、今日はヤツと走る手はずになっている。

集合場所である奈良県、国道25号線沿いの道の駅、「針テラス」へ向けて走り出した。

時間は9時~10時つーアバウトな感じなので、まあ、のんびり行こう。





針テラスに到着すると、さすがに有名ポイントだけあって、たくさんの単車がいた。

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テキトーにユリシーズを突っ込んだら、さあ、朝飯だ。

普段は朝ヌキが多いんだけど、ある特別な条件下だと、俺は朝飯を食らう。



そう、二日酔いの時だ。



道の駅へ入ってゆくと、さっそく、目に付いたモノがある。

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「がははは! なんぞこれ? すげぇな、250円で死ぬほど食えるな」

とは言え残念ながら、二日酔いで起き抜けにカレーを喰えたのは、遠い日の花火。

さすがにコレを食う気にはなれず、うどんを頼んですすりこむ。



それから、ぼんやりと一服しつつ待ってると。

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初めて会った日の別れ際に、「名古屋の兄弟」と呼んだ男、フラナガンがやってきた。



フラナガンは、バカだ。とてつもないバカだ。

新旧二台のV‐MAXを所持してるコトや、俺と付き合ってる事実からも、それは明白だ。

そして、バカだけに、とても気持ちのいい男である。



「あんだおめ、赤MAX(旧型V‐MAX)じゃねーんけ?」

「赤は今、エンジンやってる最中ですから。最近、やっと黒でも赤に近いくらい乗れて来ましたよ」

「俺もようやく、思うように走れるようになってきた」



と、フラナガン。ビューエルを眺めながら声を上げる。



「あれ? チェーンこんなんでしたっけ?

「どあほう、ビューエルはベルトだ。チェーンにコンバートしたんだよ、切れるから」

「まーた、相変わらずやってますねぇ」






軽く近況報告をして、そのまましばらくバカ話。

「近況報告=最近の単車の様子」なのも、俺たちにはいつものことだ。

人間の方は、生きて笑ってるなら、それでオールOKだからね(´▽`)



いつもどおり、掛け合い漫才をして笑ったら。

すぐそばのスタンドで、少食なユリと大食いのMAXに、ガスをたらふく喰わせて。

さあ、それじゃあフラ、曲がった道を走ろうか!






国道369号を北上して、途中からワインディングに入り、あとは曲がった道をつないでテキトーに。

まあ、いつもの「いい加減かつ楽しいツーリングプラン」に沿って走り出す。

まずは、フラが先頭だ。



「くっそ、相変わらず変態的な加速しやがる」



短い直線でドカンと離され、必死でアクセルを開け、なんとか食い下がってると。

やがて、道がぐねぐねと曲がり始めた。

よーし、こんだ俺のショータイムだ。



200馬力を誇る代わりに、重量が1・5倍はあるV‐MAXが減速した瞬間。

ブレーキをほとんど掛けないで、一気に差をつめる。

そこからさらに、コーナリングで詰めてゆき、脱出手前でケツにベタづけ。



どん!



冗談みたいな加速をするV‐MAXに、こちらもレッドギリギリで追いすがる。

ニ、三度そんなやりとりのあと、タイトなカーブでフラをかわした。

そしてそのまま、全開加速して次のカーブに飛び込む。



コーナリングで引き離し、直線で詰められる。

お互いの得意な部分で我を張りつつ、晴天の下、最高のおいかけっこ。

楽しいなぁ、フラ公! おめ、やっぱ最高のV‐MAX乗りだぜ!






後ろを確認するのは直線の時だから、気分的には常に追いつかれてる感じで。

気合を緩めずにすっ飛ばしてゆくと、さすがに曲がりの多い場所。

徐々にフラの姿が小さくなってゆく。



「よしよし、これでまたしばらくは、フラをいじめられるぞ」



メットのなかでゲタゲタ笑ってたら、分岐を見逃しそうになった……気がした

あわててブレーキング&右折し、峠の入り口っぽい上り坂へ入る。

道端に自販機を見つけ、そこで停まって休憩。



すると、メットを取ったフラが、笑いながらツッコみを入れる。

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「よかった、停まってくれて。道、こっちじゃないですよ」

「なに? いや、まあ、知ってたけどな」

「はははは! しかしやっぱ速いですねぇ」

「そら曲がったところは、MAXにヤラれるわけにはいかんだろ」



気持ちのいい陽気の中、ワインディングをすっ飛ばし。

フラとタバコを吸いながら、バカ話して笑いあう。

今日も楽しい一日になりそうだ(太線重要)。






一服したら、フラ先導で次のステージへ。

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こんな風に曲がりの穏やかな場所だけ、なんとか写真を撮る



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これはもう、だいぶん離されてるから、写真がボケてるね。

直線か、見通しのいいゆるいカーブで、左手でカメラを取り上げ、起動して、写して、電源を切る。

するとフラはもう、すでにはるか彼方なので、また頑張って追いつかなくちゃならない。



やっぱ車載できるカメラ買おう(´・ω・`)






フラも、「タイトな曲がりで、ビューエルの相手はきつい」と解ってるのだろう。

コースの選択が、明らかに中高速ワインディングで、しかも、路面が荒れている。

「ま、いずれどっかでタイトな場所があるだろう。そこで刺してやる」



そんなことを考えながら走るのも、これまた楽しい。



と。

荒れたワインディング、大き目のギャップを、高速で乗り越えた瞬間。

ガリッ!

フロントで、心の底から聞きたくない系の、実にいやな音がした。



「うっわ、明らかにヤったっぽい音したけど? 大丈夫か?」



アクセルを抜いて、直線で車体を起こす。

ガロガロガロ……

しばらくいやな音が続いて、不意に音がしなくなった。



「あ、収まった。とりあえずどっかに停まって、フロント回りを確認してみよう」

するとタイミングよく、フラが単車を停めた。

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「ここからなんですけど、道がですねぇ…………」

「まて、フラ。そんなコトより、すげぇヤな音がしたんだ!」

キョトンとしてるフラには構わず、俺はフロントタイアの前にしゃがみこみ……














「あぁ! これかっ!」










悲鳴を上げながら、にらみつけた先では。








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ベアリングがぶっ壊れ、中のボールが飛び出していた。


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by noreturnrydeen | 2013-05-05 21:16 | でっかいもん倶楽部 | Trackback

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