115th 群馬ショートツーリング 圧縮旋回(前編)

 
 
コトの発端は、じゅんからの電話だった。


「かみさん、ツーリング行きません?」

「いいね、行こうか。いつにする?」

「11月3日に、Rさんとツーリングに行くんで、それ以外なら」

「ほんじゃ11日あたりに行くべか。マルでも誘って」


つわけでマルに連絡とってみると、家の近くならOKとのこと。

んじゃ、行き先は北関東か。

トントンと話は進み、「三人で北関東の山の中を走ろう」つー話になる。


が。


そのあと、話の雲ゆきがおかしくなってきた。

「あ、かみさん。3日の方がなくなったんで、11日はRさんも参加です」

「お、おう……」(Rまできたら、ペースが上がるんじゃないだろうか? いや、確実に上がる)


不安な気持ちになってると、今度はミクシィに、当のRから書き込みがある。

「今回は、初心者の女の子もいるし、ローペースですよ~。まぁ、もうスピード狂卒業したので、最近はずっとローペースですが。。。」

う~む、色々とツッコミどころ満載で、にわかには信じがたい。


さらに、じゅんから電話がきて。

「なんだかんだ、10人くらいになりそうです」

いつの間にか、大変な話になってきた。



が、メンバーの中にカミナリやヒロシくんの名があがった。

カミナリとはずいぶん会ってないし、ぜひ走りたいな。それに酒の席でしか会ったことない、しかも今回、ハヤブサを買ったと言うヒロシくんとも会いたいぞ。つーかそう言や、しんごも来るって言ってたな……思い出すうちに、みんなの顔が見たくなる。

よし、それじゃイッパツ気合入れていこうか、マルちゃん!

「怖ぇから、ゆっくり行こうぜ」

もちろんだ! アタリマエじゃないか!



当日の朝5:30分。

目を覚ました俺は、久しぶりに身の引き締まる感覚を楽しむ。

「よーし、今日の目標だ! 事故らない! 死なない!」

革ジャンを着てメットを引っつかむと、愛機の元へ向かう……



その途中で気づいた。

「あ、今日は写真を撮るヒトが、たぶんいないな。俺の写真が残らないじゃん!」

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つわけで、とりあえず自分の写真とをる。



それから、改めて愛機の元へ向かい、道路に引っ張り出して暖気。

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午前6時00分 ―千葉県・柏― ポイント・オブ・ノーリターン

いや、リターンするっつの。

無傷で家に帰ってくる気マンマンだよ。




柏から高速に乗り、久しぶりにアクセル開け目で走る。

この日のために、ショートスクリーンをはずして、高速向きのラージフライスクリーンに取り替えたユリシーズは、トルクを生かしてグイグイと加速してゆく。いやまあ、つったって、せいぜい200スピード(1スピード=1/2時速)出るか出ないかなんだが。

つーか、そんなことよりとにかく寒い

昨日の段階では大丈夫かと思ったんだが、今朝は確実に晩秋の陽気だ。



ぶるぶる震えながら、高坂SAに到着。

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ミクシィに「寒い」と愚痴ってから、ガスを入れて出発。



時間の余裕があったんで、上里SAにも入って休憩。

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タバコ吸ってると、さすがに日曜日、それなりに単車がいる。



一服してから、走り出そうとすると、お、ゼファー1100だ。

(もしかして、こないだ山賊宴会でNさんが言ってた、ギンジさんかな?)

そう思ってよく見ると、メットにステッカーが貼ってある。

こら間違いないだろう。


「ギンジさんですか?」

「あ、そうです!」

ギンジさんは、人懐っこい笑みを浮かべる。

「ども、かみです。今日はよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

てなかんじでアイサツしたら、とりあえず集合場所の駒寄PAへ。



ガソリンを入れてから来るというギンジさんと、いったん別れ走り出す。

このあたりからワクワク感が高まってくるのだが。

しかし、やっぱり寒い。



寒さで半泣きになりつつ、駒寄PAに到着。

震えながらタバコに火をつけてると、ほどなくギンジさんもやってくる。

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ギンジさんのゼファー1100。


そこで、しばらく話をしながら、みなの到着を待っていると。

山賊宴会で会ったNさんが、お見送りに来てくれた。

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Nさんのゼファー1100。

えらいフルカスタム。



やがて、お下品なサウンドとともに、朋友マルがやってくる。

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マルのGSX‐R1000<K6>、通称マルロク。



みんなで寒さに震えつつ、バカ話をして待ってると。

爆音とともに、つぎつぎと単車がやってきた。

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しんご&MVアグスタを先頭に、速そうな単車が続々と現れる。


