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秩父山賊宴会 ―初冬の山賊・接触編―

 

さて、毎度おなじみ、週末の山賊宴会……なのだが。
 

出発予定の一時間前から、オモテは土砂降り

「こらぁ、さすがに出れねぇなぁ……♪土砂降りの雨がぁ~♪ じゃねぇっつんだ」
 
ジギーの「I'M GETTIN' BLUE」を口ずさみながら、二時間ほど凹んでると。
 

予定時刻を一時間ほど過ぎて、ようやく雨が上がった。

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「ひゃっはー! 誰が雨男だって? ざまあ見やがれ!」(実際、降ってました)

使用頻度の低いものを色々と削り、またもコンパクトになった荷物を積んで。

さあ、出かけよう!



XB12Sのフロントマスク、通称<まろやかカウル>は、高速にとても弱い。

だが、雨で一時間ほど押してるので、いつものようにのんびりとは走れない。

乾き始めた高速を、まろやかフェイスの上限160スピードですっ飛ばす。



叩きつけてくる風に上半身を押し戻されつつ、遊んでくれる四輪とやりあいながら、

「くっそ、押し戻される! ネイキッドで200スピードとか出すやつぁ、絶対ドタマ狂ってる!」

と、世の<バトル系ネイキッド乗り>を罵(ののし)るマイトガイ。


群馬ツーリング以来の戦闘モードですりぬけ、ようやく秩父に到着。




まずは140号線沿いのベルクで、酒と食料の買い出しだ。

ワインや肉団子を見繕ってレジに並ぼうとすると、なにやら怪しげな人影が見える。

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埼玉のスーパースター、ろろちゃんだ。

かごいっぱいに、色んなものを買い込んでる。


「ちょ、ろろちゃん! どんだけ買い込んでんのよ!」

「かみさんは、それだけ? 足りるのかい?」


バッグにジャックダニエルが一本入ってるから大丈夫(´▽`)




無事に買い物を済ませて、いつもの川原へ走ってゆくと。

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「なんだ? えらいイキオイで雑草が刈られてるじゃん! 広々としちゃったねぇ」

「別の場所みたいだねぇ。せっかくだから、いつもと違うところでやろうか」

「そだね、ここ吹きっさらしで寒いしね」



つわけで、他によさそうな場所がないか、探索開始だ。

どんどん奥へ進み、ほとんど川の真横あたりまで入り込んだ、かみさん43歳。

「ステップ上げたから、さすがに岩だらけのダートは厳しいなぁ。いっそスタンディングか」

ブツブツ言いながら、ガレガレの岩場でUターンしようとした瞬間



リアがズっと滑って足をつく。

しかし、足をついた先も砂利が敷き詰められてるわけで。



「くそったれ、あきらめるもんかっ…………あ、ダメだ」



















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あきらめたので、試合終了。

「ここんとこ、キャンプっちゃ立ちゴケしてんなぁ。秩父には陰謀の匂いがする

と、秩父へアサッテな疑いを吹っかけながら、カメラを取り出して撮影。

写真を撮ってひと息ついたら、リアシートから荷物を降ろす。このままだと、重いのと足場が悪いのとで、起こせないのだ。全部おろして車体を起こし、いちおう不具合を確かめる。ハンドルが少し曲ったぽいが、あとは問題なさそう。キズとかはハナから気にしないしね。

「とりあえず、ろろちゃんトコへもどろう」




ろろちゃんのいる広い場所へもどって、立ちゴケの経緯を話す。

それから、あらためて荷物を降ろした。いつもよりずいぶんと奥まったところだが、なんつっても今まで草ぼうぼうで入れなかった場所だ。ものめずらしさも手伝って、今回のキャンプ地をこの場所へ決める。それから、タバコを買い忘れたので、近くのコンビニまで。

