118th 春の峠まつり 第二弾 リュックサック・ファイターとコミネマン(2)

 
 
 
国道168は、なかなかタフな峠だった。

だが、すっかりバカ峠がスムーズになったムラタと、もともとバカ峠好きな俺に、死角はない。

ガッシガシ曲がって、バンバン進んでゆく。



が、ただひとつ、クルマが多くてやはり抜くのが鬱陶しい。

休憩のとき、地図を見ながらムラタと相談してると。

168号に平行して北上する、169号はそれほど混雑しないという表記があった。



「ムラタ、このグネグネ道を通って、169号へ出ようぜ?」

「お、ここも曲がってるねぇ。それじゃ、コレを行って169号で、奈良の方へ抜けますか」

「おう、カンペキだな。えーと、道とか交差点の名前は……」

「交差点は『滝』で、道は、えーと……国道425号ですね」






このときの俺とムラタ、ふたりに言いたい。

おまえらの側頭葉はプッチンプリンか?

その脳みそは、どんだけスカスカの記憶野なんだ?




かみ、書いたのはおまえだ。

ムラタ、笑いながら読んだはずだ。




思い出せ。



そこは、あの「酷道」425号線だ。







意気揚々と走り出した俺たちは、168号の途中で右に折れると。

国道425号線を、東へ向けて走り出した。

そう、日本三大酷道のひとつ。

かつてフラナガンと走り、「二度と走るか」と叫んだあの道を。


e0086244_16311363.jpg

国道425号線、全線140kmのうち、たかだか40~50キロくれぇの区間である。

ではあるが、しかし、ヤラれるには充分な長さでもある。

そして、何より驚くのが。

e0086244_2151779.jpg

40km走ってる間、一度も、「ココがあそこだ」と気づかなかった俺たちのウカツさだ。

なんたって、こうしてレポを書くために地図を確認して。

たった今、気づいたんだから。






最悪の道を、ひいこら言いながら走ってると。

途中に公園があり、「花と何とかの博覧会」的なのがやっていた。

なので、休憩がてら立ち寄ってみる。

e0086244_2152135.jpg

駐車場に入って誘導され、ここへ単車を停めた瞬間、ふたりは気づく。



「いかんぞ、ムラタ。ココは軍服とコミネの来る場所じゃない」

「ぎゃははは! なんでだよ、コミネはいいじゃん! 軍服はダメだけど」

「俺たちだけ、明らかに浮いてるじゃないか。不審者以外のナニモノでもないぞ」

「それは……そうかも知れないけど……」

e0086244_2152524.jpg

それでも、自分の息子と同じくらいの男の子を見て、ニコニコしながら手を振るムラタ。

その姿は、どうヒイキ目に見ても、ホモのロリコンでしかない。

俺は、警備員が警察に通報する前に、ムラタを引きずって公園を後にした。






さらに酷道をすすんでゆく、リュックサックファイターとコミネマン。



道はどんどん細くなり、ガケによるブラインドコーナーが、節操なくクネりながら続く。

アスファルトは荒れ放題に荒れ、ところどころコブシ大の石や、大穴が空いている。

さらに下にある土が崩落し、アスファルトだけがセンベイのように浮いてるところさえ。



ひただひとつ違っていたのは、乗ってる単車。



その、ただひとつの違いは、しかし、大きな違いだった。

見通しのよさと、しなやかな足と、ウエットに強いタイアの相乗効果が、俺を助けてくれる。

フラと走ったときよりも、ずっと楽に進んでゆけるのだ。



それはムラタも同じだったようで。

e0086244_2152987.jpg

走りきって169号に出てからも、俺たちには笑う余裕があったほどだった。

まあ、半分は苦笑いだったけれども。






「ところで、地図に書いてあった、『眼下に村々を見渡せる場所』ってドコだったんでしょうね」

「あ? あったろ! 俺は気づいたぞ。おめーはホント、何も見てないなぁ」

「えー! いつのまに! 俺、全然気づかなかった!」

e0086244_2153363.jpg

酷道を走りきったと思しき場所で、一服しつつ、地図を確認しながらダベる。



そして、さらに先を進んでゆくと。

目の前が急に開けて、眼下に村々を見渡せる場所へ出た。

e0086244_2153861.jpg

「あ、なんだ、ここか」

「なんだよ、ここじゃん! まだ通ってなかったじゃん! ちょーイイカゲンだよなぁ、かみさん」

「ぐぬぬ……」


「東海道中膝栗毛」っぽい、お笑い珍道中になってきた。






弥次さん喜多さん、もとい、かみさんムラさんは169号を北上する。

が、ここも地図で言うほど空いてるわけじゃなかった。

もっとも、バカふたりはバカだから、文句も言わずにゲラゲラ笑って走る。



と。



雨が降ってきた。

「マージかよ! なんだ俺、ホントに雨男なのかなぁ」などと、ヘコみながら走る。

ま、後で聞いたら、この辺は「日本最大雨量」を誇る場所だったんだけど。

よかった、俺のせいじゃないや。



ロード3(前輪)もパワー3(後輪)も、雨には強いタイアだ。

なので、それほど気にせず、いつもどおり80%くらいに抑えて走る。

すると、ミラーのムラタがどんどん離れてゆくのが見えた。



「なはは。何だアイツ、まだ雨は苦手なのか」