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左:「ナリさんの弟分」=俺の兄貴筋に当たる、ジローさん&ZX10R。

右:Rの古い友人で俺と同い年の、ヒロシくん&ハヤブサ。


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左:高円寺でレザー&デニムショップを営む、ひらかわさん&ZX12R。

右:バカ峠(狭くて荒れた峠道)大好きじゅんと、悪魔的に軽量化されたブラックバード。

ひらかわさんの後ろにいるのがカミナリかな?



その他、まだまだ集まって、総勢14人の大所帯。

他の人についても、おいおい書いてゆく。



ぱっと見は、みなイカツイ感じで、ちょっと怖い(お互い様です)。

だが、話してみると当たりの柔らかな、優しいヒトばかりだった。

ひらかわさんなんて、「マーマレードスプーン読んでます」言ってくれて、俺はすっかり有頂天。



そして、しばらくみなと話した結果、今日の顛末(てんまつ)を、おおよそ理解するマイトガイ。

「要するにこの人たちは、Rにダマされて連れてこられたんだな」

相変わらず、Rは鬼だと確信したところで。



時間も押してるので、とりあえず赤城へ向かって走り出す、総勢14名。

青黄ロッシカラーのCBR1000に乗った、のぶくんが先に立ち、俺はその後に続いて走る。とは言え、降りる予定の赤城インターはすぐ近くだし、のぶくんがそれほどバカッ飛ばししなかったので、心配してた「出端からイキナリ精神と体力を削られる」ハメには、ならなかった。

かみさん、ホンキでほっとしたよ。



赤城を下りたら、マル先導で軽いワインディングを走り出す。

つーかクソマルのヤロウ、なにが汚ねぇって、こっそりとサーキットへ行って練習してやがったらしい。

タイアの色と削れっぷりがアレだから、おかしいなぁとは思ってたんだが。

「だってよー、半年ぶりじゃ、うまく乗れないじゃんよー」

まったく、実にヒキョーな男である。



とにかく、練習が利いたのか、はたまた気合が乗ってたのか。

マルがそれなりにいいペースを作る。消されるほどではないけど、積極的に開けてやらないとキビシイくれぇには速い。むう、マルのヤロウ乗れてんな……と思ってたら、短い直線でじゅんが行った。マルが引いて道を譲ったので、俺もそのまま抜き、じゅんの後を追っかけてすっ飛ばす。

これが実に楽しかった。



「ユリシーズは直線が遅せぇんだよ。開けられたらついてけねぇって」

出発前、俺がさんざっぱらブーたれてたので、じゅんは直線で三味線を弾いてくれる。

なので消されることもなく、久しぶりにあの上半身の起きた独特のライディングフォームを見ながら、右に左にひらひらと踊った。そんなペースだから、とにかくまるっきし怖くない。怖くないから突っ込んで、開けて、立ち上がって、いいリズムで走れる。

「なはは、なんだかんだ、やっぱ一緒に走るのは楽しいな」

すっかりゴキゲンのかみさん、今月末までは42歳。



望郷ラインを結構なペースですっ飛ばし、久しぶりにじゅんとの走りを楽しんでいると。

やがてT字路にぶちあたった。

じゅんとふたり単車を停め、しばらく後続を待つも、なかなかやってこない


「いくらなんでも、こんなに離れるわけねぇよな。道ぃ、間違えたかな?」

「曲がるのって、『二本松』って言ってましたよね? そんな交差点、ありませんでしたよね?