走りがてら、ユリシーズのダメージをチェックすると、どうやら大丈夫そうだ。



戻って来て、宴の仕度を整えていると。

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よしなし先生が、茨城から到着した。

今回は秩父を影から支配するチンピラ、タツヤが不参加なので、きっと足りないであろうマキを持ってきて来てくれたために、いつものBMWではなく、オンボッコ号でやってきた。なので、いつものように暴言を吐いたりはせず、「おーさんきゅー!」とやさしい笑顔で迎える。

もちろん、迎えたのはよしなしじゃなくて、マキの束の方だけど。



と、積み上げられてゆくマキの束を見ていたろろちゃん。

「ボクもマキを持ってきたんだ」

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この国だとそれは、マキじゃなく「わりばし」って呼ぶんだよ、ろろちゃん。


「ぎゃははは! そんなん、あっという間に燃やしきっちゃうんじゃね?」

「キミは割り箸のチカラを分かってないね」


ろろちゃん、やけに自信満々で割り箸を燃やし始め

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「ごらんよ、ちゃんと焚き木として使えるじゃないか」

割り箸を火にくべるペースが早いことには、今は触れないでおこう。




暗くなる前に、ある程度メシの仕度をしておこう。

ベルクの袋から、買って来た材料を取り出す。

「あぁ! なんてこった! ツブれてんじゃん!」

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先ほどかました、立ちゴケの爪痕だろう。

つっても、カタチが崩れたって、中身が変わるわけじゃない。

オプティマス(ガソリンストーブ)でコッヘルに湯を沸かし、顆粒の昆布ダシを加えたら、あとは鶏だんごを次々と放り込んで、遠慮なくガンガン煮るだけ。だんごからもダシが出て、昆布と鶏のハーモニーを魅せてくれるだろうと目論(もくろ)みつつ煮込んでいると。

携帯が鳴った。

画面に表示される名前を見て、俺は思わずニヤリとする。

長年のダチ、うわばんだ。



うわばってオトコとは、かれこれ10年以上の付き合いになる。

俺のダチとしては珍しく、単車に乗らない。

なので、家で一緒に呑んだり、俺の実弟のライブを見に行ったりして遊ぶことが多かった。当然、いままで山賊宴会に顔を出したことはなかったのだが、ユルベルトでろろちゃんやよしなしと何度か遊んでるうちに、来てみたくなったのだろう。

今回、山賊宴会に初参戦してきたのだ。

ちなみに「うわば」が本来のハンドルネームで、「うわばん」ってのは活用形だから気をつけろ。



電話でうわばんに、ココまでのルートを説明する。

が、俺は多弁だけどバカなので、上手く説明できない。

ろろちゃんに代わってもらって、ココまでのルートを説明してもらった。


後で聞いたら、本当にすぐ近くまで来れてたらしい。

いつもどおり、見やすいところで火を焚いてれば、見つけられたかもね。

ま、来れたんだから、どうでもいいけどね。



んで、電話を切ると入れ違いに、こんだ「しき」から電話。

これも同じく、ろろちゃんにまかせて、俺は俺の仕事をする。

もちろん、やつらの目印とするための焚き火を焚くのだ。




焚き火を焚いてると、うわばんがやってきた。


「先生(うわは俺をこう呼ぶ)、誕生日おめでとうございます」

「おお、ありがとう! これはなんだ……おぉ、ジャックダニエル! ありがとな!」

「ナニ言ってるんですか! それだけなワケがないじゃないですか」


うわばん、ニヤッと笑って袋を差し出す。

のぞいてみると中には、彼の地元の酒にして俺んちのハウスワインでもある、『牛久ワイン』の白が二本。ちなみにハウスワインの赤は、オーストラリアのイーグルホーク、カベルネ。それはともかく、俺は歓声を上げて喜びながら二本のワインを取り出して、自分の手元に並べた。

