人気ブログランキング | 話題のタグを見る

野宿旅 in 房総半島 2/2

<前編はこちら>





国道を離れ、フラワーラインを走り出す。

しばらくフラワーラインを走っていると、なんかステキな光景が目に入った。期待できそうなワインディングなので、フラワーを外れて右折し、そっちへ足を伸ばす。 気まぐれ旅のいいところだ。

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21371442.jpg

この先、200Mくらいで行き止まりだった。

俺だけじゃなく道も気まぐれでやんの。

 

ガッカリスと戯れながら引き返し、フラワーへ戻る。海風が冷たいが、車も少ないし、気持ちのいい道路だ。攻める気マンマンだと、ちっと物足りないだろうが、片目でトコトコ走るには、ちょうどいい感じ。

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21373391.jpg

曇天なのが惜しまれる。

つーか、いたるところに植えてある南国チックな樹木が逆に寒い

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21375560.jpg

冬の海は、冷たくて寂しい。


野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21381434.jpg

走ってるうちに、だんだん自殺しそうな気分になるね。

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21383169.jpg




やがて房総半島の南端、白浜野島崎に着いた。
野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21385338.jpg

ここで地図を広げてみると。

この先の灯台が、日本最古の八灯台のヒトツだと書いてあった。

なので、それじゃあと行ってみることにする。 フラワーに戻るとすぐ、それが見えてきた。

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21393327.jpg

近くまで行ったら、思いのほか車が多かったのでやめた。

だいたい、八灯台の残りの七つも良く知らないしね。




10キロほど走ると、またも道の駅のカンバン。

普段ならこんなペースでは絶対、休憩入れないんだが、寒いのと、のんびりツーリングなのとで、ここにも寄ってみる。ぶっちゃけ、おしっこが近くなったんだよねー だからしかたないじゃん?

道の駅「ちくら・潮風王国」

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21402190.jpg

そりゃあ寒いはずだよ。潮風の王国だもん。

民主国家日本の領土内で、堂々と王制を敷いてる小国でトイレを借りると、革ジャンのジッパーを引き上げて、冷たい海風の中を、また走り出す。ジーンズのすそから、寒風が吹き込んでくる。そんな中、俺は猛烈に後悔し始めていた。

海のにおい、街のにおいの変わり目が嗅ぎたくて、半ヘルかぶってきたことを。

つーか、冬の房総なんてけっこう来たことあるのに、なんでこんなナメたカッコしてんだ俺。



途中から、房総黒潮ラインに乗り、さらに北上する。

海沿いの心地よい道路を、エンジン音を低く響かせながら、そして海風を心地よく肌で感じながらえぇいっ! 寒いつーんだ! もうこれ以上、潮風なんか吹かんでいいから。少しおとなしくしててくれよ、風。

なんか雲行きが怪しいなぁと心配しつつ、黒潮ラインを淡たんと走る。

どこかでドラッグストアか眼鏡屋を探し、コンタクトを買おう。

買ったら、もうひとつ考えてた方のルートに行こうか。

なーんて思ってたのだが。

 
野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_2143569.jpg


野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_2144335.jpg


野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21441256.jpg

見つけた店、全滅。

フツーの眼鏡屋が見つからない。しかたなく片目のまま鴨川、勝浦と抜けるうち、ビーチラインの手前に来てしまった。本当はこのまま九十九里を抜けて、銚子か鹿嶋から帰ろうと思っていたんだが、寒さと雲行きに心が折れる。片目だし。

折れたらあとは速攻だ。

九十九里ビーチラインには行かずに、そのまま128号を走る。

野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21444664.jpg

考えていたもうひとつのルートというのは。

佐倉にある、『国立歴史民族博物館』を見学するコースだった。いちど行ってみたくて仕方なかった場所である。 大きくて、見るところがたくさんあるので、二三時間じゃ回りきれないと聞いていたから、一日かけてゆっくり見てみたかったのだ。

ちょうどいいから、博物館へ行こうと決心し、進路を佐倉へとる。



と。


うそ? ウソだよね? ママ、ウソだって言ってよ!

このタイミングなんて、ジョークとしか思えないよ!

 
野宿旅 in 房総半島 2/2_e0086244_21454358.jpg

雨が降ってきやがった。

一宮のイレブンで休憩しつつ、上半身だけカッパを着ながら、なんで下半身持ってこなかったんだよーとわめいても、アフター・ザ・カーニバル。これで佐倉行きも中止だ。

覚悟を決めて、ざんざん降りの中を走り出す。

 
 

泣きながら茂原を抜け、県道13号(市原茂原線)から147号。

さらに県道14号(茂原街道)を北上し、ようやく国道16号に入るころには疲労が限界。

ま、片目ですり抜けとか、キチガイなことするからだけど。



しかし、あとは慣れた16号だ。

雨の中を必死の形相で、やっぱり片目ですり抜けつつ、木下街道入り口あたりだろうか。雨脚が弱まったなあと思ったら、あっという間に上がり、程なくしてあたりが明るくなってきた。陽光だ。ああ、なんて暖かく美しい光……顔、出すの遅すぎだ、バカ太陽

しかし今さら博物館に向かうのもダルいし、身体は雨で冷え切っている。

俺は大きくため息をつくと、家路を急いだ。

なんだかすっかり晴れちゃった国道を、こころもち、ヤケクソ気味に。

 

最後はちっと残念だったが、野宿と、酒と、気まぐれなソロツーリング。

なかなかステキな、自分への誕生プレゼントだったんじゃねーかな。

自分が、ものすごく野宿向きだってこともわかったし。

 

また、野宿しようっと。


 
by noreturnrydeen | 2006-11-30 21:36 | ソロツーリング

アーカイブ


by かみ