ああ、なかったな

「とりあえず、もどりますか」

「そだね」


仕方ないので、Uターンしてきた道をもどると、交差点にマルが待っていた。

書かれている交差点名は、もちろん『二本松』である。

本来なら、みんなを待たせて申し訳ない、恐縮すべき場面だ。だが、俺とじゅん、ふたりそろっての<周り見てないっぷり>と、見てないくせに「なかった」と言い切る、<根拠のない自信っぷり>に、思わず笑いが漏れてしまう。待っててくれたみんなに、片手で拝んで詫びながら抜いてゆく。

まあ俺はオッサンだし、じゅんもいい歳だし、こう言うのはもう直んねーだろうなぁ。



望郷ラインを抜けて、赤城山麓あたり。

じゅんが後ろへ下がり、俺も中盤まで下がり、マルが先導で走り出す。

と、Rが中盤で集団全体を俯瞰してる姿が目に入った。

ローペースってのはウソじゃなかった

疑ってゴメンね?



お久しぶりの赤城を、気持ちよく登ってゆくと。

追いつくそばから道を譲ってくれる。

いや、俺が速いとかじゃなくて、この時期の赤城山は、道の両側が落ち葉で30センチくらい使い物にならないから、無理して飛ばさないってコトなんだろう。路面も荒れてるし、伊豆や箱根を走ってるヒトにとっては、舗装林道みたいなもんだからね。

バカ峠を喜んですっ飛ばすなんて、基本、バカだけなのだよ。

俺だの、じゅんだの、マルだの、マルだの。



道を譲ってもらって前に出ると、先頭のマルとしんごに追いついた。

しんごの新しいマシンと走るのは初めてだったから、後ろについてしばらくランデブー。

すると、前をゆくマルとしんごの差が開き始める。納車したばかりのアグスタに慣れず、乗り方を模索してる最中なのだろう。今ひとつ乗り切れてないしんごは、マルを追うのをあきらめたようで、俺に道を譲ってくれる。しかし、マルはすでに直線のはるか向こうで、次のコーナーにアプローチしていた。

「にゃははは、マルちゃんノッてるなぁ」

楽しくてニヤニヤしながら、マルの後ろを追っかけ始める。



とは言え、直線の後先(あとさき)ほどついた差を挽回するのは、さすがに無理だ。

がんばってすっ飛ばすうちに、赤城の途中にある休憩所へ到着してしまった。

「んだよマル、やるじゃねぇか」

「赤城の登りだからな。さすがにここはよ」

なんつってると、続々とみながやってくる。

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ただでさえ寒いのに、山の中腹まで登ってきてるんだから、そら寒いに決まってる。

ぶるぶる震えながら、しかし、俺の顔は笑っていた。

タマが縮み上がるほどガリガリと攻めるんではなく。しかし、気持ちよく感じられる程度にはハイペース。狭い峠だからトップエンドも、出したって180スピード程度。走りの好きな連中とじゃれあいながら、身体にはキツいが空冷エンジンには優しい、冷えた空気の中を走ってゆく。

そら、楽しくないわけがないつ-話だ。



やがて最後尾のふたりがやってきて、全員、赤木の休憩所に集合。

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CBR1000に乗り換えたばかりの女の子、みかぁぴょんさんと、その彼氏で、普段はすっ飛ばすけど今日は彼女のエスコートに徹してる、R1000<K7>乗りのチャイくん。なんとインカムで話しながら、教習しつつ走ってるそうだ。俺にはゼッタイ真似できない類(たぐい)の優しさである。

ウチは常に、現地集合&現地解散(`・ω・´)



ここでしばらく、休憩がてらダベリング。

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俺はあちこちフラフラしながら、いろんな人に話しかけた。



みんな穏やかに笑ってくれて、寒いのに楽しくて仕方ない。

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じゅんのブラックバードと、俺のユリシーズ。

ブラバは軽量化を重ねて200キロ切ってる。えらい金かかってるのに、事故車かニコイチにしか見えない上、ウルトラフロントヘビー。ユリシーズは3万キロかけてトラブルをつぶしたものの、前足だけやたら短く前につんのめった、こっちもやっぱりフロントヘビーのドオーバーステア。

二台そろって、最強最悪のディメンション狂ってるコンビだ。

そして、どっちも乗り手が大満足してるってトコが、まったく手に負えない。



バカ話してると、下からパンダカーが登ってきた。

通り過ぎるかと思ったら、思いっきり休憩場所へ入ってくる。

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ま、ここにいる半分は、「おまわりさん、こっちです」な連中だから、気持ちはわからなくもない。

「あ、ナンバー下げとこ」

ほらね。



後編に続く


 
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by noreturnrydeen | 2012-11-11 16:31 | でっかいもん倶楽部 | Trackback

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