スムーズさを意識して走るようになった恩恵と、ミシュランの技術のおかげで。

俺は最近、雨をそれほど苦手としなくなってる。

なので、途中の道の駅へ滑り込むころには、結構な差が開いてしまった。






ずいぶんと混雑する道の駅へ入って、タバコを吸いながらムラタをからかう。

e0086244_2154242.jpg

「あんだおめ、雨が降ったら全然ダメじゃねぇか。がははは!」

「いやー、やっぱ怖いよ。つーか、かみさんがおかしいんだよ」

「ばっかおめ、ロード3履いてんだろ? じゃ、全然平気だよ」

「平気じゃねぇよ、ナニ言ってんだよ、ぎゃははは!」






バカ話して笑ったら、そんじゃ走りますか。



「ムラタ、俺、もうクルマ抜かないから、先に行っていいぞ」

「なんでそんなウソばっか言うの? ぜってー行くでしょ!」

「いかねーっつの!」

「信じないよ、誰も」



つわけで、ここらでスイッチを切り替えた俺は、マジでクルマの後ろを走る。

ユリシーズとならホンキになれば、いくらでも穏やかに走れるのだ。

狭角45度Vツインエンジンは、ドコドコまったりも得意なのだよ。



フツーのツーリングみたいに、クルマの後ろを延々と走って、国道24号へ出るちょっと前あたり。



フォーン!



「ぎゃはははっ! 結局、おめーが辛抱きかなくなってんじゃねぇか」

大笑いしながらムラタの後を追い、24号を走って途中のコンビニへ。

ここで、最後のルート設定。

e0086244_2154652.jpg

「俺、ここ昨日も走ってるんだよ。こっから310号走ろうぜ」

「それもいいけど、こっちに広域農道があるよ?」

「マジか! おぉ、ホントだ。ページの切れ目だから気づかなかった。ココ行こう。道わかるよな?」

「大丈夫、ここらはさすがにわかるよ……たぶん

「ぎゃはははっ! たぶんかよ!」



曲がり倒したシメは、広域農道+裏ワインディング全開走行に決まった。






広域農道へ入ると、さすがムラタのホームコース、ペースもテンパーほど割り増し

それでも、親のカタキのように加速するというよりは、平均速度がバカ高い感じ。

いや、速度自体は130~40スピードかそこらだけど、その速度で行く道じゃないのだ。



見通しの効く、視界のいいワインディングは、途中からダイナミックに上下し始める。



そこを一日走り倒したとは思えないハイペースで抜けてゆくムラタ。

ヤツの後姿を追いながら、俺はこんなバカな男と出会えたことを、天に感謝する。

な-んでセンチな気持ちになってると、おっと、ギャップでフロントを取られた。



けけけ、最後まですっ飛ばすなぁ。






信号待ちで停まり、どちらからともなく顔を見合わせ、ニヤリと笑ったところで。

本日のCrazy Marmalade でっかいもん倶楽部は、事故もトラブルもなく終了。

15分以上の休憩をとらず、ただひたすら走って走って走りまくった……



最高のワインディングツーリングだった。







大満足した俺は、このあと旅に出る気にもなれず。

ムラタの家に、もう一晩ご厄介になる。

ミサトちゃん(仮名)、いつもありがとう!



つわけで、みんなで晩飯を食いに出る。

e0086244_215503.jpg

ミサトちゃんやKZTと一緒に、お好み焼きを食い(写真は無論、やきそばだが)。

ムラタ家に帰って呑んだくれてたら。

三重のバカ、おーがから電話が入った。



その後、なんやかんやで。

e0086244_2162966.jpg

気づいたら、おーが一家まで入り乱れて宴会になる。



e0086244_2162525.jpg

どうよ、この「してやったり」の嬉しそうな顔。

もっとも、もちろん俺も笑ってたし。

家主にいたっては、日本酒をカパカパ呑みながら。

e0086244_2162039.jpg

カンペキな抜け殻になってたけど。

とにかく、最高に楽しい一日だった。





ムラタ、サンキュな。

あとはまあ、言葉は要らねぇだろ。

また走ろうぜ(´▽`)/




春の峠まつり 第二弾 リュックサックファイターとコミネマン/了
文責/かみ


 
 
 
 
 
[PR]
トラックバックURL : http://rugnarok.exblog.jp/tb/20443296
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from http://while.. at 2016-12-31 07:52
タイトル : http://whilelimitless.com/li..
118th 春の峠まつり 第二弾 リュックサック・ファイターとコミネマン(2) : marmalade spoon archive... more
Tracked from www.whilelim.. at 2017-01-05 10:30
タイトル : www.whilelimitless.com/limit..
118th 春の峠まつり 第二弾 リュックサック・ファイターとコミネマン(2) : marmalade spoon archive... more
by noreturnrydeen | 2013-05-04 21:07 | でっかいもん倶楽部 | Trackback(2)

アーカイブ


by かみ