いや別に、誰も取りゃしないんだが、酒飲みってのは意地汚いのだ。




無事に合流したうわばんが、炎の前で腰を落ち着けるころには。

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焚き火も勢いを増している。

「はは、これこれ。やっぱし火を焚いてこその山賊宴会だよな」

なんつってると、どよどよとVツインの音が聞こえる。


「お、しきか……にしちゃ、ちょっと静かだな」

よしなしと一緒に首をかしげていると、やってきたバイクが停まり、暗闇からヒトが歩いてきた。

秩父と言えばこのヒト、タンクトップエンペラーのタツヤだ。

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この寒空に、さっそく服を脱ぎはじめているところはさすがである。


「あんだおめ、ロケットじゃないんけ?」

「今日はV‐RODです」

「ああ、姉ちゃんのだっけか」


お姉ちゃんに、「たまには動かしてくれ」と預かったらしいのだが、夜のちょい乗りってエンジンにいいのか?



それはともかく。

今日は帰るんで、珍しくノンアルコールビールなんか呑んでるタツヤも加え、山賊宴会はヒートアップ。

炎に照らされたダチの顔を眺めながら、呑み、話し、笑う。気の置けない連中と呑む酒は、世界のどんな美酒にも勝るわけで、買って来た秩父の地ワインはあっという間にカラ。よし、それじゃあ早速、うわばんの持って来てくれた牛久ワインを飲もう。


「あれ、ワインオープナ忘れた。よしなし、持ってない?」

「ありますよ……はいこれ。つーか自分もワイン買って来たんじゃないんですか?」

コルクを粉々に砕いて、コーヒーのフィルターで漉(こ)すとかなら、得意なんだけどな」



バカ話して笑ってると、今度は地元のKYくんが顔を出してくれる。

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なんと土産に、地ワインの白を買ってきてくれた。

もちろんすばやく自分のフトコロへ仕舞いこむ、あさましい呑んだくれ。

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ジャックダニエル二本に、赤ワイン一本、白ワイン三本。

今、コレを書きながら、このときの俺がうらやましくて仕方ない。



もはや、宴会というより酒盛りと呼んだ方がしっくりくるような宴の中。

ゲラゲラ笑って呑んでると、やかましいエンジン音とともに、青い光がやってくる。

「おぉ、来たな!」

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そろそろ常連と言っていいだろう、しき&ブルバード800の登場だ。


「おめ、ベルクからココまで何分かかってんだよ!」

「いやー、思いっきり迷いました」


5分の道を一時間もか?

迷ったってレヴェルじゃない
ぞ、それは?




しきの豪快な迷いっぷりに大笑いしたら、もちろん酒盛りは絶好調。

荷物を降ろしてテントを張ってるしきを横目に、ガンガン呑んだくれる(主に俺が)。

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しきのテーブルやコンロは、他の連中と少し毛色が違う。

単車乗りなんてのは、基本的に天邪鬼つーかひねくれ者だから、みなとまったく同じものをなかなか使いたがらないのだ。んで、何度か試して不具合を感じたり、他のヒトの道具の使いやすさに感動したりして、次々と買い換えつつ、最終的におんなじモノだった、なんてのもよくある話。



その上、しきは持って生まれた星回りが悪いのか、同じものを使っても先に壊れる
 
実は今回、ついに俺のコットが壊れた。

だが、同じのを使ってたしきは、すでに壊して新しいのを買ってきてた。俺が20泊くれぇ使って一部破れたのに対し、しきはほぼ毎回ぶっ壊してる。俺だって扱いは乱暴だから、これはもう、しきの使い方か星回りのどっちかが原因に決まってる。

そのしきは早速、コンロを不完全燃焼させ、まわりに生ガスを撒き散らしてた。

さすがの星回り、天才と言ってもいいだろう。

これから、トラブル係はしきに任せて、俺は引退しようと思う。



そんなこんなで、勢ぞろい。

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初冬の秩父、気温はすでにゼロからマイナス。

それでも焚き火を囲んだ山賊どものテンションは高く、笑い声が絶えない。

右を見ても左を見ても、目に入るのはバカばっかり


やっぱり、山賊宴会は最高だ。
 



発動編に続く
 





 
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by noreturnrydeen | 2012-12-01 16:21 | エンカイ | Trackback

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